男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふあ~ふの】

フォートレス 未来要塞からの脱出

★★★ 1994年1月9日(日) 新世界国際劇場 問答無用にB級映画なのだろうが、この水準ならば金払ってもいいと思わせる出来。撮影の手堅さもあるし、孤高のヒーローでなく夫婦茶碗というのがジャンルとして新味があって仄甘い。ランバートも悪くないが妻役のロー…

ファイナル・デスティネーション

★★★ 2001年8月24日(金) 新劇会館シネマ1 おっ開げた世界が矮小化しようとも、掴みが良ければ余熱で映画はもつ。殺戮ショーの品評会以上でも以下でもないのだが、定められた運命の不可逆性は世界観を押しつけられ蹂躙されるかのような居心地の悪さだ。個々の…

フェリックスとローラ

★★★ 2002年1月17日(木) 梅田ガーデンシネマ1 世の倫理の外にもある愛を描いてきたルコントだが、流石にこの自己愛女を描くに正面突破は難儀したのか薄幸を装わせ仕掛けを引っ張る搦め手戦法。だがそれは男の無償の純愛を後方に霞ませてしまう。イライラ感が…

ファイナル・ファンタジー

★★★ 2002年1月17日(木) 新世界国際劇場 リアルをトレースしただけのCGとしても見入ってしまうこの技術とかけたであろう金と人力は認めるが、借り物ばかりのキャラや設定が所詮ゲームメイカーの馬脚を現す。オリジナルな創造意欲が物語を起動する瞬間が皆無…

フェリーニ 監督ノート

★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 撮られることのなかったチェロ奏者の話の大オープンセットが本当に勿体無く惜しいと思う。後の『道化師』・『ローマ』・『インテルビスタ』などに継承されるフェリーニ得意の似非ドキュメンタリー初作であり『サテ…

フォー・ザ・バーズ

★★★★ 2002年4月1日(月) 梅田ピカデリー3 電線の鳥達が交わす悪意に満ちたさえずりのリアルとデフォルメされた彼等の真ん丸の姿形とのアンビバレントな調和。正にピクサーの力業とでも言うべき領域だが、集団と個の対立という米カートゥーンに古来より用いら…

フォルテ

★★★★ 2002年4月17日(水) 新世界国際劇場 多分、若作り爺婆大競演の弛緩コメディと言うのが正解なんだろう。しかし、小ネタの種を蒔くだけ蒔いて水をやらず刈り取りもしないええ加減な脚本が妙に爺婆役者達の余裕綽々感とマッチする心地よさがある。ゴールデ…

ふたつの時、ふたりの時間

★★★★ 2002年5月14日(火) シネリーブル梅田1 どん底に落としたヒロインを救済する前作『Hole』との類似性が興を削ぎテーマも一元的で物足りない。仕掛けられた「時間」ギミックは内実を伴わず上滑る。ただ、照明による画面の奥深い色彩設計はゴダールや…

フィラデルフィア

★★★★ 1994年10月9日(日) 祇園会館 真摯に語らねばならないテーマに名優2枚看板を誂えてデミ演出の出張らなさが好ましい。90年代の演技対決による難病もので『レナードの朝』と双璧だと思うが現実社会を背景に持たせた本作の方がより包括的で挑発的。時代…

ファイナル・レジェンド 呪われたソロモン

★★ 2002年6月14日(金)~15日(土) 天六ユウラク座 体技の出来るスターのアクションなのにコマ切れ編集されると台無しになる。監督としては自分の力量を誇示したいところなのだろうが、グッと我慢の子で見せきる度量がないならやめた方がいい。(cinemascape)

ふたりのベロニカ

★★★★★ 1993年3月7日(日) 大毎地下劇場 西欧文化との融合に際し多くの先人とは違いキェシロフスキは祖国との頚木を解き放ちはしなかった。奥ゆかしき西欧観が超自然なギミックと調和しトリッキーな撮影が先鋭を付加する。後にも先にも最高作はこれしかない。(…

ふたり

★★ 1993年3月7日(日) ロッポニカ三宮 ハイビジョンというオモチャを得て大林の悪癖が爆裂。少女世界から大人の女への越境というセンシティヴ且つヴィヴィッドな物語を台無しにした。儚げな中島朋子が絶品だが石田の演技は不可解。クセありすぎの両親のキャス…

ふうせん

★ 1993年6月26日(土) 天六ユウラク座 それしかないから稼業に身を窶すのであってフリーター感覚で何時でもおさらばなぞと冗談も大概にしさらせ。柄でもない今風2枚目2人が腰の座らぬ稼業風を吹かしうざったいことこの上なく挙句に純情恋のトライアングル芝…

ブエノスアイレス

★★★ 2003年5月28日(水) 動物園前シネフェスタ1 冒頭のハードなからみも「イグアスの滝」も「売り」の為の記号としての体裁はあっても本筋の世界とは殆ど関与せず空虚である。腐れ縁からの脱却が最果ての地よりの帰還と巧妙にリンクするのが作劇的には成功し…

フェイシズ

★★★★★ 1993年11月7日(日) ACTシネマテーク 中産階級夫婦の倦怠を一切の作劇上の仕掛けを弄さずに描き前半は戸惑うのだが、そうやって綴った会話劇が中盤以降にいきなり転がり出す。映画が自走し出す瞬間。脳細胞は一気に覚醒し目を瞬く間も惜しい。破壊さ…

