男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

ネオン・デーモン

★★★ 2017年1月13日(金) 大阪ステーションシティシネマ2 成り上がりモノとしての体裁を保っている前半は演出も硬質にエッジが効いており良いのだが、後半、構成上の破綻が演出も浸食しグダグダ感が弥増す。 もちろん、意図された破綻なのだろうとは思う。 …

ルーム

★★★★ 2016年7月23日(土) 新世界国際劇場 映画は男を放逐しガン無視する。ひたすらに母息子に寄り添い寡黙だが真摯な視線で見守り続ける。そういうスタンスが心から的確と思う。色々あっても子はやがて母親を乗り越えていくだろう。理解と成長が世界を変容…

ミニー&モスコウィッツ

★★★★★ 2024年2月12日(月) プラネットプラスワン 【ネタバレです】 前代未聞の卓袱台返しが呈される。最初は唖然として、次にざけんなと腹が立ち、でも何日かしてカサヴェテスの全てを肯定する包容力に平伏す思いに至った。 例によってしんどい状況が繰り広…

犬神家の一族

★★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 泥々の因縁話を欲の皮の突っ張り合い程度で茶を濁した感があり本質は遠ざかる。ジャパネスクと崑テクの融合はコンセプトは明快だが、腐乱死体の湖中ショットや金田一閃きの3連繋ぎなど冴えた断片が馴染みきれてない…

皆さま、ごきげんよう

★★★ 2017年1月14日(土) テアトル梅田2 ドリフのコントのようでもあるしシュールな寸劇がブニュエルの「自由の幻想」のリニューアルバージョンのようにも見える。 特に安い中世挿話から展開するのが意識的なのか?。 概ね映像主義的作風からは遠い。 相当…

夜明けのすべて

★★★★★ 2024年2月15日(木) TOHOシネマズ梅田9 「ケイコ」に続いて又もや何らかの生きづらさを抱えた者たちの話かいな、三宅唱は才能あんねんから題材の方向性を何某かに偏向していってほしくないなー、と一抹の懸念をもって見たのだが、それでもやはり…

バルカン超特急

★★★ 2024年2月5日(月) プラネットプラスワン イギリス時代のヒッチコック作品としては圧倒的高評価を得てる作品みたいだが、設定が全てであって、画面内に映り込んだものが物語を離れ自走しだして意味を帯びるような後期作品の絶対性には遠いと思いました…

ちはやふる 上の句

★★★ 2016年4月19日(火) TOHOシネマズ梅田6 可愛く元気でちょいドジという少女漫画の鉄板キャラを広瀬すずが見物とさえ言える熱量で演じるが、それでも尚ルーティンで退屈。カルタなのにスポ根もどきの作劇構成も『シコ』・『ピンポン』といったジャンルの…

続 青い体験

★★ 1976年8月21日(土) 伊丹グリーン劇場 どうにも慎みというものがイタリアン小僧には無いので、生さぬ恋の暗い情念などが発生しようもなく、大体モモ如きボンクラが両手に花の美味し過ぎる環境に置かれるのは映画とはいえ理不尽に過ぎる。その物語的怠惰を…

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

★★★ 2017年1月14日(土) 大阪ステーションシティシネマ2 終盤でテロリストの機関銃搭載のジープが爆撃後の現場に通りかかる。 瀕死の少女を抱えた両親が懇願し彼らは機関銃を降ろし少女を運ぶ。 辛うじてのニュートラルな描写だと思った。 言うたら、こん…

獣は月夜に夢を見る

★★★ 2016年7月23日(土) 新世界国際劇場 ジャンルムービーとして新しい見どころは取り立てて無いのだが北欧の漁村の寒々しい風情が良い。特に地場の水産加工場を主舞台とした点で虚構は生臭いリアリズムを足掛かりに土着的なフォークロワへと近似する。主演…

ジーザス・クライスト・スーパースター

★★★★★ 1976年8月29日(日) 元映 1980年5月21日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 魂の相克と言うに偽りないソウルフルシャウトの連続で「今宵やすらかに」を筆頭に感涙ものの名曲揃いだ。演出はアイデアに富み歌詞イメージを時空を超え延伸させる。キャステ…

バーバリー・コースト

★★★★ 2017年1月14日(土) プラネットスタジオプラス1 冒頭に未開のサンフランシスコに着いた彼女が婚約者の死を知らされ尚居残ることを決辞する件で決定的な文学的な台詞が曖昧さを糊塗する。 やってくれるなと思う。 エドワード.・G・ロビンソンの片耳イ…

アルフレード アルフレード

★★★★ 1976年8月29日(日) 元映 この世の異界に引き込まれてしまったかの如きシチュエーションは伊映画界にひとり放り込まれたアメリカ人のホフマンだからこそ醸し出せた味だったかも。女難と離婚のジェルミ自家籠中題材への執念を感じるしサンドレッリの可愛…

ファインディング・ドリー

★★★ 2016年7月27日(水) TOHOシネマズ梅田1 ドリーの故郷の設定は物語の必然というより後付けだ。人工的箱庭世界の方がアクションのプロットを立て易いからだろうが正直退屈。前作のワンダーは消失した。生き別れの子を暗い近海水域で待つ親の想いにもスト…

