男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【と】

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1

★★★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ1 全体の半分をひたすら男と女が乳繰り合うだけに費やすという豪奢な作りに、古来より映画が委ねられた本来の時間律を想う。そして、半ばよりの怒涛のような釣瓶打ち展開のダイナミズムと最高潮での…

どですかでん

★★★★ 1982年7月14日(水) 新世界東宝敷島 黒澤描く夢は陳腐で幼児的なので本作の例えば浮浪者のイメージ等は見ていて恥ずかしいが、圧倒的な巨大映画の構想に挫折した後、反動で自分の色に染まらない役者を動員した枯れ具合と地面にまで色を塗った色彩美術へ…

トロール・ハンター

★★★ 2012年12月11日(火) 新世界国際劇場 最早、食傷気味なフェイク・ドキュではあるが、北欧の底冷えするかの如き山間部の景観のリアリズムが皮膚感覚的に秀逸。トロールは初出の末路こそ新味であったが、慣れると伝承と新解釈の間の針の置き方が半端だ。…

東京家族

★★★★★ 2013年1月20日(日) MOVIXあまがさき6 オリジナルをなぞる冒頭5分の柄じゃないいかがわしさに或る種の覚悟を感じた。半端な3・11への言及や主役の交代をカバーし得る最高ランクの演技のコラボが醸し出す高度な擬似リアリズム。山田以外には…

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

★★★ 2020年1月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 実現しなかった幻の企画ってのは得てして実現しなくって良かったってのが相場であって、しかも30年の時を経て、作り手がヨイヨイになって実現しました…なーんて愈々怪しいのであります。 「ロスト…

トータル・リコール

★★★ 2013年5月13日(月) 新世界国際劇場 取り憑かれたように画面内に情報を氾濫させ、緩みを恐れ性急な展開に汲汲とし余裕も無い。マーケット論理の奴隷と堕したとまでは言わぬとも御苦労さんなこったと思う。民衆不在のレジスタンス映画ってのも精神を見誤…

ドラゴン・タトゥーの女

★★★ 2013年6月8日(土) トビタシネマ 請負仕事を無難にこなしているが、抽斗の範囲に留まり新たな何かを模索した形跡は感じない。事件を追う主人公と無関係なリスベットの描写が並立する前半に穴があるのだから、どうせなら、もっと解体再構築するべき。彼…

泥の河

★★★★★ 1981年6月17日(水) 梅田東映ホール 高度成長期の端緒は人々が未だ哀しみを噛み殺していた時代でもあったという述懐で、少年は幾度もの喪失を乗り越えやがてモーレツ時代の洗礼を受ける。出会いに始まり別れで終わる泥河べりの物語は慈しみに充ちた作り…

虎の尾を踏む男達

★★ 1981年7月23日(木) 新世界東宝敷島 勧進帳も馴染みがないのだが、にしても付加された強力エノケンも半端で伝次郎・藤田の立ち芝居を反転・撹乱するほどの役回りでもない。道化に対する黒澤の形骸的な理解は後の『乱』で露呈される。技巧の絢爛を差し込む…

都会の叫び

★★★★ 2019年10月20日(日) プラネットスタジオプラス1 警官殺しで自分も重傷を負ったリチャード・コンテを病院にヴィクター・マチュアの警官が訪れるシーンから始まるのだが、もうひとつの老婆強盗殺人事件の嫌疑を彼にかけていて、というけっこう複雑なプ…

ドッグマン

★★★ 2019年9月18日(水) テアトル梅田2 曇天と泥濘の暗鬱な風景と陰惨な物語。 ってのは大好きなんですが、これは余りに単線構造すぎて激しく物足りなかった。 言わば、窮鼠猫を咬むの物語で、それ以上でも以下でもない。 冒頭、獰猛な大型犬の体を洗って…

2ガンズ

★★★ 2013年11月7日(木) 大阪ステーションシティシネマ2 デンゼル&マークの掛け合いは、その芸暦が醸す余裕と予断を許さぬ剣呑さにおいて当代最高ランクのバディムービーの予兆を孕むが、展開がどうにもあかん。所詮内輪もめやんか的閉じたしみったれ顛末…

ドラッグ・ウォー 毒戦

★★★ 2014年1月25日(土) シネマート心斎橋1 おセンチを脱ぎ捨てたジョニー・トーが大きく舵を切ったことに異論は無いし、膨大な背景を窺わせつつ容赦なく裁断することで深まる世界の奥行きにも少し痺れた。だが、銃撃戦の人物配置が脳内想定内で固定化する…

泥棒成金

★★★★ 2014年1月26日(日) MOVIXあまがさき9 タカビーに見えても何かと託けて寄って来るグレースが男の自惚れ鏡を顕現させ全篇仄甘い。カーチェイスにせよ舞踏会にせよダレ臨界の尺の微妙さだが、それも又弛緩した甘酸っぱさをもたらす。エッジの効い…

突然、嵐のように

★★★★ 1977年5月1日(日) ダイニチ伊丹 郷は一貫してまんまアホで無軌道な若者であり、秋吉も健気で真面目だが堕ちてしまう女そのもの、そういう直線的なキャラを弾ける乗りで一気に見せ切る勢い。しかも急転直下のラストの再反転が衝撃的。それが『祭りの準備…

