男の痰壺

映画の感想中心です

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

最後の歓呼

★★★★★ 2024年5月13日(月) プラネットプラスワン 庶民派で絶大な支持を得てきた老市長の最後の選挙を描いたものだが、ジョン・フォードらしいリリシズムとユーモアが心地よく適合して驚くほどに良い。こんな映画全く知りませんでしたが、映画史の底知れぬ奥…

猿の惑星 キングダム

★★★★ 2024年5月14日(火) 大阪ステーションシティシネマ4 専制的なゴリラが「ワンダフル・デイ!」とか言うCMを見て、見る前からお里が知れるわ思ったんですが、いい意味で裏切られた。佳作だと思う。 猿VS人間の構図は傍に追いやられて物語は猿内部の…

ハリーとトント

★★★★ 2016年6月11日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 ペット片手に放逐されたハリーは貯えも身寄りもあって嘗ての『ウンベルトD』の爺さんのような悲愴はなく自立の矜持満々。アメリカに国力が溢れてた時代の幻影。ただ、寄席芸人としてカーニーの地…

残酷ドラゴン 血斗竜門の宿

★★★ 2017年3月18日(土) シネヌーヴォ まあ、なんと言うか、武侠映画としての殺陣はもう、まるっきりトホホレベル。 ブルース・リー登場でカンフー映画が世間を席巻する数年前の作品であります。 ワイヤーの始祖とのことだが、そんなんあったんかいなっちゅ…

スチュアート・サミュエルズ Stuart Samuels

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

リチャード・カウフマン Richard Kaufman

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

イヴ・ブランドスタイン Eve Brandstein

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

わたしは、ダニエル・ブレイク

★★★★★ 2017年3月18日(土) シネリーブル梅田1 世界でシステムが崩壊しようとしている。 そのシステムは富の分配のことだと言う向きもある。格差の拡大で歪が出たのだと。 左派の論者はおおむねそういう言い方をする。 たぶん、ケン・ローチもそういう陣営…

実録 阿部定

★★★ 1980年10月1日(水) 毎日ホール 出るものが半透明になっても絞り尽くされるという或る意味で地獄を、『コリーダ』がまだしも持っていた時間空間的な延伸感が低予算の為ほとんど無い為に映画として高純度に濃縮されたとも言えるのだろうが矢張りしんどい。…

ミラクル 奇蹟

★★★ 2024年5月13日(月) なんばパークスシネマ1 ジャッキーの熱心なファンでもないのでそんなに彼の作品を見てるわけでもなく、そもそもにジャッキーそんなに好きじゃない気もする。 昔、世間が「プロジェクトA」で大騒ぎしてたときも俺は冷めていて、落…

ナッシュビル

★★★★ 1977年9月11日(日) SABホール カメオ実名人を虚構に混在させたノンフィクションもどきのフィクションは50人以上の主要人物群の悲喜交々な寸景を一所にぶち込み掻き混ぜ泡立てる。包括的にカオスを狙った編集が成功し祝祭と音楽が形成するグルーヴ…

ヒメアノ~ル

★★★★ 2016年5月30日(月) TOHOシネマズ梅田2 前代未聞の構成の良し悪しはともかく激辛と大甘挿話の各々が他方の従属物でなく飽くまで魅力的な輝きで屹立しいる点が驚き。濱田・佐津川ペアの恋愛初期の嬉し恥ずかし感が良い。そしてパンティ染みまでの…

ジョン・レノン 失われた週末

★★★★ 2024年5月13日(月) なんばパークスシネマ11 今更ジョン・レノンやビートルズに関する何某を殊更見たいとも思えなかった俺なんですが、時間に合うのがこれか韓国版中年ラブコメしかなく、迷いに迷った挙句にこっちにした。 「失われた週末」というの…

候補者ビル・マッケイ

★★★★ 2024年5月4日(土) プラネットプラスワン 「大統領の陰謀」が鳴物入りで公開された1976年にそれまで4年間お蔵入りになってた本作はその2ヶ月後に漁夫の利を狙ってひっそり公開された。でも興業的にも批評サイドからもほとんど無視されてた記憶が…

団地

★★★★ 2016年6月11日(土) シネリーブル梅田3 斎藤の腹も見せぬのだから、それもリアクションで処理して暗喩にとどめれば完璧だった。終盤は投げやりな逃げと思える展開だが、夫婦の軽妙な日常の底に沈殿する救い難い屈託が逆算照射されるラストショットの…

愛と哀しみの果て

★★★ 2017年3月18日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 思い込み女の自己愛にまみれた一代記。 …と切って捨ててもいい話なのだが、まあ、しかし、人のことを言えたもんでもない。 俺たちだって皆、ええかっこしたいし、自分はかわいい。 例えば、スカーレ…

