男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しよ】

少女香雪

★★ 1993年4月4日(日) ホクテンザ1 中国版『木靴の樹』といった趣があるがマクロな視座を欠くので閉塞感しかない。伝承される過去映画の記憶を便法として取り入れてみたものの小手先めいてる。第五世代の図太い蛮性と比較されると如何にもな未成熟で気の毒で…

シャドー・フューリー

★★ 2002年9月23日(日) トビタシネマ 戦争後遺症の冴えない野郎を主役にしちまったので、ただでさえ冴えない話が益々しみったれてしまった。船木のアクションは亜流の域を出ていず、下手なワイヤープレイに至っては最早ギャグ。カサンドラ嬢の侘びしき乳ピア…

車夫遊俠伝 喧嘩辰

★★★ 2002年11月16日(土) 扇町ミュージアムスクエア 何があっても自分の信義を曲げぬ男というのは良いキャラで『けんかえれじい』に通底するようにも思えるのだが、そこを取り立てて前面に出さず勿体ない。後半に至りそういった特質は後方に霞みトーンダウン…

社葬

★★★★ 1993年5月16日(日) 新世界東映 疾走感あるオリジナル脚本で受けた老練舛田の柔軟な腕が冴えた文句無しのナイスムービー。役者陣の面子も揃ったが両雄相見える緒形と江守が織り成す余裕のかまし合いが快感。一方吉田日出子が醸す家庭描写の良さが絶好の…

十九歳の地図

★★★★ 2022年4月25日(月) シネヌーヴォ 俺が大学に入学した年の映画で、当時、大学の映研内では皆見てたと思うが、俺は見逃していた。理由は特になく単にタイミングが合わなかったんだと思う。 なんでそんなこと書いたかと言えば、19歳の自分を取り巻く世…

呪怨

★★ 2003年2月25日(火) テアトル梅田1 この監督の頭には「決め」の絵はあったかも知れないが物語の構築には興味が無かったらしい。起と承を御座なりにした転と結だけの串団子が侘しく、古今東西の映画の物真似オンパレードも情けなく恥ずかしい。女優が皆可…

ジュラシック・パーク

★★★★ 1993年8月1日(日) 北野劇場 導入の描写が半端な接写のみで構成され掴み損ねているから相当に緩い序盤がしんどい。が、ティラノサウルス登場から退場までのブッちぎりのモンタージュが一気に心臓をわし掴む。その余韻で相当に平凡な後半を疾走させた。出…

昭和残俠伝 人斬り唐獅子

★★★ 1993年7月11日(日) 新世界東映 ファナティックな佐伯と対極的なまろみのマキノ作の狭間で得てして個性が埋没しそうな山下耕作作ではあるが、定番パターンに乗っ取って面白いことは面白い。しかし、藤純子の抜け落ちた穴は小山明子では補い切れないのも事…

島国根性

★★★★★ 1993年8月5日(木) ゆやホール 極めて日本的私小説世界を描いても他の同系作品から遙かな地平に到達し得たのは渡辺文樹作であったという1点に尽きるとは思うが、とにかく腹を抱える事請け合いの抱腹絶倒ムービー。全てを曝け出すこいつの前で小手先の…

主婦マリーがしたこと

★★★★ 1993年8月4日(水) ゆやホール 堕胎幇助にせよ不倫にせよ誉められた行為とは思わないが、ここまで断罪される行為なのか?という時代に於ける倫理観の変遷をシャブロルは肯定も否定もしない。その冷徹なまでの視座。ユペールがクールに熱い。(cinemascape)

秋菊の物語

★★★★★ 1993年8月8日(日) テアトル梅田1 能面女優に感情を付与し、自身の極まった手法をも鮮やかに転換させたイーモウの底の見えなさ。往年のイタリア映画を彷彿とさせるバイタリズムとユーモアの混在。パラノイアな際どいキャラも腹ボテのコン・リーが飲み…

十階のモスキート

★★★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 やり場の無い中年男の閉塞感を描いて前年の『水のないプール』にインスパイアされた脚本なのは間違いないがロックンローラー裕也が何故にくたびれた中年男に拘ったのか興味深い。デビューの崔演出は手堅いが未だ生硬で…

ジョニー・スエード

★★★ 1993年10月16日(土) みなみ会館 ロカビリーやスエード靴やリーゼントへ偏愛を持つ野郎を見て笑って無視するか理解しようと努力するかだが俺は無視もしたくはないが努力したいとも思わない。そういうバカが1人いましたとさのヘタウマ諧謔が神話の域にま…

修羅の伝説

★★★ 1993年10月17日(日) 新世界東映 1.5線級を新旧織り混ぜナイスキャスティングだ。彼ら彼女らが濃淡の差はあれ旭中心に裏切り離脱抜きの同一方向の戦闘ベクトルを維持し続けるのが気持ちいい。惜しむらくはその中心軸が中年太りでリスペクトに適う見て…

12人の優しい日本人

★★★★ 1992年1月19日(日) ロッポニカ三宮 ベタな日本人論やベタなパロディをベタと承知の上で割り切って演じさせ繰り広げる強引さに反発しつつも飲まれてしまう。そういった一種の2重構造を持つ作劇の妙味は、したたかそのもの。演出も出張らず、しかしポイ…

