男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ま】

マーズ・アタック!

★★★ 1997年3月30日(日) テアトル徳山Ⅱ レトロチープなコンセプトはソリッドと対比されてこそ際立つのに、おバカ騒ぎで粉飾して意匠は後退した。バートンはミニマム世界の住人なのだろう。キューブリック並みの巨視的・俯瞰的な破壊のカタルシスは手に負えず…

マグノリア

★★★★★ 2000年3月19日(日) アポロシネマエイト5 日常の営為の中で人は皆悩みを抱えて生きているが、それだからこそ愛おしいのだということを高らかに宣言してるかのよう。寓話的体裁に挟んだ錯綜する数時間という構成の妙もさることながらカメラワークの高度…

マネートレイン

★★★★ 1996年4月27日(土) 徳山国際劇場 黒人と白人の乳兄弟という設定は1歩間違えれば、あざとさを免れないものだと思うが、女性をめぐっての2人の確執に納得性と吸引力があり、そういう部分を感じる隙を与えない。2人の役者が良くアクションも相当にハー…

マーシャル・ロー

★★★ 2000年4月24日(月) ユナイテッドシネマ岸和田2 NYに戒厳令という圧倒的に魅力的なモチーフがポリティカル・フィクションとして突き詰められることなく竜頭蛇尾に正義のヒーロー&ヒロインの対テロリストアクションに堕していく。鋭さも過激さも全く不…

窓辺にて

★★★★ 11月10日(木) シネリーブル梅田3 【ネタバレです】 こういう私小説的な題材の作品をオリジナル脚本で連発する今泉力哉は掛け値なしの才能だと思う。骨子は1つだけ。女房が浮気してるのを知ったのに嫉妬や怒りの感情が湧かないのはなんでだろーなん…

麻花売りの女

★★★ 1996年7月6日(土) 山口県教育会館ホール 自我のある女を描いてそれなりには見せるものの、抑圧からの解放さるべく訴求されるのが大型テレビというのが如何にも陳腐であり、その為の拝金ストーリーも類型的だ。プライドを捻った『秋菊』以降の物語として…

マルコヴィッチの穴

★★★★ 2000年9月23日(土) ユナイテッドシネマ岸和田8 微妙な臨界線上に位置しているのだが見透かされたような余裕で支持せざるを得ない側に落として見せられた気がする。ボロを出すかと思っても切り抜けてしまう奥の深さはゴダールみたいだ。「人形使い」も…

★★★ 2001年1月20日(土) テアトル梅田2 女2人の愛憎劇なら未だしもだが、男2人が絡んできてのすったもんだに何ひとつ興趣を覚えないのが致命的。今となってのレトロ感が適度に笑えるし、小林のフレームワークも高度に的確だが、増村の語り口の性急なハイト…

マイ・ブロークン・マリコ

★★★★★ 2022年10月11日(火) TOHOシネマズ梅田8 死んだ友への想いが物語を牽引するという点で、一昨年の「佐々木、イン、マイマイン」裏返し女性バージョンと言えるかもしれない。生きてるときは、時にムカついたりもしたけど、もう2度とそいつに会う…

マークスの山

★★★★ 1995年5月27日(土) 梅田松竹 テーマが内包する空疎な執念が作品を覆う陰鬱な空気と化し、刑事同士の確執にまで波及する。非情としか言えないその描写の巧緻。一方で凡するかと思えた萩原と名取の部分の本気度。臭くないのが驚きでさえある。暗くて救い…

マスク

★★★ 1995年7月30日(日) 高槻セントラル 驚いて目玉や心臓が飛び出し外れた顎が床に落下し体が何回転も捩れて飛んで行く…カートゥーンアニメの定番ギャグをCG実写で再現。やったもん勝ちだとは思うしまあ楽しめるが結局は気の利いたトレース以上ではない。…

マディソン郡の橋

★★★★ 1995年10月8日(日) テアトル徳山Ⅰ 埃っぽい軒先に中年太りのストリーブが現れた瞬間に出来は約束されたと思った。対して男イーストウッドは余裕のワンパターンで返す。全く違うアプローチの2人の役者の激突がエキサイティングとしか言えない素晴らしさ…

摩天楼を夢みて

★★★★★ 1994年2月27日(日) 新世界国際劇場 新旧織り交ぜた役者たちの演技合戦は初っ端から最後まで間断するところがない。雨の夜の湿った空気が纏わり付き深海の底でのたうつような救いのないセールス。明日が来るのが怖いという絶望を味わった者にしかわから…

ゴダールの マリア

★★ 1994年2月24日(木) テアトル梅田2 ミエビユ篇はフランス映画らしい少女期のひとコマをすくい上げた愛らしさがあるのだが、ゴダールの本篇は聖書の現代翻訳というアイデアのみが先行した上、音と映像のコラージュで解体されまくり殆どひとりよがりとしか…

AVクイーン マドンナ殺人事件

★★ 1994年3月6日(日) 新世界国際 「AV」+「クイーン」+「マドンナ」とイヤがうえでも扇情的期待を煽りつつ、加えて「殺人事件」とくれば、多少はおもろいだろうと言う期待を無惨にも打ち砕くどっちつかずの駄作。製作者コーマンの本質は典型的山師で偶々…

