男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【と】

ドミノ 復讐の咆哮

★★★ 2011年1月14日(木) 新世界国際劇場 「パッション」以来6年ぶりのデ・パルマ作品ということなんだが、4つ巴の話の軸が定まらないまま流されていく感じだ。 相棒を殺された刑事、父をイスラム過激派に殺された元特殊部隊の男、イスラム過激派、CIA…

東京公園

★★ 2011年6月25日(土) 梅田ブルク7シアター4 精神的インポテンツな狂言回しが、世界から弧絶したかのような訳知り顔女や風景と等価程度にしか存在価値の無い女と、これ又信じがたいが何一つ精神的相克無しですれ違う。青山と言うよりその背後の似非教条…

ドイツ・青ざめた母

★★ 1983年5月23日(日) 梅田ロキシー 男不在の戦禍の時代が女性を自立させるという前向きコンセプトでもない。救いようの無い展開が振り切れるわけでもなく、毒や諧謔もフォトジェニーな見てくれやシュールな意匠といった映画的機微もない。フェミニズム思想…

東風

★ 1983年7月3日(日) 吹田映劇 映画文法の解体から発したゴダールの破壊願望は奇跡的均衡を保ちつつ『ウィークエンド』で結晶化し、東風に晒されて更なる越境を志向する。ならば、地平の彼方に旅立てばいいものを戻って来ちまうだらしなさ…そこは好きだが映画…

東京物語

★★★★★ 1983年12月7日(水) ビック映劇 戦後小津フィルモグラフィ中、物語へ準拠が形式への拘泥と拮抗し、感情吐露が諦念と併置された点で『東京暮色』と双璧。スタティックな構図と華麗なカッティングのリズムの錯綜。そして、熱海での眠れぬ夜を海辺で過ごす…

隣の女

★★★ 1983年9月5日(日) ビック映劇 焼け木杭に火がついたあと主体がシーソーのように入れ替わる作劇のドラマトゥルギーは十全だが、何せアルダンもドパルデューも茫洋として切れがなく、近所のおっさんおばはんの逢瀬みたいでどうでもいい感が拭えず入れ込め…

時をかける少女

★★★ 1983年9月27日(火) 三宮東映プラザ 『ねらわれた学園』でのオプティカルの極北と反動とも言える『転校生』での情緒的な思春期描写への傾倒を経て両者をバランス良く融和させ得た。この世界の中で完成されてるんだとは思うが大して驚きもない時空ネタ。一…

とんかつDJアゲ太郎

★★★ 2020年10月31日(土) 梅田ブルク7シアター4 原作知らないし、DJになんの興味もない。クラブなんてのも行ったこともない。その昔、ディスコと呼ばれてたころは行ってましたが。敢えて言うならトンカツは好き。 そんなおいらが、度重なる関係者の不祥…

ドライヴ

★★★★★ 2012年4月7日(土) 梅田ブルク7シアター4 性急に解を求めるでもなくたゆたうように交わされる視線の濡れた情感。香港ノワール由来の情に流され浸りきる風情が良い。それが、「やる時はやる」の徹底したサディズムに急転するとき物語の帰結は自ずと…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2

★★★★ 2013年1月6日(日) MOVIXあまがさき2 転生したベラの歓喜の世界変容を精緻に描く発端からして確信的で、俗世の煩悩から解き放たれしバンパイア人生ハレルヤなのであり、これまでのあれこれは最早どうでもいい。いてもうたれバトルの華やぎのウッ…

東京流れ者

★★ 1982年6月22日(火) 関西学院大学学生会館大ホール 体裁だけの物語が浅薄であることは仕方ないとは言え、どこか僅かでも肩入れする思いが作り手に無けりゃ観る者は道化みたいなもんだ。キッチュな装置と設定は仄かに泥臭く弾けそこねており、結局はダラな…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1

★★★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ1 全体の半分をひたすら男と女が乳繰り合うだけに費やすという豪奢な作りに、古来より映画が委ねられた本来の時間律を想う。そして、半ばよりの怒涛のような釣瓶打ち展開のダイナミズムと最高潮での…

どですかでん

★★★★ 1982年7月14日(水) 新世界東宝敷島 黒澤描く夢は陳腐で幼児的なので本作の例えば浮浪者のイメージ等は見ていて恥ずかしいが、圧倒的な巨大映画の構想に挫折した後、反動で自分の色に染まらない役者を動員した枯れ具合と地面にまで色を塗った色彩美術へ…

トロール・ハンター

★★★ 2012年12月11日(火) 新世界国際劇場 最早、食傷気味なフェイク・ドキュではあるが、北欧の底冷えするかの如き山間部の景観のリアリズムが皮膚感覚的に秀逸。トロールは初出の末路こそ新味であったが、慣れると伝承と新解釈の間の針の置き方が半端だ。…

東京家族

★★★★★ 2013年1月20日(日) MOVIXあまがさき6 オリジナルをなぞる冒頭5分の柄じゃないいかがわしさに或る種の覚悟を感じた。半端な3・11への言及や主役の交代をカバーし得る最高ランクの演技のコラボが醸し出す高度な擬似リアリズム。山田以外には…