ファム・ファタール

★★★ 2003年9月7日(月) OS劇場 ドーンとタイトル「ファム・ファタール」と構えた割には所詮デ・パルマに本質を衝いたものが出来るはずもなく、自走する女優に救われる可能性もあったろうがレベッカ嬢に魅力もオーラも無い。さすれば出歯亀バンデラスも全く…

フォーン・ブース

★★★ 2003年12月2日(火) 梅田ピカデリー1 無駄を削ぎ落としてタイトだと言えば言えるのかも知れぬが、真昼間の摩天楼の谷間の公道上で繰り広げられる一幕物としては当事者2人と警察と野次馬の3者が物語上でも空間処理でもパノラミックに入り乱れる展開があ…

ファインディング・ニモ

★★★★★ 2004年1月16日(金) 梅田ブルク7シアター2 海中景観も良いが、ため無くいきなり動き方向を変える魚の圧倒的スピード感が素晴らしい。親離れ子離れもいいが、ここぞと言うときには思いっきり抱きしめ頬摺り合わす愛情表現が心打つ。鮫や海月や亀も良い…

フィッシャー・キング

★★★ 1992年4月10日(金) 梅田コマゴールド 2人の男のトラウマ脱却話としては回り道が多すぎメッセージが直に伝わってこないし、大体、自己憐憫から簡単に堕ちてしまう奴に共感したくもない。なんだかホームレスって気楽な稼業っぽい映画的な言説に安住してい…

風音

★★★★ 2004年12月14日(火) 動物園前シネフェスタ4 少年と母親と老婦人の互いにリンクしない一夏の物語が各々に決着をつけた後に風に舞う紙吹雪の下に結合されて閉じていく。その端正な折目正しさに久しく忘れていた心地良さを覚えた。それにしても東陽一の描…

ファンシイダンス

★★★★★ 1992年8月7日(金) 毎日文化ホール 置き去られた世界を斜めに見るのではなく、真摯に取り組もうとする者たちの侮れない世界と規定し、現在世代の受容と寛容をも肯定的に捉えようとする。で、流石にまともすぎるので破壊的ギャグを配置する。キザに周到…

フォーガットン

★★★ 2005年6月25日(土) 三番街シネマ2 絶対神なのか何か知らんが大風呂敷を広げておいて「愛は勝つ!」って大真面目に言われても、こちとら脳味噌スポーンってなもんで遣りきれない。ジュリアン・ムーアの独壇場な腺病質的演技全開の前半が結構緻密だっただ…

フォー・ザ・ボーイズ

★★★ 1992年9月27日(日) 新世界国際劇場 色々あったけど歳経て思えば…ってなもんで往年の50年代アメリカン芸道ものを第2次大戦の替わりにベトナムを配置して90年代に復刻しただけである。取り立てて悪くもないが新しいものも何もない。ベット・ミドラー…

ファイヤーウォール

★★★ 2006年8月12日(土) 新世界国際劇場 『必死の逃亡者』の再々映画化かとも思えるアンチ・オリジナリティに加えリージョナルとは言え銀行のセキュリティ突破が安易に過ぎる。ベタニーは思ったほどでもないが、老残にむち打つフォードの終盤の活劇魂に心僅…

ブギーマン

★★★★ 2006年8月19日(土) 新世界国際劇場 話は単純な方が良い。「クローゼットの怪物」というシンプルな骨子を若干の枝葉を絡ませただけの話。あとは演出で押すという矜持が伺える。『追撃者』で感じた鼻持ちならなさが年輪を経て成熟感を醸し出す。(cinema…

不思議惑星キン・ザ・ザ

★★★★ 2021年10月14日(木) シネヌーヴォX こういうユルなんちゃら系のを世間が言うほど好きじゃなく、カルトとして最早不動とも言える地位を確立した映画だと思いますが、今頃になって初見です。 固定カメラの遠くに見えたもんがドンドン近づいてくる。 「…

武士の一分

★★★★ 2006年12月14日(水) 梅田ブルク7シアター3 登場人物が少なく若干単調にはなったが、キムタクの微妙な演技が冷や汗もんで別の意味で緊張を強いられ心地いい。明快なコンセプトが存在し『黄色いハンカチ』や『山の呼び声』に連なる予め定められた瞬間…

フォード・フェアレーンの冒険

★★★★ 1991年3月21日(木) 新世界国際劇場 何事も極めることで善悪の彼岸を越え透徹した境地に至る。グレイという低能毒まみれのエグキャラが統御されこれほどの佳作に仕上がったのは同レベルのバカハーリンと何かがシンクロしたからだ。そういう意味で映画史…

フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い

★★★ 2007年3月24日(土) 新世界国際劇場 みんなお母さん思いのいい子チャンで素晴らしいのだが、いい子チャンすぎて凄味が無く、血の滾るような激情の結露が今一歩に終わりもどかしい。ベタでも少年時代のエピソードのひとつくらい欲しかった。良いシーンも…

フェリーニ サテリコン日誌

★★ 1991年6月23日(日) みなみ会館 フェリーニに対する無邪気な憧憬があって、馬鹿でかいセットがあって、珍奇な人々があちこちに居る。そこでカメラを回せば某かのものになるのであって、『サテリコン』という巨大な怪物を解き明かそうとの気概は感じられな…