男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【た】

誰がため

★★★★ 2010年1月23日(土) テアトル梅田2 見誤った革命路線の末端の殺戮因子として「新撰組」に於ける「人斬り以蔵」的無知蒙昧な男達が初っ端から追いつめられ行き場のない袋小路で虚無と冷たい汗にまみれ自壊していく。カタルシス無き負け戦の野垂れ死に…

騙し絵の牙

★★★ 2021年3月31日(水) 梅田ブルク7シアター4 予告篇であんだけ煽るもんだから、どんなドンデン返しがあるのかと期待値も高まってしまいました。 【以下ネタバレです】 派閥抗争の片側についていた大泉洋が策を弄して相手方を潰す。 であるがついていた…

第9地区

★★★ 2010年4月10日(土) なんばパークスシネマ4 身軽さが身上の今更Bテイスト企画が重装備され切れを欠き笑いきれない。『マーズ・アタック!』程には才覚が無く『プラネットテラー』程にはゴア描写に徹しきれないもどかしさ。終盤の行ってこい的サバケ方…

メル・ブルックスの 大脱走

★★★★ 1985年1月6日(日) 戎橋劇場 この脚本を忠実に映画にすれば面白いものが出来るに決まってるとも思うが、それなりに闊達な役者を揃え、ブルックスの泥臭さも程良いスパイスとなって快調そのもので気分がいい。ルビッチ版の品を求めるのは野暮だろう。(cin…

Wの悲劇

★★ 1985年2月3日(日) 友楽会館大劇場 新派劇のような大時代な設定と台詞の数々にパロディを透過して周回し本物としてのエモーションを発動させるに澤井演出は生真面目過ぎ。チープで少女漫画的な女優という虚構が素で晒し出されてとてもじゃないがついて行け…

ターミネーター

★★★ 1985年6月9日(日) 友楽スカラ座 小学生でも考えそうな未来図とタイムパラドックス。典型的B級のウソ寒さに冷えた画面が、しかし、ひとりの俳優のマッチョな肉体の破壊力に帯電し始める。警察署襲撃シークェンスはA級を凌駕し弩級。一世一代の当たり役…

台風クラブ

★★★★★ 1985年9月15日(日) 阪急文化 刻々と迫り来る台風の予兆と淡い危機への緊張と切迫の狭間で何かにつけて自制が効かずにイラつく中学生の生理が同期し過剰反応していく。このライブ感覚は生硬な物語性を凌駕しており、雨中の裸踊りこそ相米イズムの理想的…

タンポポ

★★★★ 1985年11月30日(土) 南街スカラ座 主線のラーメン屋立て直し物語を伊丹は信じてるフリして全く信じられず誇張と諧謔でデコレートしても尚未だ不安で逸脱へと逃避したらブニュエルみたいになった。この後、信じ切れない物語を紡ぎ続けて終わってしまった…

ダブル・ミッション

★★★ 2010年9月17日(金) 新世界国際劇場 本気度に欠け全てがお座成りな劣化版ジャッキー映画には一抹の侘しさも禁じ得ない。仕事と家庭という2つのミッションで成功することは、そんなに生半可じゃない筈だと思いつつ、ジャッキーのフヤけた笑顔と跳躍を眺…

ダーティハリー4

★★ 1984年5月3日(木) 梅田東映パラス 敵と1点相容れる要素のない完全無欠の対立軸上にこそ成立するハリーのキャラを安っぽくメロウな設定で御大自ら台無しにしてしまった。それが証文の出し遅れみたいな7年ぶりであり且つ又かのソンドラド真ん中となると最…

タイトロープ

★★★★ 1984年10月31日(水) 友楽会館大劇場 ダークなトーンが一貫しており、しかも自らがド変態世界に越境する一線を踏み越えた内容。警官が主役で一発の銃声も響かない。同時期で前後する『ハリー4』と、あらゆる意味で対照を成す中期の佳作。ビジョルド始め…

大逆転

★★ 1984年11月18日(日) 友楽スカラ座 確かに2人の演技は巧いのだろうが、お話が緩すぎるのだ。ハリウッド得意のマーケティング戦略に立った中庸なマニュアル映画の典型。「王子と乞食」はそれ自体で完成されている。更なる巨悪に手を携えてって、ああ…何と…

大コメ騒動

★★★ 2021年1月19日(火) TOHOシネマズ梅田5 どこが「大」やねん、寧ろ「未満」ちゃうん。 俺の中にある米騒動のイメージは、民衆が米屋に押しかけ、戸板を打ち壊し蔵になだれ込み埋蔵米を掠奪する。 そんな感じなんだが、この映画の騒動は女たちが米屋…

タイムリミット

★★★ 2011年3月12日(土) トビタシネマ 二重三重の苦境が釣瓶打つ追い込まれ型サスペンスの良作なのだが、追い込むエヴァが主人公を憎からずなのが仄甘くて悪くもないにせよ、でもやっぱり構造を緩める。痛し痒しとでも言おうか。匙加減の按配の微妙なズレが…

タワーリング インフェルノ

★★★★★ 1975年7月30日(水) 梅田グランド劇場 数多のジャンル定型の登場人物群の中でマックイーンの職能主義に徹した造形が異彩を放ち、彼の到着以降は脱出と消火の即物展開となる。板子一枚下の地獄と刹那な安全圏の空間構図の造形も秀でており、窮地に際し…

