男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【た】

魂萌え!

★★★★ 2007年2月17日(土) 梅田ブルク7シアター4 カプセルホテルや鄙びた映画館やデパ屋といった選択された舞台があざとくなる臨界で物語に馴染んでいる。向田邦子の焼き直し感バリバリだが堪能した。斜め俯瞰の構図を要所で使う演出の醒めた視線の妙。女…

太陽

★★★★★ 2021年10月3日(日) シネヌーヴォ 終戦時の昭和天皇を描いた作品ということで、ある筋からは凄まじい拒否感と場合によっては嫌悪感を表明されることが目に見えている。余程腹の座ったバカが現れない限り日本人の手によっては撮られ得ない種類の映画で…

ダ・ヴィンチ・コード

★★★ 2007年4月12日(土) 新世界国際劇場 ローマカトリックをここまで真正面から撃つ物語がよくも大資本で撮られたものだ。肝心の本筋ではなく解説的過去挿話にやたら金をかけて歪つな感じでロン・ハワードの馬脚が現れた気がした。役者は揃ったが演ることも…

大誘拐 RAINBOW KIDS

★★★ 1991年4月14日(日) 高槻セントラル 名演と言われるが北林も緒形も想定内の範疇を出ていなく刺激度ゼロ。喜八の演出は劇画的構図のデフォルメが連鎖するカット割のリズムが生命線なのに、緩んだ手持ちカメラのお手軽はマイナス要因でしかない。往年の輝き…

太陽の墓場

★★★ 1991年4月28日(日) トビタ東映 アナーキーなコンセプトは最高に良いのだが、寄せ集めの役者を散りばめた今村的混沌世界を理に勝った大島イズムが上滑りしていく。迎合し切れないそのギャップが面白いと言えば面白いが、やっぱ退屈でもあるし鬱陶しい。(c…

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

★★★ 2021年10月5日(火) 梅田ブルク7シアター2 そういうことするなら、そうなるに相応しい敵との死闘なり鬩ぎ合いなり今までの総括なりをケレンたっぷりに揉みしだいて納得させてくれっつうの。 って言うほど007に思い入れがあるわけじやないんですけ…

大日本人

★★★★★ 2007年6月8日(金) 梅田ピカデリー4 鈍重な一本調子でさして笑えないが一途にコンセプトを貫き明晰でクリアであるとも思う。CGと自主映画なハンドメイド美術の折衷バランス。ためた上での板尾とのコラボは完璧。上辺の反米イズムは真意だろうが躊…

他人の顔

★★★★ 1991年5月3日(金) シネマヴェリテ梅田 精緻な背景設定をするほど無名性に接近する公房原作に仲代では違うと思うが、抑圧の中で滲み出るヴァンプ京マチ子のエロティシズムには参る。変身願望を通して燻り出された匿名社会の本質は生硬とも思うがアンビバ…

ダイ・ハード4.0

★★★★ 2007年7月7日(土) ナビオTOHOプレックス8 新奇な趣向は皆無でプロットも過去3作の折衷だが、偶発の受動者から「HERO」たる自覚下、能動的マッチョに変貌したマクレーンに違和感は無い。軸のぶれない主人公がシリーズの魂を堅持しつつも「男…

現代インチキ物語 騙し屋

★★★★ 2007年7月21日(土) 日劇会館 身も蓋もないセコくショボい騙しのプロットの連鎖に終始するが、増村節絶好調のハイテンション演技で曲者たちが笑っちまうほどに威風堂々と弁舌まくしたてる。最後は遂に真性ハードボイルドに近似していく世界観の転倒。…

魂のジュリエッタ

★★★ 1991年6月23日(日) みなみ会館 『8 1/2』への返し歌。しかし、分身たる映画監督グイドに託せば恥も見栄もさらけだせたって女房の心の深層なんてフェリーニだって解る筈無いよ。絢爛たるイマジネーションが2番煎じの感じがするのはそのせいだろう。ジュ…

大日本チャンバラ伝

★★★ 2007年8月18日(土) 日劇会館 TVの喜劇役者が繰り広げる場末感バリバリのプログラムピクチャーなのだが、中年ババア達の繰り広げる下世話なレビューのバイタリズムには紛れもない日活イズムを感じる。吉村演出は緩いが舞台演出は案外意欲的だ。(cinem…

タロットカード殺人事件

★★★★ 2007年12月1日(土) シネリーブル梅田2 ええ年こいた爺さんが若いおなごと如何様に接したいか、又接して欲しいかという理想郷のような世界が延々と繰り広げられて陶然としてしまう。俺はウディほどの年ではないが現役であり続けたいものだ。『殺人狂…

ターミネーター2

★★★★★ 1991年9月4日(水) 北野劇場 趣向満載で突出するシークェンスの連鎖がチェイスに徹しためくるめく場の移動の中で融和し熟成される。馬代わりのバイクで走りながらドでかいショットガンを片手で回転させて撃鉄を起こす。ジョン・ウェインの様に。アメリ…

達磨はなぜ東へ行ったのか

★★ 1991年9月22日(日) みなみ会館 形而上的な物言いは嫌いではないのだが一片でもいいから何らかの真実を呈示して欲しいものだ。これみよがしな透明度の高過ぎるフィルムは逆説的に物語を貶めている。典型的陥穽にはまった薄ぺらい擬似あーとフィルム。(cine…

