男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【た】

太陽の下の18才

★★★ 2002年10月6日(日) 扇町ミュージアムスクエア 潜水狂いの野暮天野郎が何故か1人旅の仏ギャルにモテモテというのは正に男の願望で、60年代の日本の砂浜に散った何千人の男達の充たされぬ性霊に馳せた思いは、やがて哀しき70年代の心寂しい浜辺へと遡…

団地妻 昼下りの情事

★★★ 2002年9月26日(木)~27日(金) 東梅田日活 ロマンポルノの原点というよりテレビの昼メロやサスペンス劇場の原点のような気がした。そういうオーソドックスな王道の風格があるし、日活の底力を感じさせる撮影と美術。何より一見老け顔な白川和子のミニスカ…

直撃地獄拳 大逆転

★★★ 2002年11月15日(金 扇町ミュージアムスクエア アクションもギャグも寒くてアホでいいかげんな代物だとしても、やたらテンポが良いので退屈はしない。武者人形に変装した甲賀忍者直系子孫の千葉のしてやったりの佇まいの確信振りには、やむを得ずにしても…

弾丸ランナー

★★★ 2002年11月19日(火) 扇町ミュージアムスクエア 役者を走らせれば映画も疾走するとでも思ってるのだろうか?余りに短絡的で幼稚。必然のエモーションが決定的に欠如している。ミニスカ姉ちゃんが物拾う仕草に劇的に性欲を刺激されるとこだけは脳内シナプ…

たそがれ清兵衛

★★★★★ 2002年11月11日(月) 梅田ピカデリー1 初時代劇への拘りの成果が殊更あったとは思えない。しかし、血糊や死体にたかる蠅等は、意外な抽斗とは思わないにしても、よくぞ踏み切ったものだと思う。男女の思い思われ恥ずかし世界と親子の情愛は同じような…

ダスト・デビル

★★ 1993年5月5日(水) 新世界国際劇場 淡い期待はさせるが、結局最後まで大して何も起こらないという典型的ジャンクムービー魂を貫いているが、期待させるだけ罪が深いとも言える。どうしようもなく説明不足なくせに、虚仮威しのハッタリズムだけ一丁前。ただ…

007/ダイ・アナザー・デイ

★★★★ 2003年3月14日(金) 梅田ピカデリー3 所詮はスーパーマンとは思うが絶体絶命の時のコンマ1秒の逡巡があるからボンドは段取り芝居の虚しさから逃れ得ている。アホなと思う場面もあるが見せ場の連続は総じてレベル高い。ミシェールには及ばないが共闘す…

大病人

★★ 1993年7月24日(土) ホクテンザ1 得意の取材力により病院という機構のメカニズムの矛盾点を突く訳でもなく、願望めいた平安死への伊丹の深層心理を普遍化せずに極私的且つ理解不能な般若心経一大ページェントに乗せて描いてしまった。或る意味、終着点さ…

タイガーランド

★★★★ 2003年4月18日(金) トビタシネマ 3人の主軸が『プラトーン』と同じ構図のインテリ坊やの「擬似」戦争体験記ときては鼻白むが、脱落者の描写が演者の巧さもあり特筆的に冴え、何よりシュマッカーのドグマ演出が堂に入ってるのに驚嘆。題材にこの上なく…

タバコ・ロード

★★★★★ 2022年3月26日(土) プラネットプラスワン ジョン・フォードに万全の信頼があるわけでもないので、どうせ地味な暗いコメディだろうくらいに思ってだけど、これは傑作だと思います。 とんでも家族の話って言えば、近年でも「万引き家族」や「パラサイ…

団地妻 肉体地獄

★★★ 2003年5月14日(水) 東梅田日活 正味AVに毛のはえた程度の代物としか言えず、定石のストーリーを飽きもせず繰り返すだけにしても、数多ある「映画」の存在意義を考えるに、これはこれで或る意味役割をまっとうしているとは思う。見てる間ずっと勃ってた…

ダメージ

★★★★ 1993年10月17日(日) 新世界国際劇場 今更とも言える不倫劇ではあるが、直球ど真ん中とも言える不純物ゼロの不倫を、取り巻く多彩な人物の疑心暗鬼の駆け引きも精緻の極みにまで高める演出がいっそ清々しい。ビノシュが適役だがミランダとキャロンが巧い…

ダウン

★★★★ 2003年7月12日(土) トビタシネマ ヒッチコックの下世話な品格を彷彿とさせるオープニングからして現代版ゴシックホラーの香りが濃厚なる1編。誰も居ないエレベーターホールの不気味さなどオーソドキシイを恐れぬ空気感重視の正統派の格調さえ漂う。終…

ターミネーター3

★★★★ 2003年7月22日(火) ナビオTOHOプレックス3 人造人間であることの哀感を漂わせつつ脱力ギャグも侘しいシュワちゃんに泣けた。前半のバトルの重量感と空間処理は久々の見ものだが、スカイネットの起源にまつわるポリティカルな部分が多分におざなり…

ダムネーション 天罰

★★★★★ 2022年2月17日(木) テアトル梅田2 以前「ニーチェの馬」を見たとき30分で語れることを2時間半かけていると書いたことがあるが、タル・ヴェーラのスタイルを確立したと言われる本作を見て、昔からそういう人だったのねと思った。 1イシューをギ…

ダウン・バイ・ロー

★★★★★ 1992年5月16日(土) テアトル梅田2 至芸とか逸品とか珠玉とか言いようはあろうが、同時にジャームッシュにとって2度と超えられぬ最高到達点。主演3者のどうでもよさ気なコラボが至る奇跡的均衡こそ堪らぬ味わい。ミューラーの淡いコントラストとシネ…

ダイヤルMを廻せ!

