男の痰壺

映画の感想中心です

映画2017

22年目の告白 私が殺人犯です

★★★ 2017年6月18日(日) MOVIXあまがさき11 オリジナルの「殺人の告白」を見てるので、驚きはない。 むしろ、この改変はどーなんかなーと思う。 【以下ネタバレです】 本篇で名乗り出る快楽殺人者的な真犯人はダミーで、更なる真々犯人が登場。 いわ…

TAP THE LAST SHOW

★★★ 2017年6月19日(月) 梅田ブルク7シアター2 水谷豊のことを嫌いな奴なんていない。 俺たちの世代だったら、たぶん絶対そうだろうと思う。 その豊が監督。 俺は祈るような気持ちで見たね。 で…上出来っす。 っていうか、ほっとした反面、まあ仕方ないか…

昼顔

★★★ 2017年6月13日(火) 大阪ステーションシティシネマ1 TVドラマは未見…っつうか見んでしょう、ふつう、おっさんは。 冒頭、離婚調停の和解文が出る。 なんか、安部公房「砂の女」みたいでそそる。 全てを棄て、失って見知らぬ土地に流れてきた主人公。…

LOGAN ローガン

★★★ 2017年6月4日(日) MOVIXあまがさき9 よいよいになったウルヴァリンと要介護老人化したプロフェッサーX。 設定だけみればパロディすれすれだが、一方でものすごく魅力的だ。 見たいと思わせる。 篇中、随所でウルヴァリンはプロフェッサーを抱き…

★★ 2017年6月1日(木) 梅田ブルク7シアター3 やはり河瀬直美に何かを期待してはダメだった。 珠玉のラブストーリーと惹句にあるのだが、どこがやねん。 冒頭、男と女の最悪の出会いがある。 女は男に強烈な悪感情を抱く。 まあ、ラブストーリーでは常套な…

家族はつらいよ2

★★★★ 2017年5月29日(月) 大阪ステーションシティシネマ2 1作目からというより「東京家族」のときから、完成されていた役者間のコラボレーションなので、今さら上手いなあと思うわけでもないのだが、にしても、この概ね何らかの毒を含んだ面子を昭和チッ…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

★★★ 2017年5月15日(月) 梅田ブルク7シアター2 アライグマの含蓄が半端ない域に達してきて、それだけで楽しい。 しかし、一方で主役の兄ちゃんは何だか影うすい。 そりゃ、父親と息子の関係が主旋律だから、彼はあくまで主人公なのだが、多分こう思ってる…

3月のライオン 後編

★★★★ 2017年5月7日(日) MOVIXあまがさき7 クライマックスの後藤との対局に於いて、非ビジュアルな棋板の逆転劇を演出するのに小細工を弄せず斜角構図1本で押し切ったのに好感を持った。 唐突なイジメ挿話の投入が如何にも展開の為にする感濃厚なわ…

無限の住人

★★★ 2017年4月30日(日) MOVIXあまがさき9 冒頭の100人斬りもクライマックスの300人斬りも、まあ大したものだとは思う。 こういう長丁場の乱戦を一応はダレもせず構築し切れるのは、やはり三池しかいないと思うのだ。 だが、にもかかわらず、つ…

ゴースト・イン・ザ・シェル

★★★ 2017年4月9日(日) MOVIXあまがさき7 「攻殻機動隊」を20年前一応見ているのだが、まあ当時もなんかようわからん …というのが正直なところであった。 で、今回だが。 わかりやすーい! ってことは、時代が追いついたのか、はたまた俺が? とい…

3月のライオン 前篇

★★★ 2017年3月19日(日) MOVIXあまがさき7 何を期待して見にいったわけでもないし、案の定というか、何も突出してこない安定の無難。 この監督の映画を「るろうに剣心」→「秘密」→「ミュージアム」と見続けてきたのだが、まあ、永久に御用監督の域を…

キングコング 髑髏島の巨神

★★★★ 2017年3月26日(日) MOVIXあまがさき10 俺は子供のころ怪獣フリークだったので、テレビの「ウルトラマン」は視聴マストな番組だった。 で、シリーズ中でも「怪獣無法地帯」って話が殊更にお気に入りだったのだ。 おわかりいただけるだろうか…こ…

サバイバルファミリー

★★★★★ 2017年3月11日(土) TOHOシネマズ梅田10 一行が這う這うの体でたどり着いた大地康雄の農家で数十日ぶりに食べる炊き立てご飯の食事。 目玉焼きと漬物と味噌汁。 このシーンに観客の気持ちを同化させ得るかがポイントだったが…はい、同化しました私…

彼らが本気で編むときは、

★★★★ 2017年3月1日(水) 大阪ステーションシティシネマ9 結局は育ての何とかより産みの何とかに落ちつく展開なのだが、凡庸とは思わなかった。 そこに至るまでに充分なドラマ上の軋轢が展開されたし、示唆に富んだ細部が豊穣だからだろう。 ミムラ扮するネ…

破門 ふたりのヤクビョーガミ

★★★★ 2017年1月28日(土) 梅田ブルク7シアター3 まあ「ミナミの帝王」みたいな話で、ストーリーラインにさほど新味は無い。 シリーズを途中から見たような前置き無い展開が剛毅で好ましい。 関西系の役者に拘り、関西弁の丁々発止な台詞を朗々と詠ずる。 …

