男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【と】

喜劇 とんかつ一代

★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ 有機結合しないグダグダのエピソードの連鎖が大して面白くもない東宝の弛緩コメディアンによって綴られる。語るに目一杯で川島的ニヒリズムは埋没し馴れ合いの腐敗感さえ漂う。唯一は団令子。その色気だけはただ者じゃない…

東京フィスト

★★★ 2002年11月12日(火) 扇町ミュージアムスクエア 塚本映画数あれど正に『鉄男』の直系正統嫡子と呼べるのはこれだけだろう。そういう意味では最高作であると同時に限界も露呈している。3者3様のキャラはどれも振幅激しすぎで、人間なんてそんなもんさと…

金融破滅ニッポン 桃源郷の人々

★★★★ 2002年11月5日(火)~6日(水) ホクテンザ2 どんなコンゲームを見せてくれるのかと思えば単なる株価操作で利幅も2000万とは何とも庶民的。まあそれも原作ありきと思えば納得するしかない。正直物足りないが、三池・相川コラボの逸脱作として乃至は室…

ドラキュラ

★★★★ 1993年5月5日(水) 新世界国際劇場 古典としての風格も無く尖った前衛があるわけでもない。全てに於いてそこそこなのだが、ふっきれてしまったかのような、お手軽な贅を尽くした虚仮威しとハッタリの釣瓶打ち。作家のそういう枯れ方は好ましい。(cinemas…

トリコロール 白の愛

★★★★ 2003年4月28日(月) シネリーブル梅田1 寓話だとしても調子良すぎてシラけるが、男が異郷でしたのであろう辛苦と望郷の思いはマジ泣ける。そっぽ向かれれば尚愛おしい男の愛憎入り混じる思いも納得性がある。脇の賭博師が単調な物語に好アクセントを付…

トリコロール 赤の愛

★★★ 2003年4月30日(水) シネリーブル梅田1 イレーネがどうにもモデルに見えず設定に疑問を持つ一方でトランティニャンの出歯亀爺いをヤケにもったいぶって見せるがさしたる内実を欠いている。単一テーマで強度を得た前2作に比し総括的な何かを模索した形跡…

友よ、静かに瞑れ

★★★★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 日本映画には珍しい本物のハードボイルドの臭い。原作通りの北日本では多分キザが表に立ちすぎてしんどかったろうが、緩い沖縄のムードが中和剤となり又そこはかな神話味も付与。出色な出来。脇に回ると最強な原田・倍…

トエンティマン・ブラザーズ

★★★ 2003年7月19日(木) 天六ユウラク座 弛緩した映画だとは思うが、その弛緩ぶりが好ましく思えるのは、3兄弟が切れそうで切れない「ええ奴」だからだろう。なのにガイ・ピアースの女房だけは余りに「どうもな女」であかんと思う。(cinemascape)

トーク・トゥ・ハー

★★★ 2003年8月5日(火) テアトル梅田2 同病相憐れむ男達の被虐の友情が帰結であったのなら、女闘牛士等という奇矯な設定が必要だったのかと思う。何より、こうも変態的且つ一方的な愛が正当化されるべくも無く、アルモドバルのどっちつかずのスタンスが映画…

閉ざされた森

★★★ 2003年9月16日(火) 梅田ブルク7シアター5 2転3転する展開だが顕わになる真相に余り意外性がないのが痛く、そこは演出力でカバーと行きたいが、大向こうを唸らせるハッタリズムに欠け、エッジの効いた楷書体の魅力に乏しい。トラボルタは久々に体を絞…

都会のアリス

★★★★ 1993年12月19日(日) ACTシネマテーク 物語に依存しない純粋映画と言いたいが、イエラ=アリスに依存してることからは逃れられない。青臭いフォルムへの傾斜は贖罪されたかに見えてもヴェンダースが其処から真に解放されたいわけでもなさそう。その迷…

東京ゴッドファーザーズ

★★★★ 2003年11月27日(火) テアトル梅田2 どうもアニメである必然を感じない飛躍のない物語なのだが、声優(特に江守と梅垣)の安定感と、そこまで取って置きましたとばかりのクライマックスにやられた。平素な日常にも良いことすれば福来るという真クリスマ…

どぶ鼠作戦

★★★ 1992年3月22日(日) 日劇シネマ 背景設定には『独立愚連隊』を引きずりつつ『戦国野郎』的豊穣なエピソードのアラベスクを志向する完全なる過渡的作品。未だワンパターンな演出であるし見せ場らしい見せ場にも乏しく盛り上がりに欠けること甚だしい。(cin…

ドッペルゲンガー

★★★★ 2004年3月11日(木) リサイタルホール ダークサイドの二重身と言うより抑圧から解放された者こそが生き延びると言うならばテーマとしては安直で、『回路』と同様に稚拙さを感じる。が、油断のならない男達が醸す緊張感にコメディエッセンスが絶妙に調和…

永遠の語らい

★★★★★ 2004年9月9日(木) OS劇場CAP モノトーンな母娘の地中海クルーズ遺跡巡りの合間に順次登場する欧州3大年増が、いきなり主旋律に転換する作劇に面食らうも、その圧倒的迫力とマルコヴィッチの腹芸に参る。しかも、急転直下な終盤のいい加減さに確…

