男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【こは~こん】

ゴールデンカムイ

★★★★ 2024年1月21日(月) MOVIXあまがさき6 「るろうに剣心」あたりから日本映画のコミックス映画化作品の風向きが変わったように思います。ようやっと欧米やアジアのジャンルムービーに伍するようになってきたみたい。本作も「キングダム」の脚本家…

コンクリート・ユートピア

★★★ 2024年1月6日(土) MOVIXあまがさき10 大震災で壊滅した都市で唯一倒壊を免れたマンションとそこの住人たちが、瓦礫の山に投げ出されたその他の人々との間に軋轢を生んでいく。幸運と不運、持てる者と持たざる者。多くの2項対立がどのような人…

こんにちは、母さん

★★★★ 2023年9月2日(土) MOVIXあまがさき5 「たのむよー、母さん」「しょうがない、母さんの出番だね」 と、予告篇で使われてるやりとりなのだが、もうちょっと頼まれるに甲斐ある内容なのかと思っていた。しかも、これが映画のクライマックスなので…

こわれゆく女

★★★★★ 2023年7月21日(金) シネリーブル梅田2 喜怒哀楽の高低差が激しく、良悪の価値基準が若干ズレている。こういうのは程度の差こそあれ誰もが内包している感情の機微なわけだが、自己抑制できなくて発現が過度になった場合は精神疾患ということになるの…

コーヒー&シガレット2 メンフィス・ヴァージョン

★★★ 1992年5月16日(土) テアトル梅田2 1よりは良い。(cinemascape) kenironkun.hatenablog.com

コン・エアー

★★ 1997年11月1日(土) テアトル徳山Ⅲ 戦略的采配がミエミエ過ぎる上に手垢感も半端ないという代物である。トレースは上手でも創造力皆無な面子が揃い踏み。この時代のニコラス・ケイジ主演アクションでロクなものは無い。『ザ・ロック』と『フェイス/オフ』…

御法度

★★★★★ 1999年12月18日(土) 梅田ピカデリー4 時に自走に任せつつ下すべき裁断は怜悧に。物語内の組織統御論と大島自身の映画製作に於けるそれが理想的に同期する。画面に漂う緊迫感は久しく無かったものだ。嘗て反駁した筈の先世代のイズムに長い道のりの果…

コピーキャット

★★ 1996年5月11日(土) 徳山国際劇場 ウィーバーとハンターの一見逆ではと思わせる配役が効果的に使われた節も無い。殺し方の趣向に拘る題材であるなら撮り方もゴシックに主張していいのだが流されてるだけ。同ジャンルの巨峰『セブン』と同年公開なのが侘し…

殺し屋たちの挽歌

★★★★ 2022年10月24日(月) シネリーブル梅田3 殺し屋とかギャングとかの描写がタランティーノ以降で人間性を加味されて大きく変容したと思っていて、それまではニヒルで寡黙な一匹狼と大方相場は決まっていたのである。 1984年の本作はスティーヴン・…

007 ゴールデンアイ

★★★ 1995年12月9日(土) 徳山国際劇場 ムーア→ダルトンと下降線まっしぐらのシリーズが世につれ遂げた遅ればせながらの変革。あくまで追随者としてだが。飄々と軽やかに役こなすブロスナンにボンド役のステイタスが喪失した時代を感じ寂しい。ファムケのヴァ…

五番町夕霧楼

★★★ 2002年4月27 日(土) 梅田東映 薄幸な風情の佐久間良子が自我を表出し始めるにつれて何らかのエモーションを感じはしたし、喘ぐ彼女の表情は相当にそそるのだが、やはり千秋実によって語られる夕子の身体的特質がナマに表せないのは致命的。いっそポルノ…

コラテラル・ダメージ

★★★ 2002年7月15日(土)~17日(日) ホクテンザ2 狂人による殺人でないテロは双方向である点を比較的公平に描き、沸点に達した悲しみと怒りの矛先が徐々にずれて行く過程に無理が無く巧いと思う一方、お座成りな設定も多すぎる。コロンビア側の役者は皆良い。…

孤狼の血 LEVEL2

★★★★ 2021年8月22日(日) MOVIXあまがさき5 組どうしの覇権闘争の構図は希薄になり、1人の狂犬のようなキャラクターが抽出されたことで、「仁義の墓場」や「広島死闘篇」のような過去作を想起させる作りとなった。 俺はそういった暴走して自滅するア…

コレヒドール戦記

★★★ 2021年8月15日(日) プラネットプラスワン 幾つかの作戦が描かれるのだが全く冴えない。 戦時中、戦意高揚のドキュメンタリーとかを撮っていたフォードだが、戦後復帰作では、勇壮な戦争なんていう実感とかけ離れたもんは撮る気にはならんかったんやろ…

コレクションする女

★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2 イジイジと内向していく青春の悶々と自意識。 彼女のことが気になって仕方ないのに高踏的な言句に依って立つ振りをやめられない。おそらく、ロメールやシャプロル、ゴダールといったヌーヴェルバーグの面々の俺たちっ…

小早川家の秋

★★★★ 1990年11月11日(日) 日劇シネマ 松竹帝国で忠臣に傅かれた絶対君主小津は東宝に乗り込んでも又役者を無機的なロボット化する。カメラも音楽も呑み込む力業とも言える恐るべき統一感だが、中心に座った中村鴈治郎が血を通わせ風穴を空けた。こういうコラ…