2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧
★★★★ 2025年2月10日(月) シネヌーヴォ 総じて緩い大戦末期の脱走ものだが、収容所とシャバを何度も往還する展開が、自由への尽きせぬ渇望を嫌が上にも駆り立てずにはおかない。それくらいシャバの空気は収容所とは違う。ルノワールならではと思わせるし、…
★★★★★ 2015年9月6日(日) プラネットスタジオプラス1 年月を経て褪色するどころか鈍色の古典的風味さえ漂う。極めて寓話的な物語骨子に対して即物的で禍々しい犯行描写と詩情を醸す仰角構図の無為な時間が併存してる。そしてブリッジスの笑みが時代の終焉…
★★ 1978年2月11日(土) 伊丹ローズ劇場 出涸らし感が半端ない。元々3本で遣り尽して止めるつもりだったのに客が来るからもう1本…大体そいうのにロクなものはない。プリプロ段階のキャスティングの話題が先行し役者も演出も本篇では超マンネリ。唯一の起爆剤…
★★★★★ 2015年9月19日(土) 梅田ブルグ7シアター3 酔ってユルユルになる男願望が多少入ってるにせよこの多部ちゃんは全存在で等身大の女を具現化して圧倒的だ。足掻いてもがいて駆け抜ける様は「ガールズ・オン・ザ・ラン」であり峯田が世界をきっちりサポ…
★★ 2017年12月2日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 ジョン・キャメロン・ミッチェルの映画の特質と美点というのは、「イノセント」な資質だと思っている。 特に「ヘドウィグ」と「ラビット・ホール」に使用された自身のアニメーションが切なくて俺は…
生年:1948/08/24 kenironkun.hatenablog.com
★★★★ 2025年2月23日(日) 大阪市内某所 俺は家のテレビ画面とかで映画を見てると日常が侵蝕して全く集中できなく往々にして酒飲んで寝てしまうことが多いので否応なく劇場主義者であるし、ここでの感想も映画館やそれに準ずるホールとかで見たものだけで、…
★★★ 2025年2月10日(月) シネヌーヴォ ジョージア(旧グルジア)の映画って随分前にパラジャーノフの何本かとギオルギー・シェンゲラーヤの「ピロスマニ」くらいしか見たことないんちゃうかと思うんですが、映画王国なんだそうだ。ただ、本作には上記の60…
★★★★★ 2017年12月5日(火) 梅田ブルク7シアター2 道中を共にするサルとクワガタ男が何者かと知れたときに、映画は一変した。 いや、そこまでも十分に楽しめる出来ではあった。 だが、3種の神器ならぬ武具を求めての旅路は映画の骨法としてはあまりにオー…
★★★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 敵に与する男と、敵に抗する男の確執。 やがて生ずる友情とシンパシー。 といったノワールな骨子は良い。 のだが、どうも一直線に行かない。 互いが腹に一物の飲み明かしでベロ酔いになったふりで、別れた途端…
生年:1969// kenironkun.hatenablog.com
★★★★★ 2015年9月14日(月) シネリーブル梅田3 狙ってスベるカウリスマキチック手法と美術や世界へ拘泥するタチ文体が一見嫌らしいのだが、ミニマム世界の下世話なコント集が何時しか国王の挿話あたりから時空を超えた挙句に計り知れない終末地獄を垣間見せ…
★★★ 1978年3月17日(金) アサヒシネマ 重心を2つ持たせて成功した例もある(『知床慕情』)ので一概に言えないが、宇野重吉が立ちすぎて太地喜和子のキャラが霞む。そして、霞むには惜しすぎるキャラなもんだから重吉翁が鬱陶しくさえ思えてくる。 (cinemasc…
生年:1965/10/06 kenironkun.hatenablog.com
★★★ 2025年2月9日(日) MOVIXあまがさき11 オリジナルの韓国映画未見です。世評ではそちらに劣るとなってますが比べようがないので、俺にはまあ面白かった。 【以下ネタバレです】 であるが、警察でもないニュースキャスターがスタジオ内からの口八…