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

★★★ 2020年1月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 実現しなかった幻の企画ってのは得てして実現しなくって良かったってのが相場であって、しかも30年の時を経て、作り手がヨイヨイになって実現しました…なーんて愈々怪しいのであります。 「ロスト…

トータル・リコール

★★★ 2013年5月13日(月) 新世界国際劇場 取り憑かれたように画面内に情報を氾濫させ、緩みを恐れ性急な展開に汲汲とし余裕も無い。マーケット論理の奴隷と堕したとまでは言わぬとも御苦労さんなこったと思う。民衆不在のレジスタンス映画ってのも精神を見誤…

ドラゴン・タトゥーの女

★★★ 2013年6月8日(土) トビタシネマ 請負仕事を無難にこなしているが、抽斗の範囲に留まり新たな何かを模索した形跡は感じない。事件を追う主人公と無関係なリスベットの描写が並立する前半に穴があるのだから、どうせなら、もっと解体再構築するべき。彼…

泥の河

★★★★★ 1981年6月17日(水) 梅田東映ホール 高度成長期の端緒は人々が未だ哀しみを噛み殺していた時代でもあったという述懐で、少年は幾度もの喪失を乗り越えやがてモーレツ時代の洗礼を受ける。出会いに始まり別れで終わる泥河べりの物語は慈しみに充ちた作り…

虎の尾を踏む男達

★★ 1981年7月23日(木) 新世界東宝敷島 勧進帳も馴染みがないのだが、にしても付加された強力エノケンも半端で伝次郎・藤田の立ち芝居を反転・撹乱するほどの役回りでもない。道化に対する黒澤の形骸的な理解は後の『乱』で露呈される。技巧の絢爛を差し込む…

都会の叫び

★★★★ 2019年10月20日(日) プラネットスタジオプラス1 警官殺しで自分も重傷を負ったリチャード・コンテを病院にヴィクター・マチュアの警官が訪れるシーンから始まるのだが、もうひとつの老婆強盗殺人事件の嫌疑を彼にかけていて、というけっこう複雑なプ…

ドッグマン

★★★ 2019年9月18日(水) テアトル梅田2 曇天と泥濘の暗鬱な風景と陰惨な物語。 ってのは大好きなんですが、これは余りに単線構造すぎて激しく物足りなかった。 言わば、窮鼠猫を咬むの物語で、それ以上でも以下でもない。 冒頭、獰猛な大型犬の体を洗って…

2ガンズ

★★★ 2013年11月7日(木) 大阪ステーションシティシネマ2 デンゼル&マークの掛け合いは、その芸暦が醸す余裕と予断を許さぬ剣呑さにおいて当代最高ランクのバディムービーの予兆を孕むが、展開がどうにもあかん。所詮内輪もめやんか的閉じたしみったれ顛末…

ドラッグ・ウォー 毒戦

★★★ 2014年1月25日(土) シネマート心斎橋1 おセンチを脱ぎ捨てたジョニー・トーが大きく舵を切ったことに異論は無いし、膨大な背景を窺わせつつ容赦なく裁断することで深まる世界の奥行きにも少し痺れた。だが、銃撃戦の人物配置が脳内想定内で固定化する…

泥棒成金

★★★★ 2014年1月26日(日) MOVIXあまがさき9 タカビーに見えても何かと託けて寄って来るグレースが男の自惚れ鏡を顕現させ全篇仄甘い。カーチェイスにせよ舞踏会にせよダレ臨界の尺の微妙さだが、それも又弛緩した甘酸っぱさをもたらす。エッジの効い…

突然、嵐のように

★★★★ 1977年5月1日(日) ダイニチ伊丹 郷は一貫してまんまアホで無軌道な若者であり、秋吉も健気で真面目だが堕ちてしまう女そのもの、そういう直線的なキャラを弾ける乗りで一気に見せ切る勢い。しかも急転直下のラストの再反転が衝撃的。それが『祭りの準備…

ドクトル・ジバゴ

★★★ 1981年10月3日(土) OS劇場 所詮はリーンが肩入れもできぬ背景としてのロシア革命だし、不倫愛の背徳性も直視せぬので、両者が乖離し強度が無い。個々のシークェンスの厚みは大層なものだが、スペクタキュラーな要素があらずもがなに思える。それでも終…

ドン・ジョン

★★★ 2014年3月15日(土) テアトル梅田2 イケイケのしんどい女よりくたびれかけてても気のおけない女というコンセプトはレヴィットごとき若造に言われたくない。シーンの場を限定し反復する話法は原理主義的主人公を反映する為としても世界を矮小化する。家…

ドーン・オブ・ザ・デッド

★★★ 2014年3月15日(土) トビタシネマ 走ることが当たり前になった時代に見た俺にはインパクトのない「オブ・ザ・デッド」。事の発端から拡散までの序盤30分はザック・スナイダー的画力が曲がりなりにもあるが、あとは凡庸だ。足下に地獄を見下ろしての伝…

時計じかけのオレンジ

★★ 1980年1月15日(火) ビック映劇 勿体ぶって終始虚仮威しをカマしてるが実はハッタリばっかりであったという脳内構成映画。舞踏めいた殺陣の胡散臭さと超広角レンズにコマ落としの映像幼児性はアナーキズムの敗北を戯画化するだけ。そこには、真に撃つべき…