男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ろ】

64 ロクヨン 前篇

★★★★ 2016年6月5日(日) MOVIXあまがさき9 男が理のないことを通せざるを得ないとき、すり替えギリで搦め手から感情論でゴリ押しに突破する様を真正面から描く。映画は仕方ないことだと共感を漲らせている。警察機構のヒエラルキーと摩擦を多くの顔に味あ…

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

★★★ 2016年12月18日(日) MOVIXあまがさき11 少なくともエピソード3のラストの円環への感慨以上の直結を見せる本作の終盤は涙腺を刺激する。 俺は「シン・ゴジラ」以上に「ODZILLA ゴジラ」を買っている偏屈人間なのでギャレス・エドワーズ…

ロスト・バケーション

★★★ 2016年8月1日(月) TOHOシネマズ梅田6 この設定でこうなるとの予定調和から些かの逸脱も無いし見せ方に於いてショットの連鎖が勢いの域に安住し怠惰である。終局の展開は不親切というより思い上がりだ。端末大好き僻もどうかと思う。ただ空…

ロミオとジュリエット

★★★★ 1974年11月23日(日) 伊丹グリーン劇場 1990年3月31日(土) 朝日会館 それほど感興が涌かない古典題材もアイデア次第で蘇る。役柄と実年齢が同じ少年少女を使ったという一点でこの映画の勝ちが決まった。若さの弾けんばかりの瑞々しさが画面からほとばし…

ロブスター

★★★ 2016年10月22日(土) 新世界国際 不条理とは揺るがない条理が確立されている世界でしか成立しない。 カップルであることを強いられることは少し前までは条理であったのだが、作り手世界観の中では不条理であるらしい。 結構な予算を費やした映…

RONIN

★★★★ 1999年7月20日(火) ホクテンザ2 金で雇われるプロが身ひとつで渡り歩く孤独の中にも依って立つべき連帯意識はある。欧州ムードが孤独を際だたせる中デ・ニーロとレノが抑制された演技で中心軸を形成する仄かな友情。描くべきが決まればマクガフィンも…

ロング・キス・グッドナイト

★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅡ コミックの王道とでも言うべき設定は置いといて所詮お手盛り夫婦の出来レース的な雰囲気が致命的なのだ。ジーナの勘違い女王様的な立ち居振る舞いが興を削ぐ。それを又ハーリンが太鼓持ち宜しく不必要過分な火…

ロミオ&ジュリエット

★★★★ 1997年5月25日(日) 岩国国際劇場 ビデオクリップめいた演出は多少鼻につくものの、今更の古典を再映画化するには、枠組みに対してこれ位壊滅的な破壊操作があった方がいい。一方で台詞の温存という自己制約を課したラーマンの矜持。躁状態下の青春劇と…

ロスト・ワールド ジュラシック・パーク

★★★★ 1997年8月10日(日) テアトル徳山Ⅰ 焦らしと溜めを意識した1作目のオーソドックスに比し、こいつは兎に角くどいまでの恐竜出まくりの満喫感。緩いカンディからカミンスキーに代わりフィルムの深度が増幅。終盤は『キングコング』や『ゴジラ』へのリスペ…

ロミオ・マスト・ダイ

★★★ 2000年5月29日(月) ユナイテッドシネマ岸和田8 撮影監督として多くの良作を手掛けてきたバートコウィアクが監督になってまでやりたかったがこれかよ…とまでは思わない…が目配りが効いたハイエッジな撮影に比しての余りに安易なCG。それは自身への又何…

ロリータ

★★★★★ 1995年1月21日(土) 扇町ミュージアムスクエア キューブリックは少女愛にも中年男の転落譚にもさほど関心は無い。状況の流転を冷めた悪意で見つめるだけ。今となっては陳腐な物語をそれでも通用するものにしているものがあるとするならセラーズの存在。…

ローカル・ヒーロー 夢に生きた男

★★★ 2022年8月18日(木) シネリーブル梅田1 よくあるスローライフ提唱映画の1つなんだろうが、田舎はいいなあってだけでは、汚れ切った俺の心は動くはずもないんです。 それなりに評価されてるみたいで、何かあるはずと踏んで見に行ったが特に何もなかっ…

ロックン・ロール・サーカス

★★★ 2022年8発31日(水) シネリーブル梅田1 なんでも1969年に作られたものの30年お蔵入りになってたTV作品だとかで、ストーンズがロックとサーカスがフュージョンしたらおもろいやんとの天啓を受け撮られたもんらしい。申し訳程度にサーカス芸人の…

ロビン・フッド キング・オブ・タイツ

★★★★ 1994年3月21日(月) 新世界国際劇場 企画の由来からして素晴らしく幼児的なのだが、知性の欠片もみられないギャグが低位で間断なく持続して全く緩まない。弾け切らないのも確かだが、ずーっと薄ら笑いしてられる心地良さ。尖ってないのが微温湯的に安心…

ロス市警特捜刑事 惨劇のX'masイヴ

★ 1994年4月3日(日) 新世界国際劇場 鮮烈なデビューを果たした男が全然鮮烈じゃなくなり、後に輝く女は一向に光らず、七光りの娘は何がしたくて監督にまでしゃしゃりでたのやら全くわからない。素晴らしいまでのクスブり集合体だが、本人たちに自覚がなく自…

ロアン・リンユィ 阮玲玉

★★★ 1994年4月10日(日) みなみ会館 丁寧に撮られた力作だが実人物のインタビューや現存フィルムとの錯綜が虚構を顕在化させるだけに終わってるし、矢張りマギーは線が細く当初のアニタ・ムイで撮るべきだった。何より好いた惚れたの数多のバックステージもの…

ROCK YOU! ロック・ユー!

