男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

ドミノ 復讐の咆哮

★★★ 2011年1月14日(木) 新世界国際劇場 「パッション」以来6年ぶりのデ・パルマ作品ということなんだが、4つ巴の話の軸が定まらないまま流されていく感じだ。 相棒を殺された刑事、父をイスラム過激派に殺された元特殊部隊の男、イスラム過激派、CIA…

逃がれの街

★★★ 1983年10月26日(水) 伊丹グリーン劇場 平素な日常も板子一枚下は地獄という話は魅力的。警察の職務に徹したプロ意識もやくざの徹底した非情さも申し分ない。ただ、脚本が不出来で転調する前後半のジャンクションが欠落してるので印象が散漫。(cinemascap…

神々と男たち

★★★ 2011年4月9日(土) 梅田ガーデンシネマ2 「神々と」と言う割には高次な命題ではなく、曳かれ者の小唄的に矮小な世界観にしか立脚していない。それでも、「白鳥」の余りにと言うしかない自己陶酔なセンチメンタリズムの強引な押し付けには若干捻じ伏せ…

地獄に堕ちた勇者ども

★★★★ 1983年1月19日(水) サンケイホール 多重テーマを容易ならざる重層構造で描くが、「リア王」に於ける王不在の中で悪女の傀儡たるボガードが牽引するのが物語構造として如何にも弱い。しかし、替わって魑魅魍魎のようなホモセクシュアルを前面に突出させ…

ザ・ファイター

★★★★★ 2011年4月9日(土) 梅田ガーデンシネマ1 彼女は彼氏に、妻は姑に、弟は兄貴に、皆腹に溜めた蟠りを吐き出す物語であり、それが人間関係を壊すのでなく礎となり相互信頼を築いていく。これは理想郷。遠慮と躊躇が支配する多くの都市型コミューンが崩…

生きてはみたけれど 小津安二郎伝

★★ 1983年12月7日(水) ビック映劇 名場面集などTVドキュメントで充分なのであり不要。思い込みや決め付けでもいいから客体をひっぺがす力業がないと意味が無い。俳優・監督・評論家たちの手垢ついた証言はコラージュでさえなく凡庸に並置されただけ。作品…

バーレスク

★★★★★ 2011年4月23日(土) 高槻セレクトシネマ1 1人のタレントを活かす為だけに奉仕するプロットが連なる快感。陳腐を恐れぬトラッキングやズームのカメラ使いと編集のカットバックも強度抜群。男はあっさり許されライバルも難なく復帰。その成し崩しな終…

歴史は夜作られる

★★★ 2021年1月11日(月) プラネットスタジオプラス1 夫婦や恋人といった男と女の間には、たいてい2人にだけしかウケないパーソナルな思い出みたいなのがあって、映画はそこらへんを具体的に且つロマンチックに造形・創出することでご婦人方のハートを鷲掴…

未完の対局

★★ 1983年1月23日(日) 伊丹グリーン劇場 三国と孫演じる世代の話は2人の役者の重厚さも相まりまあまあ見せる。しかし紺野と沈の若い世代の話になると役者陣の薄さもあり内容的にもふやけて映画は細っていく。実力者揃いのスタッフだが合作の弊害を純彌では…

SOMEWHERE

★★ 2011年4月9日(土) 梅田ガーデンシネマ1 ガーリー作家の描く「男」の喘ぎの何たる形骸。空っぽバカ男の涙の1人よがりを如何にもと描くソフィアの男を見る眼に人事ながら心配を覚える。シークェンスごとに詠嘆的間合いがあるが空転し詩的でもない。エル…

エスピオナージ

★★★★ 1983年3月12日(土) シネマ温劇 冷戦下のスパイ戦の欧州を舞台に展開する様が、アメリカンドライではなく英仏の呉越同舟的どんより関係を軸にすすみ秀逸極まりない。娯楽職人ベルヌイユの技も冴え駆け引きの応酬は薩夫チック。主要キャスト4人中ブリン…

Swallow スワロウ

★★★★★ 2021年1月5日(火) 梅田ブルク7シアター4 何度か見ていた予告篇から受ける予断は、異物食がエスカレートしてリンチやクローネンバーグ的に不条理に振れていく展開であった。腹の中で釘や押しピンが人体を侵蝕しメタモルフォーゼが始まる、みたいな…

キラー・インサイド・ミー

★★★★ 2011年5月7日(土) シネリーブル梅田1 一定の論理に準拠するかに見えつつ結局何が何だかさっぱりと言うサイコの心理的な綾が微妙だし、中庸だがシャレっぽい語り口も微妙。体を張った2大女優の圧倒的エロスは空転し収束される深淵も無い。描かれるべ…

白いドレスの女

★★★★ 1983年2月9日(水) 伊丹ローズ劇場 新人監督による絵に描いたように巧い50年代「ファム・ファタール」ミステリーの再現に酔うが、オタク的なオマージュに終わらないのは渇いた色気の大女ターナーのプレーンな美貌とド迫力の賜物。(cinemascape)

死にゆく妻との旅路

★★★ 2011年4月23日(土) 高槻セレクトシネマ2 ブイブイ言わせてるときだと鬱陶しいとしか思えなくとも、クスブって受けに立ち行き場を無くしたときから最上の連れ合いとなる。孤絶した刹那な世界に埋没し破滅へ向かう旅路への仄甘い誘い。後暗い共鳴を覚え…

