映画1980
★★★ 1980年8月19日(火) 伊丹グリーン劇場 寂れた風情がしっくり来る寅に常夏の沖縄が似合ず、シリーズのキモである孤独感は表出されずじまいだ。又、リリーと同居するという決定的な設定を否応なく組まざるを得なくなってもシリーズ存命の為に、肝心要なとこ…
★★ 1980年9月26日(金) 伊丹ローズ劇場 結局、親が悪いのだという単視眼的な見解しか持ち得ないのが限界と思うが、それ以前に80年代バブルのとば口の時世と乖離しまくりの年寄りの描いた妄想の若者群像は見てても木っ恥ずかしい。自己の懐旧的な想いに内省…
★★★★ 2018年9月2日(日) シネヌーヴォ 決して完成度が高いとは言えないし描き込み不足も往々にしてあるが、それでも面白かった。 橋浦方人の商業映画2作目なのであるが、それでこういう一種ビスコンティ紛いのバロックな崩壊劇をオリジナルで作ろうとした…
★★★★ 1980年8月12日(火) 伊丹ローズ劇場 1982年10月27日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 若い男女がやむなく同居で内心ウハウハ的物語ではなく台詞の行間の空気。相米の関心はそこにしかない。窓外にたゆたうアドバルーンのように茫洋としたシラケ感はや…
★★ 1980年10月28日(火) 伊丹ローズ劇場 さすがに新藤の脚本は卒がない。やたらテンポが良いため退屈はしないのだが、約束された結末に向かうドラマは暗部に触れることが許されるはずもない。所詮は御用映画と思い始めると印象は平板化していく。豪奢な社史編…
★★ 1980年12月30日(火) 伊丹ローズ劇場 何が面白いのかさっぱりわからない話。なのは我慢できてもすーちゃんの如き性格も良い別嬪さんが海のもんとも山のもんともわからんガキに惚れ抜いちょるという設定は俺の理解から1億光年隔たっている。むかつきまくり…
★★ 1980年11月5日(水) 伊丹ローズ劇場 初作でさえも金閣寺放火のモチーフが余分に思えたのに、本作では更に、それをクローズアップした為に主人公の哀感を切々と謳い上げるには程遠くなってしまった。この頃の松坂はまだケバいし、ポップが身上の山根の柄で…
★★ 1980年10月12日(日) 伊丹グリーン劇場 グロ度が低くムード歌謡のように情緒に訴求しようとしたが、余りにムードのみで他には何のなかった…というのは後のカーペンターを見れば意図したとも思えず単に金が無かっただけなのだろうと思われ侘びしい。(cinema…
★★ 1980年11月9日(日) 伊丹ローズ劇場 所詮はダイジェストに過ぎず大晦日の大河ドラマのそれと同じで通しで見た者が反芻するための代物は初見者には味気ない。展開に面白みがない上「変な」 ニッポン人を期待しても案外に普通。胡散臭い敬意がない分ましとも…
★★ 1980年9月3日(水) 伊丹ローズ劇場 米『大地震』の三角関係に対抗する為、四角関係にしたのかは知らないが勝野も永島も唐変木で色気が無く、かと言って『日本沈没』の男達のような刹那な狂気もない。救い難くダルい。特撮も完全な使い廻し。しばたはつみの…
★★ 1980年12月9日(火) 伊丹ローズ劇場 ズームの使い方がてんでなってないウィヤード演出の凡庸さが、ただでさえ暗く侘びしく見せ場に乏しい展開を倍加させていく。何より、こういう日暮れの物語はマックイーンには全然似合わない。残るのは花道を飾れなかっ…
★★★ 1980年11月24日(月) 伊丹グリーン劇場 この題材に対して、このコンセプトを発想したという点で敬意は表する。闘病譚を通した家族愛への遡及が常道であろうに、心理描写を多用したホラーのように撮るというのは、ちょっと思いつくものではない。でも、惜…
★★ 1980年11月24日(月) 伊丹グリーン劇場 料亭の女将や材木問屋の若後家という60年代的キャラは同時代性が画面を横溢してこそのもので80年代アイテムとミスマッチで嘘臭い。いづれにせよ女優たちのアクの強さこそが勝負の作で、こうも面子が薄味では時代…
★★★★★ 1980年10月28日(火) 伊丹ローズ劇場 1981年2月24日(火) 伊丹ローズ劇場 今更の『シェーン』焼き直しであるとか、安易な字幕使用やズーム用途の拙劣さを悉く吹き飛ばす親子の日常を描いた部分のリアリティある切り込み。病院屋上での倍賞と吉岡の会話に…
★★★ 1980年11月16日(日) 伊丹グリーン劇場 中盤でダン・ヘダヤが逸脱の兆候を見せてくれるものの、序盤の見せ場を頂点に展開のエスカレーションが規程の範囲内でしか進まず且つ下降していくという尻つぼみ映画。せめて役者にもう少し華でもあればと思う。(ci…
