男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ま】

松ヶ根乱射事件

★★★ 2007年3月16日(土) テアトル梅田1 皆それなりに状況に埋没し閉塞が閉塞のまま終わるというのは、らしいしラストは正味笑った。だが、川越美和の張っ倒したくなる偏執キャラを始めとする世界の不均衡な歪みが断片的で互いに相関し合わず喰い足りない。…

魔笛

★★ 2007年8月18日(土) テアトル梅田1 古色蒼然とした物語を半端な時代設定で脚色したことによって陳腐さは倍加された。更に哀しくなるまでの安価なCG空撮の羅列が古典を貶める。ブラナーは無邪気でノーブルなのだろうが度を超すと付き合いきれない。パ…

真昼の決闘

★★★★★ 2021年8月21日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 子どもの頃にTV放映で見てるし、フランキー・レインの主題歌のレコードも持ってました。それにしても「俺を見捨てないでちょうだい、マイダーリン」の曲が、これほど四六時中かかってるとは思わ…

マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾

★★★ 2008年2月16日(土) トビタシネマ そんな収束への伏線張ってないやろ…とも、ギャグが不発で糞詰まりや…とも、ガキ視点の語り口が鬱陶しい…とも他色々思うが、一方で乱痴気の狂騒の魅惑やパロディックな決闘のマジ度合いや色っぽい姉ちゃんやら棄てがた…

マイ・ブルーベリー・ナイツ

★★★★★ 2008年4月19日(土) TOHOシネマズ梅田5 青臭いセンチを無邪気なまでのゴリ押しで貫く『恋する惑星』の頃と変わらぬ一貫した世界観に清々しささえ覚える。最初はウザいだけのノラ・ジョーンズがキュートな女へと変貌する様に物語的担保はシンプル…

魔術師

★★★ 1978年10月8日(日) SABホール トリッキーで暗喩に富んだ最高の設定で演出もここぞとばかりに怪奇趣味を惜しまないが、反権威を謳うのに搦手から行きすぎてにどうにも統一感がなくて徹底してない甘さがある。それがベルイマンの複層性なのだろうが哄…

マダム・スザーツカ

★★★★ 1990年1月27日(土) セントラル劇場 スザーツカのポリシーが理解は出来ても共感を覚えないので余り感銘も無いが、キュートなファニーフェイスから米国版丹波哲郎と化したマクレーンの他を寄せ付けない頑固一徹振りは哀しくも役に合ってる。地味な題材だ…

魔女の宅急便

★★★★ 1990年2月25日(日) 八木館2 異形である孤絶感は封じ込められるのに異郷での孤絶感は前面に出す。二重構造の孤独の背景にはユーミンではなく荒井由美が的確。冒頭の微かに聞こえる風やアナログなラジオの声。音の凝り方や飛翔感の素晴らしさ。だが、ス…

マーキュリーマン

★★ 2008年9月13日(土) 新世界国際劇場 正直、こんなんではタイにはトニー・ジャーしかおらんのかと思われても仕方ないだろう。マーキュリーマンの哀しいまでのアメコミ仕様と廉価なCG細工。チベットシーンは曲がりなりにも気合いが感じられただけに惜し…

マリア

★★★★ 2008年11月22日(土) トビタシネマ 今更の題材だが、相互信頼を醸成する道行きとして、又運命に導かれる三賢人との従容たる邂逅として構成し、ロケ選定の的確な効果を含め確信に充ち物語に正対している。その強度を買う。役者も皆慎ましやかで良い。(c…

マジシャン・プレスト

★★★★ 2009年1月9日(金) 梅田ブルク7シアター4 アレックもプレストもカートゥーンの常道キャラだし、4次元的小道具も殊更に目新しくもないが、見せ方が秀でてるのだ。卑近な事象から加速しつつ一大カタストロフへ至る1幕のショー。快感神経を刺激するウ…

㊙色情めす市場

★★★★★ 1990年10月14日(日) 十三ロマン 母娘の確執という閉じた世界は、破綻して爆死する者たちと並置されて浪花ど根性的な生の讃歌へ反転する。舞台の釜ヶ崎・安藤のモノクローム・芹の虚無と台詞廻しの3者が密接不可分な領域で変容・獲得した俯瞰の視座。…

また逢う日まで

★★★ 1990年11月4日(日) 日劇シネマ 孤絶した2人の純粋恋愛映画として成立させれば良かったのに、多くのしがらみを説明的に注釈することで絶対純度を放棄してしまった。ただ、古色蒼然としたメロドラマの作劇術の強度は捨て難く、久我美子がとんでもなく初々…

まむしの兄弟 二人合せて30犯

★★ 1990年10月27日(土) トビタ東映 シリーズでこれしか見てないが正味つまらない。馬鹿で単純で乱暴だが本当は気が優しいというキャラは文太の本懐だろうが、そこに亡きおっ母さんネタが加わりベタ2乗でしんど過ぎ。安い工藤演出も緩さを上塗る。ひたすら脳…

マックス・ペイン

★★★ 2009年6月27日(土) 新世界国際劇場 雪と雨が降りつのる哀しみのダークシティ。そのムード醸成は良くムーアの演出はカッティングのエッジも立ってその力量はは買うが、余りに物語が底浅でドンパチも抑制され間延びし過ぎ。オルガ嬢の退場も早すぎ姉妹の…