マルケータ・ラザロヴァ―

★★★ 2022年7月24日(日) シネリーブル梅田3 半世紀前の1967年作だそうで、チェコの国民的な文学をチェコヌーヴェルバーグの旗手であるフランチシェク・ヴラーチルという監督が映画化した巨篇て労作と言っていいだろう作品。でも、公開されなかったのも…

マルメロの陽光

★★★★ 1994年6月26日(日) つかしんホール 何に拘り何に納得がいかぬのか凡人には理解に難いのだが、その無為とも思える時間が何時しか内実から染み出る「本物」の実体に照射されて輝きを帯びる。これは撮影技法レベルのものではない。寡作の画家を寡作の映画…

まぶだち

★★★★★ 2002年2月26日(火) 扇町ミュージアムスクエア ジャンルの定型に沿ってはいるが、それでもオリジナルだと思った。台詞は生硬で饒舌過ぎるにせよ主人公の少年と担任の教師がそれぞれの価値観で世界に正対してモノを言ってるからであろう。子供たちのキャ…

マルホランド・ドライブ

★★★★★ 2002年3月11日(月) 梅田ガーデンシネマ2 本卦帰りとも言うべき意匠満載のリンチワールドは、しかし予想外に時間と彼岸の境界を明晰に構築する。そして何より情念とでも言うべきベタな愛の世界に突入したのが作家としての後退ではなく成熟と感じた。文…

幕間

★★ 1994年7月31日(日) ACTシネマテーク 錚錚たる名前が連なるが所詮は内輪のお遊びでベクトルは外を向いていない。新しい玩具遊びに浮かれる前衛芸術家達のお気楽なお遊びに付き合うほど暇じゃない。クレールは何も提示してないし何も支配していない。船頭…

まぼろし

★★★★ 2002年9月26日(木) 扇町ミュージアムスクエア 喪失の恐怖に対し無関心の虚無へ逃避したアントニオーニの対極でオゾンは主人公を事実認識に執拗に駆り立て、結果浮かび上がったのは恐るべき自己中女の実像であったという予想もしない結末。見方によって…

マイスモールランド

★★★ 2022年5月11日(水) 大阪ステーションシティシネマ7 日本在留のクルド難民一家を取り巻く色んな問題に切り込む意欲作。ってことだが、この程度ならドキュメンタリー「東京クルド」と「牛久」を見たほうがええんちゃうかと思わせる。って偉そうに言って…

まあだだよ

★★ 1993年4月19日(月) 梅田劇場 これだけの提灯持ちに囲まれたお山の大将を演ずるには松村では線が細すぎる。又囲む連中も愚物にしか見えず、それが老年期の黒澤にダブって映画の存在自体さえも老醜の極みである。らしいと言えばらしすぎる遺作。(cinemascap…

マルコムX

★★★★★ 1993年4月26日(月) OS劇場 インディーズ作家が、いきなりこれだけのメガバジェットをきっちり物にしたことに驚愕。巧すぎて商業主義的従属と思わなくもないが、紛うことなきリーの魂の執念には完膚無きまでに打たれる。人は人生で何度かは正面からも…

マイノリティ・リポート

★★★ 2002年12月16日(月) ナビオTOHOプレックス1 プリコグによる予知が、ああいう具体的映像になる発想をした時点で負けてる。それをパズルみたいに絵解きする様は子供っぽすぎて萎える。喪失感を薬で埋める虚無感がもっとハードに突き抜けて欲しいし、…

マッスルヒート

★★★ 2003年3月10日(月) ホクテンザ1 どうにも甘ったるいおぼっちゃん顔で損しまくりのケインだが、さすが体技は半端じゃないね。オリジナリティ皆無だが米近未来B級アクションをそれなりに日本に移植して悪くない。哀川・加藤・金子3人のキャラも良く立ち…

㊙女郎責め地獄

★★★ 2003年5月14日(水) 東梅田日活 生きた鯉を相手にイッて見せる根性には感動はしたが、中川梨絵の台詞棒読みな大根ぶりは矢張り致命的に思う。盲目少女に対する思いと揺れ惑う脱出願望とのリンクが未整理でラストがはじけない。凝った美術や撮影、インサー…

マトリックス リローデッド

★★★ 2003年6月24日(火) 梅田ピカデリー2 脳味噌にプラグ差し込みデータを送り込めばスーパーマンの出来上がりというのは設定だから我慢しても拮抗すべき現実世界が馬鹿踊りと青い純愛で表象されるしかないのならどうしようもない。100人のスミスに至って…

真夜中乙女戦争

★★ 2022年2月24日(木) TOHOシネマズ梅田7 システムから弾き出された鬱屈した思いが世界の破壊願望に繋がる過程で、そのシステムの圏外で女の子(先輩)と刹那な✖️✖️みたいな展開に、ふと何となくではあるが思い浮かんだ映画が「新宿泥棒日記」。 もち…

マイ・プライベート・アイダホ

★★★★★ 1993年12月19日(日) みなみ会館 過去から未来へと連綿と続く孤独ロードを描くにリバーの刹那が相乗され哀切極まりない。しかし、これはむしろサントの実験意欲が随所でサビを効かせ、2作目にして行き着いた感を醸す無比なる完成形。その後が出し殻に…