男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しよ】

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

★★★★★ 2008年12月19日(金) TOHOシネマズ梅田4 キースは代替不能なキャラだがミックの地平は数億光年超えてる。60代の爺いがケツ振り20代の「スタート・ミー・アップ」を歌う凄さ。一方、これは琥珀の映像の珠玉の宝石箱。9割ストーンズに負うが…

ションベン・ライダー

★★★ 1990年8月5日(日) みなみ会館 多くのシーンを切ったのだろう。プロットは崩壊し物語は喪失された。で、ひたすらに少年少女を肉体的に追いつめ事象を包括的にフィルムに定着することに偏愛を見出す。しかし、悲しいかな所詮は半素人のままごとにしか見え…

十三人の刺客

★★★ 1990年10月27日(土) トビタ東映 戦前からご活躍のお歴々は工藤のリアリズム志向に戸惑い、新興役者とのコラボが成功してるとも思えないので、大詰めの攻防戦までの心理的攻防に役者力が発露されず寸止めのようなもどかしさを覚える。結果なかなか始まら…

女囚さそり 701号怨み節

★★★ 2009年8月23日(土) 日劇会館 全共闘崩れというリアルワールドと遭遇した虚構世界のヒロイン、ナミは必要以上に黙するしか処する術がないようだ。それはそれで面白くもあるが、矢張り終盤、女子刑務所内に舞台が移るとホッとする。「さそり」とは良くも…

シャレード

★★★★ 1988年12月4日(日) セントラル劇場 剣呑で胡散臭い男達に囲まれて追いつめられていくオードリーのリアクションが等身大でいい。生臭さの無いアッパーミドルな役がピークアウト前のキャリア円熟とマッチしてカマトトは霧消する。60年代ハリウッドのロ…

終着駅

★★★★★ 1988年12月11日(日) セントラル劇場 圧殺されるかの如き時間の切迫と同期する主役2人の別れる別れないの粘着情念の表出と、錯綜する大伽藍ローマ駅構内で行き交う人々の絢爛たる人間絵巻。その構成の妙に滲むイタリア映画の強烈な伝統的芳香。アルド…

首都高速トライアル

★★ 1988年10月23日(日) 長崎ロッポニカ クールなニヒリズムを基調とするにせよ、こうまで低温だと題材との不整合を感じる。『爆裂都市』のアナーキズムから数年後の映画とは思えぬ良い子ちゃんぶり。使用許可など下りる筈ない高速道の激走を捻じ伏せる映画屋…

JUNK HEAD

★★★★★ 2021年4月19日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 7年間コツコツとほぼ独力で作ったストップモーションアニメという謳い文句に殊更の驚嘆はない。好きなことを趣味でやり続ける人はゴマンといるわけで、俺だって20年間映画の感想をネットに書き…

シャーロック・ホームズ

★★★ 2010年3月16日(水) 梅田ブルク7シアター3 今更、食指の湧く題材でもないのだが、序盤のガイ・リッチー的ワイルドサイドに振れたマッチョな造形にはイケるかもと期待。しかし、CGまみれの定番19世紀描写にロマンティシズムを加味した「ホームズ」…

シャッター アイランド

★★★★★ 2010年4月20日(火) 梅田ブルク7シアター3 目新しくも無さそうな展開だが、手慣れてケレンが無いようでいて小技を効かせまくるスコセッシ演出の重厚と演者たちの含蓄の豊穣に魅せられる。そして、予想を裏切る展開から浮かび上がる真っ当な人々の想…

JAWS ジョーズ

★★★★ 1976年1月4日(日) 梅田グランド劇場 警察署長の煩悶やシャークハンターの戦中懐古話等、申し訳程度にドラマが描かれてはいるが、矢張り鮫の予想外のデカさにつきたと思う。出ることがわかってて待ちかまえる観客をも殆ど仮死状態に至らしめるほどのシ…

17歳の肖像

★★★★ 2010年5月12日(水) TOHOシネマズ梅田6 足るを知るには、あっち側に行き戻って来るしかないという言説を語りつつ、教条的価値基準には準拠しないというポーズがクールな一方で感じる時流への媚びの微妙。ただ、圧倒的なのはロック勃興前夜のロン…

春江水暖

★★★★ 2021年2月27日(土) テアトル梅田2 グー・シャオガンという新人の長篇デビュー作で、撮影に2年をかけたという力作である。 力作とは思いますが、影響を受けた監督にエドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーの名前を挙げている通りの…

ハロルドとモード 少年は虹を渡る

★★★ 2010年9月11日(土) シネヌーヴォ 現実逃避にしか見えぬ少年の奇行の果てに正体不明の婆さんがいたわけだが、人生訓めいた更正方向ではなく閉じた世界に2人で埋没してゆく被虐性には一応惹かれる。ただ、余りに語られぬバックボーンゆえに所詮は絵空事…

十三人の刺客

★★★★ 2010年10月8日(金) TOHOシネマズ梅田3 場数を踏んだ者のみが成せる長丁場の戦闘の緩急と構成の妙は素ん晴らしい。だが、序盤で提示された「みなごろし」のルサンチマンは今いち解消されぬまま、ヒロイズムやニヒリズムに置換され、どうにも糞詰…

