男の痰壺

映画の感想中心です

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

天使が消えた町

★★★ 2015年9月14日(月) シネリーブル梅田2 事件に切り込む意欲もなく半端な懊悩しか描いてない生煮えのマスターベーション映画と切って捨てたくもあるが、ダボハゼ業師ウィンターボトムはダメなりに保たせる一応。終盤のカーラとの一連のシークェンスは俺…

白い巨塔

★★★★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 山崎原作の段階でエンターテインメントとしては完成され尽くしているのだから、ストーリーテラー山本が捌けば下手を打つ筈もないが、時代に裏打ちされた確信的とも言える役者たちのグルーヴ感が並ではない。恍惚なま…

全員死刑

★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 原作未読だし小林勇貴監督の前作「孤高の遠吠」も未見であることを考慮しても、この映画はクズだ。 なんでも、撮る前に塩田明彦の「映画術」を読んだんだそうだが、いまさら、そんなん泥縄で読んでるような奴に撮…

父と暮せば

★★★ 2015年8月22日(土) シネヌーヴォ りえの「おとたん」には泣けるし原田の包容力と慈愛も十全。ジャンケンを巡る挿話は催涙装置がMAXに機能する。だが展開の妙はさほど無く結局は原爆惨禍のメッセージばかりが前に出る。トリッキーな2人芝居の仕…

帰郷

★★★★★ 1979年8月19日(日) ビック映劇 1982年2月23日(火) 三越劇場 反戦と女性の自立という大上段な主題を描き、しかもジェーン・フォンダという女伝道師を主演にそえ、ビートルズからストーンズに至るド真中ポップスを背景音に紛らせ、何たる静謐さでコント…

動くな、死ね、甦れ!

★★★★★ 2017年11月18日 シネヌーヴォ 前半に関しても美点は多い。 イースト菌騒動による学校周りの泥濘の絶望。 スケートを買った直後の夜の池の孤独。 母の醒めた色気と子供に対する思い入れの真面さ。 だが、そういう一寸良いレベルから後半に映画は逸脱し…

リメイニング

★★★ 2015年9月26日(土) 新世界国際 又かと思うPOVだが、そこへの拘りはなくて随所で3人称が挟まれる適当さが良い塩梅。しかし、まあどこぞでか見たような設定・仕掛けの羅列ではある。『ミスト』に通底する終末観だが宗教的な選民思想が根底にあるらし…

カプリコン・1

★★★★ 1978年5月5日(金) 伊丹グリーン劇場 未だ陰謀説も敷衍せぬ時代にこのアイデアがあれば前半はもって当たり前なのだが、後半になり展開がSF色を脱色されても全くダレないのが驚嘆。ローアングル主観カースタントや眼前ヘリ浮上の望遠近接効果。ハイアム…

ノクターナル・アニマルズ

★★★ 2017年11月18日 大阪ステーションシティシネマ12 強烈なタイトルバックであり、どんな寺山的ないしはリンチ的な世界が繰り広げられるのかとの期待がふくらむ。 映画は開巻ほどなく、小説世界がカットインされるのだが…。 暴力描写や緊迫感の生成はなさ…

キングスマン

★★★★ 2015年9月18日(金) 大阪ステーションシティシネマ9 ハミルで幕開くかのサーガを思わせる継承に纏わる王道的体裁は主演2人の好演により過不足ない強固さなのだが、中盤の教会の逸脱をもってしても尚予定調和だ。やはり白眉はサイケなマジックマッシ…

ワニと鸚鵡とおっとせい

★★ 1978年1月7日(土) ダイニチ伊丹 「貫太郎」や「ムー」的久世流下町人情譚とし企画されたのだろうが、松竹の微温コード下、過剰さが全く不足でうら寂しい。一方、秋吉を配した山根センチメンタリズムは成すすべも無く封殺される。超安易企画でTVの促成バ…

わたしたち

★★★★ 2017年11月19日(日) MOVIXあまがさき4 本当の何かをスクリーンに刻もうとする強固な意志が貫徹されている。 ユン・ガウンという新人女性監督によるものだが、イ・チャンドンの弟子筋だそうだ。 さすがだと思う。 映画で描かれるイジメは、概ね…

さらば友よ

★★★ 2015年10月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 執拗に付き纏うブロンソンに辟易の体のドロンという図式が密閉された1夜のあの部屋で如何に変容したかも示されぬまま何かそれっぽい風に展開されてもと思う。女どもは掃射虐殺され男帝国は完成され…

太陽を盗んだ男

★★★ 1979年10月10日(水) 伊丹ローズ劇場 1980年2月29日(金) フェスティバルホール 時代の空気に乗ったアナーキズムとノンシャランが横溢し味を醸してはいるが、所詮は投げ遣りなので構築されたカタルシスに遠い。原爆製造の4畳半と皇居前のシーンは流石の粘…

デ・パルマ

★★★ 2017年11月18日 シネヌーヴォ 映画監督の研究本とかで、とどのつまり結局一番オモシロイのは監督自身の「自作を語る」であったりする。 この映画は、そこに徹していて心地良い。 冒頭、若干の出自めいたものが語られるが、あとは自作フィルモグラフィを…