大地の子守歌

★★★★ 1977年8月12日(金) 毎日ホール 幼気な少女なのに大の大人をも凌駕する強固な自我。余りに増村的なこのキャラは、このときの原田美枝子の圧倒的な肉体の存在感と目力をもって初めて担保された。快感神経をさえ刺激する直線構造。ワンポイントの梶がまた…

アサシン クリード

★★★ 2017年3月12日(日) MOVIXあまがさき4 もはや、とりたてて、こういうゲームの映画化にどうこう言う気力もない。 設定がバカバカしいことを言っても仕方ない。 …と言いつつ、他の肉体に意識を転送して超人願望を充足させる点に於いて「アバター」…

トリュフォーの 思春期

★★★★ 1977年9月23日(金) 大毎地下劇場 トリュフォーのこういう熟れた散文的語りは有りそで無いところが新たな話法への探求を窺わせシビれる。メインに置かれた少年の憧れや、落ち着く結末は正直ありきたりだが、サイドストーリーのエピソードにシニカル人で…

ドラブル

★★★ 2016年6月11日(土) プラネットスタジオプラス1 息子探しの話がどっかいっちまうよなすべるギャグが身に染むチンタライズムが蔓延しており終盤であーそうやったと思い出すよな体たらくなのだが、それでも70年代スパイ映画の芳香は残滓程度ある。特に…

水深ゼロメートルから

★★★ 2024年5月8日(水) テアトル梅田4 4人の女子高生が水の抜かれたプールでうだうだやってるわけだが、後半にその中の1人がポカリを買いに行くのにカメラがプールから出てついていくと野球部の女子マネージャーに出くわす。その子の話すこと聞いて、俺…

教授のおかしな妄想殺人

★★★★★ 2016年6月15日(水) 大阪ステーションシティシネマ4 今まで描いてきた「金」を起源とする殺人から動機が「愉悦」の為と純化され映画は内向的に先鋭化する。アレン掌中の若い女子とのあーだこーだの華やぎも2作目エマの絶頂美を得て春爛漫。修羅場と…

ANTIPORNO アンチポルノ

★★★ 2017年3月11日(土) シネリーブル梅田3 男が全く出てこないという意味で「リアル鬼ごっこ」と同質の園子温の妄想垂れ流し世界。 こんなんロマンポルノちゃうやん、絡みもないし…だからアンチってか? っていうか、企画段階ではねろよと言いたい。 極…

人生は四十二から

★★★★★ 2024年4月29日(月) プラネットプラスワン イギリスの階級社会で親子代々執事稼業についてきた男がひょんなことからアメリカのど田舎成金に身を売られて渡米する。そこは全く違う世界であった。 とまあ、ありがち設定のアメリカってのはドリームカン…

サバイバルファミリー

★★★★★ 2017年3月11日(土) TOHOシネマズ梅田10 一行が這う這うの体でたどり着いた大地康雄の農家で数十日ぶりに食べる炊き立てご飯の食事。 目玉焼きと漬物と味噌汁。 このシーンに観客の気持ちを同化させ得るかがポイントだったが…はい、同化しました私…

誰が為に鐘は鳴る

★★ 1976年3月14日(日) 梅田東映ホール 現地ロケも儘成らずハリボテの山岳地帯で繰り広げられるロマンスに刹那感も背徳感も乏しくて興醒める。又、スペイン内戦に携わるジプシーたちに内在する筈のルサンチマンの欠片も描かれないので、作戦遂行への共感もカ…

アンドリュー・ヘイ Andrew Haigh

生年:1973/03/07 kenironkun.hatenablog.com

異人たち

★★★★ 2024年4月28日(日) TOHOシネマズ梅田5 大林版の「異人たちの夏」が大好きなのだが、その物語には2種類の異人(幽霊)が出てきて、主人公の幼少期に死んだ両親と現在住むマンションの他の階に住む女性。それで圧倒的に良いのが両親のパートで、…

ゴッドファーザー PARTⅡ

★★★★★ 1976年3月20日(土) 伊丹グリーン劇場 1980年8月7日(木) 大毎地下劇場 信義則を重んじファミリーが形成されるビトーの時代と功利な冷徹がそれを瓦解させゆくマイケルの時代。その交錯を彩る時代の空気の再現とシシリーとNY、タホ、マイアミからキュー…

ボディ・スナッチャー 恐怖の街

★★★★ 2016年6月7月2日(土) プラネットスタジオプラス1 釈然としない入れ替わりシステムだが気にする間もない簡潔なテンポ。難を逃れた翌朝の街の広場の俯瞰ショットが良い。ロングのみのワンショットの長回しが街の変容を怜悧に映し出す。総じてマスの人…