男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【と】

トラフィック

★★★★ 2001年5月1日(火) 梅田ピカデリー1 やってそうな連中を集めてのドラッグ・コネクションの川上から川下への3題噺だが、臨界線上でモラリティを堅持し、3原色フィルタ-且つドグマ由来のカメラ使いも嫌らしいまでに闊達。だが、メキシコパートの他の2…

東京裁判

★★ 1995年8月15日(火) 天六ユウラク座 裁判映像だけで十二分に歴史的価値があるだろうに何でもかんでも付け加え過ぎて散漫。アウシュビッツなぞの映像を筆頭に法廷以外のフィルムはどこかで見たようなのばっかり。記録映像に作家性をヘタに注入しようとした…

逃走迷路

★★★ 2022年9月11日(日) プラネットプラスワン 「北北西に進路を取れ」の原型との話を何かで読んだような記憶がある。身に覚えのないことで追われるハメになる男の話であり、クライマックスの舞台にアメリカの有名景勝地を持ってきている点などモチーフと構…

ドライビング Miss デイジー

★★★★★ 2022年9月8日(木) 大阪ステーションシティシネマ6 1980年代くらいからアカデミーの作品賞というのにあまり関心がなくなって、公開時にスルーした作品が少なくない。「午前10時の映画祭」という企画でそういう作品をやっていると、やっぱ見と…

トゥルー・クライム

★★★★★ 2001年5月31日(木) トビタシネマ ウッズとの掛け合いのグルーヴの役者同士たる幸せに感化され分泌&放出されたアドレナリンはワシントンとの対面シーンでの馴染みの噛み殺す滾る怒りに再分泌される。女癖も余裕でかましハリウッドベーシックなラストは…

東京マリーゴールド

★★★★ 2001年6月15日(金) シネヌーヴォ 市川準の東京3部作の中では一番好み。終盤のどんでん返しは全く予想外で、それだけにあの男泣きは沁みた。刹那な恋愛ゲームと了解している男と女の甘え合いと見えたその心根の最奥にあるそれぞれの矜持が垣間見えたか…

東京の宿

★★★★ 1994年2月26日(土) ACTシネマテーク 岡田嘉子という衝撃爆弾が仕掛けられた短調小津映画。坂本と突貫小僧の繰り広げる貧窮ストーリーは、それはそれで充足しているが、登場して一瞬で映画の価値観を転倒させるミューズはそうは見たこと無い。(cinema…

逃亡者

★★★★ 1994年1月3日(月) ホクテンザ2 何か新味を加えようとか奇手を用いてハッタリをかまそうとかの作家的自己主張が全くない。しかし、真面目に真摯に取り組まれたものは見ていて気持ちいい。その正義が信じられた時代の往年の正統アメリカ娯楽映画的風味に…

ドリヴン

★★★★ 2001年9月7日(金) 動物園前シネフェスタ1 何の迷いもないバカが揃っての男祭りは幸福な結合を果たして純粋映画の域に達する。ハーリン演出のケレンも行き過ぎてダレる手前で危うく抑制され頃合い。スタローンもいい身の置き所だ。どっかの映画じゃない…

東京暮色

★★★★ 1994年3月5日(土) ACTシネマテーク 小津後期の予定調和の世界から逸脱した感情の発露。諦念と悔恨と嗜虐の快楽。有馬稲子のキャラは虚無の深淵に片足を掛け成瀬的ヒロインをも凌駕する。彼女の周辺の若者像もアプレ感を横溢させ老人的親和な違和感が…

トレーニング デイ

★★★★ 2001年11月24日(土) ホクテンザ2 演出の力量には心底感服した。アクションより心理描写に卓抜な冴えがある。しかし、ピカレスクな主人公の「羊と狼の論理」には目新しさが無く、演じるワシントンも計算に裏打ちされた演技以上のものではない。埒外から…

トゥルー・ロマンス

★★★ 1994年4月3日(日) 新世界国際劇場 男版ハーレクインに逆説的に「真実の」ロマンスと銘打つからには自覚もあったろうに若気の至りとも言うべきナマな夢物語には矢張り退く。これだけの脇キャストを揃えながらスコットの無臭演出が妙に素直というアンビバ…

トカレフ

★★★★ 1994年5月3日(火) テアトル梅田2 通常の善悪の2項対立ではなくスパイラルに絡み合いながら沈潜してゆく怒りと憎しみ。隔絶された世界での2人の男の対決。切り取られたショットの全てが夢幻の世界の出来事めいている。この物語はこういう風にしか語ら…

独立愚連隊西へ

★★★ 2002年2月2日(土) 動物園前シネフェスタ4 ショットの冴えは随所にありノッてる感はある。どこという欠点も無いが佐藤允はワン・オブ・ゼムになり群像劇はダラダラしていて焦点が絞り切れてない。どうでもいいような軍旗奪還を骨子に置いたせいでゲーム…

Dr.Tと女たち

★★★★★ 2002年3月6日(水) ナビオシネ5 伝統的スクリューボールを基底とした女だらけで化粧の匂いが充満するかのような濃厚な前半も、フェリーニが匂う終盤を経ての達観したかの如きラストも良いが、仕事も家庭もどうでもいいぜ、悩みなんかぶっ飛ばせとばか…