ジョゼと虎と魚たち

★★★★★ 2004年1月13日(火) 梅田ガーデンシネマ2 ただ押されて過ぎ行く日々の中に稀に現れる煌く瞬間。過剰な時代に恋もSEXも檻の中の虎もラブホの魚の幻灯絵も漬物も味噌汁も焼鮭も看過すれば何でもない。しかし、それが如何に素晴らしいものであったかを…

ジャズ大名

★★★★★ 1992年4月23日(木) 毎日文化ホール 映画とはカットが絶妙なリズムで紡ぎ上げられ産まれる快楽の止め処ない連鎖であることを思い知らされる。支離滅裂が殆どシュールの域に到達する終盤の一大狂熱!限定セットを逆手に取って迷宮を現出させる錬金術師喜…

下妻物語

★★★★★ 2004年6月10日(木) ナビオTOHOプレックス7 時代に迎合して生きるのは嫌だが、迎合しない為には、それはそれで苛烈な努力を強いられる筈。なのに、どうにも2人は受け身でもどかしい。しかし、終盤の大仏前の決闘に漲る本気汁に済し崩しに納得もさ…

ジャスティス 闇の迷宮

★★★ 2004年12月14日(火)v新世界国際劇場 俺の与り知らぬ世界があるのだろうが、常識的に内政要因に依り抹殺された幾多の人々の事を問題提議するのであれば予知とか幻視とかを持ち出すのは不要なのに自棄に正々堂々とやってるので困惑する。加えてバンデラス…

ジャングル・フィーバー

★★★ 1992年8月8日(土) 高槻セントラル 主題は明確なのに群像劇で散らしてしまったが為に黒人と白人の恋愛は結局成就しないというアイロニカルな帰結にしか到達しない。恋愛劇として衒いがあってはダイレクトに心を射ってこないのだ。徒に最強メンバー揃いな…

ショウほど素敵な商売はない

★★★★★ 1992年9月15日(火) テアトル梅田1 色んなこともあったけどやっぱり人生もショウも最高さ!とばかりに一切のケレン無く確信的にステージ上のショウを徹底して見せまくる一大クロニクル。一家5人のプロ芸に対してモンローの天然のオーラも絶妙な神話的…

JOINT

★★★ 2021年12月6日(月) シネリーブル梅田3 キネ旬の短評欄を見ていて3人の評者が高得点をつけている。1人などは「これはもう事件」と言っている。事件と聞いて立ち読みしていた俺は急遽見る予定だった映画をこれに変えました。 であるが、事件でもなんで…

至福のとき

★★★★ 2006年7月22日(土) パルシネマしんこうえん 余りに物語が小振り過ぎて小品の趣を免れ得なく、この投げ出し方は「放棄」したとも思える粗雑さだが、一方で執拗に反復されるディテールに新たな手法を模索する作家魂を感じたりもした。いずれにせよ2極…

昭和残俠伝 死んで貰います

★★★★ 1992年10月25日(日) 新世界東映 全部を見てるわけでもないがシリーズ最高作の謳い文句は多分本当なんだろう。しかし、加藤泰みたく媚びたケレンは要らなかったのじゃないか。小津ほど気取らないで全体の統制力を堅持した作家だから、敢えて言いたくもな…

柔道龍虎房

★★ 2006年9月19日(火) 新世界国際劇場 タイトルだけはやたら黒澤してるのだが、あとは中村雅俊でも出てきそうな「俺たちの」何とかみたく青春しちまってムズ痒いことこの上ない。しかも、展開がシュールな迄に説明不足なのだ。凄いとも思うがやはりアカン…

ジャイアンツ

★★★★ 1991年2月17日(日) ルネサンスホール 守旧派の姉や成り上がりの使用人が時代の変転を形成するが、彼女は流れに身を任せ穏健なリベラリズムを貫く。この長大な年代記をテーラーは完全に背負う。差別感情が引き起こすバーガー屋での喧嘩にジュークボック…

ジャケット

★★★ 2007年1月20日(土) 新世界国際劇場 独り善がりな設定は独善的なまでのオリジナリティで担保しないと見るに忍びない。この映画は時空を横断する前提・手段をイメージできていない。ただ、終盤の畳みかけるような展開に若干心揺さぶられるが、所詮は既存…

ショートバス

★★★★ 2007年9月8日(土) テアトル梅田2 こいつらには愛とSEXしか無いのかというミニマムな閉塞感を思うが、60年代フラワームーヴの復刻かと思える懐古趣味を色濃く滲ませたJ・C・ミッチェルには矢張り心を射られる。ハードな描写の連続に嫌悪感を感…

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

★★★★★ 2007年10月13日(土) 梅田ブルク7シアター5 どいつもこいつも誰にも依存しないし前に進むことに清々しく躊躇が無い。佐藤・伊勢谷・桃井・香川の乗りに、最近の三池映画に顕著な役者を気持ちよく転がす場の現出を随所に見る。初コラボの栗田カメラ…

シャン・チー テン・リングスの伝説

★★★ 2021年9月7日(火) TOHOシネマズ梅田1 マーベルの映画でなかったらどんなに良かったろうと思いました。そう思わせるくらいに、前半で2回あるアクションはジャッキー映画の良質な発展形といってもいい出来です。 結局後半は、CGまみれのお子様世…