男の痰壺

映画の感想中心です

愛と哀しみの果て

★★★ 2017年3月18日(土) 大阪ステーションシティシネマ
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思い込み女の自己愛にまみれた一代記。
…と切って捨ててもいい話なのだが、まあ、しかし、人のことを言えたもんでもない。
俺たちだって皆、ええかっこしたいし、自分はかわいい。
 
例えば、スカーレット・オハラが、かの映画で全編、レスリー好き好きと放ってたオーラはこの映画にはない。
恋愛映画としての強度が不足なのだ。
この主人公は、恋愛にまみれる前に自分が傷つくのを恐れる。
言い寄ってくるなら拒まないわのスタンスです。
そういう主人公に魅力があろうはずもない。
 
シドニー・ポラックの演出はわかっていたが、やっぱ大雑把ですわ。
主人公は篇中2度にわたり、ライオンと遭遇する。
たぶん、このライオンはアフリカを象徴するメタファーであろうし(大体ライオン以外にろくな動物が出てこないのもアフリカを舞台にした映画としていかがなもんか)、遭遇にもっと形而上的な意味づけが欲しいのだ。
なのに別撮りで済ますんですね、ポラック。
いかなCGのない時代としても、こだわりなさすぎです。
 
まだ、劣化するまえのレッドフォードを久々に見たが、やっぱ大したオーラだと思った。
未だブラピにこのオーラは無いと思う。
 
思い込み女の自己愛にまみれた一代記で言い寄ってくるなら拒まないわのスタンスでは恋愛映画としての強度が不足。ポラック演出も大雑把でアフリカの象徴としてのライオンとの遭遇が別撮りでは魂が宿る術もない。ただレッドフォードは大したオーラだ。(cinemascape)