男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【き】

キュリー夫妻 その愛と情熱

★★★ 1999年4月6日(火) 西灘劇場 あたかも教育テレビの連続ドラマの無味無臭さ。ノワレ校長の俗物性の匙加減までもが程良く当たり障りない。素直で丁寧な作りには好感を持てるし安心して見れるが多少は毒気も欲しかった。研究への情熱が連帯を産む世界での愛…

絆 きずな

★★★ 1998年7月11日(土) ホクテンザ1 ブレイク前の青白い殺気がガチで互いを呑んだろか的な役所と渡辺のがっぷり四つの演技の相克が全て。錯綜する展開も中盤までは予断を許さず刺激は維持されるが謎解きを急ぐ終盤できっちりしぼんだ。ありきたりな物語なら…

キッスで殺せ!

★★★★ 1998年11月14日(土) 梅田ガーデンシネマ2 フィルムノワールかと思いきやストーリー展開が後半加速し枠を逸脱していく。原作にアルドリッチが加味した部分はマッカーシズムや核への警鐘というより既成枠を解体したアナーキズムそのものだが、それに意図…

共犯者

★★ 1999年5月2日(日) 新世界東映 どうしたって石井隆映画の文脈延長上で見られる宿命に対して無自覚だと思う。エロティシズムを廃しヴァイオレンスに新境地を見出そうとしたが垢抜けしないこと甚だしい。唯一キョンキョンが勿体ないくらいの哀感を出している…

季節の中で

★★★ 2000年2月19日(土) 梅田ガーデンシネマ1 流行監督的物真似が無いだけましだがオリジナリティも感じられない。一見、心を打ちそうな物語が連ねられてはいるが、新奇さも無く表層的な感じが拭えない。大体カイテルを出したこと自体が相当に胡散臭い。(cin…

救命士

★★★ 2000年3月25日(土) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田7 主人公の安らぐ間もない日常と憔悴、その合間に訪れる過去の幻影。2重構造の表と裏が不可分に作用反作用をもたらしクライマックスへと…という『タクシー・ドライバー』的破壊のカタルシスは無く…

狂熱の孤独

★★★★ 2000年3月20日(月) テアトル梅田1 実存主義的懊悩といっても今更の感があるし、それを緻密に描ききれてるとも思えないのだが、ミシねェル・モルガンの節度或る気品と滲み出る女っぷりが説得性をもたらしている。辺境での世捨て感と閉塞状況の刹那がも…

傷だらけの挽歌

★★★★★ 11月27日(日) プラネットプラスワン アルドリッチの中でもあまり言及されない作品だし役者陣も地味である。大して期待せずに見たのだが、驚いたことに傑作だった。 ギャング団に拉致された少女が一味の若者と心を通わせるようになる。っていうとスト…

切られ與三郎

★★★ 2000年8月5日(土) シネヌーヴォ 転落人生を生きざるを得ない与三郎に切羽詰った被虐感は感じられず、折にふれて邂逅を果たすお富との間にも何かありそうで何もないという、何ともすっきりしない話で、何かようわからん。ただ淡路恵子が結構クールで良い…

ギルバート・グレイプ

★★★ 1995年5月6日(土) ACTシネマテーク 逃避願望はあるだろうに在るがままを自然体で受け入れるが如き主人公のキャラが良く清流の如き映画と思ったし、ディカプリオは正味天才だとも思った。ただ、寄りの画がニクヴィストとは思えない甘さで画龍点晴を欠…

ギャラクシー・クエスト

★★★ 2001年3月6日(火) テアトル梅田2 お真面目なリックマンやウィーバーに意外性があるという程度の50年代コメディの無毒性再生利用。以上でも以下でもないから幾何級数的な無限逸脱の破綻スパイラルを望むべくもない。これでは閉じた世界で自足する準オ…

ギター弾きの恋

★★★★★ 2001年5月22日(火) テアトル梅田2 虚構の実人物という『ダニーローズ』以降の得意ギミックが鮮やかに決まり物語は切ない追憶へ昇華される。言葉を失ったアレン版ジェルソミーナは爪弾く調べに笑顔で語るしかない。失って初めてわかる掛替え無い理解者…

ギフト

★★★ 2001年6月18日(月) 梅田ピカデリー3 『シンプル・プラン』にも通底する弱者への慈しみが基調にあり、ケイトの静謐なる佇まいと相まって哀しみに溢れた情感が全篇を覆う。それだけに、オカルティズムはドラマの根幹だとしても、そこに収斂させる作劇では…

黄色い風土

★★★ 2001年7月8日(日) テアトル梅田1 「カイザー・ソゼ」真っ青の真犯人にも驚いたし、前半の如何にも清張らしい構成とムードやリアルな60年代の情景は堪能したが、終盤は展開で語るに疲れ大雑把な日活ニューアクション風味になってしまった。そういった…

キングメーカー 大統領を作った男

★★★ 2022年8月24日(水) シネマート心斎橋1 昨今、韓国映画の一大ドル箱ジャンルになってきた自国近代史を題材にした一篇で、その描写の厚みを担保する撮影・美術パートの高品質はあらためてすごいことだと思わされる。 金大中の若い頃の話を題材にしてい…

