男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

星の子

★★★★ 2020年10月25日(日) MOVIXあまがさき2 多分そうなんだと思いつつ、でもできるだけ目を背けて生きてきた。回りの友だちとかも、なんとなく知ってるけど、あまりそのこと話題にしないようにしてくれてた。 そんな彼女が、生まれて初めて剥き出し…

犬の首輪とコロッケと

★★★★ 2012年2月13日(月) 梅田ブルク7シアター5 犬畜生扱いされる在日のアイデンティティはシャレで躱して、ひたすらに「喧嘩」→「彼女」→「漫才」という目の前にある日常の最重要項目に対峙し脇目を振らない前向き姿勢に打たれる。3番煎じな題材だが地…

レイダース 失われたアーク〈聖櫃〉

★★★★ 1982年1月7日(木) 北野劇場 冒頭アマゾン密林で見せるインディの鞭捌きのシャープネスがキャラ確立した時点で映画は勝利した。張ボテ岩石はじめ廉価装置は矢継ぎ早戦法で粉飾される。エログロや時代のロマンティシズムや深遠な懊悩に背を向け一気に駆け…

シカゴ7裁判

★★★ 2020年10月24日(土) テアトル梅田2 市民運動団体のリーダーであるジョン・キャロル・リンチが裁判所の余りの横暴に激昂して官吏をぶん殴って拘束される。非暴力を家族に誓ってデモに参加した彼は傍聴席にいる妻と幼い息子に哀しげな視線を送って退廷…

ザ・ウォード 監禁病棟

★★★ 2012年1月21日(土) 新世界国際劇場 題材といい観客を置いてけぼりにする短兵急な展開といい80年代に量産されたイタリアンC級ホラーを髣髴とさせる。真摯に撮ってそうなるナイス爺さんカーペンターの真骨頂は夢幻に揺蕩うかの如きダンスシーン。ただ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…

三人の妻への手紙

★★★★ 2020年10月24日(土) プラネットスタジオプラス1 全篇にわたり、不在の女性“アディ・ロス”の名前が亡霊のように映画を支配する。人の口端にその名がのぼるたびに語感の良さもあって観客の脳裏に刻印される。「第三の男」のハリー・ライムや「ユージュ…

サウダーヂ

★★★★ 2012年2月13日(月) シネヌーヴォ 閉塞感が絶望や破滅みたいな高度成長やバブルの合せ鏡ではなく、ここから始める者の視点で認知されている。そのマスなカオスを描く筆力に唸りつつ、マグマがプチ噴火に終わるのが矢張りもどかしい。「鉱水」や「ライ…

男はつらいよ 寅次郎紙風船

★★★ 1982年1月17日(日) 伊丹ローズ劇場 「男」から「父」への変遷の端境期に登場した『寅次郎頑張れ!』と似たマドンナ2枚看板で音無も岸本も良いだけに、どっちつかずに分散した構造が惜しい。シリーズ中興の80年代作中出来の良い部類だと思う。(cinemas…

ストレイ・ドッグ

★★★★ 2020年10月24日(土) 大阪ステーションシティシネマ11 ズタボロになって、人生の終焉を覚悟した主人公が思いの丈を遂げる。 男の主人公であれば、この設定は珍しくないのだが、ニコール・キッドマンが演ったところがミソで、そのあまりのズタボロさ…

J・エドガー

★★ 2012年2月13日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 今更、チビでデブでハゲでマザコンでゲイだからといって何だと言うのか。申し訳ないが10年古い。語るべきはアメリカ近代史への言及であり、そこへの歴史的関与のダイナミズムで、垂れ流し的な点描…

汚れなき悪戯

★★★★ 1982年1月23日(土) SABホール なかなか心底からは信じ切れない映画内の「無垢」というものが信じれるような気がするのは、作り手たちの信仰に偽りが無さそうだから。そして、無垢と表裏の何かが現れたかのような終盤部の映像表現は真に衝撃的。パブ…

スパイの妻 劇場版

★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき7 「スパイの妻」とタイトルにうたっている。 その通り、これは妻である彼女の心理の変転劇なのだろうが、そこに納得性があるか、言い換えるなら観客を納得させ得るかが肝のはず。 で、やっぱダメやんと思っ…

グリーン・ランタン

★★★ 2012年1月7日(土) トビタシネマ 嘗ての『フラッシュ・ゴードン』ほどではないが、脳筋肉な天然バカヒーローなのが清清しい。そして、トホホで単細胞な世界観なのに躊躇なく堅実なプロ仕事を見せるマーティン・キャンベル以下の製作陣も好ましい。ただ…

恐るべき訪問者

★★★★ 1982年1月25日(日) 伊丹ローズ劇場 完全にキワもの的題材なのだが、英国版の地味オールスターとでも言うべき出演者達が所を得た芝居を堪能させ顔ぶれを見てるだけでも飽きない。ギルバート・テイラーのカメラもエッジの効いたシャープネスで全篇を統一…

鬼ガール!!

