男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しよ】

ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

★★★ 2011年11月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 お庭の花壇のお花の陰からヌボーっと現れるジョージにスコセッシの気持ちは集約されている。肩入れし切れない取り留めの無さ。期待した快楽の編集リズムは無く、ポールやクラプトンとの確執も突っ…

少女ムシェット

★★★★★ 2020年11月17日(火) テアトル梅田1 ブレッソンをそんなに見てるわけではないが、これは今まで見た中でベストであるし、今年見た旧作の中でも最上位に置くだろう。 貧乏で悲惨ということを映画はけっこう好んで取り上げる。そして、この主人公の少女…

ジャコ萬と鉄

★★★ 1982年5月29日(土) 新世界東宝敷島 黒澤が三船を発見したのではなく、或る意味で僚友谷口との共有物であったわけである。そういう歴史的意味を探る上では外せない1本だが、だからといって殊更どうという訳でもない。しかし男2人の対決の映画ってのは、…

昭和残侠伝 破れ傘

★★★ 2012年5月26日(土) 新世界東映 これでもかの義理の釣瓶打ちが並列に配置されるだけで一向に錯綜も相乗もせず、挙句にばったばったと登場人物を殺して回収するだけ…で、お決まりの道行き&殴り込みと相成るのが釈然としないが、まあ、それでも「唐獅子…

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち

★★★ 2012年6月16日(土) テアトル梅田2 稀代の道化か清心な殉教者かと問われたら、若松のスタンスは前者に近い筈だが、そうならば徹底的に笑いのめしてやるのが霊魂に報いる道であろう。遠慮は不要だった。東大や市ヶ谷での井浦新のリアルにダメな口跡が出…

終電車

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 50年代ロマネスクの主要舞台であった大戦下のパリに舞台を設定し文句無しのスター2人を主演に迎えて極めつけのメロドラマになるかと思いきや、2人の男の間を揺れ動くドヌーブが何考えてるのやら解らないトリュフォー…

新少林寺 SHAOLIN

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 流れを読ませない多くの予兆を秘めた前半は素晴らしい。だが、少林寺VS圧政者という構図はラウVSツェーの個人レベルの内部闘争に摩り替わる。熱いのだが釈然としない。ただ、ラストジャッキーに担わせた万感の想い…

女囚さそり けもの部屋

★★★ 2012年8月25日(土) トビタ東映 冒頭の地下鉄シーンは良い。だが、その後街中を腕ぶら下げて走る梶は、さそりじゃなくて女の子になっちゃってるのだよ。伊藤演出の本気度の低下は著しい。その後も何に抗うのか不明の物語が綿々と続き白ける。李の怪演も…

情事

★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 前代未聞の問題作であったろうしアイデアは文句無く傑作ではあるが、未だ中途半端に自然主義の尾をひきずっており、圧倒的な喪失とヒリヒリした不安を抽象化し画面内に定着させ得ているとは思えない。撮影者の問題だと思…

ジャンゴ 繋がれざる者

★★★★ 2013年3月8日(金) MOVIXあまがさき1 『キル・ビル2』に類した語り口は闊達な一方で説明的リアクションショットが気になる。臨界寸前の腹の探りあいは相変わらず見所だが、破壊的に越境するでもなく良識コード内で納まる。肥えたタラの今後が危…

少年

★★ 1981年3月1日(日) SABホール この題材を黒塗りの日の丸で規定してしまうところに大島の横暴を感じる。情緒的な泣かせと論理的な政治的指向の狭間で物語は宙に浮いて居所を失っている。思っていた内容と余りに違いすぎ、見てる間ギャップを埋め切れない…

シャイニング

★★★ 1981年3月21日(土) トビタシネマ 過去の時制が侵食するスタティックな超常現象の描写やスタディカムの長尺使用の酩酊感などの鉄壁はニコルソンの迎合的な過剰演技に侵食される。全く相容れない両者は統一を攪乱してるし予想を超えるイメージも少ない。…

ジョジョ・ラビット

★★ 2020年2月13日(木) TOHOシネマズ梅田5 なんだか、チュウボーが学校で教わったヒトラーユーゲントやゲシュタポや「アンネの日記」とかのネタを組み合わせて作って、ビートルズやらボウイやらをバックに流してイカスじゃんみたいな小賢しさを感じて…

自由を我等に

★★★★ 1981年4月19日(日) SABホール 大甘理想主義を謳歌する映画だが、予想外にクールなデザインも有している。その辺の欧州的ニヒリズムの存在がキャプラの勇気と信念のマッチョな透徹と同工にして異曲だ。工場シーンが『モダン・タイムス』の元ネタっ…

じゃりン子チエ

★★★★ 1981年4月13日(月) 伊丹グリーン劇場 『ハイジ』なんかで培った徹底現地ロケハンを大阪に導入し写実の中の虚構とナンセンスが際立つ。時折見せる戯画的なチエの横顔がリアル少女してるのが高畑の趣味か…。限り無くバカな父親と果てしなく優しい母親が…

