男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【つ】

ツィゴイネルワイゼン

★★★★★ 1981年2月23日(月) 三番街シネマ2 清順の内在に根差したらしき処から降って涌いたかの如くに確固たる認識で高等遊民を描いた昭和モダニズム世界が現出した点。それが、その技法上の破綻した個性と融合し模倣を許さぬ幽幻に到達した点。孤高の男の追…

罪の手ざわり

★★★★★ 2014年6月9日(月) シネリーブル梅田4 人が事に及ぶに当然あるであろう葛藤や躊躇は描かず、状況や空気を丁寧に描くことで演繹的にアプローチするのだが、結果、非情緒的なのに惻惻とした慈しみが横溢している。特に第3話が傑出し、大陸を流浪する…

つかのまの愛人

★★★★ 2018年10月18日(土) シネヌーヴォ フィリップ・ガレルの映画は初見。 だが、脚本ジャン=クロード・カリエール、撮影レナード・ベルタってのは弩級の大所である。 これは、ニンフォマニアの女を愛人にしちまった中年男の話。 男は大学教授で女は教え…

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

★★★★★ 2018年6月13日(水) 梅田ブルク7シアター6 思いをうまく伝えられない男と伝えてほしい女。 その遣る瀬無い機微を描くのは山田洋次の独壇場みたいだ。 俺は、実家に帰ってしまった妻のもとを訪れた夫とのやりとりを見ながら、「男はつらいよ 口笛を…

妻への旅路

★★★★★ 2015年3月14日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 武侠映画を経由した藝謀が到達した序盤の編集ダイナミズム。駅でのクライマックスで一瞬の邂逅が劇的に刻印される。その余熱を引きずりつつ積み重ねる残りの月日が冷めゆく追憶の無為な消費に終わ…

月夜釜合戦

★★★★ 2018年5月6日(日) シネヌーヴォ 上映が始まり、16ミリフィルムの質感もだが、フィルム傷に堪らない郷愁を覚える。 朝の釜ヶ崎をチャリで走る主人公の女性を延々長回しで追う。 その、「場」の空気がダイレクトに伝わる臨場感はフィルムならではだと…

椿三十郎

★★★★★ 1978年11月5日(日) 伊丹ローズ劇場 1981年7月23日(木) 新世界東宝敷島 天才は枷がある方が逆説的に良い仕事が出来る。キャラの2次使用と東宝コマーシャリズムの制約は黒澤から本来無いものを奇跡的に引き出し遊び代を拡大した。そして、上乗せされた…

津軽じょんがら節

★★★ 1977年6月13日(月) 伊丹ローズ劇場 後に『祭りの準備』で熟成される中島の都市と対置する地方論が、現代やくざの土俗との邂逅という虚構の中で未だ生硬。ルルーシュかぶれの都会派映像主義者斉藤の思い込み映像は、それでもアンビバレントな虚仮の一心と…