男の痰壺

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ティアーズ・オブ・ブラッド

★★★ 2024年5月23日(木) Tジョイ梅田5

息子が殺されて親父が敵討ちってことなんですが、どうも単線的に展開しないのでテンションが全然上がりません。

親父と息子の関係、更には死んだ妻の死の真相といったエモーションの起点となる事象が後半にしか提示されないので、男は何もたもたやってるんやろう、でもどっかで発火点があって展開の炸裂があるんやろ思ってたら最後まで炸裂しませんでした。

まあ、監督が「レ・ミゼラブル」の脚本の人ですから「96時間」みたいなのを期待した俺が間違ってたんでしょう。でも、それに代わる現代フランス社会に対する問題提議とかもナッシングなんです。

 

追う側の警察の主戦がジェシカ・チャスティン風の女刑事なんですが、上司が親父なんです。こんなこと普通ないやろな設定だが、この親父が「これは上司としての命令、ここからは父親として」みたいなことを言う。仕事の上のドライな関係と娘可愛いやの親心を同時に表するに衒いがない。この親子関係は悪くない。

 

殺された息子の仇討ちという初期設定があるのに何やらもたついて一向に敵を見つけられない。挙句出てきたのも小物。警察署内で父娘が上司・部下の関係が目新しく、主人公と署長の対決ではJUDO一本背負を決められアイタター腰いわしてもたって何やねん。(cinemascape)

 

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