男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふあ~ふの】

風音

★★★★ 2004年12月14日(火) 動物園前シネフェスタ4 少年と母親と老婦人の互いにリンクしない一夏の物語が各々に決着をつけた後に風に舞う紙吹雪の下に結合されて閉じていく。その端正な折目正しさに久しく忘れていた心地良さを覚えた。それにしても東陽一の描…

ファンシイダンス

★★★★★ 1992年8月7日(金) 毎日文化ホール 置き去られた世界を斜めに見るのではなく、真摯に取り組もうとする者たちの侮れない世界と規定し、現在世代の受容と寛容をも肯定的に捉えようとする。で、流石にまともすぎるので破壊的ギャグを配置する。キザに周到…

フォーガットン

★★★ 2005年6月25日(土) 三番街シネマ2 絶対神なのか何か知らんが大風呂敷を広げておいて「愛は勝つ!」って大真面目に言われても、こちとら脳味噌スポーンってなもんで遣りきれない。ジュリアン・ムーアの独壇場な腺病質的演技全開の前半が結構緻密だっただ…

フォー・ザ・ボーイズ

★★★ 1992年9月27日(日) 新世界国際劇場 色々あったけど歳経て思えば…ってなもんで往年の50年代アメリカン芸道ものを第2次大戦の替わりにベトナムを配置して90年代に復刻しただけである。取り立てて悪くもないが新しいものも何もない。ベット・ミドラー…

ファイヤーウォール

★★★ 2006年8月12日(土) 新世界国際劇場 『必死の逃亡者』の再々映画化かとも思えるアンチ・オリジナリティに加えリージョナルとは言え銀行のセキュリティ突破が安易に過ぎる。ベタニーは思ったほどでもないが、老残にむち打つフォードの終盤の活劇魂に心僅…

ブギーマン

★★★★ 2006年8月19日(土) 新世界国際劇場 話は単純な方が良い。「クローゼットの怪物」というシンプルな骨子を若干の枝葉を絡ませただけの話。あとは演出で押すという矜持が伺える。『追撃者』で感じた鼻持ちならなさが年輪を経て成熟感を醸し出す。(cinema…

不思議惑星キン・ザ・ザ

★★★★ 2021年10月14日(木) シネヌーヴォX こういうユルなんちゃら系のを世間が言うほど好きじゃなく、カルトとして最早不動とも言える地位を確立した映画だと思いますが、今頃になって初見です。 固定カメラの遠くに見えたもんがドンドン近づいてくる。 「…

武士の一分

★★★★ 2006年12月14日(水) 梅田ブルク7シアター3 登場人物が少なく若干単調にはなったが、キムタクの微妙な演技が冷や汗もんで別の意味で緊張を強いられ心地いい。明快なコンセプトが存在し『黄色いハンカチ』や『山の呼び声』に連なる予め定められた瞬間…

フォード・フェアレーンの冒険

★★★★ 1991年3月21日(木) 新世界国際劇場 何事も極めることで善悪の彼岸を越え透徹した境地に至る。グレイという低能毒まみれのエグキャラが統御されこれほどの佳作に仕上がったのは同レベルのバカハーリンと何かがシンクロしたからだ。そういう意味で映画史…

フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い

★★★ 2007年3月24日(土) 新世界国際劇場 みんなお母さん思いのいい子チャンで素晴らしいのだが、いい子チャンすぎて凄味が無く、血の滾るような激情の結露が今一歩に終わりもどかしい。ベタでも少年時代のエピソードのひとつくらい欲しかった。良いシーンも…

フェリーニ サテリコン日誌

★★ 1991年6月23日(日) みなみ会館 フェリーニに対する無邪気な憧憬があって、馬鹿でかいセットがあって、珍奇な人々があちこちに居る。そこでカメラを回せば某かのものになるのであって、『サテリコン』という巨大な怪物を解き明かそうとの気概は感じられな…

ファントム・オブ・パラダイス

★★★ 1991年8月6日(火) テアトル梅田2 カリカチュアされない生サディズムの一方でマゾヒズムは垂れ流され続けるベタベタ情感で粉飾され本質を蔑ろにされる。全ての技巧と楽曲をも押さえ込みデ・パルマが自らの本質を吐露した作家としての立脚点。あまりのド…

フィクサー

★★★ 2008年4月19日(土) TOHOシネマズ梅田10 参照したという70・80年代映画の内『ネットワーク』的物語構造と『評決』的キャラのリミックス。鳥瞰的に社会悪を燻しだす気もなく主役3人の浅い相克に終始するだけで、悦に入るクルーニーも虚しい限…

フィールド・オブ・ドリームス

★★★★ 1990年3月3日(土) 長崎東映パラス ベースボールカードの収集が子供にとってのファンダメンタルなホビーである国じゃないと解らないんじゃないかって思ったりもする。同工異曲で同時期に公開された『異人たちとの夏』の方がしっくりきた。俺は日本人だか…

ファミリー・ビジネス

★★★ 1990年7月15日(日) 新世界国際 バランスから言うとホフマン父を主軸に物語を立てるべきなのに、コネリー爺ばかり良いとこさらう。軸を3代の親子の誰に仮託するかでブレているから、何がテーマなのかわけわからん。スタッフワークも渋く良い題材なのに惜…

