男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【も】

モンキー・ビジネス

★★★ 2024年3月17日(日) プラネットプラスワン 驚愕させられるのはチンパンジーの演技なのだが最初の方しか出てきません。一体どんだけ熾烈な反復練習させたら、あの薬品調合のプロセスを習得できんねん。可哀想やわ。 とまあそれはさておき、企業の新薬開…

燃えつきた納屋

★★ 1974年12月22日(日) 伊丹グリーン劇場 ヴィエルニーに捉えられた雪に閉ざされた閉塞感と凍えそうな寒々しさは良く出ているものの、劇的な起伏まで閉塞されては映画まで寒々としてしまった。結局、ドロンVSシニョレのキャスティング1点頼りで、それ以上…

燃えよドラゴン

★★★★ 1974年11月3日(日) 伊丹グリーン劇場 ジャンプしての肋骨砕きとヌンチャク奪取後のデモシーンが境界線上に立ったリーの近寄りたくないオーラを纏い出色であるが、冒頭の少林寺での説法が偏執ムードで煙に巻いたのも大きい。出涸らしのチャチい物語骨格…

萌の朱雀

★★★ 1998年5月24日(日) 第七藝術劇場 既視感のある作風は侯考賢以前に作られたものならと思わされる。田村正毅の映像は狙った反ドラマチックなものを的確に収容するのだが、介入する非日常のシュールやドラマラスな恋慕を掬い切れない。抑えたトーンが何とは…

目撃

★★ 1997年5月24日(土) テアトル徳山Ⅰ 鼻眼鏡の老境演技がわざとらしいイーストウッドのキャラクターに辟易するのだが、一応、盗視場面は彼の変態底流が滲み出て見所ではある。しかし、芸の無い脚本を単に通り一遍に撮っただけ的な演出は凡庸そのものだ。無駄…

もののけ姫

★★★★ 1997年8月10日(日) テアトル徳山Ⅲ タイトルロールの割に少女サンに魅力が乏しく、テーマも人物配置も酷似する『ナウシカ』の文明と自然の共生願望に比し対立思考に終始するのが後退に感じられた。ただ、冒頭のタタリ神襲撃からしてアクションの切れは只…

モータル・コンバット

★★ 1996年3月31日(日) 徳山国際シネマ 技を持たない役者をCGでごまかしたってダメだってことを地球上の映画人たちはいいかげん気付くべきである。調子の良い音楽だけが際だって、肝心の役者達はもっそりと見たくもない大見得を切り続けるのみだ。(cinemasc…

モンパルナスの灯

★★★ 2000年12月8日(金) 動物園前シネフェスタ4 オーソドキシイな題材をベッケルが、いじり回して焦点ボケにしちまったんじゃなかろうか。モジリアニを取りまく人々がどうにも表層的で唯単に通過するのみでヴァンチュラだけが場面をさらっても仕方ない。アヌ…

モガディシュ 脱出までの14日間

★★★★ 2022年7月27日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 外国の大状況の中での自国民の小状況の物語ってことで、かつてのアメリカ映画「アルゴ」が思い出された。あれは、イラン革命の中で人質となったアメリカ大使館員たちの救出劇であったが、我田引水…

もだえ

★★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 悪い奴は徹底的に悪く描かれるのが単視眼的とも言えるが、オドロオドロしいドイツ表現主義的手法でポイントを押さえつつ描かれると何か一種の怪異譚のような高みにまで到達してるかのよう。ダークサイドな聖職者…

モンスターズ・インク

★★★ 2002年4月1日(月) 梅田ピカデリー3 余りに単調で毒の無い40年代的ハートウォーミングコメディを2001年にそのまま出してきた時代錯誤な能天気に鼻白む。「ふさふさ」で「ぷよぷよ」した可愛いモンスターと言葉が覚束ない子供のキャラクターはマー…

模倣犯

★★★ 2002年6月13日(木) 梅田劇場 市井の人々に限りない思いを寄せる宮部に対し時代の先鋭をどうしても持ち込みたい森田の思惑の結果が山崎の部分が映え中居の部分が舌足らずというのでは原作にねじ伏せられた形だと思う。犯人側の描写が薄すぎ。(cinemascape)…

盲獣

★★★★ 1993年4月11日(日) 高槻セントラル 変態世界を描くに、抑制があれば歯がゆいし露骨では痛い。微妙な距離感覚。セーブするものがあればこそ打破する越境感覚が生じるのであり、皆逝ってるのに生真面目でもある。これを見て爛熟の平成の世に乱歩を映画化…

最も危険な遊戯

★★★ 1993年11月7日(日) トビタ東映 大の大人の殺し屋ごっこ的全篇に蔓延するチャチさ・イーカゲンさを一周回して優作映画なのだからと納得させるカリスマは解ったことにしても尚けっこうダルい。有名な病院の階段に於ける手持ちの長回しは相米的に凄いけど、…

モスラ

★★ 2021年12月28日(火) 大阪ステーションシティシネマ12 幼少の頃は怪獣博士を自称し怪獣図鑑なるものを自ら制作する怪獣フリークでしたが、そんな子供心にもモスラは弱っちそうであまり好きになれませんでした。 だいたいあれは、でっかい蛾ですよね。…

