男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【き】

傷だらけの天使

★★★ 2002年10月25日(金)~26日(土) トビタ東映 腐れ縁の道行きが何にも転化せず腐れたままで終始するのが面白くなく、そういうのを描いた映画なのだとしてもダンディズムが不足。ガキ話に分量割きすぎで、感情移入の矛先も定まらぬしアナーキーでもない。そ…

斬る

★★★★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ ショット内の運動と構図がモンタージュと相互に浸食し効果を倍加する。乗り乗りのカッティングのリズムは巧いを超越し神業レベル。惚れ惚れするとはこのこと。随所で出る仲代の気障だが小粋な決め台詞が又小憎らしい程の…

狐のくれた赤ん坊

★★★ 1993年7月11日(日) 日劇シネマ 阪妻の愛すべきキャラクターを次世代で体現し得たのは豪放一筋の三船より愛嬌兼備の勝新であったと断言し得るほどのドハマリ役。オリジナルを超えるものも見当たらないが安定した三隅演出もあって水準以上のプログラムピク…

金融破滅ニッポン 桃源郷の人々

★★★★ 2002年11月5日(火)~6日(水) ホクテンザ2 どんなコンゲームを見せてくれるのかと思えば単なる株価操作で利幅も2000万とは何とも庶民的。まあそれも原作ありきと思えば納得するしかない。正直物足りないが、三池・相川コラボの逸脱作として乃至は室…

極東黒社会

★ 1993年5月16日(日) 新世界東映 香港映画ばりのごった煮な混沌を期待したがクソみたいな出来。脳内でっち上げのヤクザオリンピックは一応国旗の数を揃えてみたが、所詮一昔前の似非ギャング映画の愚昧な模倣。キャスティングも、一昔前のしなびた連中ばかり…

危険な関係

★★★ 2003年1月15日(水) シネリーブル梅田2 退廃に身を沈め愛を弄ぶ極悪カップルが垣間見せる純情(涙や心からの笑顔)が物語を有機的に転がしていかないのがもどかしい。ローアングルを駆使した演出はところにより結構冴えるのだが生気無いフィリップがモロ…

ギャング・オブ・ニューヨーク

★★★ 2003年1月10日(金) 梅田ブルク7シアター7 「復讐」も「恋」もラスト30分で済し崩しに歴史の荒波に飲まれてしまうのなら、2時間半に渡って語られた物語は何だったのかと思う。論理的に構成された物語の快感は無いが、圧倒的なデイ=ルイスをはじめ見…

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

★★★★ 2003年3月27日(土) 梅田ブルク7シアター6 60年代風軽快コメディテイストを装いつつ家族離散の苦悩をマジで描くという、どっちつかずのコンセプトをタイトルからしてのゴージャスさと陰影深いカミンスキー撮影で縁取り纏め上げたスピルバーグの力業…

客途秋恨

★★ 1993年8月8日(日) みなみ会館 民族史的アイデンティティを問うのに母娘の確執に集約するのであれば、いっそのことベタな情感に流れても良かったのではないだろうか。静謐にクールであることで何も浮かび上がって見えてこない。良い題材だとは思うが乗れな…

キャロル

★★★ 1993年9月14日(火) 第七藝術劇場 映画を巡る事件は最早風化しそこへの言及は虚しいだけだが、固めてないリーゼントがまるでロン毛の素の永ちゃんが、反ロッカー的に70年代のフラワーなムードを発散させ秀逸。キャロルと言うより彼の映画ってな位に思い…

キャプテン・スーパーマーケット

★★★★ 1993年10月17日(日) 新世界国際劇場 インディーズから発生したマイナーキャラが変遷を経て、どんな難事に遭遇してもノンシャランと乗り切ってしまう正統派アメリカンヒーローに帰結したが、予定調和の陥穽に陥る直前の微妙なアンバランスさが画面を横溢…

機動警察パトレイバー2 the Movie

★★★★ 1993年11月3日(水) 高槻松竹 『ビューティフルドリーマー』で「メガネ」を抽出した如く南雲と後藤を前面に出してオリジナルを解体するのは作家的独善思想を感じ少し嫌だが1を数段上回る圧倒的技術進歩。だからこそ、擬似や模擬ではない本物をシュミレ…

機動警察パトレイバー

★★★ 1993年11月3日(水) 高槻松竹 特車二課という「チーム」を描きながら一昔前の「連帯」感は無く個人の間には微妙な距離があり冷めている。そういった世界を抽出された都市の無機質感を背景に先鋭化させる押井流は原作やOVとの狭間で躊躇があるように思え…

キル・ビル

★★★ 2003年10月28日(火) 梅田ブルク7シアター1 序盤には曲りなりにも垣間見えた復讐と言うパッションは後半のお遊び三昧の中で雲散霧消。そもそも前篇も後篇もない一気呵成の展開の中でこその東京シークェンスだろうにダルに引き伸ばされクライマックスに…

狐の呉れた赤ん坊

★★★ 2003年12月2日(火) 高槻松竹 阪妻の魅力は満喫できるし、「父子もの」の数多の同系作と比してもベタつかない自我が確立された人々の話で気持ちいい。しかし、どうも、「血は争えない」ってのが血統書つきの平民の俺とすれば何か鼻持ちならない。(cinemas…

