男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ああ~あこ】

RED SHADOW 赤影

★★★ 2001年8月11日(土) ホクテンザ2 『サムライ・フィクション』を承前する開巻は最大級の期待を抱かせるのだが、類型な作劇の連続に落胆が募る。そういうパターンをこそ崩壊させてほしかった。ギャグに抗するシリアス、おちゃらけに比する非情が温く均衡が…

あいつと私

★★★★ 2001年9月2日(日) テアトル梅田2 アンチモラル天こ盛りで相当にドロドロしハードで暗いと言えば暗すぎる内容を裕次郎の「天然」と明晰口跡で生硬台詞を早口で捲し立てる演出の盲信と馬力が完璧にカバー。更にカラーの調子も絶品で暗部を粉飾する。まさ…

赤い砂漠

★★★ 2001年9月7日(金) 動物園前シネフェスタ2 明確な起因があって病んだらしい主人公は自己完結しており世界を閉ざす。故に変化は永遠に訪れない。石化コンビナートの幾何世界に彩色された淡彩と曇天狙い。ディ・パルマのそういう完璧なコントロール下で尚…

悪魔の美しさ

★★★ 2001年10月12日(金) シネリーブル梅田2 所詮は魔法によって得られた若さってのがどっかで引っ掛かる。主人公が自力で獲得したわけでない幸福は間抜けな悪魔のおかげで永続する。それでもミシェル・シモンの愛らしい因業親爺演技の素晴らしさは満喫でき…

赤い橋の下のぬるい水

★★★ 2001年11月7日(水) シネリーブル梅田1 脚本・演出とも地に足着かぬ感じがした。そんな中清水のエロスがのっけの役所を籠絡する場面から唯ならぬものがあり、胡散臭い寓話に真実味を付与するかと思われたのだが、結局大竹しのぶのイミテーションに収束す…

悪名

★★★ 2001年12月20日(木) ホクテンザ1 今更企画で前半は紙芝居的展開にうんざりしかけるが後半俄然息づいてくる。櫻井淳子の醸し出す儚さ所以だろう。役者、演出をはじめ美術に至るまでアベレージを保ち卒が無い。エンクミ・青田など女優陣の選択がシュアで…

青い凧

★★★★ 1994年5月3日(火) みなみ会館 珍しくもない文革期を挟んだ一女性の編年記だが、従容として受動的であるが故の強靱で柔軟な適応力が素晴らしい。透明度の高い撮影は静謐であり淡々と流れてあざとさの欠片もない。子役が良いのも中国映画の常。(cinemasca…

悪名一番勝負

★★★ 2001年4月5 日(金) トビタ東映 これはマキノを監督に招聘したからだろが、丸っきり『侠客伝』か『残侠伝』の世界で健さんを勝新に置き換えただけだ。それはそれで味わいがあるが一方で大映が自社の看板を他社のに塗り替えられたかのような悲哀も感じる。…

アクシデンタル・スパイ

★★★ 2002年4月17日(水) 新世界国際劇場 笑いが弾けきらないジャッキー高齢化の寂寥感が重く哀しくのしかかる。ビビアン・スーとの哀切な物語の余韻を終局のカタルシスがぶち壊す構成の拙さ。見えそで見えない町中での逃走劇が最大の見所。(cinemascape) keni…

愛の拘束

★★★ 1994年8月28日(日) 新世界国際劇場 何だかようわからん展開がずるずる続いていってる間に一応は納得させられる一風変わった味。男と女の曰く言い難いダレた関係は第3者には付け入る隙はないというなら徹底すればよかったのにと思わせるラストの駅の余韻…

愛の世紀

★★★ 2002年6月20日(木) OS劇場CAP 映画製作話に独善的モチーフを散りばめた閉じた世界は食傷するが、一方で困ったことに、この映画はとてつもない美しさなのだ。しかも終末観とでも言うような哀しみに覆われている。ドカエやヴィエルニの最高作に並ぶモ…

青い春

★★★★ 2002年8月17日(土) 梅田ガーデンシネマ2 ありがちな家庭環境とかの背景を一切削ぎ落としたのは映画の純度を高めてはいるし、語り口も切れが良いが、傍系人物のわかり良さに比べ主人公の虚無感がどうにも借り物臭い。演じる松田龍平が所詮ボンボンだか…

赤いシュート

★★ 1993年2月11日(木) 扇町ミュージアムスクエア がむしゃらにやって来たが突如これで良かったのかと振り返る自分史。魅力的な構成だが、どっちつかずのモレッティの風貌同様にアプローチが緩くて上滑りにしか感じられない。『81/2』級の映画的造形への拘り…

赤線地帯

★★★ 2002年9月9日(月) 高槻松竹 ピークを迎えた女優と忘れられクスブってる女優を、その通りの配役で使う冷徹さが溝口の溝口たる所以だったのだろうが、京と若尾の挿話は図式的で木暮と三益の部分が胸に沁みるのも溝口だったからこそとも言える。(cinemascap…

赤穂城断絶

★★ 1993年2月28日(日) トビタ東映 何でもありの『柳生』の次に「忠臣蔵」とは企画力が圧倒的に貧困で約束事の名場面集を寄せ集め俳優を使って深作流の或る意味バタくささで形成しただけに過ぎない。東映が狼煙を上げた時代劇復興の掛け声は2作目にして夢の…

