男の痰壺

映画の感想中心です

殺る女

★★★ 2018年11月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ12
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女殺し屋主演のアクション映画としてはてんで駄目である。
屋上からのスナイプ。
高級娼婦に化けて潜入接触
ウェイトレスに変装してターゲット待ち伏せ
ありきたりな借り物臭。
部屋は最小限の家具しかない殺風景だが鳥籠はある。
見事にオリジナリティ無しである。
 
まあ、それでもアクションとして切れがあればいいが、主演の知英がどうしようもなくマグロ。
体技も大して切れがない。
 
なんやねん…というレベルである。
さすがにもたんと思ったかどうかしらんが。
女殺し屋と並行して、復讐相手の妹がフィーチャーされた。
邪道とも言える作劇で、実際バラバラ感が横溢する。
だが、この妹のルサンチマンの救われなさ。
多分、この映画の中で唯一本音で語っている部分ではないだろうか。
 
主人公の仕事のパートナーがオナベであって、彼女(彼)はフィリピンの有名歌手らしい。
こういうキャスティングも気が利いている。
 
取り巻く世界の描写は悪くないのに肝心の主人公がジャンルの形骸としか言えない体たらくで無残としか言えない。もっと深い荒びとキレのある体技が欲しい。だが、並置された武田梨奈ルサンチマンは世界を生身で侵食するような場末感が70年代的である。(cinemascape)