男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【わ】

わらの犬

★★★★ 1976年12月21日(日) ビック映劇 主人公の衝動が暴発へ向かうトリガーは多分に言い訳がましいが、前段の妻を巡る執拗な確執があって違和感を減殺してる。ショットガンでの殺戮からラストまで正にペキンパーの独壇場だが、前半のフラッシュバック多用はく…

私がやりました

★★★★ 2023年11月9日(木) 大阪ステーションシティシネマ5 1人の女が邸宅を出て慌てて歩いて行く。この冒頭数分間の絶妙に安定したモンタージュだけでも、ああ、この映画見に来て良かったと思わせるものがあります。「熟達の域」なる言葉をどっかの評で見…

わるい仲間

★★★ 2023年8月28日(月) シネリーブル梅田2 野郎2人が女をナンパする。踊りたいと言うのでダンスボールへ行くが、どうも話も噛み合わず盛り上がらないまま女は他の男に誘われて踊ってばかり。男2人は女のカバンから財布を重ねてトンズラこくのであった。…

娃娃と子豚

★★★★ 1994年7月31日(日) アクア文化ホール 親を亡くし田舎から来た少女に対して都会の少年たちは限りなく優しい。神出鬼没の子豚が巻き起こす騒動も腰の入った描写を連ねて見事だ。児童映画としても明るく楽しく上出来だがラストの少女の受容と解放。通り一…

別れる決心

★★★★★ 2023年2月18日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 またかのファムファタールものかと食傷を思わせるのだが、パク・チャヌクは裏の裏を行って純なハートを抽出してきた。やっぱ食えない野郎だと思う。 【以下ネタバレです】 刑事と容疑者、妻帯者と…

101

★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 擬人化された動物も漫画なら許容できても、実写となれば余りに胡散臭い。ブチ模様の犬を101匹も集めて人間の考えた話ににピースとして当てはめるのは奢りであろう。しかも救われんのが、そうまでされた犬達が余り可愛く…

わが谷は綠なりき

★★★★ 1999年1月17日(日) みなみ会館 幾何学的計算に裏付けられたかの如きオープンセット美や紫檀の陰影を有した白黒撮影があれば充分とも言えるが、多くの登場人物が織りなしノスタルジーに収斂される編年記としては矢張りどうしても短い。クリスプの親爺も…

WANDA ワンダ

★★★★ 2022年8月3日(水) テアトル梅田1 夫にとって良き妻であり、子どもにとって良き母であるということができない女性の話で、男にとっては赦し難いことだったんでしょう。ヴェネチアで受賞したにもかかわらず50年前のアメリカの守旧的価値観のなかで黙…

ワイアット・アープ

★★ 1994年8月16日(火) 千日前弥生座 詩情にせよ活劇性にせよシニカルな視線ににせよ純朴な崇拝にせよ超絶な個性にせよ無為な虚空にせよ入込み処が絞り切れぬままに芸なく尺だけ延びたのがコスナーの慢心に見えてしまうところが質悪い。神話をリストラクトす…

ワン・セカンド 永遠の24フレーム

★★★ 2022年6月6日(木) 大阪ステーションシティシネマ2 フィルム時代の映画に於いて1秒間は24コマの残像が連なり形成される。そういう意味のタイトルだが、そこまで映画をミクロに突き詰めた何かがあるかと言えば全くない。もちろんチャン・イーモウは…

私は二歳

★★★ 1994年10月9日(日) 高槻セントラル 野暮を承知で言うと大体乳児が意志を持つわけなく胡散臭いこと甚だしい。微温的且つ無変化を穿つ毒視線が不在なままで平凡な庶民生活から何かを汲み取るには崑のケレンもスター山本富士子の存在も阻害要因でしかない。…

湾岸バッド・ボーイ・ブルー

★★ 1993年7月4日(日) 天六ユウラク座 フィルムノワールめいた冷めた簡潔な描写は一応意図として好感が持てるが、ずっと冷めたままなので終いにはイライラしてくる。こういうのは、相当な技術に裏打ちされた画力がないと保たないのに、肝心の湾岸クルージング…

忘れられた人々

★★★★ 1993年8月10日(火) 扇町ミュージアムスクエア 悪の起源を解き明かそうなぞと言う教条的志向は皆無で、ひたすらに派生しゆく悪の連鎖を丸投げに提示する。そう言う絶望的達観は無責任と紙一重なのだが、真摯な姿勢からブニュエルの怒りと哀しみは読みと…

ワンス・アンド・フォーエバー

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ ドラッグもストーンズも未だ無いベトナム。完膚無き負け戦にまみえた50年代アメリカ理想主義は友愛精神も高らかに未だ穢れを知らない。斜に構えぬ平明な描写は悲惨な戦闘状況を的確に描写するがイラク戦争下でこれが製…

ワンス・アポン・ア・タイム 天地大乱

★★★ 1993年9月27日(月) OS劇場 医者で武闘家という黄飛鴻の二律相反を演じるにリーはジャッキーよりもらしい感じはするが、『酔拳2』が肉体のぶつかり合いと痛みを感じさせるのに対し、こちらは軽業師の曲芸を見てるようだ。無駄なく性急に流れる展開も卒…

