男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しは~しよ】

ショコラ

★★★★ 2024年1月15日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 閉塞的なコミュニティに外部から流れ者がやってきて、その閉塞を解きほぐす(男の流れ者なら打破する)って話は鉄板なんでしょうね。コミュニティが家庭なら「サウンド・オブ・ミュージック」や「…

ジュリエッタ

★★★ 2016年11月5日(土) シネリーブル梅田2 苛まれ続ける女の半生で、そういう主題は珍しくもない。 寧ろ古今東西の名匠と言われる男の作家たちは女を苛み続けて名を上げた。 そして、多かれ少なかれ、その視線はサディスティックな要素を含んでいるもので…

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

★★★ 2016年11月13日(日) MOVIVあまがさき10 目立った個性もないが実直で剛腕な演出が好ましいエドワード・ズウィックは汎用型フランケンハーマーかウォルフガング・ペーターゼンの弟みたいな趣である。 来りて去りなむの定番展開がもはやパロディ…

春画先生

★★★★★ 2023年10月19日(木) 大阪ステーションシティシネマ6 春画にさほど興味がないし主演女優も知らない方なので食指は動かなかった。敢えて言うなら監督の塩田明彦に多少、くらいなもんでしたけど見てよかった。どうせ、持ち込まれ企画なんだろうと思っ…

ジョン・ウィック コンセクエンス

★★★★★ 2023年10月16日(月) MOVIXあまがさき10 例によって襲撃されて撃退するの繰り返しで、ご丁寧にザコ敵に対しても数発ぶち込んで念の為脳天にも1発の「ご作法」も相変わらずです。 ここまでおんなじことを何作も繰り返して飽きがきそうなものな…

Gメン

★★★★ 2023年8月30日(水) Tジョイ梅田6 モンタージュ理論とか、そんな大層なもんどんなか知りませんが、それでも映画の編集とはある程度は論理的なもんだと思うんです。でも、この監督には論理のカケラもございません。冒頭の4、5分を見てそう思いまし…

小説家の映画

★★★★★ 2023年7月4日(火) シネリーブル梅田3 「あなたの顔の前に」で登用して成功したイ・ヘヨン再登板であるが、キム・ミニとの連作がある種の行き詰まり感を呈していただけに、ホン・サンスやる事なす事上手くハマってしゃーないの境地であろう。 格段の…

ギャング対Gメン 集団金庫破り

★★★★ 2023年3月15日(水) 新世界東映 きっと「黄金の七人」にインスパイアされたもんだろ思ったら、こっちの方が2年先であった。石井輝男の作品は多分1割も見てないけど、見た中では1、2を争う出来だと思う。イケてます。 画面の造形がダブルフォーカス…

ジョニー・ベリンダ

★★★★ 2023年2月18日(土) プラネットプラスワン ジョニーが名前でベリンダが苗字かと思っていたら、映画を見てると主人公の女性の名前がベリンダみたいで、そんならジョニーは何かと思えばベリンダの産んだ子の名前だった。「名前・名前」のタイトルおかし…

ジャッキー・ブラウン

★★★ 1998年4月27日(月) 梅田ガーデンシネマ1 忘却のマイナー役者を掘り起こし主役コンビに当てた周りを売れ線バリバリの連中で固め且つ徹底して予想を逆手に取った役をはめる。意図して基軸をずらせた感じが匂う。それなら、いっそ物語を語らない位がいいの…

シャドウプレイ

★★★★ 2023年2月日(月) シネリーブル梅田1 今回、完全版というのを見たのだが、最初の公開版を見てるわけでもなくどう違うのか知りません。検閲でカットされた5分間のシーンが足されたもんだそうな。 名前は知ってたけどロウ・イエ監督作品、初見です。パ…

ジャック

★★★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 大人の姿の子供にロビン・ウィリアムズと聞いただけで食傷感を覚えるが、彼の毛深さが思いの外に主人公の悲哀を際だたせる。対する母親にベタつかないダイアン・レインを持ってきたのも正解。導入シークェンスの乾いたセ…

ロスト・ワールド ジュラシック・パーク

★★★★ 1997年8月10日(日) テアトル徳山Ⅰ 焦らしと溜めを意識した1作目のオーソドックスに比し、こいつは兎に角くどいまでの恐竜出まくりの満喫感。緩いカンディからカミンスキーに代わりフィルムの深度が増幅。終盤は『キングコング』や『ゴジラ』へのリスペ…

シュリ

★★★ 2000年2月5日(土) テアトル梅田2 ユンジンの刹那とミンシクの非情は自由への憧憬を孕みつつ、可逆的に韓国の北への想いを露呈させる。その辺は胸を打つが、コマーシャルな戦略がダサ過ぎ。『踊る大捜査線』あたりと卑近な空疎感。どこかで見たような設…

Shall we ダンス?

★★★ 1996年1月28日(日) テアトル徳山Ⅲ 本木主演の連作では異文化ギャップの単線構造で済んでも、役所・草刈の大人世界では男と女の領域に踏み込まずには済む筈もない。何も無いことで却って妻が不憫に見える逆説への無自覚。自己完結した世界に安住しマンネ…

ジュマンジ

★★ 1996年3月23日(土) テアトル徳山Ⅰ 26年間も閉じ込められた男の来し方行く末に本気の斟酌が作り手に無いので気持ちの据え所に困る。何より気持ち悪いCG猿と腑抜けたロボライオンに作り手のセンスを疑うのだ。そこには動物に対する愛も畏怖も見受けられ…

ジム・キャリーの エースにおまかせ!

