男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【き】

疑惑

★★★★ 1982年12月12日(日) 伊丹ローズ劇場 「悪女」という流行語も手垢の付いた時期に今更という感じの2大女優対決といった90%負けのコンセプトで作られたのに、圧倒的に見る者を引きずり込む吸引力は年季の入った女優の底力なのだろう。演出もカメラも役…

恐怖の報酬

★★★ 1981年1月11日(日) 大阪府中小企業文化会館 何度か繰り返されるサスペンスの山場はクローズアップの力感が漲り弩級とは言えるが、ドラマトゥルギーの欠如が決定的。食い詰め者達の脱出願望に更なる切実さが欲しかった。要はハートに沁みてこないのだ。…

機械じかけのピアノのための未完成の戯曲

★★★ 1981年2月8日(日) SABホール コンセプトは悪う筈もない。ただただ映画的ケレンが不足なのと下世話な世界に及び腰なのだ。曰わくありげな長ったらしいタイトルにちょっと期待しすぎた。インテリ貴族達の斜陽にしても男女の不倫愛にしても今一食い足…

キャッツ

★★★★★ 2020年1月25日(土) 梅田ブルク7シアター7 舞台は未見だし、楽曲も「メモリー」は耳にしたことがあるが他は知らない。 当然にストーリーもどんなもんかは知らなかった。コアな舞台ファンからしたら門外漢であります。 前評判は散々であったし、実際…

金環蝕

★★★ 2019年10月6日(日) シネヌーヴォ 子供の頃にTV放映で見て、とんでもなくオモロイと思った記憶がある。 それは、多分に宇野重吉の歯抜けメイクが醸すいかがわしさと仲代のクールで怜悧な佇まいのガチ対決によるもんだったと思う。 何十年も経ってよう…

今日子と修一の場合

★★★★ 2013年10月13日(日) MOVIXあまがさき2 希望を絶たれた人も自己否定との葛藤のなか尚生き続けるしかないわけで、さすれば渡世のしがらみから無縁でもいられない。そのことを直視することは、意味があると思う。3.11は多くの幸せを粉砕したが…

記憶にございません!

★★★ 2019年9月24日(火) TOHOシネマズ梅田2 何か期待してたわけでもないんだが、それでもあんまりだと思った。 俺は、三谷幸喜に好意的な男である。あの、総すかんを食った「ギャラクシー街道」でさえ★★★★をつけたほどにだ。 でも、大きな岐路に立って…

危険なプロット

★★★★ 2013年10月26日(土) テアトル梅田1 虚実ない交ぜの語り口が流麗で闊達なのとプチブル夫妻を主人公に置いた点でアレンのようだという言説は免れないが、パゾリーニ的トリックスターを混入させ撹乱する。途中まで圧倒的におもろいのだが、終盤はどうに…

清洲会議

★★★★★ 2013年11月24日(日) MOVIXあまがさき7 役所のダイワハウス系ボケ演技が堂に入って来て、大泉のツッコミと相性良く、そこに小日向の腹芸が加味され完璧なトライアングルを形成する。衣装・美術・撮影も重厚とキッチュの狭間の座りが良いピンポ…

今日も嫌がらせ弁当

★★★ 2019年7月19日(金) TOHOシネマズ梅田4 まあ、映画表現において見るべきものはない。 良く言えば、内容を語るに従順で真摯だが、それだけに安住してる気もする。 シングルマザーの子育てっていえば、大変なのだし、この映画の主役の女性もいくつも…

キングダム

★★★★ 2019年5月24日(金) 大阪ステーションシティシネマ4 原作未読です。 正直、見る気はぜんぜんなかった。 だって、漫画ならともかく、日本人が日本語で演じる中国史にのっとった話なんて胡散臭い。 たとえば、日本の戦国時代を中国人が中国語で演じて映…

銀の匙 Silver Spoon

★★★★ 2014年3月22日(土) TOHOシネマズ梅田4 今更ながらの泰平なニッチ業界少年成長譚なのだが、ヘタに周防や矢口の先駆者に並ぼうとせず、寧ろ上島などの緩い廉価品再生に活路を見出したのに好感を持つ。翔・力の対峙に至っては賞味期限過ぎの腐りか…

飢餓海峡

★★★★★ 1981年12月16日(水) 梅田東映ホール 巨視的な空間と時間の連鎖の中で唯1日の出来事の追憶が全てを統御してしまうというロマンティシズムが根底にある。2人の瞬間的に調和した心根は異なるベクトルで延伸しクロスして消滅するが、その儚さはご詠歌と…

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー

★★★ 2014年4月20日(日) MOVIXあまがさき7 やっぱこのCAいうキャラはピンではきっついなあ思う。クソ真面目すぎてスカヨハ招聘の設定に何のトキメキも無い。レッドフォードも無駄使い。この70年代の闇を内包した男には役がチャチかった。ジャクソ…

記者たち 衝撃と畏怖の真実

★★★ 2019年3月30日(土) 大阪ステーションンシティシネマ5 誰を、おるいは何を撃とうとした映画かわからない。 もしくは、撃つべき相手を当たり障りないとこで済ましてる感じがする。 イラク戦争の開戦理由の大量破壊兵器が存在しなかったことが、明らかに…