★★★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき2 高校生の自主映画製作の話を縦軸に、鬼である女子高生の青春の悶々が横軸として絡む。いうなれば真面にとりあうのもバカバカしい話ってことなのだが。 河内長野のご当地ムービーってことで、まあ言うなれ…

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 少年の母への過剰な反撥へ共感も無く、一転しての心の融解は余りに形骸的。全篇を占める心の触れ合い旅路はトリッキーな設定だが心揺さぶるほどの挿話は遂には見当たらない。こんな勘違いガキに付…

愛と哀しみのボレロ

★★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 全く連関の無い並立的な4つの挿話を強引にクライマックスに収斂しようとするのが粋とも思えず強引の印象になったのは、ノンジャンルに音楽界ビッグネームを並べ立て伝記然とした括りをつけたが為だろう。闇雲なパワーは認…

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

★★ 2012年1月7日(土) 新世界国際劇場 虚弱ガキのマッチョ信仰が能天気でない分イジイジ感がイヤ増し鬱陶しい。で、マッチョになっても結構冴えないのが輪をかけてシミッたれており、さしたる活躍もせず意気揚々と凱旋されても困る。ドクロ仮面めいた敵キャ…

シェーン

★★★★ 1982年1月29日(金) 毎日文化ホール 少年視線を導入した以上、家庭をめぐるドラマは踏み込めないが、それでも妻の安寧を志向しつつ揺らめく女心は一応サスペンスフル。ワイラー的仰角使いが突出した幾つかのシーンを際立たせ、カラー撮影の鮮やかさと風…

NINIFUNI

★★★★ 2012年3月9日(金) シネリーブル梅田1 前半は精緻と言うには遠いし、後半の導入で全てが解ってしまう単線構造ではあるが、にしても、開発を放棄されたかのような幹線沿いと小汚い海辺での荒涼こそが「今」を訴求する。「絆」とか糞甘い言説が持て囃さ…

燃える勇者

★★ 1982年1月5日(火) トーエイ伊丹 列車を使った活劇を軸にマジに本格アクションを志向する気概は買いたいが、余りにアホな設定に説得力ある筈も無く、肝心のアクション自体も今いちのふやけ具合。カッティングのリズムが悪くギクシャク感がある。遊び代無い…

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

★★★ 2012年1月21日(土) 新世界国際劇場 掴みからして完璧にサイコーだし、主人公2人のキャラに絡んだボケ・ツッコミ設定は総じてギャグも高度である。特にエヴァ登場時のマークのリアクションは納得もの。ただ、どうにも肝心の事件絡みが弾けないのだな。…

エクスカリバー

★★★★ 1982年2月5日(金) 伊丹ローズ劇場 紙芝居で講談を語られるが如く流れていく伝説総集編。エモーションは必然的に薄味になるのだが、カッティングがもたらす速度感が飽きさせない。夜間の馬の吐息の白さや陽光下の甲冑武具のメタリックな光沢。そういうビ…

メランコリア

★★★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 1部は悪意と諧謔が混在するブニュエル由来アルトマン経由のパーティ映画として圧倒的な密度だが、その多様な悲喜交々が放棄され鬱病人間こそが終末に対峙し得るという2部のテーゼは余りに単線で…

奇跡

★★★ 1982年1月23日(土) SABホール オプティミストのベルイマン的なものを想像していただけに真っ先に手法に対する疑念を感じ終始それを拭うことは叶わなかった。執拗なまでの移動を組み合わせたパンニングの多用は強固な意志を欠落させ曖昧な空気を提示す…

フェアウェル

★★★★★ 2020年10月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 現代社会において一族が集う機会は結婚式と葬式くらいなもんになっており、場合によっては何十年も会ってない親族が顔を合わせる。 数日間一緒にいて、その後散り散りに別れ滅多なことでは再び…

おとなのけんか

★★★★★ 2012年3月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 融和と反目を繰り返す4人の順列組み合わせの果てしない錯綜が、中盤以降、アルコールが触媒となり一気に暴走し始めるあたりがポランスキーの面目躍如。それを牽引するジョディの青筋芸と拮抗する…

陽炎座

★★ 1982年2月20日(土) 梅田コマゴールド 『ツィゴイネルワイゼン』が10年以上寝かせた特上のワインだとすれば、こいつは即席のカストリ酒だ。ペラい役者が織りなす清順歌舞伎というより紙芝居。余裕の無い優作は木偶の坊にしか見えなく、陽炎座の部分も冗…

すいばれ一家 男になりたい

★★★ 2012年1月21日(土) 日劇会館 元祖チャラ男とでも言うべき山城のモテモテぶりも今一納得いかぬ鈍重で冴えぬことが味とは言え、女親分宮園と並んで物語りも締まりない。文太と遠藤が担う任侠マターで一安心の体たらくなら生パンまで持ち出された小百合に…