男の痰壺

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孤狼の血 LEVEL2

★★★★ 2021年8月22日(日) MOVIXあまがさき5

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組どうしの覇権闘争の構図は希薄になり、1人の狂犬のようなキャラクターが抽出されたことで、「仁義の墓場」や「広島死闘篇」のような過去作を想起させる作りとなった。

俺はそういった暴走して自滅するアイロニーに魅力をあんまり感じない人間なのだが、これは、松坂桃李という弱いながらに前作の立役を継承する存在がいて、その両者の対決という図式に無理くりもっていって帳尻をつけたかっこうです。物語構図としてはスッキリまとまったんじゃなかろうか。

もともとに本シリーズは警察側の一匹狼を主軸に置いてる以上、エクストリームに振れきった展開にはなれないのである。終盤の展開では際どい線まで迫ったと思いました。

 

主線の対立に付随して2つの副線がある。それぞれ村上虹郎中村梅雀を配したエピソードだが、これがハイブロウな出来なのも想外であった。特に梅雀からみは騙されました。宮崎美子のキャスティングが効いてると思います。

 

演技賞ものの鈴木亮平の入れ込みは文句なしで、これに匹敵できる狂気の表現は柳楽優弥くらいしか思いつかない。

その他印象的なのは、滝藤賢一斎藤工早乙女太一でしょうか。

 

組同士の覇権闘争や組織内の再構築といったパワーゲームの醍醐味は亮平の1本被りの狂犬性により放逐される。已む無く浮させた桃李との個の対決が反リアルな地平でヤケ糞の帰結を迎える展開の剛腕に押さえ込まれる。権力の暴虐を十全に描いたのも良。(cinemascape)

 

 

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