瞳をとじて

★★★ 2024年2月11日(日) 大阪ステーションシティシネマ6 冒頭、フィルムで撮影された一幕があり、おお、爺さんやっぱフィルムに拘ってるんや、昔と同じ感触のエリセ映画が蘇ってるわと思ったんですが、それは映画中映画の1幕であることがわかり、以降の現…

ストップ・メイキング・センス

★★★★★ 2024年2月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 正直、トーキング・ヘッズにほとんど関心もなかったし、故に楽曲も全く知りません。にもかかわらず、この映画には興奮した。噂に違わぬ傑作だと思います。 「博士の異常な愛情」が印象深いパブロ・…

罪と悪

★★★ 2024年2月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 和製「ミスティック・リバー」と言われてる本作ですが、そもそも少年時代のトラウマが大人になってから何某かのドラマを起動するってのは、相当にやり尽くされた大枠であり、そんな袋に何詰め込ん…

僕らのごはんは明日で待ってる

★★★★ 2017年1月7日(土) TOHOシネマズ梅田9 後ろ向きで奥手なダメ野郎に可愛い積極女子が猛アタックという、男にとっての理想郷が描かれるのだが、原作者が女性なのが自慰行為的キモさから回避させている。 終盤で男が言う。 「俺はお前がいてくれたから変…

ニュースの真相

★★★★ 2016年8月8日(月)大阪ステーションシティシネマ5 調査委員会でのケイトの最後っ屁にせよ仕掛け人女房のお門違い罵言にせよ、何ぬかしとんねん的すり替えだが、マスメディア論として全く正しいところが本作の絶妙なバランス感覚なのだ。負け戦を描く…

エマニエル夫人

★★ 1975年9月7日(日) 伊丹グリーン劇場 哲人めいたアラン・キュニーによって語られるその実ウブな女を淫乱に導くだけな中途半端な文学臭と、ソフトフォーカスの小綺麗な異国情緒が女たちを大挙して映画館に向かわせた功績は多少認めても、肝心のクリステルが…

ザ・スクワッド

★★★ 2017年1月7日(土) 梅田ブルク7シアター5 何だか並の映画でがっかりした。 なぜかと言うとこの映画の監督のバンジャマン・ロシェという人の「ザ・ホード 死霊の大群」を俺は一まで見たゾンビ映画中で5指に入る出来だと密かに今まで思ってたからだっ…

007/死ぬのは奴らだ

★★★ 1975年8月10日(日) 伊丹グリーン劇場 それ以前も大概大味になってきてはいたのだがロジャー・ムーアをボンドに選択した時点でシリーズは「秘密情報部員」と言う語感が持つ60年代的冷戦下の世界観から断ち切られた。Mやマネペニーとの対面が楽屋落ち的…

シング・ストリート 未来へのうた

★★★ 2016年8月8日(月) シネリーブル梅田2 親の不和にせよ学校でのイジメにせよ総じてライトだし閉塞打破の方途としての音楽もパンク以前グラム未満な半端さで強固なメッセージがあるわけもない。行く先を失しレコードに埋没する兄は弟の何に仮託したのか…

哀れなるものたち

★★★★ 2024年2月日(土) MOVIXあまがさき7 ビクトリア朝時代ということだから、19世紀末から20世紀初頭の話なのだが、多分にパラレルワールドめいた奇想的な美術・衣装が施されている。ランディモスのこれまでの作品も奇想を旨としてきたけど、意…

セトウツミ

★★★★ 2016年8月8日(月)テアトル梅田1 会話の間が命のオフビート漫談なら演出は下手な手出しはせぬが無難なのだが結構手を出しスベらないのが意外だった。大森はハードル高い仕事を完遂したと思う。現実世界では内海のようなキャラに瀬戸のような友達は出…

聖杯たちの騎士

★★★★ 2017年1月7日(土) シネリーブル梅田3 映画脚本家を主人公にしてるのに、「8 1/2」的な映画製作の悩みではない。 そこがつまらない上に、もうどうでもええやんけってなくらいに過去の人間関係にイジイジと拘泥する。 父親・兄弟・別れた妻・不倫の愛…

神の道化師、フランチェスコ

★★★★ 2024年2月4日(日) シネリーブル梅田4 キリスト教への懐疑や絶望を映画は往々にして取り上げるし、「道化師」という邦題から皮肉めいたものを予想していたのだが、教義に対して一片の迷いもない肯定的なものだった。そういう映画だと判るのに見終える…

カラオケ行こ!

★★★★ 2024年1月28日(日) MOVIXあまがさき5 牽強付会もええとこの初期設定であり、そこをどう乗り越えるんやと思っていたが、最初のカラオケルームでのボケツッコミが恐ろしくローキーに弾けない様を見て、関東人の綾野と齋藤潤くんのペアへの懸念が…

サーカス

★★★★★ 1975年8月15日(金) 梅田地下劇場 1976年1月5日(月) 伊丹グリーン劇場 1976年1月18日(日) ビック映劇 地上10数メートルの綱上で猿に顔面を覆われて平然と命綱を外す芸への矜持があるからこそ、この厳しいまでの孤独感の表現に納得させられる。チャッ…