映画1973
★★★ 1978年11月23日(木) トーエイ伊丹 1991年7月21日(日) 新世界東映 騙し騙されの狂騒の中を全力で駆け抜ける疾走感がシリーズの肝だと感じているので、番外篇的に鉄砲玉の人生に焦点を絞った本作には余り魅力を感じない。しかし、火傷しそうな千葉のオーラ…
★★★★★ 2016年3月12日(土) 新世界東映 度肝を抜く開巻からコード無視の遣り放題の大饗宴。展開の読めなさも常軌を逸する。特筆されるは深みある撮影と美術で街中でなくドブ川を主舞台とし根城のスナックは裏口しか映さぬ徹底ぶり。陰陽両極を担う渡瀬と梅宮…
★★★ 2024年7月22日(月) プラネットプラス1 1975年に日本公開された映画で、頭の先から尾っぽまでB級そのものの本作は批評サイドからも興業サイドからもガン無視されていたように思う。チューボーだった俺はこの映画の存在は知っていたが見てません。…
★★★ 2024年7月15日(月) プラネットプラスワン 水面に顔を出して「パー(パパ)」と甘えるアルファ(イルカ)の超絶なかわいさに今更ながらに打たれる。CGなんてない時代の映画であるから本物のイルカなんだとの思いが輪をかける。これ見てしまうと、なん…
★★★★ 1977年7月24日(日) 元映 夜通し光り煌めくローカルタウンはルーカス流『ラスト・ショー』への返歌だったのだろうか。最後の馬鹿騒ぎに繰り出す4人の幼馴染みは実は全くつるまない。わけてもドレイファスの孤独で切ない彷徨はこの映画の肝であった。(ci…
★★★ 1977年6月13日(月) 伊丹ローズ劇場 後に『祭りの準備』で熟成される中島の都市と対置する地方論が、現代やくざの土俗との邂逅という虚構の中で未だ生硬。ルルーシュかぶれの都会派映像主義者斉藤の思い込み映像は、それでもアンビバレントな虚仮の一心と…
★★★★ 2016年4月29日(金) プラネットスタジオプラス1 簡潔にしてクール&ドライなのに70年代のアバウトさも兼ね備え味わい深い。背景を語るカットバックなぞ野暮の骨頂とばかりキャラの書き込みで十全に補うのが粋だ。特に傍系の女3人の起ち方は惚れ…
★★★★ 1978年11月23日(木) トーエイ伊丹 1991年7月21日(日) 新世界東映 キャラ立ちした梅宮と松方の挿話2部構成を縦走する文太の立ち位置が退き過ぎず出過ぎずで、ド太い骨子になってないのが弱いと見えて実は微妙に味があるという深淵なキャラ付け。深作も…
★★★ 2024年5月28日(火) シネマート心斎橋1 1973年の制作で物語の設定は2022年となっている。正に今であって、強烈な格差社会と深刻な食糧難は現在日本ではこれほどではないものの遠からずそうなりそうな気もする。 まあ、そういうディストピアの…
★★★ 1975年6月22日(日) 阪急文化 グッドオールドデイズ的話芸がシネフィル的に嫌らしくも巧過ぎて見とれるのだが、如何にもな大人こどものテイタムには今いち馴染めない。コヴァックスのモノクロ撮影が時に水墨画のように素晴らしく、フォードなアングルで撮…
★★★★ 2017年1月23日(月) シネヌーヴォ 妖怪サトリは山谷初男の小太りおっさんで人の心を読むのだが、その設定にさしたる意味も無い。 映画の主眼は緑魔子のモラトリアム女性のノンシャランな行動を追うことのようだ。 緑魔子は初見ではないが、今までで一…
★★★ 1976年1月11日(日) 毎日文化ホール 1980年5月22日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 漫画のようにキメキメの寓話めいた出会いのシーンから始まる割には寒々しいリアリズムな世界で終始するのが少しバランスを欠いてるように感じた。役者は巧いが侠気は…
★★ 1974年12月22日(日) 伊丹グリーン劇場 ヴィエルニーに捉えられた雪に閉ざされた閉塞感と凍えそうな寒々しさは良く出ているものの、劇的な起伏まで閉塞されては映画まで寒々としてしまった。結局、ドロンVSシニョレのキャスティング1点頼りで、それ以上…
★★★★★ 1976年8月29日(日) 元映 1980年5月21日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 魂の相克と言うに偽りないソウルフルシャウトの連続で「今宵やすらかに」を筆頭に感涙ものの名曲揃いだ。演出はアイデアに富み歌詞イメージを時空を超え延伸させる。キャステ…
★★★ 1975年8月10日(日) 伊丹グリーン劇場 それ以前も大概大味になってきてはいたのだがロジャー・ムーアをボンドに選択した時点でシリーズは「秘密情報部員」と言う語感が持つ60年代的冷戦下の世界観から断ち切られた。Mやマネペニーとの対面が楽屋落ち的…