★★★★ 1992年5月12日(火) シネマアルゴ梅田 『サイコ』のシャワーシーン並の手間暇をかけたグレース絞殺シーンに今いちインパクト無くとも、殺人の打ち合わせの俯瞰ショットの歪で痺れるセンスは珠玉。本来唾棄されるべき不倫女に加担させられる悪意のパラド…

誰も知らない

★★★★ 2004年9月13日(月) 梅田ブルク7シアター5 全面的自己犠牲を自らに課さぬからと言って、この母親も父親達も全否定は出来ない。かと言って子供達を救済出来ぬシステムにも所詮限界があるのだ。是枝の事実認識は正しいし題材選択の意義も認める。しかし…

ダリ天才日記

★★ 1992年6月20日(土) 祇園会館 彼を描きたいのか時代を描きたいのかというコンセプトを曖昧にしたまま、結局は後に付加されたスキャンダリズムに依存しているのでどうにも冴えない。シュールレアリズムが生き様をも規定する本質は解き明かされることはなか…

箪笥

★★★ 2004年12月14日(火) 新世界国際劇場 少女の生理とも言うべき匂いが横溢する前半が終盤に収束され行くのは女同士の骨肉合い咬む憎悪心であったという骨太さには惹かれる。散りばめたネタがロジカルに整合されずとも構わないがJホラーな幽霊や2番煎じな…

大菩薩峠

★★★★★ 1992年6月28日(日) 日劇シネマ 仲代の圧倒的ニヒリズム。殺陣の信じられない切れ方は現代では絶対再現不可能。中途半端で終わってしまうのが残念であるが、それを差し引いても数多ある60年代の時代劇の中で屹立したものの1本と信じて疑わない。(cin…

タクシー・ブルース

★★★ 1992年9月12日(土) 毎日文化ホール マッチョで愚直で体制的なのと腺病質で不真面目で反体制な2項対立が配置されるが、どっちもどっちで相当に嫌な野郎なのが新味とも言える。ペレストロイカがもたらす自由とデカダンの萌芽が生硬な図式を氷解させても困…

TAKESHIS'

★★ 2005年11月5日(土) 梅田ピカデリー3 下手で下世話な『ドッペルゲンガー』な『8 1/2』。しかも、無防備に自己陶酔した廉価な自己模倣で彩られて尚更救われない。登り詰め得た処から落ちることへの怯えは傍目に恥ずかしくとも真摯に直視すべきでスカした…

黄昏

★★★★ 1992年10月7日(水) シネマアルゴ梅田 『嘆きの天使』から扇情性と加虐味を取り除き親愛と矜持を加味した。最後の一線ギリギリで持ちこたえた男のプライドが泣ける。重厚なワイラー演出も良いが、やはり2大名優オリビエとジョーンズが凄いの一言。(cine…

大樹のうた

★★★★★ 1992年11月15日(日) キリンプラザ大阪 3部作と銘打っているが前2作とは別物の感があり絶頂期のイタリア映画のような良質な芳香を感じる。アジア的なるものをヨーロッパ的技巧の水準で書き直した幸福な融合が60年代直前に達成されていたことは映画…

大河のうた

★★★★ 1992年11月15日(日) キリンプラザ大阪 都会と田舎を往還する物語の展開がメリハリが効いている。雑然とした都会ベナレスの描写に活力が溢れ脱田舎に目覚めるオプーの心情が極めて共感し得るものとなっているが、そのテーマに新味は無い。しかし、ラスト…

007 カジノ・ロワイヤル

★★★ 2006年12月14日(土) 梅田ブルク7シアター6 鋭利なクレイグボンドは支持する。キャンベル演出は前半の幾つかのシークェンス(特にコンゴとマイアミ空港)は傑出した押しなのだが、後半「マジ愛」に踏み込もうとして間延びした。再三断線するカジノの…

大地のうた

★★★★ 1992年11月15日(日) キリンプラザ大阪 描こうとするテーマにせよ使われる技法にせよ西洋的な洗練のフィルターを通した感は拭えない。特に兄妹が列車を見に行く件がそうだ。そういう点で若干風化しているとも思うがプリミティブな真実は随所に確かにある…

ダイナマイトどんどん

★★★ 2007年1月6日(土) トビタ東映 明らかに深作演出を意識した前半がパロディだと言うなら汁がしたたる位の本気が欲しい。設定が甘すぎ。東映実録常連組と岡本組とのコラボも食い足りなく岸田にもう1枚天本が欲しいところ。辛うじての終盤の狂騒がなけれ…

魂萌え!

★★★★ 2007年2月17日(土) 梅田ブルク7シアター4 カプセルホテルや鄙びた映画館やデパ屋といった選択された舞台があざとくなる臨界で物語に馴染んでいる。向田邦子の焼き直し感バリバリだが堪能した。斜め俯瞰の構図を要所で使う演出の醒めた視線の妙。女…