ドクトル・ジバゴ

★★★ 1981年10月3日(土) OS劇場 所詮はリーンが肩入れもできぬ背景としてのロシア革命だし、不倫愛の背徳性も直視せぬので、両者が乖離し強度が無い。個々のシークェンスの厚みは大層なものだが、スペクタキュラーな要素があらずもがなに思える。それでも終…

ドン・ジョン

★★★ 2014年3月15日(土) テアトル梅田2 イケイケのしんどい女よりくたびれかけてても気のおけない女というコンセプトはレヴィットごとき若造に言われたくない。シーンの場を限定し反復する話法は原理主義的主人公を反映する為としても世界を矮小化する。家…

ドーン・オブ・ザ・デッド

★★★ 2014年3月15日(土) トビタシネマ 走ることが当たり前になった時代に見た俺にはインパクトのない「オブ・ザ・デッド」。事の発端から拡散までの序盤30分はザック・スナイダー的画力が曲がりなりにもあるが、あとは凡庸だ。足下に地獄を見下ろしての伝…

時計じかけのオレンジ

★★ 1980年1月15日(火) ビック映劇 勿体ぶって終始虚仮威しをカマしてるが実はハッタリばっかりであったという脳内構成映画。舞踏めいた殺陣の胡散臭さと超広角レンズにコマ落としの映像幼児性はアナーキズムの敗北を戯画化するだけ。そこには、真に撃つべき…

土曜の夜と日曜の朝

★★★ 1980年4月20日(日) 大阪科学技術センター大ホール 雁字搦めな閉塞感に支配された没落の大英帝国ではアンチモラルや無軌道であることが何らかの抵抗と見なされた。その空気感は解っても、矢張り浮気をしたり2股かける程度のプロテストでは風化した感は拭…

トラック野郎 望郷一番星

★★★★ 2014年5月17日(土) 新世界東映 開巻30分で犯した軽犯罪は片手で足りなそうな桃次郎の圧倒的グルーヴ感。その余熱で残り1時間も美味しく感じられる。とにかく素晴らしきテンコ盛り映画ではるみの気風の良さもさもあるべしか。日本的風土に馴染むデ…

トロイヤの女

★★★ 1980年6月15日(日) SABホール 米英仏のトップ女優を並べて本家のパパスをトリッキーに配した文字通りの汎大陸4大女優共演ギリシャ悲劇なのだが、汎大陸すぎて何だかバラバラな印象を受ける。個々には熱演してるのだがアンサンブルを形成するには至ら…

トランスフォーマー ロスト・エイジ

★★ 2014年8月14日(木) 梅田ブルク7シアター6 方形の金属がガシャガシャと変形するのが良いのであって、粒状物質にトランスフォームさせた時点で終わったと思う。途中からクソのような物語の舐めた根性に付き合うのがアホらしくなった。謙やグッドマンが…

TOKYO TRIBE

★★★★ 2014年9月6日(土) 梅田ブルク7シアター5 6トライブの混沌戦ではなく所詮単体極悪VS良い子グループでしかない芸無い展開にそれでも磁力付与するラップアイデアが『愛と誠』と並ぶ。力・叶・翔子の3馬鹿をギャグ化寸前で押止める窪塚と新星菜名&…

努力しないで出世する方法

★★ 1980年9月27日(土) 毎日文化ホール 50年代なら未だしもベトナム戦争下でのこの脳天気さはそんなこと考えずとも微妙なズレ感を呈していると思う。要するに時代錯誤なのであって確信的ではない世間ボケは不快感しか及ぼさない。余程精神的な平穏時に見な…

翔んだカップル

★★★★ 1980年8月12日(火) 伊丹ローズ劇場 1982年10月27日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 若い男女がやむなく同居で内心ウハウハ的物語ではなく台詞の行間の空気。相米の関心はそこにしかない。窓外にたゆたうアドバルーンのように茫洋としたシラケ感はや…

土佐の一本釣り

★★ 1980年12月30日(火) 伊丹ローズ劇場 何が面白いのかさっぱりわからない話…なのは我慢できても、すーちゃんの如き性格も良い別嬪さんが、海のもんとも山のもんともわからんガキに惚れ抜いちょるという設定は俺の理解から1億光年隔たっている。むかつきま…

東京战争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語

★★ 2017年7月29日(日) シネヌーヴォ 69年の国際反戦デーの新宿街頭デモの様子が描かれるのを見て、これは、60年安保のど真ん中で作られた「日本の夜と霧」の10年後に、それと対置される映画になるんじゃないかと思ったのだが…。 ど真ん中の最果てで…

トム・ホーン

★★ 1980年12月9日(火) 伊丹ローズ劇場 ズームの使い方がてんでなってないウィヤード演出の凡庸さが、ただでさえ暗く侘びしく見せ場に乏しい展開を倍加させていく。何より、こういう日暮れの物語はマックイーンには全然似合わない。残るのは花道を飾れなかっ…

団栗と椎の實

★★★ 2018年5月19日(土) プラネットスタジオプラスワン 名匠、清水宏の短篇であります。 団栗とは田舎の腕白な子供。 椎の實とは都会のひ弱な子供のこと。 どういう事情か知りませんが1人の都会の子供が田舎のおじさんに貰われっ子。 当時は子供を1人あげ…