キャプテン・マーベル

★★★ 2019年3月17日(日) MOVIXあまがさき7 なんかどうでもいいような話であった。 何かにつけて言い訳がましいのである。 如何にして彼女はスーパーヒーローになったのか。 …ってな話を未整理なままにぶつけてくるので、はあ?って感じ。 はなっから…

THE GUILTY ギルティ

★★★★ 2019年3月16日(土) シネリーブル梅田1 電話する主人公のみを追って通話の相手は一切画面に登場させないってのは、「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」って傑作があったし、緊急コールセンターも「ザ・コール 緊急通報司令室」ってのを見てる。…

君とひととき

★★★★ 2019年1月26日(土) プラネットスタジオプラスワン びっくりするくらいの単細胞映画で、そういう意味で突き抜けている。 要は女房の友達と浮気してバレてどうしょっかってことのみなんです。 それだけじゃ保たないと思ったかどうか、随所で主演シュバ…

着流し百人

★★★ 2014年8月14日(木) 新世界東映 一応は目的意識のある水島翁に対し気風はあるが実質フーテンな鶴田がバランスを欠くのに、その男気質に惚れた若山・丹波・北島・川地・南の面々は尚締まらないことこの上なく、それより大体どこが百人やねんという話でも…

恐怖の報酬

★★★★ 2018年12月2日(日) シネマート心斎橋2 映画のデジタル化に本質的には賛同しない俺であるが、この映画の鮮明な「緑」にはちょっと参った。 オリジナルが同じ南米を舞台にしながら、砂漠みたいな背景だったのと違って、こちらはジャングル。 その点が…

ギャングース

★★★★★ 2018年11月24日(土) TOHOシネマズ梅田7 どっかの党が一時機、消費税上げなくても企業の内部留保吐き出せたらいいねんと謳っていた。 どうやって吐き出させるかの方途を指し示すことが肝要なのに、全くの言うだけ番長で、だからダメやねん。 と…

きみの鳥はうたえる

★★★★★ 2018年10月18日(土) テアトル梅田1 個人的に現況では「素敵なダイナマイトスキャンダル」を抜いて本年邦画ベストと思う。 映画を見ていて最初の数ショットで「この映画は傑作なんじゃなかろうか」と思えるときがある。 だいたいそういうのはカメラ…

逆噴射家族

★★★★ 2018年9月9日(日) シネヌーヴォ あー…やっぱ今更見る映画じゃなかったかも。 と見始めて、そんなことを思ったりもした。 色褪せ感というか救い難いズレ感が横溢する。 ATG大全集という企画で見たのだが、むしろ製作に長谷川和彦と高橋伴明がクレジッ…

奇跡の人

★★ 1980年10月26日(日) 伊丹グリーン劇場 怜悧なモノクロで繰り広げられた血の滲むような激闘史は弛緩したカラーでの縮小再生産で凡庸化。ヘレン役メリッサは頑張ってるのだろうがTV『大草原の小さな家』(何故か毎週見ていた)のイメージ強すぎで違和感あ…

吸血鬼

★★★ 2018年8月18日(土) プラネットスタジオプラスワン カール・テオドアドライヤー。 映画史的に評価が高い監督だが、どうもしっくりこない。 俺と相性が悪いんだろう。 ずいぶん昔に「裁かるるジャンヌ」と「奇跡」を見てるが、どっちもしっくりこなかっ…

喜劇 女は男のふるさとヨ

★★★★ 2015年1月17日(土) トビタ東映 美津子や魔子を巡るエピソードがそれ程に感銘的とも思えぬとっ散らかし的混沌なのだが、或る意味でのラストリゾート新宿藝能社を営々と維持する森繁・メイ子に改めて敬意と羨望を抱く。理想郷に於ける理想の夫婦像を巧…

菊とギロチン

★★★ 2018年7月7日(土) テアトル梅田1 なんでも瀬々敬久監督数十年来の企画だそうだ。 こういうのは、得てして温めている間に腐るかあらぬ方向に変質して思い入れの本質を見失う。 アナーキスト集団の底辺にいる「ギロチン社」。 女性が虐げられていた時代…

寄生獣 完結篇

★★★ 2015年5月10日(日) MOVIXあまがさき7 3段重ねのクライマックスが用意されるのだが、尺関係で概ね駆け足的描写不足なので何がしかの訴求力は深津絡みにしか無い。寧ろ、そこだけがこの完結編の美点かもしれない。前編にあったアクション編集の醍醐味…

寄生獣

★★★★★ 2015年1月11日(日) MOVIXあまがさき1 モロCGに依拠する題材だが、アクションを描くに距離・空間の活用(ビル屋上での対峙)や編集・アングルのダイナミズム(高架下での戦い)を用い古式床しい映画術の王道を踏襲してる。充分に情緒的なのにベタ…

キッド

★★★★★ 1975年4月2日(水) 北野劇場 問答無用のジャンルオリジナルであり全ての追随者に踏襲された原点であるにも拘らず不可侵の高みを堅持する。ある意味不純物ゼロの絶対映画。クーガン坊やの巧いことったら神懸り的でエゴイストチャップリンが自分が喰われ…