マイ・フェア・レディ

★★★ 1976年8月22日(日) ビック映劇 この映画の不幸は虚構世界で華咲いたミュージカルがリアリズムへ移行する時期に製作され、一種の時代錯誤感を反転させ完遂させる「今」を老キューカーに望み得なかったことではなかろうか。(cinemascape)

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

★★★★ 1989年11月19日(日) セントラル劇場 不幸な少年の物語は映画の世界では山ほどあるのだが、これは彼の独白台詞が随所に出てきて幼気なのに必死で自分を鼓舞するのだ。そこが泣かせる。多くの変人が彼の気を紛らせ救うのだが、とりわけボーイッシュな女の…

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

★★ 2009年11月4日(水) 梅田ブルク7シアター6 予め準備された材料でないだけ料理人の腕が試されるが、貴重な残存フィルムに既存コンサート映像をリミックス。レアな食材が裏通りのラーメン屋で調理されたかのよう。2カメで貫徹された「ビリー・ジーン」…

マンディンゴ

★★★★★ 2021年4月24日(土) シネリーブル梅田2 俺はある方面の人たちが評価するようにはリチャード・フライシャーの何が良いのかてんでわからない人間ですが、これには参りました。 ある意味、佐藤純彌の「私設銀座警察」や山下耕作の「総長賭博」みたいな…

街の上で

★★★★★ 2021年4月19日(月) テアトル梅田1 今泉力哉の映画にとんと興味がなく、「愛がなんだ」がヒットしてたとき、一応見とこかと映画館に足を運んだことがあるが、溢れ返った女性観客に怖気付いてすごすご帰りました。 その後、多部ちゃん目当てで「アイ…

マリリンとアインシュタイン

★★★★ 1987年2月2日(月) サンケイホール こうあって欲しかったという異世界から見た夢幻のアメリカン・フィフティーズ。何が語られるでもない。クリアでシャープな構成と映像の威力を駆使したローグの憧憬があるだけだ。カーティスのマッカシーはナイスキャス…

1000年刻みの日時計 牧野村物語

★★ 1988年11月13日(日) 長崎教育文化会館 『養蚕篇』も『古屋敷村』も見てないので正当な評価には至らないのだと思うが、唐突に挿入される「過去の物語」は何故に村人達の伝承口述では駄目だったのだろうか。若しくは村人達自身によって演じられるものでは。…

マイマイ新子と千年の魔法

★★★★ 2009年12月8日(火) なんばパークスシネマ3 「ハイジ」で「トトロ」で「まる子」な新リミックスバージョンかと半ば嘗めていたら急転直下に時間が転がり出す。子供時間の流れは何と速く非情なまでに全てを切り捨て忘却の彼方に捨て去っていくのか。切…

マルサの女

★★★ 1987年2月15日(日) 友楽会館大劇場 国税査察官を主役にノワールを撮ったのは意外ではなく、せっかくな設定なのにノワールしか撮れなかっただけだ。加えて、ビジコンは現場の効率を上げこそすれ試行錯誤の意外性から映画を封殺する。アップとミディアムだ…

マクベス

★★★★★ 1987年12月20日(日) シネマ温劇 ラストは、このときのポランスキーの心境を伺わせる悪夢的描写。完全に彼岸の縁に立った男にしか成し得ない代物。血塗られた物語が痛々しい。ギルバート・テイラーの見る者を冒頭から圧倒的に吸引する深度ある映像も傑…

マッドマックス サンダードーム

★★★ 1986年1月19日(日) 大毎地下劇場 かの『SW』シリーズが第3作にしてイォークを出して大衆に迎合したような腑抜けぶりが本作にも感じられる。悪も善も知らぬ存ぜずのミーイズムこそがマックスの本懐であるはずなのに、凡ヒーローに成り下がった哀しさ。…

満月の夜

★★★★ 2010年3月24日(水) 梅田ガーデンシネマ1 身勝手なクソ女と底浅の凡夫どものグダグダ芝居ではあるが、見果てぬ欲望の果てに虚無しか無いことに気づく満月の夜以降、依るべなき生き地獄に叩き落とすロメールの非情。断罪とも言える突き放しは『酒とバ…

マイレージ、マイライフ

★★★ 2010年4月8日(木) TOHOシネマズ梅田9 全米を縦横に渡り歩く主人公の首切り請負人としてのスキルの程が今いち呈示されぬまま、物語の世界観がどんどんミクロ化していく。ゲスな大風呂敷を広げるよりマシではあるが、どうにも切なく侘びしい。そう…

マルタの鷹

★★★★ 2021年2月28日(日) プラネットプラスワン 長らく脇役専門だったボギーの主演昇格第2作であり脚本家ジョン・ヒューストンの監督昇格第1作ということで、そういうことだから、おそらく低予算だったのだろう。ほとんど室内で展開するし、その室内も探…

瞬 またたき

★★★ 2010年6月23日(水) 梅田ブルク7シアター3 喪失された記憶をめぐるサスペンスな味付けは、中途から大塚寧々を必要以上にピックアップすることで拡散し強靱なベクトルは消失された。半端と言うしかない脚本だが磯村演出は端正で抑制されている。尚景子…