モスクワ・エレジー

★★★ 2021年10月3日(日) シネヌーヴォ ✳︎今回の上映では「タルコフスキーに捧ぐ」の副題がついてましたがオリジナルでの表記としました。 ソクーロフは若手の頃、自作が上映禁止の憂き目にあった時、擁護してくれたタルコフスキーに感謝の思いがあったらし…

モンタナの目撃者

★★★ 2021年9月20日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 アンジー苦手なんですが、それでもこの映画はアンジーVS殺し屋2人の図式に収斂されるのが座りが良いと思われるんです。その為には別途に殺し屋を追う保安官がアンジーに合流して共闘するのが定石…

モード家の一夜

★★★★ 2021年7月22日(木) テアトル梅田2 これは、2日にわたり違う女と2人きりで一晩過ごすチャンスに恵まれながらなーんにもなかった男の話。 というと身も蓋もないですけど、ロメールは哲学や宗教の言句を会話の中に散りばめるというレトリックで曰くあ…

モンフォーコンの農婦

★★★ 2021年7月15日(木) テアトル梅田2 エリック・ロメールがテレビ放送用に撮った短篇ドキュメンタリーで、とある1人の農婦の日々を追ったものだが、彼女自身のナレーションでナビゲートされるのがオモロい。 「農家なんかに嫁っこさくる女子は、めった…

モーガン警部と謎の男

★★★ 2009年10月24日(土) 日劇会館 年月の経過が与えた滋味が恰も銘酒の如き味わいを醸す。それは、あくまで完全バカ映画としてのものだが…。吹き替えの絶妙な味もあり冒頭30分の爆笑頻度は凄まじい。鶴田登場から物語は定番路線で若干陳腐化。関川演出は…

燃ゆる女の肖像

★★★★ 2020年12月23日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 相手のことを見つめる視線。 前半は、その凝視する視線が映画のエモーションを規定する。サスペンスフルでさえある。 構成としては「ブロークバック・マウンテン」を想起させる。時代がそれを許さ…

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 少年の母への過剰な反撥へ共感も無く、一転しての心の融解は余りに形骸的。全篇を占める心の触れ合い旅路はトリッキーな設定だが心揺さぶるほどの挿話は遂には見当たらない。こんな勘違いガキに付…

燃える勇者

★★ 1982年1月5日(火) トーエイ伊丹 列車を使った活劇を軸にマジに本格アクションを志向する気概は買いたいが、余りにアホな設定に説得力ある筈も無く、肝心のアクション自体も今いちのふやけ具合。カッティングのリズムが悪くギクシャク感がある。遊び代無い…

桃尻同級生 まちぶせ

★★★★ 1982年1月24日(日) ダイニチ伊丹 しんねりむっつり型ロマンポルノの対極的コンセプトの下西岡琢也が『ガキ帝国』以来の里帰り大阪話ではじけまくる好脚本でロマンポルノのマキノ(?)こと小原演出も乗りに乗った好篇。面白すぎ。そして、森村陽子ちゃ…

真夏の夜のジャズ

★★★★ 2020年9月27日(日) シネリーブル梅田4 ジャズに余り興味もないし、造詣もないのでわからんが、60年のこのフェスはジャンルミックス的な混沌を呈している。ゴスペルや前衛やロックやソウルの始祖が入り乱れている。 ニューポートでのジャズフェスの…

もっとしなやかに もっとしたたかに

★★★★ 1982年8月20日(金) 毎日ホール 無気力・無責任とまでは言わないが本質にそういった資質を色濃く内在させる脚本で、起承転結が無くダラダラだが結構色々起こる平凡男の日常がノンシャランで良い。奥田十八番の受動的で取り柄無きうらぶれ男も良いが藤田…

モンスターズ 地球外生命体

★★★★ 2013年2月14日(木) トビタシネマ 惨状想定のロケ努力は尊重するが、所詮「ふーん」としか思えない。しかし、已む無く行動を供にする男女という青臭くもトキメく設定が物語を一応牽引。そんな2人が事後の算段から解かれ今の想いに身を委ねる、その契…

もう頬づえはつかない

★★ 1981年4月11日(土) 梅田コマシルバー ろくに何もないストーリーであるからこそ日常の些末なリアリティこそが命の映画だろうに、女子大生に桃井ではリアルの欠片も無く森本レオにしたって如何にもであざとい。何より四畳半的ムードが70年代末の空気と…

モリツリ 南太平洋爆破作戦

★★★ 2020年2月2日(日) プラネットスタジオプラス1 マーロン・ブランドとユル・ブリンナー共演の戦争映画って割には、「モリツリ?なにそれ」って感じで知らんかった。 見て成る程と思った。地味です。そして、たぶん低予算映画だ。 「南太平洋爆破作戦」…

もらとりあむタマ子

★★★★ 2013年12月14日(土) テアトル梅田1 丁寧な仕事だし山下の印も過不足無く織り込まれた或る意味全うされた作品だが、だから何なのと言いたくもなる。プロモ的素材ということで『四月物語』を思い出したが、タマ子を松たか子のように愛でる訳にはいかな…