私のように美しい娘

★★★★ 2003年10月14日(火) 梅田ガーデンシネマ2 デ・シーカ・ジェルミからフェリーニ・パゾリーニへと連なるイタリア艶笑譚の血脈を完璧にトレースしたトリュフォーの職人芸。狂騒と泥臭さまで堂に入ったものだが、ギイ・マルシャンの歌だけでも見る価値はあ…

私がウォシャウスキー

★★ 1992年3月29日(日) トビタシネマ ハードボイルドは綺麗事ではダメなのであって、男なら完膚無きまでに叩きのめされ尚且つ勝ち取る勝利を女ならどうするか…ってのが呈示されてない。所詮、性としての「女」を使わないキャラなんて飯事世界の戯れ言だ。ター…

ワールド・アパート

★★★★ 1992年4月18日(土) 毎日文化ホール 枠外にある隔てられた世界が自分の世界と不可分だと感じられるようになる。反アパルトヘイトを謳うに少女の身の丈に合う視線で静謐に居丈高じゃない内省的スタンスに徹している。戦略臭を感じつつもこういうのに弱い…

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

★★★★ 2004年7月17日(土) ホクテンザ2 仰角構図で切り取られた空がフォードを想起させる前半。あくまでに「決闘」へ向けたシンプルな作劇。限りなき嘗ての西部劇へのオマージュの一方、人の「殺戮本能」を問う視点が『許されざる者』以降を示現する。ならば…

わが街

★★★★ 1992年5月25日(月) OS劇場 カスダンによるアルトマン的人間タペストリーは平易でストーリーテリングのテンポも良く、現代と四つに組んだ真面目さが好印象。人種問題を簡単に流しちまうのは一種のスノビズムだとは思うが真面目だから鼻につかない。(ci…

ワン・プラス・ワン

★★★★ 2021年12月6日(月) なんばパークスシネマ1 1967年の「ウィークエンド」撮影後、商業映画との決別を宣言したゴダールは、1979年の「勝手に逃げろ/人生」で商業映画復帰をするまでの12年間、ジガ・ヴェルトフ集団名義で訳のわからん政治的…

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵

★★ 2006年3月5日(日) 伊丹TOHOプレックス3 体が何10メートルも伸び縮みしたり、屋敷を一瞬にしてブッタ切ったりする連中にラチェットという適役が拮抗するパワーも物量も荒みも持ち得てないのでハラハラしない。代わりにあざといまでに内輪ギャグを…

われに撃つ用意あり

★★ 1991年3月17日(日) 天六ユウラク座 過去に縋るしかない敗残者たちが1人の少女の為に今一度戦うわけだが、若松には余りに真っ当すぎるドラマトゥルギーで、何を間違ったかダサい情緒に支配された救いがたい展開。論理に基づいた筈の闘争の行き着く果てが…

ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち

★★★ 2007年3月3日(土) 梅田ブルク7シアター2 長大な物語をブッタ切った感が拭い難い。それくらいにアラバスタ王国をめぐる王とクロコダイルの確執や王女ビビと家臣たちの物語を見たいと思った。前作『カラクリ城』よか数段マシだが原作読めでは甘えだろ…

ワイルド・アット・ハート

★★★★★ 1991年8月16日(金) テアトル梅田2 極楽恋愛道を往く2人の地獄巡りは「ラブ・ミー・テンダー」で強引に帳尻を合わせたが屹立してるのは地獄の方であった。怖いヤーさんが退いた後を締めるイザベラとデフォーの変態的存在感。マッチの炎とバダラメンテ…

ONE PIECE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜

★★★ 2008年3月1日(土) 梅田ブルク7シアター2 正攻法に原作や源TVシリーズをトレースする真っ当さに好感を持つが、所詮は原作ファンの内的世界に依存するものであることは否めない。幼気なチョッパーの泣き顔にも心打たれるがヒルルク&くれはの爺婆コ…

ワイルド・バレット

★★★ 2008年11月8日(土) 天六ユウラク座 冒頭10分にはかなり期待したし、独逸表現主義に遡及するかのデューク親爺や鬼畜夫婦が逸脱しバランスを阻害するのは好むところでさえあるが、なら他を絞れと言いたい。総じてタイトじゃないし、女子供に依拠する展…

私がクマにキレた理由

★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 主人公がモラトリアムに自分探しするのは結構だが、何故「子守」なのかが、人類学専攻による研究志向だと言い訳してもかなり胡散臭い。それは、半端なファンタジー色を散りばめた描法の座りの悪さにも言える。ヨハ…

ワールド・オブ・ライズ

★★★★ 2009年1月17日(土) 梅田ブルク7シアター2 現代版『ロレンス』とも言うべきイスラムへの越境感。これがハリウッドから出現したことへの希望。トニーと近似化しゆくリドリーへ一抹の危惧を感じつつも縦横無尽に闊達な演出に魅せられまくる。3者の腹…

我が至上の愛 アストレとセラデン

★★★ 2009年2月21日(土) テアトル梅田2 牧神の午後的アンニュイと神話性を伴い老練な無駄のない闊達さで物語は進むのだが、肝心のギアが何時までたっても入らない。で、あろうことかシェークスピア的女装ネタに突入。もうドン退きとなってしまった。リアリ…