男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【み】

みんなのいえ

★★★ 2001年6月14日(木) 梅田劇場 前半はそれなりにグラインドしてるのだが、中盤以降、大工とデザイナーの話に絞り込んでいった途端に在り来たりとしか言えない展開になっちまう。大体邦衛も唐沢にしても余りにタイプキャストで意外性無さすぎ。一方田中と八…

水戸黄門

★★★★★ 2022年8月9日(火) 新世界東映 恥ずかしながら「水戸黄門」の映画って初めて見ました。黄門様と言えば俺の記憶では東野英治郎のTVドラマが最古の記憶で、以下、佐野浅夫や西村晃とかも演りましたが、どれもまともに見たことなんてありません。 映画…

見知らぬ人

★★★★ 1994年4月9日(土) 祇園会館 叔父さんの文明論は多分に青臭いのだが、それをさっ引いても多くの経験を積んできた熟達の人間味を感じさせ、且つそれがレイが到達したものにシンクロしてる趣がある。巨匠と言われる人の晩年期に現出するさばけた境地とでも…

ミスター・ノース 風をはこんだ男

★★ 1994年10月29日(土) みなみ会館 死期に差し掛かった老監督の夢見た古き良きアメリカ。ヒューストンはフランク・キャプラをやりたかったのだろうか…。息子ダニーの演出は確信的な錯誤をゴリ押しするパワーに欠けるので、甘ったるいだけのふやけた代物にな…

未知への飛行

★★★★ 2022年5月29日(日) プラネットプラスワン 1964年制作で同年の「博士の異常な愛情」と扱うテーマで競合・紛糾したらしい。今回初見だが、確かに構成やキャラも相当にかぶっていると思いました。基地や作戦室や爆撃機のコックピットといった限定さ…

ミミック 2

★★★ 2002年9月23日(日) トビタシネマ オリジナリティは殆ど無いにしてもこういうきっちり作られた地味暗ホラーは嫌いじゃない。主人公の女性昆虫学者の孤独感が彼女に対する怪物の想い(?)とシンクロナイズしていく展開が好み。デル・トロの1作目は未見だ…

壬生義士伝

★★★ 2003年1月28日(火) 梅田ピカデリー4 家族への深い思いと義を通すということ。前者は過不足無く中井の熱演もあり正直号泣ものだが、構成的に後者に転回していく部分が詰めが甘く舌足らず。『御法度』という曲者揃いの新撰組を見たあとでは今回は何となく…

水の旅人 侍KIDS

★★★ 1993年9月15日(水) 梅田劇場 NHK教育の幼児向けドラマのようなチープな絵作りがそれなりに味わい深く、それを全篇全うすることで題材に見合う世界を表出し得てるとは思うが、『デンデケ』以後の大林マイブーム手持ちカメラのブレ映像のしつこさが世界…

ミスティック・リバー

★★★★ 2004年1月20日(火) 梅田ピカデリー4 多彩な人物が入り乱れ拡散しまくる展開の中で緊張が持続した人間描写は、中盤で底が割れドラマの重点が絞り込まれるにつれ馬脚を現す。ふったネタを放棄したかのような展開が釈然としない。ペンもデ・ニーロみたい…

ミステリー・トレイン

★★ 1992年5月16日(土) テアトル梅田2 俺が今ここで何してる間にも見知らぬ某は見知らぬところで何しているということに諦観にも似た侘び寂び的意味を見出せなければ面白くも何ともないのだろう。最初に外してしまうと徹底的に乗れない。そういう意味で日本…

ミニミニ大作戦

★★★★★ 2004年9月13日(月) トビタシネマ 締めるべきところはキッチリ締めてるのにノンシャランな心地よさが全篇を横溢している。往年のストーリーテラーは隙が無いと今更ながら思い知らされた。場を弁え自然体に徹した3人の当世流行役者も好感度大なら演出も…

ミンボーの女

★★★ 1992年6月3日(水) 梅田スカラ座 やくざを描くに既存映画とは全く違うアプローチ。ヒロイックな虚構を廃し徹底的に貶め罰す伊丹は硬骨漢だった。ただ又も「女」シリーズの一環として製作された為にハウツー的メソッドが提示されルーティーンの陥穽に落ち…

Mr.インクレディブル

★★★★★ 2005年1月15日(土) 梅田ブルク7シアター4 家庭が平穏なら外へ飛び出せばいい。しかし、社会の基盤となる最小単位が崩壊する時代には今一度それを再構築せよということだ。保守は反転し強烈なカウンターメッセージとなるだろう。愛と連帯こそが危機を…

ミリオンダラー・ベイビー

★★★★ 2005年6月11日(土) 梅田ピカデリー1 他者のシナリオを律儀になぞるが、本質的には「物語」としてのロマンティシズムと同志愛とも言える役者達との共闘空間があれば良い。多分それがイーストウッドの純粋さであり限界でもある。それを映画と断言する輩…

ミュンヘン

★★★★ 2006年6月10日(土) シネマしんげき1 『シンドラー』の時代とは違い明快な答を出せない題材を選択したスピルバーグの立ち位置が物語的には苦しい。テロルの連鎖を断ち切る答は無く詠嘆的に鎮魂するしかない…というのは在り来たりと思う。随所の唸らさ…

