男の痰壺

映画の感想中心です

映画2006

落下の王国

★★ 2025年12月8日(月) テアトル梅田1 どんな映画か知らずに見たんだけど、もっとシュールなものかと思っていたので、何やねんしみったれた話やんけ、とがっかりした。王国が落下するという壮大なイメージは、落下業(スタントマン)万歳みたいな、言わば…

紙屋悦子の青春

★★★★★ 2015年8月22日(土) シネヌーヴォ 何十年に及ぶ日々を、あの数か月の彼奴があの人が残したものを心の中で反芻しながら生きてきたのだということを、永遠かとも思える無為な病院屋上の時間が反映画的故にこそ表すのだという黒木の達観と確信。その…

リトル・ミス・サンシャイン

★★★★★ 2024年11月27日(水) TOHOシネマズ梅田5 何年か前に「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を見て素晴らしかったので、ああこんなことやったらこの夫婦監督の「リトル・ミス・サンシャイン」も見とくんやったな、と思ってました。今回再映されてやっ…

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵

★★ 2006年3月5日(日) 伊丹TOHOプレックス3 体が何10メートルも伸び縮みしたり、屋敷を一瞬にしてブッタ切ったりする連中にラチェットという適役が拮抗するパワーも物量も荒みも持ち得てないのでハラハラしない。代わりにあざといまでに内輪ギャグを…

寝ずの番

★★★★ 2006年5月5日(金) 梅田ブルク7シアター7 猥歌とはエッチ願望を男どもが歌うものではなくトランス状態にのめり込む為の触媒なのである。それを表現するに3代目マキノは巧妙な過激度を加味しつつ短すぎず長すぎずの絶妙な塩梅で3度の通夜を描く。そ…

小さき勇者たち ガメラ

★★★ 2006年5月29日(月) 梅田ピカデリー3 「子供の味方」であるガメラというコンセプトを突き詰めた挙句に現出された神憑り的霊感リレーに良い意味での開き直りの境地を感じた。前半の鳥羽の風情の細緻で叙情性に富む描写も良く、怪獣バトルも実景との融合…

嫌われ松子の一生

★★★ 2006年6月14日(水) 動物園前シネフェスタ1 カラフルでポップな語り口は闊達だが、受動的な生き方の末の転落人生に対する共感も反意も感じられない。したたかな女が跋扈した昭和へのアンチテーゼとしての平成イズムは、やはり語るべきものを持たないの…

M:i:Ⅲ

★★★★ 2006年7月8日(土) ナビオTOHOプレックス1 釣瓶打ちの見せ場の連鎖は近年の常套とも思うが、冒頭のシーンが山葵の如くに効いてくる構成は端折るという意味が入念に考慮されてると思う。バチカンと上海のシークェンスに流れる濃厚な『カリオストロ…

X-MEN ファイナル ディシジョン

★★★ 2006年9月9日(土) ナビオTOHOプレックス1 終盤はジーンと「キュア」の源泉たる「アキラ」少年が中心になるべきだろう。ウルバリンを主にするためメロドラマ的に妥協し、前振りが全く死んでいる。更に人間対ミュータントの図式が消えては被虐感が…

グエムル 漢江の怪物

★★★ 2006年9月9日(土) 三番街シネマ2 平穏な日常に生々しいまでのリアル感で異物が投入される序盤の漢江河畔のシーンは傑作なのだが、中盤以降の政府・米軍の対応のカリカチュアがやり過ぎというより稚拙。それでも、図太いまでの拘りで描かれた家族の絆…

ファイヤーウォール

★★★ 2006年8月12日(土) 新世界国際劇場 『必死の逃亡者』の再々映画化かとも思えるアンチ・オリジナリティに加えリージョナルとは言え銀行のセキュリティ突破が安易に過ぎる。注目のベタニーは思ったほどでもなかったが、老残にむち打つフォードの終盤の活…

ブラック・ダリア

★★★ 2006年10月21日(土) ナビオTOHOプレックス3 あの近写から360度のパンニングを交えて大俯瞰に至る件りに尽きる。刑事たちの三画関係を交えた物語の流れの軸を強引に猟奇事件へと転換させていく手法。それのみがデ・パルマであって後は稚拙なヒ…

フラガール

★★★★ 2006年10月28日(土) シネリーブル梅田2 健康ランドでフラダンサーになったからって…と思うが、それさえ叶わぬ親友のことを思えば涙も出る。状況描写に説得力があり、そこしかないから的唯一の社交場の安食堂の鄙びた場末感が良い。ただ終盤が安易に…

オーメン

★★★ 2006年8月19日(土) 新世界国際劇場 ジョン・ムーアのセンスは買うが、30年も前の映画をそのままトレースしたんじゃ所詮インパクトに欠ける。小僧の魂胆は政界進出による世界破壊と相場がわかってるのだから、いっそポリティカルな要素をブロウアップ…

父親たちの星条旗

★★★ 2006年11月11日(土) 梅田ピカデリー4 捏造された英雄神話に拘る余りにあっけないまでに単視眼的であり、ベトナム経由の出し遅れ感が横溢する。2部作になんか分けずに日米が対峙する戦略をパノラミックに錯綜する視点で描いてこそのものだろう。又、…

