男の痰壺

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ヘルドッグス

★★★★ 2022年9月16日(金) 梅田ブルク7シアター5 原田眞人の、このジャンルへの適合性を改めて感じた。といっても「リターン ハードバージョン」ぐらいしか見てないんですけど。それと、岡田准一の格闘技への拘りとビルドアップした肉体のリアリズムは、映…

ベティ・サイズモア

★★★ 2001年7月17日(火) OS劇場CAP レニーを見に行ったのに今更ながらフリーマンに魅せられてしまった。がしかし、ショック状態という設定にせよ思い込みの激しさに真実味が感じらず、最初こそハードな描写もあったが追う2人が良い人すぎて対比が効いて…

ペインテッド・デザート

★★★★ 1994年5月7日(土) 天六ユウラク座 好きこそ物の上手なれでアメリカかぶれ原田の特質みたいなのがビデオ映画『タフ』連作で見出し獲得した一応の職人芸と最良の形でマッチングし違和感無くはまった。木村一八がアメリカの役者や風景の中で全く浮いて見え…

新兵隊やくざ 火線

★★★ 2002年2月14日(木) トビタ東映 全くもっての在り来たり展開ではシリーズ末期的症状にいくらカラー化や増村再登板をもってしてもリストラクトは適わない。相変わらぬ勝新の暴れっ振りを見てるだけで退屈はしないとは言えホモセクシュアルを匂わす描写は覚…

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

★★★★ 2002年4月1日(月) テアトル梅田2 人はどこかで虚飾を剥ぎ取ってむき出しの自分と対峙しないといけない。そして、何があっても結局、生きていくしかないとでも言いいたげなラストの余韻。余りに70年代的で感動的な楽曲とポップカルチャーなアニメへの…

ベイビー・ブローカー

★★★★ 2022年7月4日(月) MOVIXあまがさき1 疑似家族めいた展開が「万引き家族」の変奏バージョンみたいで目新しさがないってことで評価は今一のようである。それは否定もしないけど、それでも尚本作の持つ強度には惹かれる。 おそらく、この題材が日…

ペリカン文書

★★★ 1994年9月4日(日) 新世国際劇場 蛇の穴に手を突っ込んだ的な剣呑からは遠いし、手堅くはあるが最早意外性も皆無。しかし、キャリア序盤の美味しいさかりのトップスター2人を配した勢いはパクラを『推定無罪』の沈滞から辛うじて救う。踏み込んだ2人の…

平成狸合戦ぽんぽこ

★★★★ 1994年9月25日(日) 三番街シネマ2 擬人化された狸を突然にリアリズム狸として視点を切り替える手法がベタとは思うがファンタジーと現実を往還するに十全な効果をあげている。メッセージが直截すぎて生硬とは思うが斜に構えて傍観するよかマシだろう。…

ベティ・ブルー 愛と激情の日々

★★★ 1993年11月27日(土) ACTシネマテーク 相性の合わない男と女の腐れ縁の変遷が最悪の形で崩壊しゆく様を延々と見せられてしんどいことこのうえない。「インテグラル」ではなく初出版で見たかった。ただベアトリス・ダルのオーラは大したもんで彼女を見…

北京好日

★★★★ 1993年11月20日(土) ホクテンザ2 シネマヴェリテという古語を彷彿とさせるインタビュー場面の創造を混じえた劇作がとてつもなく洗練されていると思う。ある種のいかがわしさを交えたドキュメンタルな作風から香り立つ60年代風味が堪らない。(cinemas…

ペンデュラム 悪魔のふりこ

★★ 1992年3月29日(日) トビタシネマ 完全無欠にB級映画な精神なのに中途半端に正統的美術とかがまともで演技もセーブしたりするもんだから戸惑う。もう少しはったりを効かせて欲しかった。制約下でまともに勝負しようとして塩垂れた押し花みたいな出来。肝…

兵隊やくざ

★★★★ 1992年6月27日(土) 高槻松竹 システムに根ざす悪を駆逐するに圧倒的暴力が必要で知識はそれを補完する。その暴力の呵責無き徹底振りとそれを完全担保する勝新の魅力。一方で小林節雄の白黒カメラの艶が妙に色気充分で絶妙な臨界線上に映画を位置させた…

ベルーシ=ブルースの消えた夜

★★★ 1992年9月12日(土) 毎日文化ホール 黄泉の国から眺めるという体裁上、鎮魂的な静謐が支配するのは必然で、それを狂騒を旨としたベルーシの半生を描くに用いたのが良い。エピソードをある程度知ってた方が理解は深まったろうが、悲哀をこめた暗調の展開は…

ヘアスプレー

★★★★★ 2007年10月20日(土) 梅田ピカデリー1 陽気で前向きなだけで変革をもたらせられるとは思わないが、及び腰な人々を融解させる触媒にはなる。そういう積み重ねの歴史こそ重要なのだ。居ても立ってもいられずダンスの渦中に飛び込む人々。踊らにゃ損損…

白頭山大噴火

★★★ 2021年9月5日(日) 大阪ステーションシティシネマ2 火山か噴火するだけの映画だったら見る気もなかったんですが、加えて北の核弾頭を奪取するというポリティカルな要因が加味されるってんで食指が動きました。 韓国という国にとって、というより朝鮮民…