少女娼婦 けものみち

★★ 1981年6月4日(木) 毎日ホール 少女が男を乗り変えるに際してのスッタモンダを持って回った観念劇エッセンスで修飾して可愛げが無い。加えて、母親との関係描写がでてくると益々何が何だか解んない世界で、煙に巻く寺山なら未だしも神代では見てられない…

ジョン・ウィック パラベラム

★★★ 2019年10月18日(金) 梅田ブルク7シアター11 始まってから30分ほどは、このシリーズも遂に、ある種の頂に到達したんやなあという感慨をもって見ていた。 物語は、渦中から始まりノンストップであります。そして、出ました!100人斬りってなわけ…

ジョーカー

★★★ 2019年10月8日(火) TOHOシネマズ梅田1 再三にわたり、ゴッサムシティの荒廃した現状が語られるのだが、ニュースの音声のみで、そこをもうちょっと丁寧に描かないと終盤の暴動とその中で格差への怨恨を晴らすジョーカーのアイコンとしての役回りが…

ジャッジ・ドレッド

★★★★ 2013年9月14日(土) 新世界国際劇場 スローモーなるドラッグの幻視効果を執拗に描いて、そのハイスピード撮影が人体破壊に敷衍するあたり、この際どい専制題材を描くに毒をもって制する感がある。設定の空間限定の閉塞は容赦の無さによって破砕され、…

シュロック

★ 1981年7月25日(土) 三越劇場 当時、我が日本の片田舎にだってブルース・リーや優作の真似事をしたくって、そんなバカみたいなことに明け暮れていた野郎どもは自主映画世界にはやまほどいたのであって、金取って見せるものではないと思った。パロディという…

春婦伝

★★ 1981年10月31日(土) 関西学院大学学生会館大ホール 土台ちゃんとした物語なのだから、いじくる必要もないのに、いじくってしまったケレンが煩わしくさえある。清順流の繋ぎは時と場所を選ぶと言うことじゃなかろうか。場末的廉価感は的を射るにはターゲッ…

SHADOW 影武者

★★★★ 2019年9月6日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 俺は、チャン・イーモウの熱心な鑑賞者ではない。 のだが、初期のころの「菊豆」、「紅夢」を見て、このおっさん形式主義に拘泥して早晩行き詰るわと思っていたら、「あの子を探して」でいきなり…

十兵衛暗殺剣

★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 十兵衛は序盤けっこうリアルに弱腰だし、実践経験無き剣が道場剣法と謗られるのも正論。そういう生煮え展開故に終盤の逆転にカタルシスは無い。闇夜の大友の8人斬りの非情。湖賊女頭目の懊悩とエロティシズム。見どこ…

ジョー

★★★ 2019年8月12日(月) プラネットスタジオプラス1 1970年のアメリカ映画だそうな。 前年の1969年には「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」「明日に向かって撃て!」「ワイルドバンチ」が公開され、映画ジャーナリズムはまさにアメリカ…

ジャッカルの日

★★★★ 2013年11月19日(火) 大阪ステーションシティシネマ11 ジンネマン演出はけっこう粗いのだがテンポだけはやたら良く、感情を排した即物的描写の連鎖が気持ち良い。こういうのを力技と言う。テロルのヒロイズムに言及するわけでもないのだが、この徹底…

シャーロック・ホームズの冒険

★★★ 1981年7月7日(土) 毎日文化ホール パロディとしての彼是は俺には解らぬのもあり舞台がロンドンの前半はけっこうダレる。スコットランドに移ってからの描写の方が好き。後半、漫画に堕したと言おうが哀切極まりないラストだけでも見る価値あり。ニヒリ…

ジャッジ!

★★★★ 2014年1月12日(日) イオンシネマ大日7 見てくれは相当エッジが効いてる割に言ってることはマトモ過ぎ、一種の回顧趣味だとしても気恥ずかしい。何と言っても景子と京香に分断されたヒロイン設定が致命的で煮えきらず、ツンデレのデレも不足だ。ただ…

少女は自転車にのって

★★★ 2014年1月11日(土) シネリーブル梅田2 必死でチャリこぐ少女の見るからに喜びを体現する様は確かに微笑ましいのだが、彼女は都度言及される女性を虐げるサウジの因習に対しプロテストしてるわけでなく、個人的な価値観に準拠してるに過ぎないところが…

主戦場

★★ 2019年7月6日(土) 第七藝術劇場 従軍慰安婦問題に関しては、国同士の交渉は2015年の日韓合意で終息したはずであったのだが、韓国サイドの民間レベルの激しいロビー活動で蒸し返され現在に至る。 ってのが、おおむねの日本人の見方だと思う。 喧嘩っ…

12か月の未来図

★★★★★ 2019年5月6日(月) テアトル梅田2 1人の教師の成功譚のような体裁をとっているので、現実はそんなに甘くねえよの声も聞こえそうだ。 が、それでもいいんじゃないかと思えるのだ。 描かれたのは膨大な移民と、それがもたらした格差。 エリート校のベ…