トゥモロー・ワールド

★★★★★ 2006年11月18日(土) ナビオTOHOプレックス8 多くの長回しが何かを見せんが為に周到に構築されている点にまず唸ったが、そんなことをもブッ飛ばす後半の怒濤の展開。キュアロンはSFという衣を脱ぎ捨て現在世界の混沌と対峙する。そして、訪れ…

007 カジノ・ロワイヤル

★★★ 2006年12月14日(土) 梅田ブルク7シアター6 鋭利なクレイグボンドは支持する。キャンベル演出は前半の幾つかのシークェンス(特にコンゴとマイアミ空港)は傑出した押しなのだが、後半「マジ愛」に踏み込もうとして間延びした。再三断線するカジノの…

硫黄島からの手紙

★★ 2006年12月14日(水) 梅田ブルク7シアター1 絶望的敗走劇の中から絞り出される何ものかは遂に無く、紙芝居のようなステロタイプの日本兵が今風の役者演技でトレースされただけ。未だしも戦争の2重構造に言及した『星条旗』に比して余りに単視眼的で遠…

鉄コン筋クリート

★★★★ 2006年12月30日(土) 梅田ブルク7シアター2 悉く巧いのだが新たな次元を切り開いたかというとそうでもない。多くの既視感のある表現をリミックスした世界が結果行き着くのは善悪論のシンプルなテーゼでしかないのだが、落とし所の補完が共生を訴え、…

サイレントヒル

★★★ 2006年12月9日(土) 新世界国際劇場 視覚的設定ばかりが勝ちすぎて肝心の物語の骨格がこうもおざなりでは。と又かの徒労感を覚えつつ迎えた後半、押しまくる旧来の物語イズムの勢いが一応は圧倒する。しかし、これでは(「貞子」+「キャリー」)×アル…

武士の一分

★★★★ 2006年12月14日(水) 梅田ブルク7シアター3 登場人物が少なく若干単調にはなったが、キムタクの微妙な演技が冷や汗もんで別の意味で緊張を強いられ心地いい。明快なコンセプトが存在し『黄色いハンカチ』や『山の呼び声』に連なる予め定められた瞬間…

パプリカ

★★★★ 2007年1月6日(土) テアトル梅田2 夢がゴッタ煮なフィギュア等の物で代替されるところに限界を感じ、刑事のトラウマは余りに青く、終盤のカタストロフも10分短い。しかし、間断しない目眩く展開には矢張り魅了される。そして、魅惑的なパプリカに代…

マリー・アントワネット

★★★★★ 2007年2月10日(土) 三番街シネマ3 従容と運命に従い局面ごとには真摯に向き合い、それでも悩み放蕩で自分を維持し束の間の安寧には身を委ねる。仏革命のワンサイドな描写に終始しようともコッポラの衒いのない素直さをこそ賞賛したい。正直キルステ…

魂萌え!

★★★★ 2007年2月17日(土) 梅田ブルク7シアター4 カプセルホテルや鄙びた映画館やデパ屋といった選択された舞台があざとくなる臨界で物語に馴染んでいる。向田邦子の焼き直し感バリバリだが堪能した。斜め俯瞰の構図を要所で使う演出の醒めた視線の妙。女…

ドリームガールズ

★★★★ 2007年3月16日(土) 梅田ブルク7シアター1 ありきたりなバックステージ物なのだが、マニュアルを唾棄しオリジナルなソウルをこそという終盤の収束が骨太でかっこいい。小賢しいシーン内編集ではなくシーン繋ぎの編集が冴え、ダレ場もあるのに無いか…

松ヶ根乱射事件

★★★ 2007年3月16日(土) テアトル梅田1 皆それなりに状況に埋没し閉塞が閉塞のまま終わるというのは、らしいしラストは正味笑った。だが、川越美和の張っ倒したくなる偏執キャラを始めとする世界の不均衡な歪みが断片的で互いに相関し合わず喰い足りない。…

今宵、フィッツジェラルド劇場で

★★★★★ 2007年4月7日(土) テアトル梅田2 ギャリソン・キーラーの業界人としての身ごなし・佇まいが素晴らしく、彼を軸にした芸達者のアンサンブルは最早神業レベル。何より思いやりと暖かみが全篇を被う。緩やかなズームとパンを併用したカメラにさえ愛が…

ダ・ヴィンチ・コード

★★★ 2007年4月12日(土) 新世界国際劇場 ローマカトリックをここまで真正面から撃つ物語がよくも大資本で撮られたものだ。肝心の本筋ではなく解説的過去挿話にやたら金をかけて歪つな感じでロン・ハワードの構成への誠実の欠如が露呈する。役者は揃ったが演…

バベル

★★★★ 2007年5月19日(土) ナビオTOHOプレックス3 日本とモロッコの挿話が数枚の写真でしかリンクしない等、構成の強度は脆いし新味も乏しい。しかし、一見今更の喪失や鎮魂の中から最終的に抽出されるのは子供に対する大人達の思いと次世代への希望に…

Unknown アンノウン

★★★ 2007年5月12日(土) 新世界国際劇場 5人の男達の葛藤の関係が琴線に触れることもなく哀しいまでに謎解きの1点にのみ収束せざるを得ない展開に表層的な芸の無さを感じた。そして、その謎解きも深淵でもなんでもない結果で安心だぜ!ってなもんでフラシ…