OUT

★★★★★ 2002年10月21日(月) 梅田ピカデリー1 誰もが一線を越えたいと思っているし越えてしまえるのだということ、そして、その後には刹那であるにせよ人は解放される。日本版『テルマ&ルイーズ』めいてもディテールの巧さがカバーし切る。原田は良くて当り…

愛について、東京

★★ 1993年3月21日(日) テアトル梅田2 ある意味したたかに生き抜いていく在日外国人達に抗する日本人がインポテンツに悩める半端ヤクザってのが余りに偽悪的であり被虐趣味にしか見えない。バブル真っ直中の90年代の「東京」はもとより「愛」についても描…

赤い夕陽の渡り鳥

★★★ 2002年10月26日(土) トビタ東映 白木マリを軸にした三角関係の横っちょで旭とルリ子はあくまで明朗に光輝く。正統派のヒーロー・ヒロインってのはそういうものなのだろうけど、穢れどこ吹く風情は感情移入の余地なく何となく物足りない。磐梯山の雄大な…

赤い影

★★★ 2022年4月25日(月) シネヌーヴォ イタリア資本下のジャーロ風味を感じるという点でダリオ・アルジェントを、音楽ピノ・ドナジオからデ・パルマをと、影響されたんじゃないかと思って調べてみると「サスペリア」や「キャリー」より前の作品なんですね、…

続・新悪名

★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ いいかげんなタイトルが甚だしく興を削ぐし、最早シリーズの根幹を左右する事件も起きる訳でもない。だが、シリーズ主幹田中徳三の再登板もあり安定的な円みと弾力が全篇を支配。スタッフもキャストも4作目ともなると最も…

アカルイミライ

★★★★ 2003年2月15日(土) シネリーブル梅田1 暗喩としての「友人」や「クラゲ」は生硬と感じるが突然視野が開けて世界観が変わるのは解る気がする。前世代の屍を足掛かりに閉塞から殻を破って飛び立つ主人公は、やがて次なる世代に乗り越えられるだろう。そ…

洲崎パラダイス 赤信号

★★★★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 虚無とか不毛とか殊更に言わずとも地に足をついたアンチドラマチックな日常のドラマを描きながら例えようの無い無常感が滲み出ている。ちんけな憐憫も同情も拒絶したそれは川島が狙ったものではなく本質…

赤と黒の接吻

★★★ 1993年8月29日(日) 第七藝術劇場 大真面目に撮られたもので演出の力量もあるとは思うのだが、何もかも入れ込みたいと思う余りに骨子も据わらなかった。若い主人公ではなく親父世代に物語が帰結してしまう辺りが構造的欠陥。これでは散漫の謗りも免れない…

愛の奴隷

★★ 1993年9月14日(火) 第七藝術劇場 遠くで革命の嵐吹き荒ぶ政治の季節に享楽映画を撮り続けるが時代に背を向ける矜持があるわけでもない。末端シンパに女優をオルグらせてみせてもミハルコフの本質は快楽イズムにあることは透けて見える。ただラストシーク…

赤い航路

★★★★★ 1993年9月25日(土) 池田映劇 冒頭の乳白色の海の深みに誘われ突入する目眩く変態性欲世界は文学情緒満載で時制の構成も巧緻。依存と乖離を往還しながら堕ちてゆく男と女の腐れ縁の帰結はそれ以外にあり得ない必然。そして突き放す。物語のバイブレーシ…

the EYE [アイ]

★★★ 2003年6月7日(土) 梅田ガーデンシネマ1 下手なCGに依存せず超望遠レンズの駆使で見せるところに作家魂を感じたし、もの哀しい孤独な叙情感の表現にも惹かれたが、新旧古今東西の映画や漫画のアイデアを凌駕するものが1つでもいいから欲しかった。

IP5 愛を探す旅人たち

★★★ 1993年11月27日(土) ACTシネマテーク 昔の恋人に会いに行きたいと思う老人の情熱が疲れヌーボーとしたモンタンから感じ取れず、彼に随行する若者2人の心情にいたっては作為的で全く共感できない。世間体への阿りに支配されている。再三の凝った画作…

赤西蠣太

★★★★ 2003年12月2日(火) 高槻松竹 『博士』のセラーズもかくやの千恵蔵2役。特に稀代のピカレスクヒーロー原田甲斐には参った。伊丹演出もここぞとばかりの仰々しきハッタリをかまして絶品。少々クドい諧謔趣味を割り引いてもモダニズムの残滓は余りある。(…

アイデン&ティティ

★★ 2004年1月6日(火) テアトル梅田1 タカビー女と幻影に依存し続けるヘタレ男が能書きだけは一丁前に垂れてはみたが言うだけ番長というダメさ加減に共感は皆無。田口に「転がる石ころ」という自覚があったのならディランで締めたエンドは逆説的に意味を成す…

青べか物語

★★★ 1992年3月22日(日) 日劇シネマ 川島が今村の師匠であったことを考えれば決して不似合いな世界とも思えないし、ごちゃごちゃした世界を捌く手際は認めるが、何分淡泊に過ぎるし、大体森繁がミスキャストと思う。語り部に徹するには俗世の垢にまみれ過ぎて…