男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しら~しん】

シン・ウルトラマン

★★★★★ 2022年5月16日(月) 大阪ステーションシティシネマ1 原「ウルトラマン」への十二分な配慮と、そこに庵野=「エヴァ」的なテイストをこれでもかとトッピングして双方がちゃんとパロディアスに居所を得ているのが予想外でした。 のっけから禍威獣が次…

親愛なる同志たちへ

★★★★★ 2022年5月2日(月) テアトル梅田2 同時期にモノクロの新作が何本もスクリーンにかかっており、1本くらい見とかなと思ってたんですが、老齢のコンチャロフスキー監督作ってことでこれには食指が動きませんでした。だってアメリカで大味な「デッドフ…

仁義の墓場

★★★ 1993年6月6日(日) トビタ東映 倫理道にもとるヤクザ道からさえ更なる逸脱の果てのアナーキズムを描くに深作の話法は規定化された己の実録路線から1歩も逸脱しない。ディープ大阪でのヘロイン地獄にザラついた高感度フィルムと芹の投入が更にわざとらし…

続・新悪名

★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ いいかげんなタイトルが甚だしく興を削ぐし、最早シリーズの根幹を左右する事件も起きる訳でもない。だが、シリーズ主幹田中徳三の再登板もあり安定的な円みと弾力が全篇を支配。スタッフもキャストも4作目ともなると最も…

新 仁義なき戦い 謀殺

★★★ 2003年2月18日(火) ホクテンザ1 縮小再生産の感も時代の変遷と置換可能な高橋に文太・旭の、渡辺に松方・千葉の、小林に金子の、そして新人監督に深作・笠原の精魂が憑依したかの如き正統的『仁義なき戦い』の嫡子。白昼の市街戦が即物的なのも良。(cin…

死霊のはらわた

★★★ 2003年4月11日(金) シネリーブル梅田1 皆余りに簡単にゾンビになっちまって、しかも出ずっぱりに出るもんだからサスペンスというものが無い。恋人同士の交わす視線の思わせぶりの馬鹿マジさや終盤のアヴァンギャルド風味なたたみかけ等好きなとこも多い…

白い牛のバラッド

★★★ 2022年2月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 扱っているテーマも演技と演出も文句をつける筋合いはない。でも、1イシューをその通り描いただけみたいな物足りなさを感じた。 それは何だろうと考えるに、主人公の女性の葛藤の描き足りなさであ…

人生は、時々晴れ

★★★★ 2003年7月11日(金) 三番街シネマ2 横軸に3つの家族と縦軸に2つの世代を置いて重層的に展開していった物語が、とどのつまり1夫婦の話に収斂してしまうことに、何だか置き去りを喰ったかのようなもどかしさを覚えた。それを除けば完璧に素晴らしい。(…

眠らない街 新宿鮫

★★ 1993年10月17日(日) 新世界東映 警察内部組織の精密描写があるからこその1匹狼「鮫」の魅力は奥田との対決をクローズアップするあまりおざなりになる。結果、凡百の日本製刑事アクションになっちまった。何より、どう考えても真田広之じゃないと思う。彼…

真実の瞬間

★★★ 1992年2月2日(日) 新世界国際劇場 歴史的事実を描いて脚色にも限界があるにしても、ポリシーがあるかのようでその実逃げてるだけの主人公がもどかしい。点景のように描かれる渦中にあって火の粉を被った者にこそスポットを当てて欲しかった。全般締まり…

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。

★★★ 2022年2月16日(水) 新世界国際劇場 予告篇を見て、ちょっと見たいなとは思っていた。それは、霊能者の妻と研究者の夫のカップルであるウォーレン夫妻の絆みたいなもんが、これまで以上にフィーチャーされるんじゃないかという予感と、悪魔憑き状態で殺…

白い恐怖

★★ 1992年3月30日(月) シネマアルゴ梅田 演出ではなく絵画的絵づらで、又得意のいいかげんなマクガフィンで流すでなく心理学的言説に解を求めたところで本人もしんどくなったのだろう。『レベッカ』や『断崖』系譜の主人公の疑心暗鬼描写も今いち。何よりカ…

紳士は金髪がお好き

★★★★★ 1992年9月7日(月) テアトル梅田2 「モンロー満開!…すっ…凄え!」リアルワールドをも浸食しかねない銀幕の中の衝撃。50年代のハリウッドが直面した水爆に老ホークスも無自覚であったとは思えない。後の幾つかの名作で断片披露される彼女のオーラが…

新世界の夜明け

★★★ 2021年12月20日(月) シネヌーヴォ✕ 新世界と飛田界隈の裏通りが思った以上に撮れていて、腰据えて撮ったんやろなと思わせます。「月夜釜合戦」「解放区」と合わせて特集・新世界とでも銘打って上映したらオモロいかも。 言うなればこれは、金持ちお嬢…

シン・シティ

★★★★ 2005年10月15日(土) 梅田ブルク7シアター6 徹底してマッチョな騎士道精神を描くことで一貫しており、容赦のない絶対悪を設定してのサディスティック・バイオレンスに呵責が無いことも一貫している。漫画的幼児性も漫画なのだから納得させられロドリゲ…

