★★★ 2021年7月23日(金) プラネットプラスワン
アラン・ドワン再発見なんだそうである。
サイレント期から50年代にかけて400本以上の作品を撮った巨匠だそうだが、サイレント映画に疎い俺は知る由もない人なのであった。
興奮に目を輝かせる先輩に対し「誰それ?フランス人ですか」と聞いてアホかと憮然とされた俺だが、調べたらカナダ出身なのでやっぱフランス系なんでしょう。
誰それとは言ったけど、1本だけ見てました。「スエズ」っていうタイロン・パワー主演のスエズ運河建造を描いた映画だが土木シーンほぼゼロで無意味に来襲する竜巻が最大の見せ場という代物です。
で本作だが、ビルマの王子が殺害されて怒った王様が犯人捕まえてぶち殺せーという発端があり、時同じくしてロバート・ライアン扮する謎の放浪アメリカ人がバーバラ・スタンウィックの荘園に現れるという話で紛う事なきB級映画であります。
まあ、俺はサミュエル・フラーやニコラス・レイやリチャード・フライシャーとかの何が良いのか理解しない人間ですから、アラン・ドワンの演出が如何に素晴らしいかを、あるシーンのスタンウィックのリアクションを例えにご講義賜りましたがピンときませんでした。
ビルマ(現ミャンマー)が舞台で象や虎や猿とかの動物が出てきて結構な演技を披露してくれます。
楽しかったです。
最大働き手は象であることを理解し慈しむ女荘園主スタンウィックの造形が良くライアンを簡単に信じる甘さも気にならない。虎や猿など含め動物たちの演技が地味な2人を側から盛り立てる。男は黙って鞭打たれるの理も解明不要のB級ならではの佇まい。(cinemascape)