男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しよ】

ショートバス

★★★★ 2007年9月8日(土) テアトル梅田2 こいつらには愛とSEXしか無いのかというミニマムな閉塞感を思うが、60年代フラワームーヴの復刻かと思える懐古趣味を色濃く滲ませたJ・C・ミッチェルには矢張り心を射られる。ハードな描写の連続に嫌悪感を感…

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

★★★★★ 2007年10月13日(土) 梅田ブルク7シアター5 どいつもこいつも誰にも依存しないし前に進むことに清々しく躊躇が無い。佐藤・伊勢谷・桃井・香川の乗りに、最近の三池映画に顕著な役者を気持ちよく転がす場の現出を随所に見る。初コラボの栗田カメラ…

シャン・チー テン・リングスの伝説

★★★ 2021年9月7日(火) TOHOシネマズ梅田1 マーベルの映画でなかったらどんなに良かったろうと思いました。そう思わせるくらいに、前半で2回あるアクションはジャッキー映画の良質な発展形といってもいい出来です。 結局後半は、CGまみれのお子様世…

女帝 エンペラー

★★★ 2007年10月13日(土) トビタシネマ 肝心のツィイーちゃんの心根の変遷が説明不足で何考えてるのかわからんのがつらいが、贅を尽くしたセット美と仮面舞踏などの異様なギミックが冴え見応えはある。クライマックスの畳みかける展開にも唸ったが成程シェ…

修羅雪姫

★★★ 2007年11月17日(土) トビタ東映 即席培養された「怨み」は過剰なまでの激烈さで消化されなければ矮小化する一方だから仕方ないのだろう。昭和の暗部の残酷見世物小屋の如き「ブッタ斬り」ショーが一種マゾヒスティックな悲哀をもたらすのが唯一の見所…

17歳の瞳に映る世界

★★★★ 2021年7月21日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 近年稀に見る語呂のダサい邦題である。原題は「一度もない・めったにない・時々ある・いつもある」で不本意な妊娠をした彼女がソーシャルワーカーからの質問への答え方として提示される4択です。…

シューテム・アップ

★★★★ 2008年7月26日(土) 天六ユウラク座 正直ガンアクションとしてのキレは絶頂期のジョン・ウーの出来には遠い。が、狙ってるらしいアホが堂に入って衒いが無い。好感を持った。終盤に至ってはテキトーが罷り通り突き抜けモニカまでアホ街道を驀進する。…

紹介、またはシャルロットとステーキ

★★★★ 2021年7月22日(木) テアトル梅田2 習作といっていいんでしょう。 男はシャルロットが好きなんですが、彼女はその気はないみたい。でも、なんだかんだで彼女の家までついていく。 汚れるから上がんないでと言われて玄関でボーっと立っている。 シャル…

上意討ち 拝領妻始末

★★★ 1990年3月21日(水) 日劇シネマ 『人間の條件』的骨太作風でこそ描いてほしい、システムに翻弄される弱者の叛逆や、骨抜け人生を送った男の老後の目覚めや、息子や嫁への真摯な愛情なのだが、『怪談』風表現主義演出の小賢しさが興を冷めさせる。貧乏くさ…

昭和残俠伝 血染の唐獅子

★★★ 1990年4月1日(日) 日劇会館 『昭和残侠伝』の監督として佐伯清の凡庸なアナクロは後世に残らなかった。集団のコラボと叙情味で秀でるマキノの水準作。予想外に屹立してしまった『死んで貰います』を別格としてもこれはこれで退屈はしない。しかし、若干…

昭和残俠伝 唐獅子牡丹

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 冒頭の斬殺シーンが表象するように佐伯の描く侠道は殺伐としているしファナティック且つホモセクシュアルな臭いが多分にある。侠客の本質はこっちに近いのであろうが好みで言うと根明なマキノの方が安心。三田佳子の暗トーン…

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

★★★★★ 2008年12月19日(金) TOHOシネマズ梅田4 キースは代替不能なキャラだがミックの地平は数億光年超えてる。60代の爺いがケツ振り20代の「スタート・ミー・アップ」を歌う凄さ。一方、これは琥珀の映像の珠玉の宝石箱。9割ストーンズに負うが…

ションベン・ライダー

★★★ 1990年8月5日(日) みなみ会館 多くのシーンを切ったのだろう。プロットは崩壊し物語は喪失された。で、ひたすらに少年少女を肉体的に追いつめ事象を包括的にフィルムに定着することに偏愛を見出す。しかし、悲しいかな所詮は半素人のままごとにしか見え…

十三人の刺客

★★★ 1990年10月27日(土) トビタ東映 戦前からご活躍のお歴々は工藤のリアリズム志向に戸惑い、新興役者とのコラボが成功してるとも思えないので、大詰めの攻防戦までの心理的攻防に役者力が発露されず寸止めのようなもどかしさを覚える。結果なかなか始まら…

女囚さそり 701号怨み節

★★★ 2009年8月23日(土) 日劇会館 全共闘崩れというリアルワールドと遭遇した虚構世界のヒロイン、ナミは必要以上に黙するしか処する術がないようだ。それはそれで面白くもあるが、矢張り終盤、女子刑務所内に舞台が移るとホッとする。「さそり」とは良くも…

