男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【わ】

湾岸バッド・ボーイ・ブルー

★★ 1993年7月4日(日) 天六ユウラク座 フィルム・ノワールめいた冷めた簡潔な描写は一応好感が持てるが、ずっと冷めたままなのでイライラする。こういうのは、相当な技術に裏打ちされてないと保たないのに、肝心の湾岸クルージングが全く魅力に乏しく話になら…

忘れられた人々

★★★★ 1993年8月10日(火) 扇町ミュージアムスクエア 悪の起源を解き明かそうなぞと言う教条的志向は皆無で、ひたすらに派生しゆく悪の連鎖を丸投げに提示する。そう言う絶望的達観は無責任と紙一重なのだが、真摯な姿勢からブニュエルの怒りと哀しみは読みと…

ワンス・アンド・フォーエバー

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ ドラッグもストーンズも未だ無いベトナム。完膚無き負け戦にまみえた50年代アメリカ理想主義は友愛精神も高らかに未だ穢れを知らない。斜に構えぬ平明な描写は悲惨な戦闘状況を的確に描写するがイラク戦争下でこれが製…

ワンス・アポン・ア・タイム 天地大乱

★★★ 1993年9月27日(月) OS劇場 医者で武闘家という黄飛鴻の二律相反を演じるにリーはジャッキーよりもらしい感じはするが、『酔拳2』が肉体のぶつかり合いと痛みを感じさせるのに対し、こちらは軽業師の曲芸を見てるようだ。無駄なく性急に流れる展開も卒…

私のように美しい娘

★★★★ 2003年10月14日(火) 梅田ガーデンシネマ2 デ・シーカ・ジェルミからフェリーニ・パゾリーニへと連なるイタリア艶笑譚の血脈を完璧にトレースしたトリュフォーの職人芸。狂騒と泥臭さまで堂に入ったものだが、ギイ・マルシャンの歌だけでも見る価値はあ…

私がウォシャウスキー

★★ 1992年3月29日(日) トビタシネマ ハードボイルドは綺麗事ではダメなのであって、男なら完膚無きまでに叩きのめされ尚且つ勝ち取る勝利を女ならどうするか…ってのが呈示されてない。所詮、性としての「女」を使わないキャラなんて飯事世界の戯れ言だ。ター…

ワールド・アパート

★★★★ 1992年4月18日(土) 毎日文化ホール 差別者による被差別者側に立った物語は先鋭的なら身内を撃つというスタンスに行き着くしかない。これは、少女の視線で静謐に居丈高じゃなく内省的スタンスに徹している。戦略臭を感じつつも、こういうのには弱い。素…

ワイルド・レンジ 最後の銃撃

★★★★ 2004年7月17日(土) ホクテンザ2 仰角構図で切り取られた空がフォードを想起させる前半。あくまでに「決闘」へ向けたシンプルな作劇。限りなき嘗ての西部劇へのオマージュの一方、人の「殺戮本能」を問う視点が『許されざる者』以降を示現する。ならば…

わが街

★★★★ 1992年5月25日(月) OS劇場 カスダンによるアルトマン的人間タペストリーは平易でストーリーテリングのテンポも良く、現代と四つに組んだ真面目さが好印象。人種問題を簡単に流しちまうのは一種のスノビズムだとは思うが真面目だから鼻につかない。(ci…

ワン・プラス・ワン

★★★★ 2021年12月6日(月) なんばパークスシネマ1 1967年の「ウィークエンド」撮影後、商業映画との決別を宣言したゴダールは、1979年の「勝手に逃げろ/人生」で商業映画復帰をするまでの12年間、ジガ・ヴェルトフ集団名義で訳のわからん政治的…

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵

★★ 2006年3月5日(日) 伊丹TOHOプレックス3 体が何10メートルも伸び縮みしたり、屋敷を一瞬にしてブッタ切ったりする連中にラチェットという適役が拮抗するパワーも物量も荒みも持ち得てないのでハラハラしない。代わりにあざといまでに内輪ギャグを…

われに撃つ用意あり

★★ 1991年3月17日(日) 天六ユウラク座 過去に縋るしかない敗残者たちが1人の少女の為に今一度戦うわけだが、若松には余りに真っ当すぎるドラマトゥルギーで、何を間違ったかダサい情緒に支配された救いがたい展開。論理に基づいた筈の闘争の行き着く果てが…

ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち

★★★ 2007年3月3日(土) 梅田ブルク7シアター2 長大な物語をブッタ切った感が拭い難い。それくらいにアラバスタ王国をめぐる王とクロコダイルの確執や王女ビビと家臣たちの物語を見たいと思った。前作『カラクリ城』よか数段マシだが原作読めでは甘えだろ…

ワイルド・アット・ハート

★★★★★ 1991年8月16日(金) テアトル梅田2 極楽恋愛道まっしぐらの2人の地獄巡りは「ラブ・ミー・テンダー」で強引に辻褄を合わせたが屹立してるのは地獄の方であった。怖いヤーさんが退いた後を締めるイザベラとデフォーの存在感も圧倒的。マッチの炎とバダ…

ONE PIECE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜

★★★ 2008年3月1日(土) 梅田ブルク7シアター2 正攻法に原作や源TVシリーズをトレースする真っ当さに好感を持つが、所詮は原作ファンの内的世界に依存するものであることは否めない。幼気なチョッパーの泣き顔にも心打たれるがヒルルク&くれはの爺婆コ…