シャルロットとジュール

★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 結局、そんなことならさっさと済ませて失せやがれということなのだが、弄ぶかのようなシャルロットのお茶目さの執拗な過剰感は見てて不快ではない。男の未練や強がりと親和し呼応してるからだろう。ラストの決めはベ…

小説吉田学校

★★★ 1983年4月11日(月) 伊丹グリーン劇場 森繁の渾身な成りきりこそ見物だが、クソ真面目な森谷に山本のような寝技が出来得る訳なく抑揚の無いエピソードの断片的なつなぎ合わせに終わった。角栄・佐藤・中曽根など不要で三木武吉との確執こそど真中に据える…

処刑教室

★★★ 1983年5月28日(土) 伊丹ローズ劇場 単細胞なまでにコンセプトは一貫しており、ガキだろうが何だろうが殺られたら殺り返すってことでいいじゃないかってなもんで、アメリカンな論理は怖くもあるが惹かれるもんもある。いや、オーソドックスは強度がある。…

処刑剣 14BLADES

★★★ 2011年9月23日(金) トビタシネマ プロット毎の魅せ方は悪くもなく、決め構図に心射られそうになることも無くはない。特に温泉でのドニー&ヴィッキーの嬉し恥ずかしな青春プレイの甘酸っぱさはナイス。だが、肝心の大枠が端折り過ぎで根の部分で置いて…

ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

★★★ 2011年11月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 お庭の花壇のお花の陰からヌボーっと現れるジョージにスコセッシの気持ちは集約されている。肩入れし切れない取り留めの無さ。期待した快楽の編集リズムは無く、ポールやクラプトンとの確執も突っ…

少女ムシェット

★★★★★ 2020年11月17日(火) テアトル梅田1 ブレッソンをそんなに見てるわけではないが、これは今まで見た中でベストであるし、今年見た旧作の中でも最上位に置くだろう。 貧乏で悲惨ということを映画はけっこう好んで取り上げる。そして、この主人公の少女…

ジャコ萬と鉄

★★★ 1982年5月29日(土) 新世界東宝敷島 黒澤が三船を発見したのではなく、或る意味で僚友谷口との共有物であったわけである。そういう歴史的意味を探る上では外せない1本だが、だからといって殊更どうという訳でもない。しかし男2人の対決の映画ってのは、…

昭和残侠伝 破れ傘

★★★ 2012年5月26日(土) 新世界東映 これでもかの義理の釣瓶打ちが並列に配置されるだけで一向に錯綜も相乗もせず、挙句にばったばったと登場人物を殺して回収するだけ…で、お決まりの道行き&殴り込みと相成るのが釈然としないが、まあ、それでも「唐獅子…

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち

★★★ 2012年6月16日(土) テアトル梅田2 稀代の道化か清心な殉教者かと問われたら、若松のスタンスは前者に近い筈だが、そうならば徹底的に笑いのめしてやるのが霊魂に報いる道であろう。遠慮は不要だった。東大や市ヶ谷での井浦新のリアルにダメな口跡が出…

終電車

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 50年代ロマネスクの主要舞台であった大戦下のパリに舞台を設定し文句無しのスター2人を主演に迎えて極めつけのメロドラマになるかと思いきや、2人の男の間を揺れ動くドヌーブが何考えてるのやら解らないトリュフォー…

新少林寺 SHAOLIN

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 流れを読ませない多くの予兆を秘めた前半は素晴らしい。だが、少林寺VS圧政者という構図はラウVSツェーの個人レベルの内部闘争に摩り替わる。熱いのだが釈然としない。ただ、ラストジャッキーに担わせた万感の想い…

女囚さそり けもの部屋

★★★ 2012年8月25日(土) トビタ東映 冒頭の地下鉄シーンは良い。だが、その後街中を腕ぶら下げて走る梶は、さそりじゃなくて女の子になっちゃってるのだよ。伊藤演出の本気度の低下は著しい。その後も何に抗うのか不明の物語が綿々と続き白ける。李の怪演も…

情事

★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 前代未聞の問題作であったろうしアイデアは文句無く傑作ではあるが、未だ中途半端に自然主義の尾をひきずっており、圧倒的な喪失とヒリヒリした不安を抽象化し画面内に定着させ得ているとは思えない。撮影者の問題だと思…

ジャンゴ 繋がれざる者

★★★★ 2013年3月8日(金) MOVIXあまがさき1 『キル・ビル2』に類した語り口は闊達な一方で説明的リアクションショットが気になる。臨界寸前の腹の探りあいは相変わらず見所だが、破壊的に越境するでもなく良識コード内で納まる。肥えたタラの今後が危…

少年

★★ 1981年3月1日(日) SABホール この題材を黒塗りの日の丸で規定してしまうところに大島の横暴を感じる。情緒的な泣かせと論理的な政治的指向の狭間で物語は宙に浮いて居所を失っている。思っていた内容と余りに違いすぎ、見てる間ギャップを埋め切れない…