男の痰壺

映画の感想中心です

映画1995

セルロイド・クローゼット

★★★ 2025年9月13日(土) シネヌーヴォX この映画のことは何となく知っていたが、例えば「ベン・ハー」や「スパルタカス」に同性愛の暗喩がある、と聞いたって我田引水の眉唾と思っていた。でも当の脚本家自身がそう言ってるし、そう言われて場面映像を見れ…

シャイン

★★★★ 2024年7月13日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 「レインマン」のダスティン・ホフマンや「フォレスト・ガンプ」のトム・ハンクスなんかと同じ障がい者を演じてアカデミー男優賞を獲得したジェフリー・ラッシュだが、先述の2人が空っぽに無機化…

書かれた顔

★★★★ 2023年5月31日(水) シネヌーヴォ 玉三郎に大して関心がないし、そもそもに歌舞伎ってものにも興味がない俺であるが、ダニエル・シュミットには少しあった。学生の頃、イメージフォーラムとかリュミエールなんて雑誌を見てるとニュージャーマンシネマ…

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

★★★ 1999年11月6日(土) 神戸朝日ホール 随所に出てくるディテールの緻密な表現は素晴らしいが、「草薙」乃至「公安6課」VS「人形使い」に収斂しない物語に強度はない。ともかく話がよく解らん。原作知らないんだが、これって導入部だけなんじゃないのか?…

天使の涙

★★★ 1997年2月1日(土) 岩国勤労者総合福祉センター ギミック塗れの文体と技法の錯綜が来るとこまで来たという感じで、もともとに共感を抱きようがない登場人物たちがその技法に埋没し全く何も訴えて来ない。ただこういう行くとこまで行きついた振れ切れ方は…

デッドマン・ウォーキング

★★★★ 1997年3月22日(土) 徳山市市民館小ホール 殺した者は殺されて然るべきという神の視座に立った報復倫理と、人が法により裁き圧殺すことへの人為性への疑念は、対立事項として語られるべきものでもなく映画もそういうことを言ってはいない。言っていない…

SF サムライ・フィクション

★★★★ 1998年9月5日(土) シネマアルゴ梅田 媚びてるようでそういう感じがしないのは気取りの無い真摯な姿勢だと思うし、あざとさ満ち溢れてるようでそうは感じないのは予想外の本物志向の賜物だろう。布袋のロボットめいた無機質感は和製ターミネーターとして…

アンダーグラウンド

★★★★ 1999年10月2日(土) みなみ会館 常識や倫理を微妙に逆なでし続ける圧倒的エネルギーと狂騒に為す術無く流されるのだが、それが国家が解体される混沌の民族史観と重なる酩酊。祖国と家族という2面的な喪失の哀感は太いシュールと熱いユーモアで上塗りさ…

セブン

★★★★★ 1996年1月20日(土) 徳山国際シネマ 猟奇な刺激やアクションのキレも図抜けているが、曇り空に雨がしとつく特定されぬ都市の構築が付与する寓意性が、シリアルキラーを単なる事象から神話的な領域へ昇華させる。又、反転の白昼荒野で行きつく帰結はギリ…

サブリナ

★★★ 1996年1月13日(土) テアトル徳山Ⅱ コク落ちする食材でも逸品のレシピで手練れが撮ればそれなりのものにはなる。とは言えオードリーやボギーと比較されては誰だって可哀想。その絶対の元ネタゆえに許される。これはこれで安心して見てられるという意味で…

MEMORIES

★★★ 1996年1月21日(日) テアトル徳山Ⅰ 「大砲の街」は銅版画めいたタッチとワンカットテイクに明確な意志と力量を感じるが短篇的な設定だけで転がすべき物語が欠如。「最臭兵器」は破壊表現が凡庸でカタルシスに至らない。「彼女の想い出」が宇宙怪談めいた…

トイ・ストーリー

★★★★★ 1996年3月23日(土) テアトル徳山Ⅰ 初めてのトーキーや初めてのカラーや初めてのシネラマ等に遭遇した人々の衝撃を夢想した。度肝を抜かれる解像度と抜けの良さ。そして、信頼や団結やチャレンジし続け諦めないという古き良きアメリカ映画の伝統は最早…

暴走特急

★★★ 1996年2月11日(日) テアトル徳山Ⅰ 立った敵キャラもおらず謀略のアイデアも亜流だが、それでも山岳地帯を疾走する列車を舞台にしただけで映画とはかくも面白くなる。疾走感と景観のロマンティシズム。大味且つサービス精神てんこ盛りで恥ずかしげもなく…

サラリーマン専科

★★★ 1996年1月3日(水) テアトル徳山Ⅱ 無難な出来だが妹が弟になっただけで『男はつらいよ』第1作と構成が実に似ている。ただし微温的で下品な破壊的パワーが全くない。今更の60年代のサラリーマン像を持ち込んで良しとする山田洋次の出がらしみたいなネタ…

ニクソン

★★ 1996年2月25日(日) テアトル徳山Ⅱ ストーンはニクソンをさほど嫌いでもないのだろう。そういうスタンスで撮られた映画だからどうにも歯切れ悪く骨子無き展開にイラつく。『JFK』とかではグルーヴしてたモザイク編集も証文の出し遅れめいて陳腐化。何よ…

