男の痰壺

映画の感想中心です

水戸黄門

★★★★★ 2022年8月9日(火) 新世界東映

恥ずかしながら「水戸黄門」の映画って初めて見ました。黄門様と言えば俺の記憶では東野英治郎のTVドラマが最古の記憶で、以下、佐野浅夫西村晃とかも演りましたが、どれもまともに見たことなんてありません。

映画に於いては、俺の生まれる前、1950年代に月形龍之介が演じた「水戸黄門漫遊記」シリーズが東映時代劇隆盛の一翼を担ったドル箱となったみたいで、本作は満を持しての決定打。初カラー、初シネスコ、オールスターキャストでタイトルも漫遊記を外してそのものズバリの「水戸黄門」1957年作でございます。シリーズ最大のヒット作らしい。

 

なんにも期待せず見たんですけど、そのゴージャスさにはほんと驚きました。日本映画黄金期の垂涎のセット美術はホント素晴らしい。普通の芝居場でもいちいちドリーを使ってカット尻を決める。ああ、映画やなーと嘆息する思いであった。

 

今回、月形より格上らしい片岡千恵蔵市川右太衛門が客演しているのも、磐石の重石の趣があり、お2人さんに各々見せ場が誂えられてるのも重量感を増量している。特に三代将軍綱吉を演った千恵蔵の万座を圧する大芝居はやっぱスゲー。

 

冒頭、綱吉治世の悪法、生類憐みの令に苦しむ民を見た黄門がワンちゃんたちを指して言う。

「助さん、こいつらの皮を剥いで綱吉に送ってやりなさい」

「えっ?」と一瞬思いましたけど、時代が違うとは言え、やっぱ黄門スゲーと思いました。

 

生類憐み布政下でのさばるワン公見て「皮を剥いで綱吉に送ってやりなさい」とにこやかに助さんに命じる黄門スーパークール。初カラー初シネスコの華やぎに千恵蔵・右太衛門の大御所両雄大芝居が格を添える。セット美やカメラワークの豪奢はザ・映画。(cinemascape)