男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【な】

ナッシュビル

★★★★ 1977年9月11日(日) SABホール カメオ実名人を虚構に混在させたノンフィクションもどきのフィクションは50人以上の主要人物群の悲喜交々な寸景を一所にぶち込み掻き混ぜ泡立てる。包括的にカオスを狙った編集が成功し祝祭と音楽が形成するグルーヴ…

No.10

★★★ 2024年4月15日(月) シネリーブル梅田4 何かを伝えるための奇想と、奇想のための奇想では根本的に違って、そのメッセージを読み取れるかどうかはともかく、何かを描きたい伝えたいとの思いが奇想という仮構に重みを与える。一方で奇想のための奇想は受…

ナイスガイズ!

★★★★ 2017年2月21日(火) 梅田ブルク7シアター5 70年代をモチーフにしたハードボイルドってのが、もしかしたら流行? なんて思っちまうくらい全てが様になってる。 SEX&ドラッグと生活の垣根が低いんですなあ…この時代は。 そりゃあ、なんでも規制…

長屋紳士録

★★★★★ 2024年3月3日(日) シネヌーヴォ 「晩春」以降の小津作品は大方見ていると思うのだが、戦前・戦中・戦後すぐあたりのはそんなに見ていない。これは、大戦から復員した小津の復帰作だそう。どうかと思ったが紛れもない傑作だった。 後期の作品は娘の縁…

永い言い訳

★★★★★ 2016年11月5日(土) TOHOシネマズ梅田8 売れっ子作家が妻の死によって自分の人生が実はカラッポだったことに気づかされる話…では終わらない。 妻への愛情はもうとっくに無いと高を括っていたが、その瞬間から愛人は去り著作のアイデアも枯渇する…

ナインスゲート

★★★ 2000年6月22日(木) ユナイテッドシナマ岸和田6 エマニュエル・セイヤーが香港映画ももうちっと巧かろうというワイヤーで飛んで来た瞬間から見終わるまで自問自答を繰り返した。本気かシャレか…結論は途中でやる気なくなったんだろうということで納得す…

長崎ぶらぶら節

★★ 2000年9月22日(金) ユナイテッドシネマ岸和田1 愛八の生き様から何を抽出したかったのだろうか不明。表層的な小百合と渡の繰り広げる微妙な関係はおママ事にしか見えない。セックスレスな男と女の本当の真意を綺麗事で済ませるなら、それなりの敬意が欲…

流れる

★★★★★ 1995年5月21日(日) ACTシネマテーク 豊穣な時代のあとの斜陽の鈍色の残光。山田・栗島の放つ黴た残り香と新たな世代岡田・高峰の香しき風。その絶妙なアンサンブル。廃れてゆくことへの諦念は美しきかな。そして、微かにせよ息づく新たな時代への希…

夏の庭 The Friends

★★★ 1994年3月12日(土) 三越劇場 同じ小6の子供でも半分大人の女の子なら何かを描きようがあっても、純正ガキの男の子3人組では相米も手のつけようがなかったのかと思わせる。いたって平凡な児童映画の趣き。三國も当たり前すぎで面白くも何ともない。化学…

★★★★ 2002年3月2 日(土) テアトル梅田2 「結婚」とか「夫婦」といった題名の方が相応しいメロドラマ。主人公とその彼氏のイジイジとした煮え切らない物語に欲求不満になったとしても終盤10分の複層構造でたたみかける作劇で一気に解消されるだろう。進行…

眺めのいい部屋

★★★★★ 2001年11月26日(月) 梅田ガーデンシネマ2 歴史の深度のあるフィレンツェも緑萌えるイギリスの片田舎も完璧に美しい。努力すれども持たざる者は天性に持つ者を階級を盾に揶揄するしかないが、真の自由主義の目覚めは黴びた価値観を放逐するだろう。木…

嘆きのテレーズ

★★★ 2002年4月15日(月) シネリーブル梅田2 堕ちて行く女と男の物語としては余りに淡白であり、一方で悪女と言うには成り行きに流され過ぎのテレーズがどうにも煮え切らなくシニョレがその割にヘタに意志強固な演技をしてチグハグ。それでも中盤の早朝の死体…

ナイト・アンド・ザ・シティ

★★★ 1993年3月14日(日) ホクテンザ1 のっぴきならない窮地に追い込まれていくにしては甘い設定で、オリジナルは知らんがもう少しアレンジの仕様があったのではないだろうか。怖さや胡散臭さや小汚さなどエキス不足。主役2人の魅力的配役センスだけが興行師…

ナイトメア・アリー

★★★★ 2022年4月13日(水) 梅田ブルク7シアター6 1947年「悪魔の往く町」なる映画のリメイクだそうだが未公開作品だし当然見てもおりません。だが、原作が持っているんだろう堅牢なストーリーテリングの果てに結末できれいに落ちるところに落とされる…

ナイト・オン・ザ・プラネット

★★★ 1993年11月14日(日) ACTシネマテーク ダラダラとピリッとしないのが身上のジャームッシュが小粋な話を狙ったものの、結局どの挿話も案の定に締まらない。乗れない者にはとことん乗れない。キャスティングのみが彼我のリスペクトを拮抗させ小粋だ。「…