辺境の追跡

★★★ 2021年7月23日(金) プラネットプラスワン アラン・ドワン再発見なんだそうである。 サイレント期から50年代にかけて400本以上の作品を撮った巨匠だそうだが、サイレント映画に疎い俺は知る由もない人なのであった。 興奮に目を輝かせる先輩に対し…

ペレ

★★★★ 1990年3月4日(日) セントラル劇場 『木靴の樹』もかくやの農村の四季をとらえたカメラと美術のリアリズムを緻密な計算で完璧に支配し得た驚嘆の完成度の農村少年旅立ものだが、完璧すぎて無駄も破綻も無くさくさく判り易すぎて少し物足りない。あかんた…

ベン・ハー

★★★ 1990年3月24日(土) 朝日会館 ガチンコ憎悪と裏返しの愛情物語の背景に雌伏する聖者伝説が前面に出てくるにつれ胡散臭さにテンションが下がる。前半の書割背景のガレー船エピソードが凡庸なのに戦車競走シークェンスは巨大セットの壮麗とリアル撮影が相見…

ベルリン・天使の詩

★★ 1988年11月20日(日) セントラル劇場 籠の中の映画オタクが撮った愛の話は当たり前に幼稚で形骸的なのだ。それをアルカンのモノクロやらハントケの詩やらフォークの斜視やらを塗して、スノッブ臭ふんぷんたる気障ったらしさが嫌らしい事この上ない。主役2…

ベロニカ・フォスのあこがれ

★★★★★ 1983年5月23日(日) 梅田ロキシー ドイツ版『サンセット大通り』を、光と影の極度なコントラストや技巧の粋を行く多くの小道具等、意識的に刻印された戦前ドイツ表現主義の残滓で縁取り、一方でシークェンスごとの情感は遍く濡れている。更に得意の退廃…

ベスト・キッド

★★★ 2011年12月23日(金) トビタシネマ 何よりジェイデン君の真直ぐな子にしか見えぬ立ち居振る舞いや眼差しに射られ、観ながら号泣する親爺ウィルが自ずと脳裏に浮かぶ程の素晴らしいタレント。勿論嘗てのサモ・ハン化したかのようなジャッキーも良い。た…

ベリッシマ

★★★★★ 1983年12月22日(木) 伊丹グリーン劇場 思いこんだら視野狭窄に陥りひたすらに猪突猛進するが何時か気付いて一気に退いてしまう。しかし間をおけば又ぞろ同じ事を繰り返すだろう…そんな女の愛しき性を肉体と魂で叩き付けるアンナ・マニャーニが最高。ヴ…

別離

★★★★★ 2012年6月16日(土) 梅田ガーデンシネマ1 離婚と板挟まれた子供を物語るかに見えた展開は老親介護に舵を切ってから幾何級数的に諸問題を包含しつつ次々新たな展開を迎える。一寸見たこと無い作劇のダイナミズム。それが一巡後に戻った所は最早戻れな…

ベルフラワー

★★★★ 2012年6月23日(土) テアトル梅田1 ギャロ的自己中妄想もヘルマン的斜に構えた諦念も好きくもないが、『マッド・マックス2』的週末世界願望には共振する。虫食い女に浮気されダメさ極まるマゾ野郎には肩入れもしたいが、矢張り世界を破壊して欲しい…

HK 変態仮面

★★★ 2013年4月27日(土) 梅田ブルク7シアター7 股間を押し付けダメージを与えるには耐えがたき饐えた臭いや忌むべきリアル形状が必須なのにそこを避けている。福田が井口や三池に所詮は及ばぬと感じる所以で、使用済みでしか効果が無い設定も可愛い刺繍で…

ベルリンファイル

★★★ 2013年7月14日(月) MOVIXあまがさき4 序盤から世界中の対立軸をテンコ盛りに登場させてはみたが、とっ散らかしただけで俯瞰的視座が無く設定は雲散霧消。結局、中盤以後は得意分野の男と女と骨肉相食む兄弟の確執に終始。それでも、刹那を体現す…

ペーパーボーイ 真夏の引力

★★★★ 2013年7月27日(土) テアトル梅田1 何も一から十まで描かずともよいが『おもいでの夏』的側面が主線である以上キッドマンの獄中犯マニアである心的内面に今ひとつの突っ込みが欲しかった。終盤が切ないだけに尚更。真夏の倦怠を弥増す変態ショーは本…

ペントハウス

★★★★ 2013年4月13日(土) トビタシネマ 出がらしを集めて絞れば案外美味い出汁が出た的妙味もあるのだが、存外に素晴らしいトランプタワーのロケ効果とリアルな感謝祭パレードを取り込んだ臨場感。ラトナーの演出力も舐めたもんじゃないと思わせた。ランデ…

閉鎖病棟 それぞれの朝

★★★ 2019年11月5日(火) 梅田ブルク7シアター2 鶴瓶の演技を予告編で見てうんざり感が起こり見る気もなかった映画なのだが。 まあ、小松菜奈が唯一のモチベーションとなって足をはこんだ。 監督の平山秀幸も「エヴェレスト」で、もうあかんわと思ったが、…

ペコロスの母に会いに行く

★★★★ 2013年11月23日(土) 梅田ガーデンシネマ2 何だか理想的生き様を実践する岡野のスローライフがひたすら羨ましく、そういう主人公をベタつかず描けるのも森崎しかいないと納得し岩松も適役。老いれば人は過去に遡上し思い出に埋没するしかない。それを…