男の痰壺

映画の感想中心です

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ティアーズ・オブ・ブラッド

★★★ 2024年5月23日(木) Tジョイ梅田5 息子が殺されて親父が敵討ちってことなんですが、どうも単線的に展開しないのでテンションが全然上がりません。 親父と息子の関係、更には死んだ妻の死の真相といったエモーションの起点となる事象が後半にしか提示…

湖の女たち

★★★ 2024年5月22日(水) TOHOシネマズ梅田7 原作がどう捌いてたのか知らないけど、あれやこれや盛りすぎで焦点が定まらない。定まらない上にそんなだから肝心なところに充分に尺を割けず描ききれてないと感じた。 【以下ネタバレです】 医療介護施設で…

フォロウィング

★★★★ 2024年5月23日(木) シネヌーヴォX クリストファー・ノーランの処女作だそうだが想像よりずっと良かった。低予算ゆえのモノクロ、オールロケの制約によって奇しくもヌーヴェルバーグやフリーシネマや或いはカサヴェテスを思わせるフォルムの即物感を獲…

ならず者

★★★ 2017年3月20日(月) プラネットスタジオプラス1 かのスコセッシが「アビエイター」で描いたハワード・ヒューズが当初のハワード・ホークスをクビにして撮り直しを重ねて出来上がったしろものなのだが、いろんな意味でおもしろい。 確かに技法上のバラ…

大統領の陰謀

★★★ 1977年9月11日(日) SABホール そもそも事件そのものが講談的に面白い訳でもない。2枚看板の共闘と老骨の助演陣の滋味とウィリスの光の色と量に対するセンス。これらが後押しして若造記者のスクープ自慢に何がしかの奥床しい切れと深みを付与した。連…

ゴジラ✕コング 新たなる帝国

★★★ 2024年5月15日(水) 大阪ステーションシティシネマ9 冒頭で、日常的に怪獣が現れる世界になって都度ゴジラがやってきてそいつをやっつけ、ことが済んだらコロシアムでおねんねする様が描かれる。一方でコングは地下世界でお仲間さがしです。「エヴァ」…

山河ノスタルジア

★★★★★ 2016年5月21日(土) シネリーブル梅田2 バブルがもたらした軽薄と浅慮もまた過去に流れ死別や生き別れさえも瞬時の追憶と化するだろう。凄まじくシニカルだが堪らなくノスタルジック。親子の絆のようなものが描かれても現実にそれは断ち切られたまま…

ボクサー

★★★ 1977年10月2日(日) トーエイ伊丹 絶妙にクールな因縁関係の師弟を設定し程良い前衛を交えて過不足無い展開を見せるのだが文太のやさぐれ感はともかく天井桟敷による又かの市井の人々が過剰であり、又具志堅等の本物を出してしまったのが否応なく虚構を浮…

デッドプール

★★★★ 2016年6月1日(水) 大阪ステーションシティシネマ1 エロと暴力の品性の枷を外したお茶目な饒舌キャラは『ガーディアンOG』が延伸したよな達成感。序盤の高速道でのアクションは緩急が冴えこりゃどこまで凄げえのかのアドレナリン噴出だが結局尻つぼ…

3月のライオン 前篇

★★★ 2017年3月19日(日) MOVIXあまがさき7 何を期待して見にいったわけでもないし、案の定というか、何も突出してこない安定の無難。 この監督の映画を「るろうに剣心」→「秘密」→「ミュージアム」と見続けてきたのだが、まあ、永久に御用監督の域を…

遠すぎた橋

★★★★ 1977年8月15日(月) 梅田東映パラス 失敗に終わった多面的作戦の、何がどうなっているか判らない混沌が延々と展開し、数多のオールスター達が状況に埋没してしまったかのようなのが皮肉にも極めてリアル。贅を凝らした大物量スペクタクルなのに静的なシ…

キングコング 髑髏島の巨神

★★★★ 2017年3月26日(日) MOVIXあまがさき10 俺は子供のころ怪獣フリークだったので、テレビの「ウルトラマン」は視聴マストな番組だった。 で、シリーズ中でも「怪獣無法地帯」って話が殊更にお気に入りだったのだ。 おわかりいただけるだろうか…こ…

ミッシング

★★★★ 2024年5月19日(日) MOVIXあまがさき5 【ネタバレです】 「なんでもないようなことが幸せだったと思う」と愛娘の失踪から1年目のテレビのインタビューで母親が言う。見るものも「えっ?」とと戸惑う傍からカメラマンがバツ悪そうにカメラを止め…