★ 1980年12月9日(火) 伊丹ローズ劇場 島の火山が噴火するだけだってのに「世界の終わり」とは腹が立つを通り越し山師アレンのハッタリに畏敬の念すら覚えてしまう。しかし、そこに「序曲」とつけざるを得ない配給業者の良心の呵責。その苦渋の選択に一抹の希…
★★★ 1980年12月23日(火) 新世界座 山田辰夫の尖った声でアナーキズムをぶち上げられるとヤケにリアリティがあったし、終盤はどうにでもなったれというヤケのヤンパチ気分も横溢するが、本線は結局、既存の不良少年ものをなぞったようなところがいまいちアナ…
★★★★★ 1980年11月12日(水) SABホール 5人は渦中から傍観者になり又再び渦中へと入って行かざるを得ない。甘酸っぱい追憶と茫漠たる不安に晒された青春。大森自身がその出口に立った臨場感こそが映画に真実を付与した。青さも含め持てるもの全てを投入し…
★★★ 2016年3月12日(土) 新世界東映 凡庸な殺陣シーンの度に睡魔に襲われ劇部分で渡瀬の切れ良い口跡に覚醒するという体たらくだが、忍者のアメフト装束や城のジェンガ基底など幼児的なくだらなさが憎めない。感情の機微も糞もない愛子との濡れ場の果ての無…
★★★★ 1980年12月30日(火) 伊丹ローズ劇場 1993年1月31日(日) 日劇会館 傍流とも言うべき作品ではあるが夜間学校という題材を描くに相当に腰が据わっており又松村達雄が好演で見せる。しかし、哀感ただよう伊藤蘭が兎に角可愛い。薄暮の橋の上でピンクのカー…
★★★ 1980年12月21日(日) 伊丹ローズ劇場 何のヒネリもない物語を奇を衒わない平板な演出で押し切っている。毒もそっけもないにせよ絵葉書みたいな南海の風光に魅せられて飽きない。割り切ったアルメンドロスの仕事ぶりも好ましく海中撮影、わけても蛸が蟹を…
★★★ 2023年7月7日(金) シネリーブル梅田3 深夜、部屋に閉じこもってるらしき女性が、姉に電話してどっかに旅行行くとか行かないとか話している。まあ、それだけの映画で8分間の短篇です。解説を読むと光過敏症なんだそう。 ラース・フォン・トリアーが長…
★★★ 1994年1月16日(日) 新世界国際劇場 オリエンタルとジャパネスクが融合された「変さ」には驚かないが、それだけでは片づけられない底の掴みきれないムード。それは米国経済を席捲していた日本への脅威と一抹の畏敬が根っこにあるからだろう。そういう面で…
★ 1992年5月9日(土) テアトル梅田2 ディスコミュニケーションは映画の素材として決して珍しいものではないのだが、その結果、煩悶する自身が何を掴んだかが観客としては知りたいところなわけで、飄々と流れていく数日間の果てに突然旅立ちとか言われても勝…
★★ 1992年9月23日(水) スペースベンゲット 思い恋い焦がれるという情念が画面から沸き上がって来ずに、不思議ちゃん的少女性だけを執拗に抽出するのでうざいことこの上ない。それをモノクロームはともかくあからさまなハイキー画面で彩るのは見え透いている…
★★★★★ 1980年8月20日(水) OS劇場 戦勝の後の混迷を描いてシリーズ中最もダークな味わいで、しかも謎と凶兆に馬脚を表さない深遠さがある。一方で演出のワイプに次ぐワイプで複数筋立てを多面的に錯綜させる前半のテンポの良さはジェットコースター並みの…
★★ 1983年5月23日(日) 梅田ロキシー 男不在の戦禍の時代が女性を自立させるという前向きコンセプトでもない。救いようの無い展開が振り切れるわけでもなく、毒や諧謔もフォトジェニーな見てくれやシュールな意匠といった映画的機微もない。フェミニズム思想…
★★★★ 1982年1月25日(日) 伊丹ローズ劇場 完全にキワもの的題材なのだが、英国版の地味オールスターとでも言うべき出演者達が所を得た芝居を堪能させ顔ぶれを見てるだけでも飽きない。ギルバート・テイラーのカメラもエッジの効いたシャープネスで全篇を統一…
★★★ 1982年3月27日(土) ビック映劇 プロを夢見る若者達にしては散りばめられたエピソードはどれもプロトタイプで、尚かつパーカーの演出がMTVの出来損ないのように場当たり的にカットを細分化し、そこにはエモーションを定着させる計算は片鱗さえも感じら…
★★ 1982年5月8日(土) 毎日文化ホール TV『それいけスマート』に馴染みがあれば多少は翳りゆく老残の余興も楽しめたのかもしれない。適度には面白くコンセプトは王道だが何せ出し遅れの黄昏感充満。ドナーの笑いは振り切れずに下卑てる。メル・ブルックスあ…