デッドヒート

★★★ 1996年3月2日(土) 徳山国際劇場 ジャッキーと加山御大の大味な喰い合わせの妙…があるわけもなく、やっつけ仕事の誹りを受けかねない企画だが、日本ロケのレースシーンはともかく、夜間の公道カースタントの荒削りな即物感が生半可じゃない。そこだけは対…

カットスロート・アイランド

★★★ 1996年3月2日(土) 徳山国際劇場 古き良き時代の海洋アドベンチャーを巨費で描くというのはいい。しかしシリアスでもコミカルでもない余りに中途半端な設定を火薬量で紛らわすかのような大味。悦に入って演じるジーナだけが喜んでいる感じで金持ち勘違い…

ジュマンジ

★★ 1996年3月23日(土) テアトル徳山Ⅰ 26年間も閉じ込められた男の来し方行く末に本気の斟酌が作り手に無いので気持ちの据え所に困る。何より気持ち悪いCG猿と腑抜けたロボライオンに作り手のセンスを疑うのだ。そこには動物に対する愛も畏怖も見受けられ…

ベイブ

★★★★★ 1996年3月31日(日) テアトル徳山Ⅱ 豚もさることながら犬・家鴨・羊など全て良い。アニメで描かれても今更な擬人化動物たちが語り合う様は、程好き抑制が効き最高ランクのファルスとして澱むところ無い。屠蓄され屠蓄する両者の共棲世界は際どく偽善を…

カジノ

★★★ 1996年4月20日(土) 徳山国際シネマ スコセッシが自分の抽斗から使い廻した手管を引っぱり出してつなげた希釈版集大成。渦中に浸った『グッドフェローズ』に比し搦め手からの印象は免れず、狂気の担い手ではなく狂言回しになったデ・ニーロも喰い足りない…

モータル・コンバット

★★ 1996年3月31日(日) 徳山国際シネマ 体技を持たない役者をCGでごまかしたってお里が知れるってことをいいかげん気付くべきであって、景気づけの調子良い音楽だけが際だって、肝心の役者達はもっそりと見たくもない大見得を切り続けるのみ。ゲームの映画…

マネートレイン

★★★★ 1996年4月27日(土) 徳山国際劇場 黒人と白人の乳兄弟という設定は1歩間違えれば、あざとさを免れないものだと思うが、女性をめぐっての2人の確執に納得性と吸引力があり、そういう部分を感じる隙を与えない。2人の役者が良くアクションも相当にハー…

レッドチェリー

★★ 1996年4月27日(土) 徳山市市民館小ホール ナチスの非道と退廃を描いた映画は山ほどあるわけだが、刺激的なエッセンスをおっかなびっくり抽出してトレースしただけのもの。実話であるなら半端な扇情的描写は失礼というものだ。抑制はあるが自立的なものと…

デスペラード

★★ 1996年4月27日(土) 徳山国際劇場 『エル・マリアッチ』未見なので下手なことは言えぬが予算1000倍だそうで、そうなりゃ人間やっぱダメになる気がする。水増し感ありありでオリジナリティあるか?このアクションは俺には緩んだ物真似外の何物にも見え…

フォー・ルームス

★★★ 1996年5月18日(土) 徳山市市民館小ホール ロドリゲスの3話目が良い。だが、4話を通しで通貫するティム・ロスが受けのリアクション芸に徹すべきとこを無理くりの躁演技で自己主張するのに加え所在無さ気な風情 が映画全体を据わりの悪いものにしてしま…

コピーキャット

★★ 1996年5月11日(土) 徳山国際劇場 ウィーバーとハンターの一見逆ではと思わせる配役が効果的に使われた節も無い。殺し方の趣向に拘る題材であるなら撮り方もゴシックに主張していいのだが流されてるだけ。同ジャンルの巨峰『セブン』と同年公開なのが侘し…

ヒート

★★★★ 1996年6月8日(土) 徳山国際シネマ 大したことのない話で今更の競演だったが、だからこそ2人の存在感を再確認させられたと思う。作り手も、それを見せ切ることに徹していっそ潔い。全体に冷え冷えとした透明感を貫き市街戦の臨場感も図抜けてる。(cinem…

フェア・ゲーム

★★★★ 1996年5月18日(土) テアトル徳山Ⅱ 逃げる・反撃するを繰り返す他に夾雑物のないタイトな構成。CG全盛の時代に現れた骨董的なキレの良いアナログ・アクションに惚れる。最大の売りシンディ・クロフォードだが見てるだけでも飽きない押し出しで、作り手…

サドン・デス

★★★★ 1996年6月1日(土) テアトル徳山Ⅰ 撮影者ハイアムズが着目されることは少ないがこれは傑作の部類だろう。細緻な部分にまで拘りとにかく画面の抜けが抜群に良い。名匠の仕事の趣きさえある。ヴァン・ダムのどうしようもなく人の良い兄ちゃんキャラも遺憾…

ジム・キャリーの エースにおまかせ!

★ 1996年6月1日(土) 徳山国際劇場 つまらない自己充足ギャグも見せ方次第で煌めきを得ることを知ってはいるが、演出にそういう矜持は皆無でただ流されてるだけだ。ジム・キャリーを好きでもないが才能はがあるのだろう。しかし、彼を出せば何とかなるみたい…