さがす

★★★★ 2022年2月2日(水) テアトル梅田1 【ネタバレです】 「岬の兄妹」もそうだったが、片山慎三のタブー視されるテーマを攻める姿勢を一応は良しとしたい。死にたがってる奴殺して何が悪いって思ってる奴は間違いなくいるし、実際そういう事件も起こって…

きょうのできごと

★★★★ 2004年3月23日(火) テアトル梅田1 魅力的な構成だが神の視座を謳うのであれば挿話がもう幾つか欲しかった。断罪も救済もしない田中麗奈の主人公に対する作り手のスタンスを図りかねるので肝心の鯨が浮いた。しかし、ダラな1夜の顛末の空気には痛いく…

キル・ビル Vol.2

★★★★ 2004年4月27日(火) 梅田ピカデリー1 正直、前作での「日本映画」もどきでは勘違いとしか感じられなかったリスペクトという熱い代物が「マカロニ」・「香港映画」に対してはド真ん中から俺を射た。模倣の域を超えた室内格闘演出の巧さで沸点到達した後…

CASSHERN

★★★ 2004年5月28日(金) 梅田ピカデリー3 汎亜細亜的未来観に又かの辟易感を感じつつも、こうも斜に構えることなく「戦争反対」「LOVE&PEACE」と言われたら鼻白むを通り越して一聴に値するとも思う。幼児の戯言に真実を見出すのと五十歩百歩だとも…

キャット・ピープル

★★★ 1982年7月29日(木) 三番街シネマ1 美術スカルファオッティ・音楽モロダー・主演ナスキンと重厚なゴシック面子を揃えたが、B級ストーリーだけに今ひとつ盛り上がらない。ただ侘びしくうら寂しい孤独感に充ち充ちたムード醸成が良い。ニューオリンズの異…

キングスマン ファースト・エージェント

★★★★ 2022年1月13日(木) 梅田ブルク7シアター5 世代の交代を明晰に打ち出した1作目であったが、2作目ではその設定が自縄自縛となり泥縄展開と成り果てた。 その反省からか、前日譚である本作では初心に帰っての節があるが、おんなじことやってもしゃー…

銀河ヒッチハイク・ガイド

★★ 2005年9月17日(土) ナビオTOHOプレックス5 ロックウェルとマルコヴィッチの突出した怪演に辛うじてドラッグカルチャーの残り香があるが、あとは出し遅れの間延びしまくったフラワーカルチャーの残滓。この時代錯誤な脳天気さには嫌悪感すら覚える。…

キングダム・オブ・ヘブン

★★★ 2005年8月15日(月) 新世界国際劇場 オーランド・ブルームに誰もが夢見て成し遂げ得ない恒久平和を達成できるカリスマが微塵も感じられないので萎えまくる。万座を圧するべきクライマックスのアジテーションは台詞読んでるだけ。スコット演出はときに細密…

嫌われ松子の一生

★★★ 2006年6月14日(水) 動物園前シネフェスタ1 カラフルでポップな語り口は闊達だが、受動的な生き方の末の転落人生に対する共感も反意も感じられない。したたかな女が跋扈した昭和へのアンチテーゼとしての平成イズムは、やはり語るべきものを持たないの…

霧の中の風景

★★★★★ 1991年3月23日(土) 祇園会館 引きの画の呪縛から解き放たれたアンゲロプロスは饒舌からほど遠い地平で神話と物語の均衡点に奇跡的に降り立った。グエッラのアントニオーニとの共闘作業の最善の形での復刻。厳酷な風景の中のドラマに差し込む微かな温度…

Q&A

★★★★ 1991年4月7日(日) トビタシネマ 停滞の80年代を経たルメットの90年初頭に出た快打。であると同時にブクブクに増量したノルティ乾坤一擲の気合いに一気に引き込まれる。単純な善悪論から多重な問題提議に及ぶかに見せ、鯔の詰まりベタに収束させると…

キネマの天地

★★★ 1991年5月25日(土) トビタ東映 オーソドックスで陳腐なスタ誕物語を軸に映画史観を持ち込みたいなら、井上ひさしと山田太一の参画がピンと来ないし山田洋次の題材でもないだろう。微細な機微を描いてこその男が柄でもない社史編纂事業に携わることがちぐ…

ギルダ

★★★ 2007年9月8日(土) OS名画座 『カサブランカ』の裏返しとして、グレン・フォードの冷徹さに惹かれたかに思えたが…ちゃうやん。2人の真情吐露を垣間見せずに強引に引っ張る構成の弱さを、2回に及ぶリタの名曲で何とか補完するという歪な出来具合。ま…

傷だらけの男たち

★★★ 2007年9月29日(土) 新世界国際劇場 アバンタイトルのパノラミックな構成には期待したものの、ラスト10分で一応は氷解するトニー・レオンを軸とした「男と女」と「男と男」の物語を引っ張るには矢張り構成上の難がある。ムードに流れセンチで押すだけ…

キングダム 見えざる敵

★★ 2007年10月13日(土) TOHOシネマズ梅田9 ワンサイドなスタンスをラストの詠嘆で修正しようとするあざとさを割り引いても、冒頭で提示されたサウジと米の歴史が現在に繋がりゆく構造的解明が些かも試みられず陳腐な人質奪回劇に堕していく様に唖然と…