ファーザー

★★★★ 2021年6月28日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 【完全なネタバレです。見る予定なら読まないで下さい】 ホプキンスがアカデミー賞をとったこと以外何ひとつ予備知識なく見た。なんとなく頑固親父と子どもの心の交流みたいな内容を想像してたの…

まむしの兄弟 二人合せて30犯

★★ 1990年10月27日(土) トビタ東映 シリーズでこれしか見てないが正味つまらない。馬鹿で単純で乱暴だが本当は気が優しいというキャラは文太の本懐だろうが、そこに亡きおっ母さんネタが加わりベタ2乗でしんど過ぎ。安い工藤演出も緩さを上塗る。ひたすら脳…

ファニーゲームU.S.A.

★★★★★ 2009年5月23日(土) 新世界国際劇場 モンタージュが喚起する映画がショットの連鎖により成立する事の実感と至福。そして、意味或る物のみで成立するショットを完全に磨き上げるだけ。サディスティックなハネケにこそ為し得る達成。ナオミ・ワッツも長…

フィールズ・グッド・マン

★★★ 2021年5月22日(土) シネヌーヴォX 政治的な意図や背景が皆無なところでカルティックに棲息していた漫画キャラ、カエルのぺぺが新興右翼に利用されてヘイトシンボルとして大拡散されてしまった。たいへんやー、 ってしゃーないんちゃいます?だって何と…

プース・モーメント

★★★ 2021年5月6日(木) シネヌーヴォX ヒラヒラした布切れみたいなのが奥から次々と現れては取り去られていく。布切れに見えたのは20年代のモードだそうだが、無粋な俺にはまるっきり感興はわきません。 それを女性が着て、お犬を連れてお散歩にお出かけ…

ファニーとアレクサンデル

★★★★★ 1987年12月30日(水) 大毎地下劇場 並の集大成ではない。遥か処女脚本『もだえ』に遡上しリライトされた聖職者への嫌悪を明示し決別し、自己を否定し解放する。で、およそらしからぬ豊饒が現出した。その決意こそがもたらした圧倒的映像力。ニクヴィス…

フィメール・トラブル

★★★ 1986年9月7日(日) SABホール デヴァインというトリックスターが物語の阻害要因かとさえ思わせる女の編年記。…かと思わせて、結局は悪意ある世の中には彼女くらいの毒をもって立ち向かわねばならないと帰結する。映画的にこなれてきてアナーキズムはザ…

ファイヤーフォックス

★★★ 1985年1月15日(火) シネマ温劇 命を賭して敵側に汲みする者の情念も冷戦下のモスクワが舞台という情緒も余り感じられず、ただ淡々と話が流れていってしまう。これ見よがしさが無いイーストウッド演出の特質が裏目に出て尚且つ最後は別物映画になった。流…

副王家の一族

★★★ 2010年9月17日(金) 新世界国際劇場 多彩な人物が出入りする叙事的物語は結局は父子の相克へと収斂するのであるが、演出の筆力が有りそうで無さそで、どうにも通り一遍でダラダラ感が拭えない。一方、トップクラスの美術と衣裳なのだが、撮影は今いち凡…

フットルース

★★ 1984年9月9日(日) 友楽スカラ座 白痴的展開を殊更言う気もなく、メガヒットポップス連チャンのミュージッククリップ集だとしても、このクローズアップを鬱陶しいまでにインサートする当時の唾棄すべき流行。フォシーもランディスもパーカーも落ちた陥穽に…

ファイブ・イージー・ピーセス

★★★ 1983年2月25日(金) 伊丹ローズ劇場 ラズロ・コヴァックスの画面には守旧派的伝統美とニューシネマのモラトリアムが絶妙のバランスで混在して良いのではあるが、殊更に脱出願望を顕わにする主人公のそのしがらみが断罪すべきまでとも思われず切実味がない…

フォロー・ミー

★★★ 2011年5月28日(土) TOHOシネマズ梅田10 主人公の孤独感の要因たる階級社会へのアンチテーゼは結局提示されぬまま、緩い恋人ごっこに埋没する世界の行き詰まり。マゾヒスティックに耽溺するなら未だしも、迎合的半端な結末は老リードの限界だろう…

フィツカラルド

★★★ 1983年5月15日(日) 梅田ロキシー 極私的信念に凝り固まって偶発的な誤りで生じた周囲の助けを受けつつ馬鹿げたことやったからといって狂人の戯言であり、況してや延々それを見せられしんどいだけ。スペクタキュリティとして船の密林山越えは見せ場だが贅…

フェアウェル

★★★★★ 2020年10月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 現代社会において一族が集う機会は結婚式と葬式くらいなもんになっており、場合によっては何十年も会ってない親族が顔を合わせる。 数日間一緒にいて、その後散り散りに別れ滅多なことでは再び…

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

★★★★ 2020年9月12日(土) シネリーブル梅田1 イケてない女子高生2人が、卒業式の前日、最後だからハッチャケちゃおうとする話で、そうなると展開は自ずと見えているように思える。 しかし、主演の2人が適度に肥えていたり、適度に性根曲がってそうに見え…