★★★★★ 2002年1月17日(木) 新世界国際劇場 階級差を軽々と越境していく展開が調子よすぎて衒いなく爽やかで気持ちいい。チョーサーの造形を初め混濁する虚実は大観衆のクイーン熱唱に至って周回してピタリ収まる。脇の脇に至るまで書き込まれた役が全て味があ…

ロケーション

★★ 1994年7月10日(日) 日劇会館 いい加減な話を成り行き任せで為すがままにやってたら、驚いたことに傑作が出来ちまったと映画内ではなってるのだが全然そう思えないのでド白けてしまう。貧乏なロケ隊の話が画面まで貧乏臭くて救われない。後半の展開は虚実…

ロード・オブ・ザ・リング

★★★ 2002年3月8日(金) 梅田ピカデリー1 旅の仲間達が、どいう絆で集まり心が結びついていったのか皆目解らないので友情だとか突然言われたって白けるだけ。深みがあるらしいエフェクトも暗さで誤魔化されてる気がする。只、旅の宿や廃鉱の洞窟やミスリルの…

ロック・スター

★★★★ 2002年3月13日(水)~14日(木) ホクテンザ2 俺の居場所は此処ではない何処か幻想の虚と実を体現するスポール。その決め台詞 のリフレイン。ダサいとイケてるを往還するウォールバーグの天然。定番のバックステージ展開を補完するリアリズムがサビを効か…

ロードキラー

★★★ 2002年4月5日(金) 新世界国際劇場 序盤のサスペンス醸成には全く唸ってしまった。今風の小手先の映像術ではなくオーソドックスな正面突破の安定感。ジョン・ダールはわかってると思う。ただ、惜しむらくはこの手の題材は『激突!』という先達の前で何を…

ローラーボール

★★ 2002年7月21日(日)~22日(月) ホクテンザ2 70年代であるならば未だしも意味を持ちえた「反権力」を21世紀の映画に於いて何の工夫も無くトレースする錯誤感と肝心の「ローラーボール」のゲームがチマチマして局所的な描写に終始するのが救われない。(…

ローズ

★★★ 1993年1月23日(土) 毎日文化ホール 1級のスタッフで時代色再現にはぬかりなくライブシーンも上出来なのだが、どうにも話がグダグダで堕ちていくことへのロジカルな考察を欠き何の感興も涌かない。現代的消費文化としてのロックシーンでは夢が無さ過ぎる…

ロード・トゥ・パーディション

★★★★★ 2002年11月4日(月) 梅田ブルク7シアター6 この親爺のような生き様を息子に見せたく、このガキのように逞しく生きていって欲しいと息子達には思う。正直ツボにはまってしまった。コンラッド・ホールの撮影が良く見えるとしたら、今のプラスティックな…

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔

★★★ 2003年3月7日(金) 梅田ピカデリー1 絶対悪を設定し厭戦論者も消極派をも戦いに駆り立てる構図に時節柄キナ臭いものを感じた。キャラや背景の造形に腐心する余りに展開はおざなりで多分に予定調和。空撮多用もフレームで切るという可能性を閉ざす。パラ…

ローデッド・ウェポン1

★★ 1993年8月10日(火) 新世界国際劇場 ネタがつまらんことは我慢しようがあってもパロるだけてことを済まそうってな志が低すぎて萎えた気持ちは奮い立たせることは適わない。肝心の『リーサル・ウェポン』を見ていないことを割り引いても低度な出来。タイト…

ロボコップ3

★★★ 1993年8月15日(日) 新世界国際劇場 圧政とゲリラ化した地下組織という定番未来図にロボコップ新機能が空飛ぶと来れば有り勝ち過ぎでゲンナリだが、オムニを買収したのが東洋系企業カネミツと言うのが新基軸で面白く黒幕マコ岩松も力演。悪玉東洋人サイボ…

ローラ

★★★ 1993年9月25日(土) シネマヴェリテ クタール撮影はモノクロの粋だが、あっちへふらふらこっちへふらふらの主体性にも行動力にも欠ける主人公が結局フラれるだけの話を幾ら感傷的に修飾して撮ったって何も観る者の心には沁みない。頭からケツまで思い込み…

ロッカーズ ROCKERS

★★★ 2003年10月25日(土) シネリーブル梅田2 映画を撮るのに何をしたいか明確に解ってることは強みであり、ただただ仲間への思いを刻んでおきたかったということなのだろう。そこに懺悔も禍根も無く真摯なリスペクトだけがあるらしいのが一本気で気持ちいい…

ロッキーⅥ

★★★ 1992年4月21日(火) シネマヴェリテ 戦車に向かって竹槍で挑む無謀は愛おしくもあれど、パロディにもなっていない展開はシュールにも振り切れず、当然の如くオチない結末。正直カウリスマキの脳内構造を懸念させるが、その懸念こそカウリスマキをカウリス…