★★ 1975年9月7日(日) 伊丹グリーン劇場 マシスン原作で一応それなりの展開を擁するのだが、どうにもダルクがマグロであり、マグロを演じてるのではなくマグロしか出来ない風で根本的にダメである。同時代的にジル・アイアランドやソンドラ・ロックと同じ甘え…
★★★★ 1974年3月23日(土) OS劇場 1975年4月20日(日) 伊丹グリーン劇場 娑婆と監獄を往還しつつどんどんと詫び寂びの境地に到達する構造が秀でているのだが、その為の導入の囚人護送の一大モブが効いてる。刷り込まれたマックィーン=脱獄定理が基底を固める…
★★★ 1975年1月26日(日) 伊丹グリーン劇場 ジョヴァンニの権力嫌悪が露骨すぎて為にする感濃厚な展開だが、それでも主人公の被虐を噛み締めるような水もしたたる面持ちが相変わらずの見せ所だ。情緒を排した終盤の畳み掛けるような展開も冴える70年代に量…
★★★★★ 1975年4月20日(日) 伊丹グリーン劇場 1979年7月21日(土) 大毎地下劇場 30年代へのラグタイムに彩られたノスタルジアのモデルを作り、映画史に刻印されるドンデン返しを創作し、性格俳優ニューマンを伝説の領域に押し上げた作品だが、根底に不況下の…
★★★★ 1974年11月3日(日) 伊丹グリーン劇場 ジャンプしての肋骨砕きとヌンチャク奪取後のデモシーンが境界線上に立ったリーの近寄りたくないオーラを纏い出色であるが、冒頭の少林寺での説法が偏執ムードで煙に巻いたのも大きい。出涸らしのチャチい物語骨格…
★★★ 1974年1月2日(水) 阪急文化 丹波の泥縄慚愧と小林の反自戒狂気という映画史的に再現不可な突出マイナスエナジーが全篇を支配するが、それは当時の日本に蔓延した終末思想の合せ鏡なのだ。崩壊の果ての安易な救済ではなく酷薄なまでの民族消滅までも呈示…
★★★ 2022年4月25日(月) シネヌーヴォ イタリア資本下のジャーロ風味を感じるという点でダリオ・アルジェントを、音楽ピノ・ドナジオからデ・パルマをと、影響されたんじゃないかと思って調べてみると「サスペリア」や「キャリー」より前の作品なんですね、…
★★★ 2004年1月22日(木) 東梅田日活劇場 宮下と江角の密室でのからみは圧倒的ではあるが、一方で粟津の挿話が全然面白くない。大正の世相をスチールで挿入した近代史観へのアプローチは上滑りで何の感慨も覚えなかった。絵沢にどやされてピーヒョロと自己研鑽…
★★★ 1992年8月16日(日) トビタ東映 当て書きされたらしいリリーって役は浅丘ルリ子あってのものって事をつくづく感じるのも事実だが、お嬢さんの蓮っ葉芸的な無理感がなくもない。夜汽車の窓から見える遠い家の灯りに寄る辺ない1人旅の孤独が際だつ。その連…
★★★ 1992年11月14日(土) キリンプラザ大阪 牧歌的光景の中で貧窮に陥っていく人々を淡々と描くことで完結しているので『遠い雷鳴』というタイトルから想起される史観で紐解く反戦メッセージが伝わって来ない。過酷な現実の中に一抹の希望を見出すより怒りこ…
★★ 2007年6月9日(土) 日劇会館 題材は悪くないが、二重構造にした意味が殆ど無いので冗長な展開にイライラさせられる。植木も宍戸も自己模倣の斜陽感が漂い見てていたたまれない。最悪なのは安易な自己再生。松竹イズムと気障なニューシネマ映像は負の相乗…
★★★ 2007年11月17日(土) トビタ東映 即席培養された「怨み」は過剰なまでの激烈さで消化されなければ矮小化する一方だから仕方ないのだろう。昭和の暗部の残酷見世物小屋の如き「ブッタ斬り」ショーが一種マゾヒスティックな悲哀をもたらすのが唯一の見所…
★★★ 1990年4月7日(土) 日劇シネマ 岸恵子にお芸術家を振った段階で山田洋次は2度負けている。ステレオタイプな馴れ合いのキャスティングであることと、寅と織りなすドラマが端から透けている点でだ。何となくふられるんじゃなくて、はっきりと拒否されると…
★★ 2009年8月23日(土) 日劇会館 丹波が何に絶望し虚無的になったのかが明かされぬままに「忘八」という畜生道に墜ちていくのは、うがった見方をするならポルノで女の裸がありゃあよかろうという一種嘗めきったかの如き石井輝男に貴様あ~!と考え出すと観…
★★ 1988年7月24日(日) 吹田映劇 絞りを水準に押さえた長谷川元吉のモノクロ映像は驚くほどシャープで最高到達点だと思うが、歴史(二・二六)や思想(ファシズム)からさえ隔たったところで吉田が描こうとしたものは余りに高踏的であり既存の映画文脈から遊…