新宿スワンⅡ

★★★ 2017年1月23日(月) TOHOシネマズ梅田3 いきがったって所詮、女の上前はねる口入屋じゃねえ? というのは置いといて、俺は前作を虚構の男騒ぎの完璧な創造物として評価する立場である。 でも、今回は流石に因縁を持つ男同士のガチ邂逅とヤクザ、ヤク中…

JUNK HEAD

★★★★★ 2021年4月19日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 7年間コツコツとほぼ独力で作ったストップモーションアニメという謳い文句に殊更の驚嘆はない。好きなことを趣味でやり続ける人はゴマンといるわけで、俺だって20年間映画の感想をネットに書き…

マルリナの明日

★★★ 2019年6月22日(土) シネヌーヴォ ナシゴレンウエスタンと称されてるらしいが、思っていたのと随分違った。 マカロニウエスタンに見られるような活劇的なものは、ほとんど無い。 土俗的で説話的で、俺はちょっとグラウベル・ローシャの「アントニオ・ダ…

ジュリアン

★★★★ 2019年2月2日(土) シネリーブル梅田2 【ネタバレです】 どうにも売り方が、ミスリードを誘ってよくないと思う。 「ジュリアン」という子供の名前のタイトルと子供の泣き顔のポスターからは、どうしたって虐待の映画を連想する。 おりしもクソ親によ…

クレアのカメラ

★★★★ 2018年7月22日(日) シネリーブル梅田4 映画配給会社(?)の有能社員でカンヌ映画祭に仕事で来ている女性がいきなりクビになる。 街中の小さなブースみたいなところで仕事をしているキム・ミニがファーストカット。 これは、ラストショットのアパー…

それから

★★★ 2018年6月22日(土) シネリーブル梅田4 刹那な時間(1日)が何か決定的な刻印を記憶に残す。 こういうのは、ウォン・カーウァイ的なコンセプトなのであって、ホン・サンス的ではないように思える。 しかも、彼女にとって、それがそれほどに印象的な1日…

終わった人

★★★★ 2018年6月22日(土) 大阪ステーションシティシネマ4 まあ、俺にとって身近な問題を描いた映画ってことなんです。 が、貯金ゼロ・借金いっぱいの俺には悠々自適の日々なんて一生こないんだろう。 それに比べて、この主人公はたんまり退職金もらって、…

夜の浜辺でひとり

★★★ 2018年6月22日(土) シネリーブル梅田4 女性の主人公と振り回される周囲を描いている。 そういう意味でホン・サンス系譜上では「ソニはご機嫌ななめ」の変奏バージョンに見える。 酒を酌み交わしのグダしゃべりがシネマ・ヴェリテ風の逸脱と自走を始め…

ゲティ家の身代金

★★★ 2018年5月27日(日) MOVIXあまがさき2 正直、リドリー・スコットの新作に何かを期待しようという気はもうない。 「ワールド・オブ・ライズ」あたりまでは、職人化したとは言えナウを表出するセンスは持ち合わせていた。 ように思うのだが、最近は…

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

★★★★★ 2018年5月12日(土) 梅田ブルク7シアター5 何十年も映画を見続けていると、いわゆる天才子役ってのに食傷気味である。 だから、ブルックリン・キンバリー・プリンスって長ったらしい名前の女の子も、もちろん巧いし可愛い。 のだが、だから?…って…

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル

★★★★ 2018年5月12日(土) 梅田ブルク7シアター6 なんだか、本当に描くべき多くのことが欠落した映画にも見える。 のだが、演出の押し出しの良さがあって勢いで寄り切られた感じだ。 ワイドサイズのスクリーンにミディアムで正対された対象は一見、自信は…

ワンダーストラック

★★★ 2018年4月14日(土) シネリーブル梅田3 「ヒューゴの不思議な発明」と同じ原作者のものであるらい。 あの映画も、俺は全くダメだったが、これもイマイチです。 どうも、原作者はメカニカルな意匠に関心が高いらしく、今作でも博覧会に出品されたニュー…

ヴァレリアン 千の惑星の救世主

★★★★ 2018年4月7日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 俺はリュック・ベッソンの「愛」に対する価値基準には余りに能天気で全く同意するわけではない。 しかし、彼の子供脳による宇宙人のイメージには目を見開かされる。 例えば「スター・ウォーズ」に出…

シェイプ・オブ・ウォーター

★★★★ 2018年3月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 主人公は障碍をもつが、徹底的に虐げられてるとは言えない状況だ。 もちろん、彼女の孤独や悲哀は幾重にも描かれる。 私生活で唯一の隣人はゲイの絵描き。 職場での唯一の友人は黒人。 設定され…

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

★★★★ 2018年3月17日(土) シネリーブル梅田1 前作「ロブスター」は設定自体が捻りまくったものだったのだが、今作はそうではない。 ストーリーのみ見れば、これは至極まっとうなオカルト映画だ。 医療ミスってのも、恨まれる経緯としては在り来たり。 その…