対決

★★★★ 1991年10月20日(日) 新世界国際地下劇場 冷戦も終わろうかというのに、又2人はベトナムとアフガンの亡霊を背負ってるというのに、そんなのは無関係に何故か男の闘争本能だけでがむしゃらに闘うというのが、サバけてて突き抜けたものを感じる。時事認識…

ダンス・ウィズ・ウルブズ

★★★★★ 1991年11月2日(土) 新世界国際劇場 孤独な魂が越境する。真の理想的生き方を得る為に何かを捨てることを納得性をもって描くに十全な配慮と時間配分が為されている。痛みを伴う惜別に憧憬と諦念を感じて久しく見なかったピュアな感動を覚えた。コスナー…

タイムボンバー

★★ 1991年11月2日(土) 新世界国際劇場 下手な野郎がヒッチ御大を意識なんてしない方がいい。やるならトーンは全篇に渡って統一されるべき。B級と言うには成り切れないマイケル・ビーンとパッツィ・ケンジットが微妙な味わいを醸し出すのが悪くはない。

大怪獣バラン

★★ 1991年11月17日(日) 日劇シネマ 攻防戦に徹したと言えば聞こえが良いが、こうも安易な出来合いニュースフィルムを連チャン使用されると鼻白む。自衛隊のPR映画かと思うくらいで、それはそれで構わないが、そう思って観ても出来が良いものではない。(cin…

ダークナイト

★★★ 2008年8月23日(土) 梅田ブルク7シアター3 4人の主軸が織りなす「正義」貫徹の為の「暴力」介在への葛藤には、映画はあやふやな回答しか呈示し得ていない。究極悪ジョーカーに対しバットマンも検事も警部も軸がぶれすぎなのだ。部分的には冴えた演出…

大丈夫日記

★★★★ 1990年5月27日(日) トビタシネマ 30年代アメリカの上質スクリューボールコメディか、はたまた60年代東宝の熟達のサラリーマンミュージカルか…とにかく有無を言わせぬテンポの良さ。ユンファの芸域の広さにも感銘したが、何より2女優の掛値無く美人…

滝の白糸

★★ 1980年6月19日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 戦前の溝口作品は数作品しか見ていないが正直どれも情緒過多で難儀する。古風的美男美女の新派調大悲恋劇から、それ以上の何かを汲み取ることは出来ない。後年の宮川が未だ不在というのもあるだろうが…

007 慰めの報酬

★★★ 2009年2月26日(木) TOHOシネマズ梅田7 クレイグのボンドは益々板に付きアクションもシークェンスの決めショットを配して冴えている。ボンドとオルガ嬢との微妙な距離感も好みであったが、もう1エピソード足りない。終盤はコネリー時代終盤のスペ…

ターミネーター4

★★★ 2009年6月13日(土) なんばパークスシネマ7 順な時間軸の平板さに加え『マトリックス』的未来観の新味無さに辟易する。新キャラワーシントン&カイルの物語も昇華せぬならコナーの存在は最早蛇足にしか見えない締まらなさ。構成の失敗だろう。序盤の2…

太平洋ひとりぼっち

★★★★ 1990年11月12日(月) トビタ東映 裕次郎&ルリ子の日活明朗コンビも田中&森の『おとうと』根暗父母に呑まれ暗鬱になる、そのミスマッチ。頻繁にインサートされる東京の夜景は甘い郷愁じゃなく異世界の風景みたいだ。市川節は堪能できても感銘は今いち盛…

ダイ・ハード2

★★★★★ 1990年12月10日(月) 三番街シネマ1 こいつが途轍もない火事場の馬鹿力を出せる野郎だってことは観客だけが知っており、敵(テロリスト)も味方(空港関係者)も野次馬(FBI)もてんで解ってないということを徹底的に利用している。圧倒的に呵責の…

ダイ・ハード

★★★★★ 1989年2月5日(日) 長崎宝塚劇場 「どうしよう…落ち着け…」とオタつく自分に言い聞かせるところで一気に掴んだ。四苦八苦するが何とかなっちまう等身大キャラが最後まで一貫しており、結果ガンマン気取りの大見得がギャグ寸前で反転し映画をいきなり別…

ダーティハリー5

★★ 1988年10月16日(日) 新世界劇場 監督がスタントおじさんバディ・バン・ホーンという段階で熱意の無さとかやっつけ仕事感が漂うシリーズ最終作にして最低作。イーストウッドも老いて何が何でも叩っ殺したる的切れ味が失せ、だったら別シリーズにすればよか…

脱獄広島殺人囚

★★★ 2009年12月5日(土) 新世界東映 罪を重ねるうちに何がどうなってもかまへんねん…となっていくのは「石川力夫」的狂気に比して余程理解できる。娑婆と務所を往還するロケーションの緩急も心地良く精神的懊悩も余りないので壮快。ただ、ラストのぶん投げ…

ダブルボーダー

★★★ 1987年5月7日(日) 友楽会館大劇場 人生真反対に進んで挙句、国境を挟んで対峙する2人の物語が、もう1つのベクトルが加わり見せ場を持ってかれてどうでもよくなった。加えて各所の詰めが甘くてアクションも締まらない。劣化『ワイルドバンチ』な終局に…