ベロニカ・フォスのあこがれ

★★★★★ 1983年5月23日(日) 梅田ロキシー ドイツ版『サンセット大通り』を、光と影の極度なコントラストや技巧の粋を行く多くの小道具等、意識的に刻印された戦前ドイツ表現主義の残滓で縁取り、一方でシークェンスごとの情感は遍く濡れている。更に得意の退廃…

ブルーバレンタイン

★★★★★ 2011年5月7日(土) 梅田ブルク7シアター4 剃刀で切られるような進行形現在に寄り添う長焦点カメラの優しさが寧ろ痛ましい。ラブホ浴室でのピン送りはアイデアではなく必然。敷衍される過去が内包する破綻の萌芽が哀しい。だが、それでも皆生きてい…

愛情物語

★★★★ 1983年3月1日(火) 伊丹ローズ劇場 陳腐化を免れて輝きを持続する奇抜は希なのであって、豊穣な資本に裏打ちされた王道な通俗ドラマは永遠性を保持する。ジョージ・シドニーの奇を衒わない作風と物語に対する確信の強度は並ではない。趣味ではないが認め…

新感染半島 ファイナル・ステージ

★★★ 2021年1月3日(日) MOVIXあまがさき3 祖国が消失し国民が流浪の民となる。「日本沈没」後日譚のような発端。そして、ゾンビたちに占拠された半島にやむなく命じられて舞い戻る「ニューヨーク1997」な設定。 どちらも、大構えな活劇要件を充足…

レインマン

★★★ 2011年5月7日(土) TOHOシネマズ梅田10 疾走する車から見る架橋の光の燦ざめきどまりの娑婆感覚。場当たりなカジノシーンでしか活きない天才設定。投げ棄てられたビジネスの苦境。杜撰な構成が無理矢理お涙で隠匿されそうな不快感。ただ、こんな…

ビッグ・アメリカン

★★★ 1983年3月12日(土) シネマ温劇 伝説の領域に降り立ったニューマンを皮相的に伝説否定の表舞台に立たせる諧謔がらしいと言えばらしい。停滞しまくる展開は盛り上がらなくもそれこそ意図であったろうが、未だ欠けたのは滋味と余裕。ところどころ良いところ…

八日目の蝉

★★★★★ 2011年5月28日(土) 梅田ブルク7シアター3 今更コンセプトの作劇かと思うそばから拡散し逸れていく展開を要所で締める小池や余の重石としての存在の快楽。その役者陣の間隙を貫く若き井上真央の圧倒的スーパークールな佇まいこそ肝だろう。ベタにな…

男はつらいよ 柴又慕情

★★★ 1983年3月16日(水) 伊丹ローズ劇場 吉永小百合が頑固親爺に悩まされる素直な娘を好演しているものの、素直に相談相手として寅を慕うだけで色恋は何にもない。寅も約束事としてふられては見せるが如何にもとってつけたようだ。そういう淡泊な予定調和には…

パラダイス・キス

★★★★ 2011年6月11日(土) なんばパークスシネマ4 抑圧から自立へ向かう少女の葛藤が所詮は受動的であっても、穴が多い構成がマニュアルな感動へと強引に収斂されても俺はかまわない。この怒り、泣き、笑う景子ちゃんの顔面ショーの感動。特に終盤は今の彼…

評決

★★★ 1983年3月18日(金) SABホール ニューマン演じる主人公は当て書きとも言える完膚無きまでの定型キャラであり、意外性の欠片もない。その辺が全く物足りないのだが、ウェルメイドな法廷劇なのだろう。全面否定する気もない。(cinemascape)

ソング・トゥ・ソング

★★ 2020年12月26日(土) シネリーブル梅田4 タイトルの割に音楽は蔑ろである。 曲に合わせたエモーショナルな編集とかは、テレンス・マリックに端から期待もしてないが、それにしても殆ど効果音程度の扱い。 物語は女1人と男2人の3角関係、そしてその3…

フォロー・ミー

★★★ 2011年5月28日(土) TOHOシネマズ梅田10 主人公の孤独感の要因たる階級社会へのアンチテーゼは結局提示されぬまま、緩い恋人ごっこに埋没する世界の行き詰まり。マゾヒスティックに耽溺するなら未だしも、迎合的半端な結末は老リードの限界だろう…

小説吉田学校

★★★ 1983年4月11日(月) 伊丹グリーン劇場 森繁の渾身な成りきりこそ見物だが、クソ真面目な森谷に山本のような寝技が出来得る訳なく抑揚の無いエピソードの断片的なつなぎ合わせに終わった。角栄・佐藤・中曽根など不要で三木武吉との確執こそど真中に据える…

クロッシング

★★★★ 2011年5月28日(土) トビタシネマ 律儀すぎてソダーバーグやPTAのような混沌の巨視感には及ばないが、世知辛くも気合充満の破滅譚。ギアの顛末への古式的志向も案外に好みである。何より隠し玉としてのバーキンのドスやスナイプスの鈍重。やってく…

約束のネバーランド

★★★ 2020年12月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ9 金髪のヅラかぶったジャパニーズ少年少女がエマとかノーマンとか呼び合う世界に激しく拒否反応を覚えそうであったのだが、北川景子と浜辺美波に釣られて気づいたら映画館に座っていました。 【以下…