殿、利息でござる

★★★★ 2016年6月8日(水) 梅田ブルグ7シアター6 根からの悪が存在しない世界だが、それでも人は放逐され死にいく。そういう非情を十分に肝に溜めつつ尚、善意や心意気とかの前向きファクターを謳歌しようとの決意が表明されてる。全員がハイトーンで台詞を…

アウトロー

★★★ 1976年12月7日(日) 伊丹グリーン劇場 60年代末にペキンパーにより一旦葬り去られたジャンルをペンとブルックスが復権を試み敗退した翌年に徒花の如く製作されたイーストウッド初期監督作中の最良作。十分な片隅感を横溢させながら引かれ者の小唄的ヘタ…

ウェス・ボール Wes Ball

生年:1985/10/28 kenironkun.hatenablog.com

最後の歓呼

★★★★★ 2024年5月13日(月) プラネットプラスワン 庶民派で絶大な支持を得てきた老市長の最後の選挙を描いたものだが、ジョン・フォードらしいリリシズムとユーモアが心地よく適合して驚くほどに良い。こんな映画全く知りませんでしたが、映画史の底知れぬ奥…

猿の惑星 キングダム

★★★★ 2024年5月14日(火) 大阪ステーションシティシネマ4 専制的なゴリラが「ワンダフル・デイ!」とか言うCMを見て、見る前からお里が知れるわ思ったんですが、いい意味で裏切られた。佳作だと思う。 猿VS人間の構図は傍に追いやられて物語は猿内部の…

ハリーとトント

★★★★ 2016年6月11日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 ペット片手に放逐されたハリーは貯えも身寄りもあって嘗ての『ウンベルトD』の爺さんのような悲愴はなく自立の矜持満々。アメリカに国力が溢れてた時代の幻影。ただ、寄席芸人としてカーニーの地…

残酷ドラゴン 血斗竜門の宿

★★★ 2017年3月18日(土) シネヌーヴォ まあ、なんと言うか、武侠映画としての殺陣はもう、まるっきりトホホレベル。 ブルース・リー登場でカンフー映画が世間を席巻する数年前の作品であります。 ワイヤーの始祖とのことだが、そんなんあったんかいなっちゅ…

スチュアート・サミュエルズ Stuart Samuels

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

リチャード・カウフマン Richard Kaufman

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

イヴ・ブランドスタイン Eve Brandstein

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

わたしは、ダニエル・ブレイク

★★★★★ 2017年3月18日(土) シネリーブル梅田1 世界でシステムが崩壊しようとしている。 そのシステムは富の分配のことだと言う向きもある。格差の拡大で歪が出たのだと。 左派の論者はおおむねそういう言い方をする。 たぶん、ケン・ローチもそういう陣営…

実録 阿部定

★★★ 1980年10月1日(水) 毎日ホール 出るものが半透明になっても絞り尽くされるという或る意味で地獄を、『コリーダ』がまだしも持っていた時間空間的な延伸感が低予算の為ほとんど無い為に映画として高純度に濃縮されたとも言えるのだろうが矢張りしんどい。…

ミラクル 奇蹟

★★★ 2024年5月13日(月) なんばパークスシネマ1 ジャッキーの熱心なファンでもないのでそんなに彼の作品を見てるわけでもなく、そもそもにジャッキーそんなに好きじゃない気もする。 昔、世間が「プロジェクトA」で大騒ぎしてたときも俺は冷めていて、落…

ナッシュビル

★★★★ 1977年9月11日(日) SABホール カメオ実名人を虚構に混在させたノンフィクションもどきのフィクションは50人以上の主要人物群の悲喜交々な寸景を一所にぶち込み掻き混ぜ泡立てる。包括的にカオスを狙った編集が成功し祝祭と音楽が形成するグルーヴ…

ヒメアノ~ル

★★★★ 2016年5月30日(月) TOHOシネマズ梅田2 前代未聞の構成の良し悪しはともかく激辛と大甘挿話の各々が他方の従属物でなく飽くまで魅力的な輝きで屹立しいる点が驚き。濱田・佐津川ペアの恋愛初期の嬉し恥ずかし感が良い。そしてパンティ染みまでの…

ジョン・レノン 失われた週末

★★★★ 2024年5月13日(月) なんばパークスシネマ11 今更ジョン・レノンやビートルズに関する何某を殊更見たいとも思えなかった俺なんですが、時間に合うのがこれか韓国版中年ラブコメしかなく、迷いに迷った挙句にこっちにした。 「失われた週末」というの…

候補者ビル・マッケイ

★★★★ 2024年5月4日(土) プラネットプラスワン 「大統領の陰謀」が鳴物入りで公開された1976年にそれまで4年間お蔵入りになってた本作はその2ヶ月後に漁夫の利を狙ってひっそり公開された。でも興業的にも批評サイドからもほとんど無視されてた記憶が…