ミークス・カットオフ

★★★★ 2021年10月24日(日) シネヌーヴォX 開拓期のアメリカて新天地を求めて荒野を彷徨する3家族と案内人。 なのだが、妻たちの1人、ミシェル・ウィリアムスのドレスがピンクっつーのがなんか違和感ありますな。まあ、どうでもいいけど。 こういう時代だ…

宮本武蔵 一乗寺の決斗

★★★ 1991年4月28日(日) トビタ東映 前3作を観ないでこれだけ観ても訳解るわけもなく、武蔵の懊悩や葛藤らしきものは俺の心を上滑りしていく。吐夢らしい豪快な造形美の片鱗を探し続けて観ていたが、それはラストの一乗寺下り松のモノクロの乱闘シーンまでつ…

宮本武蔵 巌流島の決斗

★★★ 1991年5月25日(土) トビタ東映 正直5部作の4と5しか観てないので入り込めないまま終わってしまった。アクロバティックな殺陣が売り物ではないと解っててもクライマックスは凡庸だし湿気ている。達観したかのような錦之介はいいが複雑怪奇な小次郎を演…

MINAMATA ミナマタ

★★★ 2021年9月26日(日) MOVIXあまがさき9 ①水俣病に冒された人たちの現実と企業との賠償闘争。 ②写真家ユージン・スミスの人となりと水俣とのかかわり。 という映画としての2つの立脚点があるのだが、ジョニー・デップが主役である以上、当然①を徹…

未来世紀ブラジル

★★ 1991年6月1日(土) みなみ会館 管理社会の風刺だとするなら直球でやればいい。鼻について仕方ない気障っぽい意匠は不要だし一歩譲っても統一感に欠ける。西洋的なものにオリエンタリズムと南米風味をトッピングすればカフカにでもなれると思ってるらしい。…

見知らぬ乗客

★★★ 1991年7月29日(月) シネマアルゴ梅田 ムード身上のチャンドラーが当然の如く機能せずプロット主導のヒッチが統御した映画は物語のロジックを喪失し寄る辺ない凡庸に陥る。出演者にも華が無い。極言すれば「メリーゴーランド」と「テニスの観客席」と「サ…

ミザリー

★★★★ 1991年8月4日(日) 新世界国際劇場 原作を読んでから見ていたら大層薄味なキングものと感じたと思う。グロとサディズムと文章上の多くのギミックをスッパリ切り捨て、平明化されたレトリックの対極の三文小説仕上げでも、それなりに見せられてしまうのが…

ミラーズ・クロッシング

★★★ 1991年9月15日(日) 新世界国際劇場 懐疑と裏切りの世界をのし上がる男にバーンが見えずフィニーも大物ギャングには見えない。ギャング映画の衣を借りて醒めた映像作りに余念がないものの俺のハートも冷めたままだった。圧倒的な見せ場が2ヶ所あるが、今…

ミスト

★★★★★ 2008年5月10日(土) TOHOシネマズ梅田6 キング初期傑作の完膚無きまでの映像化完成形。予断の範疇の臨界を微妙に行き来する出来は絶妙としか言えない。ハリウッド商業コード内で途轍もない絶望地獄を現出させたしたたかさ。ラストはギリギリの妥…

Mr.レディー 夜明けのシンデレラ

★★★ 1990年2月18日(日) セントラル劇場 「おかま」であることの本質には言及せず一昔前の調和的人情世界にしか物語が展開しないのが所詮限界とも思うが、それが一種心地よくもある予想外に良く出来たコメディ。想像以上の赤塚、小野寺等のカマ演技に俺は徒花…

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼

★★★★★ 2009年1月31日(土) トビタシネマ 手垢のついた題材だが、今更の出演者たちの置いていかれたヤサグレ感が物語の背徳と同期し未曾有の頽廃を醸し出す。特にコスナー&ハートとリンクするでもなくニアミスを繰り返すムーアの痛さが良い。そして、顕現す…

水を抱く女

★★★★★ 2021年4月23日(金) テアトル梅田2 全く予備知識なしで見たので、その強引とも言える奇想譚への置換に戸惑いつつも、骨太な描写力に持っていかれる。 【以下ネタバレです】 新しい彼氏との出会いの場で金魚のでかい水槽が割れるのだが、決して巧いモ…

ミツバチのささやき

★★★★ 1986年4月6日(日) 大毎地下劇場 1994年6月26日(日) つかしんホール 怖じることなくあらゆる対象を凝視するアナの大きな黒い瞳。その瞳にスクリーン越しに吸引される観客の視線というメタ構造の一方で映画内でスクリーンの『フランケンシュタイン』を晒…

ミナリ

★★★★ 2021年3月26日(金) TOHOシネマズ梅田6 移民した日本人たちを題材にしたものが、えてして日本人ムラの中の話になるのに対して、この家族は個で屹立している。それは、日本人と韓国人のメンタリティの違いというより、監督・脚本のリー・アイザッ…

★★ 1986年4月6日(日) 大毎地下劇場 獄中より指示しての作業でどれ位作品を支配できるのか解らぬが劇作はともかく描写は西洋文化のフィルターを通したものにしか見えなくて凡庸。切実な悲嘆や絶望は表層化され薄っぺらい。カンヌ受賞はジャーナリスティックな…