銀馬将軍は来なかった

★★★★ 1994年3月13日(日) 天六ユウラク座 自分と子供達が生きて行く為にゃあ、どう言われようがこうするしかない…っつうボーダーを越える女の開き直りの図太さが素晴らしく今村的。余りにストレートな表現に序盤は臭みを感じたが中盤以降はずるずる引き込まれ…

凶銃ルガーP08

★★★ 1994年3月20日(日) ホクテンザ1 呪いの銃を持った凡人の破滅譚として物語は予定調和の域を逸脱するものも無い。しかし、媚びたところも全く無いのが初期の北野イズムに通ずるものを感じる。明らかに低予算でそれを隠す術もないのだが、撮影の小松原茂の…

戯夢人生

★★★ 1994年6月12日(日) つかしんホール 撮影をはじめ技術パートの完成度は一種の到達点と思えるが、正直、この李天祿の人生が余りにドキュメンタルな事実にとらわれすぎで面白くない。『非情城市』で兆しが顕現した侯孝賢ルーティーンイメージで凝り固まって…

キングダム2 遥かなる大地へ

★★★★ 2022年7月25日(月) MOVIXあまがさき9 今でこそ老いたブタゴリラと化してしまったが、少年時代の俺はカモシカのように俊敏で走るのが速かった。ふと、そういうことを思い出してしまった。リレーのアンカーで2位でバトンを受け取る。よっしゃや…

キス・オブ・ザ・ドラゴン

★★★★ 2002年2月14日(木) 新世界国際劇場 見た範囲でだがジェット・リー最高作。童顔での余裕綽々ニヤつきを封印し一種の悲愴美とも言うべき味わいを醸し出して、特筆すべきアルボガスト撮影の悲嘆に彩られた世界に親和している。何より臨界すれすれの状況で…

キルソドム

★★ 1994年7月10日(日) ホクテンザ1 血の繋がりとは何かを問いかける結末のシビアさは非常に重くドラマトゥルギーを内包してるとしても、それを映画として観客に訴求するにはグォンテクの愚直が裏目に出る。しんどい物語を語るに記録フィルムとのモンタージ…

殺人核弾頭 キングコブラ

★ 1994年8月28日(日) 新世界国際劇場 300%どうでもいいような話であり、それはそれで構わんのだが、肝心のアクションが絶対零度に限りなく接近しようかというショボさであり、尚且つ畏れ多くもジョン・ウーの『ハード・ターゲット』を意識した類似品とい…

気違い部落

★★★ 2002年6月22日(土) テアトル梅田2 脇キャラは立ってるが中心軸の伊藤のキャラが煮え切らず弱い。従って彼が一層中心で展開する後半はありきたりで退屈。もっと壊滅的な展開を期したが無理なのであった。登場人物は多彩だが山形が安定感抜群。淡島は何し…

きらきらひかる

★★★ 1993年1月15日(金) 扇町ミュージアムスクエア 八方塞がりな状況に沈殿し安住する人々。絶望的に閉塞されていることに自覚的でさえもなくチンタラした話をご丁寧に紡いでいくが主人公の女性が不幸すぎて救われない。両家の親が津川と川津の怒れるヌーベル…

傷だらけの天使

★★★ 2002年10月25日(金)~26日(土) トビタ東映 腐れ縁の道行きが何にも転化せず腐れたままで終始するのが面白くなく、そういうのを描いた映画なのだとしてもダンディズムが不足。ガキ話に分量割きすぎで、感情移入の矛先も定まらぬしアナーキーでもない。そ…

斬る

★★★★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ ショット内の運動と構図がモンタージュと相互に浸食し効果を倍加する。乗り乗りのカッティングのリズムは巧いを超越し神業レベル。惚れ惚れするとはこのこと。随所で出る仲代の気障だが小粋な決め台詞が又小憎らしい程の…

狐のくれた赤ん坊

★★★ 1993年7月11日(日) 日劇シネマ 阪妻の愛すべきキャラクターを次世代で体現し得たのは豪放一筋の三船より愛嬌兼備の勝新であったと断言し得るほどのドハマリ役。オリジナルを超えるものも見当たらないが安定した三隅演出もあって水準以上のプログラムピク…

金融破滅ニッポン 桃源郷の人々

★★★★ 2002年11月5日(火)~6日(水) ホクテンザ2 どんなコンゲームを見せてくれるのかと思えば単なる株価操作で利幅も2000万とは何とも庶民的。まあそれも原作ありきと思えば納得するしかない。正直物足りないが、三池・相川コラボの逸脱作として乃至は室…

極東黒社会

★ 1993年5月16日(日) 新世界東映 香港映画ばりのごった煮な混沌を期待したがクソみたいな出来。脳内でっち上げのヤクザオリンピックは一応国旗の数を揃えてみたが、所詮一昔前の似非ギャング映画の愚昧な模倣。キャスティングも、一昔前のしなびた連中ばかり…

危険な関係

★★★ 2003年1月15日(水) シネリーブル梅田2 退廃に身を沈め愛を弄ぶ極悪カップルが垣間見せる純情(涙や心からの笑顔)が物語を有機的に転がしていかないのがもどかしい。ローアングルを駆使した演出はところにより結構冴えるのだが生気無いフィリップがモロ…