★ 1996年6月1日(土) 徳山国際劇場 つまらない自己充足ギャグも見せ方次第で輝きを得ることを知ってはいるが、演出にそういう矜持は皆無でただ流されてるだけ。ジム・キャリーを好きでもないが才能はがあるのだろう。しかし、彼を出せば何とかなるみたいな甘…

シバジ

★★ 1996年8月31日(土) 山口県教育会館ホール グォンテクの浪花節的テーマ選定と脇目も振らぬ愚昧な一直線語りが或る種の典型を思わせ乗り切れない。階級社会発生以降世界で遍く行われたであろうこの種の問題を単なる悲話として語るのでは最早芸がない上に全…

シャンハイ・ヌーン

★★ 2000年8月11日(金) ユナイテッドシネマ岸和田5 取り敢えずは孤軍奮闘で敵地に乗り込んだ『バトルクリーク』の闘いから20年。牙を抜かれ飼いならされた感が蔓延。撮影や装置はレベルアップしたがストーリーは緩みアクションはロクな見せ場を失った。プ…

書見機

★★★ 2001年1月9日(火) キリンプラザ大阪 これも又書を読む行為だと言われたって、ふーんと言うしかないし、寺山的ギミックに又かの食傷も覚えるが、再三試みられる緩やかなローキーからハイキーへの露出開放効果が思った以上に何だか心地良い。書見機自体に…

十二人の怒れる男

★★★★ 1995年4月9日(日) 第七藝術劇場 現実社会は強固な意見を持つリー・J・コッブ型の少数と大多数の付和雷同型人間で構成されている。良識の象徴フォンダに生活背景が皆無なのは偶像であるからだ。しかし、皮肉にもそれが映画的興奮を喚起する。飛出ナイフ…

女帝 春日局

★★★ 1995年2月19日(日) 新世界東映 「女帝」としての覇権を得るまでの話であって題名に偽り有りだと思うのだが、まあ、それなりにはおもろい。脇での名取・草笛の老若老練コンビが良く、十朱1枚看板では苦しいところを好サポート。しかし、思うのだが、大奥…

ジャンケン戦争

★★★ 2001年1月9日(火) キリンプラザ大阪 12分間ひたすら続くジャンケンとそれに付随するコント。アドリブでこれだけの長帳場を単一テーゼで遣り切らされる2人の声に出せない苦悶の叫びが聞こえてきた。稚拙な権力風刺の全くしょもない舐めた作品とも言え…

十五才 学校Ⅳ

★★★ 2001年4月6日(金) パルシネマしんこうえん 長距離の運ちゃんにせよ頑固な爺さんにせよ、そういう未知世界の住人との邂逅を自己回復のよすがとするなら最低の因果律を提示せぬでは片手落ち。散文的でドラマトゥルギー皆無。散文だと言うなら役者陣がベタ…

女優霊

★★★★ 2001年4月12日(木) シネヌーヴォ すべてに於いて古式床しいオーソドックス風味が貫徹されているのが大器の片鱗を伺わせた。凄まじい悪意を持った得体の知れない何かが映るというモチーフは、『リング』にてバージョンアップし延伸される。タイトルバッ…

ショーシャンクの空に

★★★★★ 1995年7月30日(日) 高槻セントラル 屋上でのビール場面でのロビンスの遠くを見る気な微妙な表情の屈託。物語の主役をサブキャラに語らせることでの「説話」味の醸成。キング原作ものの成功した映画化で終わらせぬ素因は曖昧領域のインサートの巧みさだ…

夢野久作の 少女地獄

★★ 2001年4月13日(金) シネヌーヴォ もっと夢幻的な退廃美を期待していたのだが、そして実際、シュールなイメージも織り込まれてはいるが非常に安っぽい。後半に至るに、耽美は遠のき単なる復讐譚になってしまった。どっちつかずで中途半端である。(cinemasc…

ショーガール

★★★ 1995年12月23日(土) 徳山国際シネマ それなりのバジェットであったろうにベガスエロショー世界を取り上げ品の欠片もなく描いているが品がないことに意識的でもないから物語・演技に諧謔を付与するような発想もない。バーホーベンはこの感性を普遍と信じ…

ジュラシック・パークⅢ

★★★ 2001年8月24日(金) OS阪急会館1 第1作の不意打ち的衝撃と第2作の執拗なサディズムの後を受け尚、過剰方向に走らず割り切りったコンパクト仕上げは買う。だが、新顔スピノとプテラに大きなインパクトは無い。一方 メイシー・ティア夫妻の凸凹チック…

淑女は何を忘れたか

★★★★ 1994年3月5日(土) ACTシネマテーク 1時代が終わったスターが滋味とも言えるオーラを発散するという意味で、この栗島すみ子は『代理戦争』の旭に匹敵するかも知れない。ルビッチに傾倒する小津が未だ偏固ではない柔軟性を醸した時代の逸品。この夫婦…