★★★★ 2017年11月23日(木) MOVIXあまがさき8 要所、要所で岐路に立った彼女は判断し行動するが、決断が明快で早い。 短慮というのではなく、十分に考えた選択らしくで尚早いのだ。 そこが気持ちいい。 したがって、スト騒動になんて関心がないが、い…
★★ 1979年8月19日(日) ビック映劇 徴兵拒否するにせよ酒に溺れるにせよそうなる真摯さが感じられず平々凡々たる微温ドラマがだるい。結果ノスタルジーという代物に為し崩しに寄りかかるしか求心力を維持できない。しかも伝説と称されるものがCGの無い時代…
生年:1983/10/05 kenironkun.hatenablog.com
★★★★ 2025年2月3日(月) シネヌーヴォX 阪神淡路大震災の直後に想を得て、20数年後に内容の改変を経て映画化の実現を見た企画だそうで、監督のいまおかしんじは、その間に亡くなった多くの人への想いを込めたと言っている。しかし、その想いはダイレクト…
★★★★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 山崎原作の段階でエンターテインメントとしては完成され尽くしているのだから、ストーリーテラー山本が捌けば下手を打つ筈もないが、時代に裏打ちされた確信的とも言える役者たちのグルーヴ感が並ではない。恍惚なま…
★★★ 2015年9月14日(月) シネリーブル梅田2 事件に切り込む意欲もなく半端な懊悩しか描いてない生煮えのマスターベーション映画と切って捨てたくもあるが、ダボハゼ業師ウィンターボトムはダメなりに保たせる一応。終盤のカーラとの一連のシークェンスは俺…
★★★★★ 2025年2月8日(土) TOHOシネマズ梅田6 欧州の都市への紀行叙体が鷹揚な滋味を醸すあたり、オリヴェイラ「永遠の語らい」やイーストウッド「15時17分、パリ行き」なんかを想起させる。でもそれは、老齢がもたらした境地ではなく、アイゼンバ…
★★★★★ 1979年8月19日(日) ビック映劇 1982年2月23日(火) 三越劇場 反戦と女性の自立という大上段な主題を描き、しかもジェーン・フォンダという女伝道師を主演にそえ、ビートルズからストーンズに至るド真中ポップスを背景音に紛らせ、何たる静謐さでコント…
★★★ 2015年8月22日(土) シネヌーヴォ りえの「おとたん」には泣けるし原田の包容力と慈愛も十全。ジャンケンを巡る挿話は催涙装置がMAXに機能する。だが展開の妙はさほど無く結局は原爆惨禍のメッセージばかりが前に出る。トリッキーな2人芝居の仕…
生年:1984// kenironkun.hatenablog.com
★★★★★ 2017年11月18日 シネヌーヴォ 前半に関しても美点は多い。 イースト菌騒動による学校周りの泥濘の絶望。 スケートを買った直後の夜の池の孤独。 母の醒めた色気と子供に対する思い入れの真面さ。 だが、そういう一寸良いレベルから後半に映画は逸脱し…
★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 原作未読だし小林勇貴監督の前作「孤高の遠吠」も未見であることを考慮しても、この映画はクズだ。 なんでも、撮る前に塩田明彦の「映画術」を読んだんだそうだが、いまさら、そんなん泥縄で読んでるような奴に撮…
★★★★ 2025年2月3日(月) テアトル梅田2 「まるでタランティーノ × リューベン・オストランド」と宣伝惹句に謳ってるけどあながち盛りすぎではないと思いました(ていうかオストランドの映画見てませんけど。)クソ野郎どもの鬩ぎ合いの果てに否応なく表出…
★★★★ 1978年5月5日(金) 伊丹グリーン劇場 未だ陰謀説も敷衍せぬ時代にこのアイデアがあれば前半はもって当たり前なのだが、後半になり展開がSF色を脱色されても全くダレないのが驚嘆。ローアングル主観カースタントや眼前ヘリ浮上の望遠近接効果。ハイアム…
★★★ 2015年9月26日(土) 新世界国際 又かと思うPOVだが、そこへの拘りはなくて随所で3人称が挟まれる適当さが良い塩梅。しかし、まあどこぞでか見たような設定・仕掛けの羅列ではある。『ミスト』に通底する終末観だが宗教的な選民思想が根底にあるらし…