黄昏

★★★ 1983年7月14日(木) 戎橋劇場 父娘の確執といってもムキ身で鬩ぎ合うものではない。所詮は我の張り合いであって、そこに真の深い感銘を見出すのは難しい。フォンダ父子の実状を映画に被せて見るのも所詮ゴシップに過ぎない。生身の老いの痛々しさだけが真…

探偵物語

★★★★ 1983年9月27日(火) 三宮東映プラザ 思春期少女のロスト・ヴァージン願望が息苦しいまでに画面に充満し、又ひろ子がそれに完璧に同期した感があり腐りかけの夏蜜柑のように切ない。だが、優作がタコ吸盤の唇で吸い尽くし世界を終焉させる。故に少女は旅…

大盗賊

★★ 2020年11月7日(土) テアトル梅田1 賑々しい展開で、ベルモンドも明朗闊達なキャラを地でいくような弾み具合だ。 であるが、この男の本性がわかりません。 手癖の悪いおちゃらけ野郎として登場するのだが、盗賊団の親分にマージンとられて嫌気がさす。…

断絶

★★★ 2012年4月7日(土) 第七藝術劇場 中年男も含めて去勢されたかのような時間軸が連綿と続く。後にジャームッシュあたりが何倍も洗練された形で提示するロードムービーの起源。確かに人生こんなもんだが、だったらラストの物語外からの幕引は蛇足。終盤の…

タップス

★★ 1982年4月14日(水) SABホール 少年達が守ろうとするものが旧時代の軍事的遺物である点をアイロニカルに掘り下げて問題提起でもしてくれるならまだしも、ブラッドパック街道まっしぐらのモロ商業路線に乗っかった代物として提供されると戸惑う。何より…

ダイアモンドは傷つかない

★★ 1982年5月16日(土) トーエイ伊丹 勝手な思い込みで勝手に大人になったつもりの女子大生の妄想世界に何の共感を得られる筈も無く、藤田の思いを仮託されたと思しき中年男山崎努も安寧の世界へと埋没する。田村正毅のフィルターワークのみが唯一見所。(cine…

TIME タイム

★★★ 2012年5月26日(土) 新世界国際劇場 母をも圧殺されたお前が最底辺から這い上がって収奪システムの天辺を完膚なきまでに叩きのめすのかと思えばお嬢彼女と強盗ごっこに身を窶す様に何じゃこりゃと正直思うのだが、世の善良な女子どもの正統白馬王子願望…

TATTOO[刺青]あり

★★★★★ 1982年6月11日(金) 三番街シネマ3 マッチョイズム願望の呪縛に捕われつつ自壊していく男を演じる宇崎がドンピシャすぎる快演。脇の下元・渡辺も一種の無常感を漂わせ奥行きを付与する。西岡脚本は犯罪者の生い立ちを究明するに独り善がりな陥穽におち…

ダーク・シャドウ

★★★ 2012年8月11日(土) 新世界国際劇場 タイムマシン的ギャップネタも『ドボチョン一家』的キャラネタも今更感満載で、70年代テイストの復古趣味も徒に手数を揃えた打算にさえ思える。そういう黴た世界がそれなりにゴージャスに演出された中、三角関係の…

ダークナイト ライジング

★★★ 2012年7月29日(日) MOVIXあまがさき6 究極悪だか絶対悪だか知らぬが、9・11から10年を経て尚、イスラム景観な地獄穴から来し爆弾テロリズムという底浅ぶりの陳腐。しかも、ヘタレ野郎だったというんじゃ自壊領域の張子の虎。冒頭を筆頭に肉…

たかが世界の終わり

★★★★ 2020年5月30日(土) 大阪ステーションシティシネ10 「マミー」にはカサヴェテスを感じだが、これはベルイマンを意識してると思われる。感情の妥協的な相互の寄り掛かりはビタイチない。あるのは絶望的な孤絶感だけ、兄弟・親子なのに。 そういった確…

桃さんのしあわせ

★★★★ 2012年11月17日(土) 梅田ガーデンシネマ2 使用人にちょっと良いことしてあげました的胡散臭さから免れてる所以は、主演2人のプレーンな平衡感覚と明晰なアイデンティティの存在。為に非ドラマチックだがアン・ホイの視座は信頼できる。サモ・ハンや…

探偵物語

★★ 1982年12月18日(土) SABホール 際限なく模倣され陳腐化していくオリジナルについて出来るだけカバーリングして見ようとは努めてみるが、この分署内の人間模様は多くの刑事ドラマを見た今ではどうしようもなく退屈。ワイラーの演出も雑然とした事態を収…

旅芸人の記録

★★★★ 1981年1月15日(木) 三番街シネマ3 姦通と復讐が主題のギリシャ神話を基底にし超絶長回しと1シーン内の時空錯綜をもって語られる難攻略な近代史なのだが、曇天狙いの沈鬱な画面内を目紛しく変転する為政者を遠くに見つつ歩き続ける彼らを通して虐げ…

ダンシング・レディ

★★★ 2020年3月22日(日) プラネットスタジオプラス1 映画史的には、アステアの銀幕初出作品って以外にこれといったトピックもない代物だと思う。 で、そのアステアに大して興味もないし、そもそも俺は50年代のMGMミュージカルが大好きってわけでもないん…