シャレード

★★★★ 1988年12月4日(日) セントラル劇場 剣呑で胡散臭い男達に囲まれて追いつめられていくオードリーのリアクションが等身大でいい。生臭さの無いアッパーミドルな役がピークアウト前のキャリア円熟とマッチしてカマトトは霧消する。60年代ハリウッドのロ…

終着駅

★★★★★ 1988年12月11日(日) セントラル劇場 圧殺されるかの如き時間の切迫と同期する主役2人の別れる別れないの粘着情念の表出と、錯綜する大伽藍ローマ駅構内で行き交う人々の絢爛たる人間絵巻。その構成の妙に滲むイタリア映画の強烈な伝統的芳香。アルド…

首都高速トライアル

★★ 1988年10月23日(日) 長崎ロッポニカ クールなニヒリズムを基調とするにせよ、こうまで低温だと題材との不整合を感じる。『爆裂都市』のアナーキズムから数年後の映画とは思えぬ良い子ちゃんぶり。使用許可など下りる筈ない高速道の激走を捻じ伏せる映画屋…

JUNK HEAD

★★★★★ 2021年4月19日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 7年間コツコツとほぼ独力で作ったストップモーションアニメという謳い文句に殊更の驚嘆はない。好きなことを趣味でやり続ける人はゴマンといるわけで、俺だって20年間映画の感想をネットに書き…

シャーロック・ホームズ

★★★ 2010年3月16日(水) 梅田ブルク7シアター3 今更、食指の湧く題材でもないのだが、序盤のガイ・リッチー的ワイルドサイドに振れたマッチョな造形にはイケるかもと期待。しかし、CGまみれの定番19世紀描写にロマンティシズムを加味した「ホームズ」…

シャッター アイランド

★★★★★ 2010年4月20日(火) 梅田ブルク7シアター3 目新しくも無さそうな展開だが、手慣れてケレンが無いようでいて小技を効かせまくるスコセッシ演出の重厚と演者たちの含蓄の豊穣に魅せられる。そして、予想を裏切る展開から浮かび上がる真っ当な人々の想…

JAWS ジョーズ

★★★★ 1976年1月4日(日) 梅田グランド劇場 警察署長の煩悶やシャークハンターの戦中懐古話等、申し訳程度にドラマが描かれてはいるが、矢張り鮫の予想外のデカさにつきたと思う。出ることがわかってて待ちかまえる観客をも殆ど仮死状態に至らしめるほどのシ…

17歳の肖像

★★★★ 2010年5月12日(水) TOHOシネマズ梅田6 足るを知るには、あっち側に行き戻って来るしかないという言説を語りつつ、教条的価値基準には準拠しないというポーズがクールな一方で感じる時流への媚びの微妙。ただ、圧倒的なのはロック勃興前夜のロン…

春江水暖

★★★★ 2021年2月27日(土) テアトル梅田2 グー・シャオガンという新人の長篇デビュー作で、撮影に2年をかけたという力作である。 力作とは思いますが、影響を受けた監督にエドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーの名前を挙げている通りの…

ハロルドとモード 少年は虹を渡る

★★★ 2010年9月11日(土) シネヌーヴォ 現実逃避にしか見えぬ少年の奇行の果てに正体不明の婆さんがいたわけだが、人生訓めいた更正方向ではなく閉じた世界に2人で埋没してゆく被虐性には一応惹かれる。ただ、余りに語られぬバックボーンゆえに所詮は絵空事…

十三人の刺客

★★★★ 2010年10月8日(金) TOHOシネマズ梅田3 場数を踏んだ者のみが成せる長丁場の戦闘の緩急と構成の妙は素ん晴らしい。だが、序盤で提示された「みなごろし」のルサンチマンは今いち解消されぬまま、ヒロイズムやニヒリズムに置換され、どうにも糞詰…

シャルロットとジュール

★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 結局、そんなことならさっさと済ませて失せやがれということなのだが、弄ぶかのようなシャルロットのお茶目さの執拗な過剰感は見てて不快ではない。男の未練や強がりと親和し呼応してるからだろう。ラストの決めはベ…

小説吉田学校

★★★ 1983年4月11日(月) 伊丹グリーン劇場 森繁の渾身な成りきりこそ見物だが、クソ真面目な森谷に山本のような寝技が出来得る訳なく抑揚の無いエピソードの断片的なつなぎ合わせに終わった。角栄・佐藤・中曽根など不要で三木武吉との確執こそど真中に据える…

処刑教室

★★★ 1983年5月28日(土) 伊丹ローズ劇場 単細胞なまでにコンセプトは一貫しており、ガキだろうが何だろうが殺られたら殺り返すってことでいいじゃないかってなもんで、アメリカンな論理は怖くもあるが惹かれるもんもある。いや、オーソドックスは強度がある。…

処刑剣 14BLADES

★★★ 2011年9月23日(金) トビタシネマ プロット毎の魅せ方は悪くもなく、決め構図に心射られそうになることも無くはない。特に温泉でのドニー&ヴィッキーの嬉し恥ずかしな青春プレイの甘酸っぱさはナイス。だが、肝心の大枠が端折り過ぎで根の部分で置いて…