天空の蜂

★★★★ 2015年9月27日(日) MOVIXあまがさき6 類型的にせよそれでも随分見れるレベルになった的感慨を感じた前段の救出劇だが後半映画は四畳半ルサンチマンの空気を纏い始める。原発をめぐる空論が跋扈する日本へのアンチテーゼ。テロルが私怨に依拠する本質…

戦艦ポチョムキン

★★★★ 1978年3月26日(日) SABホール フィルムに写し取った被写体が予め持つものだけが意味を持ち得た時代に、断片を組み合わせて意味を構築するという数百歩すすんだ発想。そして、オリジナルは伊達じゃない。教科書的な文法のみでは到底説明し切れない強…

ローガン・ラッキー

★★★★ 2017年11月18日 大阪ステーションシティシネマ9 チャニング・テイタムにせよアダム・ドライヴァーにせよ、リアクション乏しくウドの大木みたく巨体で突っ立てる。 これが、ローガン兄弟。 一方、ダニエル・クレイグとその弟2人は過剰リアクションでピ…

シグナル

★★★★ 2015年9月26日(土) 新世界国際 世界からの孤絶に今更過剰反応するほどヴィヴィッド野郎でもないが、カラックス『汚れた血』を少しく想い起すフレーム捌きと色使いにセンスを感じる。確かに随所でアチャーッとなる思い込みの偏向はあるにせよ許容範囲…

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

★★ 1979年8月4日(土) ダイニチ伊丹 階級が滅んだ時代に、形骸化したそれに拘る姿勢は、底辺からそれを撃つかにみせかけ続けた山田の姿勢がポーズにすぎないことを逆説的に露呈させる。異端の桃井起用も更なる無惨さを煽るだけ。シリーズでも最悪の部類。(cin…

南瓜とマヨネーズ

★★★★★ 2017年11月12日(日) MOVIXあまがさき4 何が良かったのかって言われて答えようがない。 どうしようもないダメ人間のダメ衝動にもとづいてのダメ行為の果てのダメ顛末。 【女】 才能があると思い込んだバンドマンに尽くし糟糠の妻よろしく風俗で…

バクマン。

★★ 2015年10月3日(土) TOHOシネマズ梅田1 こいつらが描いてる漫画の絵面もシノプシスもクソにしか思えない以上、映画は茶番にしか見えないし、となればライバルも仲間も恋人も何もかも薄っぺらーとしか思えないのだ。所詮、俺はジャンプ世代ではない「こ…

アニー・ホール

★★★★ 1979年10月14日(日) 大毎地下劇場 多くのトリッキーな手法が試されてるが、先行者の素描か或いはお試し感拭えず数打ちゃ当たる的場当たりに留まるのだが、コンプレックスを武装し捲くし立てる台詞が同期することで追憶の中で愛惜へと置換される。キート…

ブレードランナー2049

★★★ 2017年11月5日(日) MOVIXあまがさき3 こんなんなら、いっそ物語なんて無くても良かったのに…。 終盤で「救世主」である子供を旗頭に地下に潜ったレプリカントたちが集うシーン。 俺は既視感に萎えたのだった。 これは「猿の惑星」か? 導入から…

HERO

★★★ 2015年10月8日(木) 大阪ステーションシティシネマ5 キムタクにウィッシュ口癖のチンピラがダブり何時しかスクリーンも濡れるが、それ抜きにしても彼女より松たか子のペーソスが何枚も上手だ。そして、そこしか映画の見処はない。類型挿話の継ぎ接ぎで…

冬の華

★★ 1979年10月28日(日) トーエイ伊丹 着流しではなくブレザーを着た足長おじさんヤクザは洒落た喫茶店で殺した友の娘を見守る。画を描く組長にチアリの音楽が世界をマイナス方向に補強。溜めたパッションは爆発叶わず気障なポーズの内側に埋没する。真高倉チ…

悪魔のような女

★★★ 2017年11月4日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 言うなれば、一種のショッカーであり、こういうどんでん返しな決め手をもった映画が生き残るのは難しい。 かのヒッチの「サイコ」もそうなんだろうが、あの映画の場合も母親のミイラとかトニパキの…

黒衣の刺客

★★★★ 2015年10月5日(月) なんばパークスシネマ9 もどかしく寸止めが繰り返される語らいや風景のように処される技斗が常道カタルシスから遠いとしても、この年月を費やし工芸品のように磨き上げられた画面の隅々から立ち上る無常感。それでも生きていくし…

炎の肖像

★★★ 1977年6月5日(日) 東梅田シネマ ろくすぽストーリーを構築する気もなくでっちあげたシラケ&ド艶歌紋様だが、関わり合う男も女もロックスターのステージの裏側の空虚な孤独を浮き上がらせる為に意味不明の記号として配置されたのがいっそ心地良い前衛加…

ミックス。

★★★★ 2017年11月2日(木) TOHOシネマズ梅田2 ガッキーの貧乳がそそります。 以上。 で済ませたいが…。 で、こんな映画に★4つける俺もどうかしてるとは思うのだが…。 しかし、男子として生を受けた日本国中のオスどもで、ガッキー嫌いって奴はまあ多分いな…