新幹線大爆破

★★★ 1992年9月27日(日) トビタ東映 爆弾撮影の為、深夜のガード下で陣取るカメラマンたちのプロ根性を始め異常時に対処する男達の無言の所業は全部良い。反逆の構図に囚われた犯人達も米パニック映画のルーティーンに塗り込められた社内乗客の描写も未だ70…

人生劇場 青春・愛慾・残俠篇

★★ 1992年10月31日(土) 日劇会館 青成瓢箪の物語なんかにはてんで興味も湧かず、見たいのは吉良常や飛車角や宮川の物語なのだ。加えて大映や日活からの寄せ集め役者で松竹が柄にもない大芝居を打ったって様にも成らない。加藤も無難な題材を気合いもなく流れ…

死んでもいい

★★★★★ 1992年12月13日(日) ロッポニカ三宮 前半の「流れ者」というバタ臭く違和感のある設定を済崩しに納得させてしまう圧倒的なケレン演出が正味痺れる。撮影と編集は神がかり的にキレまくる。『郵便配達』を現代日本の地方都市に巧妙に移植し主役3人も全…

シリアナ

★★★★ 2007年3月24日(土) トビタシネマ 少なくとも西欧原理主義的立脚点から脱しアラブの視座を挿入しようとするあたり成程『トラフィック』の脚本家らしい。9・11の本質的意味を考えさせられる。米帝国主義を撃つ侠気にこそ涙しよう。余りにソダバーグ…

新座頭市物語 折れた杖

★★★ 1991年5月19日(日) 日劇シネマ 変わりばえしない物語だが、勝のシリーズ初演出にマカロニウエスタンを手本にしたと思しきケレンがあって悪くない。寒村のムードも輪をかける。しかし、手本にしすぎて、ラストはまんま『続荒野の用心棒』みたいになっちま…

新仁義なき戦い 組長最後の日

★★★ 1991年8月4日(日) 新世界東映 新シリーズ3部作では最もまとまりがあるが、登場人物たちが義と侠の間で煩悶せざるを得ないあたりテイストが実録から任侠に逆戻りの感。材料出尽くしの果ての後退にしか見えないところが苦しいところだ。(cinemascape) ken…

新仁義なき戦い 組長の首

★★ 1991年8月4日(日) 新世界東映 やりすぎとも思える山崎努のシャブ中演技。最早、自虐を通り越し暗黒の深淵に見る者を引きずり込むようだ。正直、こういうのが出てくるとしんどい。シリーズのネガティヴな暗部を拡大したかのような異色作。(cinemascape) ke…

新・仁義の墓場

★★★★ 2007年11月17日(土) トビタ東映 ルール無用の悪党を守る為に通す筋もある。美木・山下の侠気。東映・Vシネ複合群が新たな燦ざめく男どものカオスを形成し得たことを祝福しよう。主役2人の熱演も素晴らしい骨太筆法で犯罪者を描いた多くの傑作日本映…

新仁義なき戦い

★★★ 1991年8月4日(日) 新世界東映 「仁義」を無くして「任侠」とは縁を切った筈の「実録」に任侠残滓とも言うべき若山を引っ張ってきたことが斜陽感をいや増させる。その若山が相当にえげつないことをやりまくるのは無残との思いまで感じさせる結果となった…

神経衰弱ぎりぎりの女たち

★★★ 1991年9月7日(土) 毎日文化ホール 地中海的彩色と地中海的骨格が氾濫したアメリカンソープオペラなシチュエーションコメディ。神経衰弱という日本語感とは余りにかけ離れた逞しい女達により演じられる喧噪は彼女達が思う程の切実味を訴求しないので全く…

白い馬

★★★ 2008年7月30日(水) 梅田ガーデンシネマ1 とって付けたような逃避願望には相容れぬものを感じたが、この少年の泥まみれでヤケに頑張る様に打たれる。爺さんと弟とフラミンゴと亀の形成する空気と時間。そこには紛れもない世界の片隅の昼下がりのユート…

新宿酔いどれ番地 人斬り鉄

★★ 1990年3月21日(水) 日劇会館 義理を通し苦渋噛む古典任侠道へのアンチテーゼとしての破滅型ヒーローなら飼犬たる己の飼主にこそ噛み付いてなんぼだろう。愚痴ってやるせんわと自己憐憫に浸る間があるなら徹底的に破壊しろってんだ。凡庸な演出とエッジの…

次郎長三国志

★★★ 2008年10月11日(土) 梅田ピカデリー4 口跡のいい役者たちの小粋で気っ風のいい台詞の応酬。それはそれで心地よいが前作にも増してのベタ演出には少なからずがっかり。ただ、役を配する悦びに充ち充ちている。挙げていきゃあ、北村・温水・木村・竹内…

人生劇場 飛車角と吉良常

★★★★★ 1990年4月1日(日) 日劇会館 任侠映画の勃興初期に大正生まれの御大が放った前夜祭。3大スターは既に安定した境地を見出しているのに驚くし、一幅の絵画と見紛う絵面には浪漫の薫りさえ漂う。こういう邂逅にこそシンクロする映画史に於ける奇跡を我々…

新宿泥棒日記

★★ 1990年9月22日(土) みなみ会館 多分に場当たり的であり1個の街の名を冠した巨視的視点での構築からは程遠い。アナーキーたろうとする作者の表層的ゴダール節は真のアナーキズムどころか混沌を映画的に表現するにも至っていない。ラストの騒乱のドキュメ…