ワイルド・バレット

★★★ 2008年11月8日(土) 天六ユウラク座 冒頭10分にはかなり期待したし、独逸表現主義に遡及するかのデューク親爺や鬼畜夫婦が逸脱しバランスを阻害するのは好むところでさえあるが、なら他を絞れと言いたい。総じてタイトじゃないし、女子供に依拠する展…

私がクマにキレた理由

★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 主人公がモラトリアムに自分探しするのは結構だが、何故「子守」なのかが、人類学専攻による研究志向だと言い訳してもかなり胡散臭い。それは、半端なファンタジー色を散りばめた描法の座りの悪さにも言える。ヨハ…

ワールド・オブ・ライズ

★★★★ 2009年1月17日(土) 梅田ブルク7シアター2 現代版『ロレンス』とも言うべきイスラムへの越境感。これがハリウッドから出現したことへの希望。トニーと近似化しゆくリドリーへ一抹の危惧を感じつつも縦横無尽に闊達な演出に魅せられまくる。3者の腹…

我が至上の愛 アストレとセラデン

★★★ 2009年2月21日(土) テアトル梅田2 牧神の午後的アンニュイと神話性を伴い老練な無駄のない闊達さで物語は進むのだが、肝心のギアが何時までたっても入らない。で、あろうことかシェークスピア的女装ネタに突入。もうドン退きとなってしまった。リアリ…

ワンダとダイヤと優しい奴ら

★★ 1989年5月7日(日) 長崎宝塚劇場 ワンダが旧来の映画的ビッチとしてはミスマッチであり、他の優しい奴らも正直キュートじゃない。外す基軸がブレて何処で笑えばいいのかさえ俺には見えない。何が面白いのかさっぱり…。単に俺が馬鹿なのだろう。(cinemascap…

ワルキューレ

★★★ 2009年11月7日(土) トビタシネマ 異形となり世界に背を向ける。なるほど『Xーメン』にも通底するブライアン・シンガーらしい被虐感。一方で確定された結末へ向け消えゆくカタルシス。シナリオはそれに代わるものを見出せていない。正か負かへの舵取り…

ONE PIECE FILM STRONG WORLD

★★★ 2009年12月13日(日) 梅田ブルク7シアター6 定番とも言える奪回劇は悪くもないが、溜めが無いのでお座なり感が横溢する。TVのウォーター7のエピソードの佳境に比すれば自明ではなかろうか。又、ギア2ndとかギア3rdとか促成解決な技のうんざり感…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

★★★ 1985年1月6日(日) 戎橋劇場 イタリア人のレオーネが撮るユダヤ移民たちの「あめりか昔話」には、当然であるが史的蓋然性は欠片もない。阿片を吸ってノスタルジアに耽溺する主人公に同期する演出はダダ漏れの情に塗れていく。深みのある撮影と素晴らしい…

藁にもすがる獣たち

★★★★ 2021年2月23日(火) 梅田ブルク7シアター2 多数の登場人物を捌く手際と骨太な演出である。新人キム・ヨンフンの名は覚えといていいだろう。 そう言ったうえで、これは韓国のこの手のジャンルムービーの「新しき世界」や「アシュラ」などの傑作に比べ…

わたしの叔父さん

★★★★ 2021年2月8日(月) テアトル梅田2 タイトルから受ける何となくのほほんとしたイメージとは相当に違う。良い方向に違っていたんですが。 何より状況を描くに徹底して真摯だし、力の注ぎ方も半端ない。そうした姿勢は、半ドキュメンタルなコンセプトに…

わたしの可愛い人 シェリ

★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ガーデンシネマ2 終盤の2転3転の女心の移ろいが「畳み掛ける」までのダイナミズムに至らない。総体的にも冗長である。2人の変則愛が成立する寛容の時代としてのベル・エポックなのだろうが、にしても、舞台は限定され、時代…

わたしは金正男を殺してない

★★★ 2021年1月14日(木) 新世界国際劇場 事件の前、実行者に信じ込ませるために、何度もイタズラ動画の撮影を行ったとか、事件後、拘束された彼女達が裁判でどのような顛末に至ったか、など興味深いっちゃあそうなんだが。 まあ、しかし、この事件の構図は…

私をくいとめて

★★★ 2020年12月26日(土) テアトル梅田1 女性としての生きにくさみたいなのを、これでもかと自己正当化して描いてるんだけど、正直わからんでもない部分がある一方で、それでももうちょっと折り合いつけてかなあかんのちゃう? とオジサンは思ってしまいま…

わたしを離さないで

★★★★ 2011年10月22日(土) 新世界国際劇場 従容として受け入れることを彼ら彼女らに強いる享楽の世界の存在は隣接しつつも余りに遠いという隔絶の絶対性を堅持した妥協のない演出。単線構造は悪くもないのだが、しかし思うのだ。鎮魂だけが回答なのかと。反…

ワイルド・スピード MEGA MAX

★★★ 2012年4月21日(土) 新世界国際劇場 皆一応『オーシャンズ』みたいに和気藹々でノリノリモードな雰囲気を醸しだしてはいるが、肝心の映画は一向に弾けないのである。ワル度も過激度も低い。定型通りに序盤と終盤に2大見せ場を配するがキレが悪くカタル…