トゥームレイダー

★★★ 2002年3月28日(木) 天六ユウラク座 このアクションは安全地帯に居て決めポーズだけ悦に入ってやってる感じが拭えない。もっと泥にまみれて地を這って欲しい。又、男勝りにクールで強いくせに乙女チックに親爺の命日に浸ったりするのがプロトタイプ過ぎ。…

トータル・バラライカ・ショー

★★★ 1994年8月13日(土) テアトル梅田2 抑圧が産んだ統制の美しさを前に無秩序な精神は自由の素晴らしさを提示できていない。カウリスマキはイベントに乗っかてるだけ。LCの連中のおふざけが段々鼻について来るくらいのRA楽団の人たちの一生懸命さは感動…

友へ チング

★★★ 2002年4月13日(土) OS劇場 どっかで見た印象の話は諦めても、ヤクザの息子を中心に対立軸が優等生とグレていく奴の2つあるのが欲張りで結果どっちとも浅い。撮影面での銀残しやライティングやフィルターワーク、70年代を表現する数々の小道具等は素…

友だちのうちはどこ?

★★★ 1994年8月3日(水) ゆやホール この少年の1日の顛末のささやかなサスペンスにエールと共感と微笑みをもって対するに些かも吝かではないが、ミクロな視点が何時しかマクロな世界観に何処かで連携していく気配も無い。その程度の児童映画なら山ほどある。(…

トゥームストーン

★★ 1994年8月14日(日) 新世界国際劇場 史実を冗長に擬えただけのウエスタンごっこの小手先紙芝居。講談と割り切ってみせるプロ根性も新解釈でもとの気概も無くて大見得張ってみせてもどっチラケである。都会チックなキルマーもビーンも役者としては好きだが…

突入せよ! 「あさま山荘」事件

★★★★ 2001年5月14 日(火)~15日(水) ホクテンザ1 まだまだ反体制を自称する輩が跋扈するこの業界で体制側(警察)から事件を描いた映画を撮るのは勇気が要ったと思うが何も考えてなかっただけかもしれない。絶頂期の市川崑や最近の森田みたくあざとさを感じ…

トゥルーライズ

★★★ 1994年9月17日(土) 北野劇場 作品が持って産まれた本来の間尺に凄まじい贅肉を付与し屋上屋を架し何時しかそれも又ひとつの味わいかと思うわけもないのだが、シュワとカーティスのカップルの憎みきれない田舎臭さが好ましくもある。でも、やっぱくだらん…

トリコロール 青の愛

★★★★★ 1994年10月3日(月) パラダイスシネマ 閉塞された心の解放までの短調な物語を、『ベロニカ』の長焦点レンズ使いを更に先鋭化させたイジャク撮影が青の色使いも鋭角的に高濃度に凝縮させていく。ショットショットが奏でる訴求力は瞬時の弛緩も無い。キェ…

とらばいゆ

★★★★ 2002年6月18日(火) テアトル梅田2 女房がわがまま言って怒る、泣く…そして喜ぶ。女流棋士という特異な設定だが極めて現代的で普遍的な身にチクチク沁みる夫婦像。あざとさを感じないという意味では最近稀にみる脚本と演出だった。しかし、何故塚本亭主…

動脈列島

★★★ 2002年7月8日(月) トビタ東映 何事もド真ん前からしか描けない増村にはハッタリやケレンを要するこの手の題材は向いてなかった。特に凝ってるとも思えぬ攻防戦がひたすら淡々と進み淡々と終わってしまう。田宮VS近藤よりも山村VS近藤に魅力があるの…

トップガン マーヴェリック

★★★ 2022年6月1日(水) 梅田ブルク7シアター2 えらい評判良くて、「シン・ウルトラマン」に★5をつけて孤独感に苛まれた俺は、これを★3としか思えなかったことで更に世界から弾き出されような気分になるのであった。 大体からして前作の「トップガン」見…

最後のブルース・リー ドラゴンへの道

★★★ 2002年8月15日(木) トビタシネマ 蹴り上げた足先で瞬時にこなす2つの動作に目を疑い、殴り蹴る際の烈迫の気合は「闘う」ことの初源的な意味を思い知らせる。バレエの如き振付けクンフー映画では味わえない本物の興奮。敵役ノリスの扱い良く、リーの三文…

トータル・フィアーズ

★★★ 2002年8月19日(月) 梅田スカラ座 現実はそんなものだとしても、世界の終末の到来を余りお手軽には描いて欲しくない。米も露も簡単にゴーサイン出しすぎ。それがジャック・ライアンの色恋に割かれた為ならバランス感覚の欠如と思う。その瞬間を爆風のみで…

喜劇 とんかつ一代

★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ 有機結合しないグダグダのエピソードの連鎖が大して面白くもない東宝の弛緩コメディアンによって綴られる。語るに目一杯で川島的ニヒリズムは埋没し馴れ合いの腐敗感さえ漂う。唯一は団令子。その色気だけはただ者じゃない…

東京フィスト

★★★ 2002年11月12日(火) 扇町ミュージアムスクエア 塚本映画数あれど正に『鉄男』の直系正統嫡子と呼べるのはこれだけだろう。そういう意味では最高作であると同時に限界も露呈している。3者3様のキャラはどれも振幅激しすぎで、人間なんてそんなもんさと…