ナショナル・セキュリティ

★★★ 2003年9月26日(金) トビタシネマ 人種問題に言及するのに及び腰でないのがいい。とことんやりあわないと真の相互理解は得られないということだろう。正直アクションも笑いも緩いがバディものの設定上のボケとツッコミを明快に振り分けボケスティーヴ・ザ…

夏物語

★★★★★ 2003年10月20日(月) OS劇場CAP 夏の海辺は男も女も開放的にさせるという切ないまでの華やぎムードの充満。自称アーティスト男も人生の年輪を重ねた男たちから持ち上げられ、才能があるかどうかなんて知ったこっちゃないが希望を持って旅立つのだ…

ナック

★★★★ 1992年6月20日(土) 大毎地下劇場 無内容であることに拘泥さえしない常識破りであったのだろう。その新奇と珍奇は鼻持ちならないが、見たことない領域に達し、これみよがしなセンスとファッションで彩られるが、唐変木と醜女の愛を肯定して世間と折り合…

ナイトメア・ビフォア・クリスマス

★★★★★ 2021年12月15日(水) 大阪ステーションシティシネマ11 ハロウィンお化けの主人公がクリスマスっつうもんがあること知ってそりゃ素ん晴らしいと自分がサンタになって街に…ってーと、何だか善意に目覚めた悪みたいな胡散臭い物語かと思ったら違ってま…

夏の遊び

★★ 1992年12月19日(土) ホクテンザ1 ひと夏の思い出と言うには鬱屈を内包したものであり、そういうものを如何様に描くかの作者のスタンスへの戸惑いが拭えなかった。露悪的であることと、それを研ぎ澄まされた鋭利さで断罪する後のベルイマンと比較すると如…

なまいきシャルロット

★★★ 1991年8月3日(土) アクア文化ホール 思春期の女の子の等身大の日常の憧れや反抗や反発や発見をサラリと描く。しかし、サラリとしすぎて余り心に響かない。シャルロットに感情移入する術を持たざる者には、どうということのない映画にしかならない。(cine…

何がなんでも首ったけ

★★★ 1991年10月12日(土) キリンプラザ大阪 素材として甘んじる時代の終焉は皮肉にも銀幕上の彼女の魅力を減失させる。他愛ないことこその映画に何かを付与しようと足掻き混迷に陥った凡作。演技派に転向しようかという過渡期に自らのプロデュースで我が儘放…

浪華悲歌

★★ 1991年11月9日(土) 高槻セントラル 確かに先駆的だったのであろうが、教科書的知識で判断したくはない。ルーティーンそのものの物語に於いても何かしらの凌駕し難い煌めきを保持するのがマスターピースの条件だとするなら、ほとんど無いと言うしかない。(…

夏時間

★★★★★ 2021年5月6日(木) シネヌーヴォX おじいちゃんの実家に帰っての少女の夏休み。 的な遣り尽くされた感のある少女視線の物語とはかなり違っていて、父親とその妹とおじいちゃんという大人の世界も同等に描かれて、世知辛く生々しいのが骨太。 女房に逃…

NINE ナイン

★★★ 2010年3月26日(土) 梅田ブルク7シアター6 微妙な違和感が拭いがたい。デイ=ルイスはフェリーニではなくゴダールな感じだし、ローレンではなくカルディナーレだろうとも思う。別物ならば徹底的にと思うのだ。唯一それが炸裂するハドソンのナンバーは…

長い灰色の線

★★★ 1983年3月1日(火) 伊丹ローズ劇場 フォードの懐旧的情緒は敬愛するに足るし、外様パワーを囲む一家の醸すアンサンブルの良さは否定したくもないが、題材が題材。第2次大戦に対する愛国主義的盲信ぶりには、どうしたって退いた姿勢でしか見ることはでき…

ナチ卍第三帝国 残酷女収容所

★★ 1983年3月12日(土) シネマ温劇 残酷な人体実験が身体的トラウマに起因するという解りやす過ぎる展開が興を削ぐ。もっと訳の解らない人間本来の残虐嗜好を表出させるべきであろう。おそらく『愛の嵐』がもたらしたのであろうC級派生商品の1本だが被嗜虐…

楢山節考

★★ 1983年6月1日(水) トーエイ伊丹 従来の今村的人物群像の希釈版羅列に新味が無い。人と動物の性の営みがコミューンで等位に並存するその俯瞰的視座に大して感慨も覚えぬが、それが又TV的平板な自然描写内で尚更茶番化する。『復讐』以前の緒形ならと思わ…

泣く子はいねぇが

★★★★★ 2020年12月18日(金) 大阪ステーションシティシネマ7 ダメ人間かダメなままで終わることをモラトリアムな遣る瀬なさに包んで提示した点で高純度な達成であり、ジャームッシュや山下敦弘の系譜に連なる新たな才能だと思う。 佐藤快磨。覚えておこうと…

夏の嵐

★★★★ 1983年12月22日(木) 伊丹グリーン劇場 ヴィスコンティのマゾヒスティック志向がリアリズムからバロックへの手法の変遷と同期し一大転換点となった。冒頭に持ってきたオペラ観劇シーンが基調を確定し中身に欠ける泥沼の愛憎劇を崇高なまでに高めている。…