どぶろくの辰

★★ 1992年6月28日(日) 日劇シネマ 現場のリアリティ無きセット然とした箱庭的世界であっても三船が豪放磊落な主人公を演じればそれなりの興収を得られた時代の促成栽培作。稲垣演出は驚くほど見るべきを持たず徹頭徹尾に予定調和的な東宝プログラムピクチャ…

奴隷契約書

★★★★ 1982年1月24日(日) ダイニチ伊丹 調教するとかされるとかの通常この種の映画で重視される自意識の変容過程は完全排除され端から「奴隷」なる1個の物体として呈示される徹底ぶりは社会的モラリズムをぶっ飛ばす一種の爽快感さえある。小沼と組んだ前田…

ドント・ルック・アップ

★★★★★ 2021年12月15日(水) シネリーブル梅田2 地球の終末をブラックな笑いで縁取り描いた点で「博士の異常な愛情」と通じるものがあるんだが、あれが、登場人物を政府高官や軍部に限定したポリティカルな作劇だったのに対して本作の目線は庶民にある。 【…

トパーズ

★★★★★ 1992年8月30日(日) ホクテンザ2 スノビズムの権化のようだった村上龍の脳内最奥部に潜む持たざる女子へのシンパシー。それが真摯で直截な孤独表現を纏い出てきたのが全く予想外だ。醒めたバイオレンスとハードなSM描写も媚びていないが、二階堂ミホ…

ドアーズ

★★★★ 1992年9月19日(土) 毎日文化ホール ドアーズのことはよく知らんが、夭逝した天才を描くに臆面もなく何はともあれトラウマを持ち出して自己流解釈を加えようとする絶頂期のストーンの傲慢とも言える勢い。それが、映画をコラージュする変幻自在さに幻惑…

ドア・イン・ザ・フロア

★★★ 2005年11月26日(土) 梅田ガーデンシネマ2 本道に沿った搦め手が欲しかったのに本道が分散して脇の余裕が無い。搦め手とは演出者の領域でありブリッジスもベイシンガーも本道を全うしている。こいつがアーヴィングの全幅の信頼を寄せられたと言うなら歯…

ドッグヴィル

★★★★★ 2006年3月24日(金) 新世界国際劇場 手法に対する疑念は終盤を見るに及んで氷解した。ラストから逆算構築された物語は寓意の鎧を纏わねば相当にいかがわしい。価値観の錯綜する現代に敢えて「断罪」を提示したトリアーを多少の躊躇を持ちつつも支持。…

ドラゴン・プロジェクト

★★★ 2006年8月12日(土) 新世界国際劇場 まあ何一つ目新しいことも無いのだが、スティーヴン・ファンはジャッキーの隠し子に違いない…とそんなことばっかり思いながら見ていたので話なんかどうでも良かったとも言える。しかし、体技はジリアンちゃんにも負…

遠い雷鳴

★★★ 1992年11月14日(土) キリンプラザ大阪 牧歌的光景の中で貧窮に陥っていく人々を淡々と描くことで完結しているので『遠い雷鳴』というタイトルから想起される史観で紐解く反戦メッセージが伝わって来ない。過酷な現実の中に一抹の希望を見出すより怒りこ…

逃亡者

★★★ 2021年11月14日(日) プラネットプラスワン ジョン・フォードの映画見に来たんだよなと戸惑うくらいにカフカ的な不条理展開が繰り広げられる。まあ、不条理というより単に説明不足なのかもしれません。 カトリック信仰と酒が禁じられた中米の架空の国で…

東京ギャング対香港ギャング

★★★ 2006年10月28日(土) 日劇会館 何故か仲良く香港観光を繰り広げる健さん&良平の前半が構成上歪なのも、ヤク中禁断症状が裸体ダンサーのアクロバットダンスとカットバックされる理不尽さも、強引に収束させてしまう男丹波の力量。笑ってしまうが心底か…

永遠に美しく…

★★★★ 1992年12月20日(日) 梅田スカラ座 途中からどこまでやるのかという底の知れなさも漂いだす腐臭混じりの凄惨の徹底が際立つ怪作。『BTF2』で片鱗を見せたゼメキスのダークサイドがより先鋭化され凝結した。主役3人皆良いが隠し玉イザベラ・ロッセリ…

トゥモロー・ワールド

★★★★★ 2006年11月18日(土) ナビオTOHOプレックス8 多くの長回しが何かを見せんが為に周到に構築されている点にまず唸ったが、そんなことをもブッ飛ばす後半の怒濤の展開。キュアロンはSFという衣を脱ぎ捨て現在世界の混沌と対峙する。そして、訪れ…

トータル・リコール

★★★ 1991年2月6日(水) 梅田スカラ座 仮想と現実の相互侵蝕など面倒とばかりに目ん玉ビヨーンやおっぱいビローンとかの方へと向かうバーホーベンの関心ベクトル。だが一方でその生来の胡散臭さが随所でモノマニアックに表出するのがキッチュだ。額の汗や自壊…

どろろ

★★★ 2007年1月27日(土) ナビオTOHOプレックス6 48ヶ所のパーツを失った子供が何とか成人したにしては怨念も虚無も孤独感も不足で妻夫木は快演してるが物足りない。それを突き詰める想像力が製作者に不足しており素晴らしい終盤が勿体ない。殺陣も今…