男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

沖縄やくざ戦争

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 『広島死闘篇』の大友勝利をバージョンアップしたが如き千葉真一のこのテンションだけでも一応は見る価値はあるだろう。しかし、他に何がどうということもない。沖縄返還に際しての悲喜交々の本土に対するアンチテーゼをこそ…

ディパーテッド

★★★★★ 2008年11月22日(土) トビタシネマ 音楽使いのベタさの強度が懐かしい。ヤワとボンクラと出涸らしの役者をコラボレートしこれ又ベタな強度を発散させる。まさかの意外度で駆け抜けるスコセッシの本卦帰り。EV前の引き芝居の禍々しさは『タクシード…

滝の白糸

★★ 1980年6月19日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 戦前の溝口作品は数作品しか見ていないが正直どれも情緒過多で難儀する。古風的美男美女の新派調大悲恋劇から、それ以上の何かを汲み取ることは出来ない。後年の宮川が未だ不在というのもあるだろうが…

ライトハウス

★★★★ 2021年7月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ5 全体的に出たとこ勝負の感が拭い難いと思う。 それは、作り手が謎の解答や物語の帰結を了解したうえで見るものを煙に巻くんじゃなくて、作ってる方も何だかわかんないまま成り行きで物語が転がった…

その土曜日、7時58分

★★★ 2008年11月8日(土) 梅田ガーデンシネマ1 描きたいことが終盤に差し掛かり判明するにつれ、こういう手垢の付いた多元的時制の反復は不要だったと惜しまれる。直線構造でギリシャ悲劇のようなホフマンとフィニーの対峙が見たかった。それを為し得る2人…

菊豆

★★★ 1990年5月27日(日) 三番街シネマ2 次々と主従が逆転していく変遷は長編仕立てで撮るような題材なのに切りすぎて形骸化している。しかもフィルムの解像度が妙に良すぎるので形式主義的セット美術への拘りのみが突出してしまって浅薄な印象しか与え得ない…

バッド・ガールズ

★★ 2008年11月22日(土) トビタシネマ ドリューとアンディはあんなもんかと思うが、主軸を担うマデリーンとメアリーはカリスマと言わずともせめてレズ的風情の深遠な思いの交錯でもあれば…などと真剣に考えるまでもないお嬢さん芸の似非『ワイルドバンチ』…

カジュアリティーズ

★★★ 1990年5月27日(日) トビタシネマ 今更題材を『アンタッチャブル』では配役の絶妙なアンサンブルとポイントゲットする超絶ケレン描写で補完し得たが、同じく戦争ものでの今更題材となると、ベトナムは生々し過ぎるし役者も若手で軽量感は拭えず、ひたすら…

ワイルド・バレット

★★★ 2008年11月8日(土) 天六ユウラク座 冒頭10分にはかなり期待したし、独逸表現主義に遡及するかのデューク親爺や鬼畜夫婦が逸脱しバランスを阻害するのは好むところでさえあるが、なら他を絞れと言いたい。総じてタイトじゃないし、女子供に依拠する展…

アビス

★★★ 1990年7月15日(日) 新世界国際 金に糸目を付けぬ海溝描写には時折堪能させられるものの、行き着いたところが絶対神的異生物による人類救済となれば否応なくテーゼに於いて『未知との遭遇』との類似性を想起せざるを得なく、となればキャメロンの作家とし…

獅子座

★★★★ 2021年7月15日(木) テアトル梅田2 【ネタバレしてます】 なんでもシャプロルが資金提供したらしいが、どういう因果かこれは「いとこ同士」逆バージョンみたいなもんで、あちらが真面目な貧乏人は所詮は負け組なのよと世知辛い現実を突き付けるのに対…

1408号室

★★★ 2008年12月2日(火) 梅田ブルク7シアター7 約束された展開だが、軽いジャブから強烈なアッパーカットへと至る展開は、時間と空間を歪曲しフェイントで絶望地獄を現出させた。ただ、主人公のトラウマ話が余りに予定調和で、その辺、ポランスキーやコー…

狼 男たちの挽歌・最終章

★★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 敵対する殺し屋と刑事がメルヴィル的フィルムノワールならば、殺し屋と歌手の絡みは日活アクション的ムード歌謡。隔絶された世界で一貫して浸り切った過剰とも言える情緒が一歩間違えればギャグになる寸前で縦軸と横軸を…

私がクマにキレた理由

★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 主人公がモラトリアムに自分探しするのは結構だが、何故「子守」なのかが、人類学専攻による研究志向だと言い訳してもかなり胡散臭い。それは、半端なファンタジー色を散りばめた描法の座りの悪さにも言える。ヨハ…

宇宙の法則

★★★★ 1990年7月28日(土) シネマヴェリテ 宇宙の法則の前では些末な事象に過ぎないとしても日常の生活の中にも衝突や共振のドラマは生じる。古尾谷と長塚の絡みが魅せる役者力。その一方で凄まじく短いカットの連鎖に強烈な長回しを織り込み篠田の自然光撮影…

NEXT ネクスト

★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 ショボい能力なのを、どういう展開工夫でそうじゃないようにさせるのかと思えば、行き着いたのが何だか解ったような解らないような分身術。ラストの時間巻き戻しに至っては決定的な徒労感を感じた。タマホリ演出の…

サルート・オブ・ザ・ジャガー

★★ 1990年5月27日(日) トビタシネマ 独特の世界観には認めるものもあるが、所詮ハウアーにせよジョアン・チェンにせよ本物とは言えない付け焼き刃の体技で迫真性が無いこと甚だしい。物語も地味に淡々と進むだけで何の盛り上がりも無い。(cinemascape)

ゴジラ VS コング

★★★★ 2021年7月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ11 多分こんな感じにバカなんやろなという予想の半歩上をいく開き直りを感じる。そのバカの上乗せを大真面目にテンション保ってやってみせた挙句のこの感覚なんやろと思ったら、少年マンガのテイス…

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

★★★★★ 2008年12月19日(金) TOHOシネマズ梅田4 キースは代替不能なキャラだがミックの地平は数億光年超えてる。60代の爺いがケツ振り20代の「スタート・ミー・アップ」を歌う凄さ。一方、これは琥珀の映像の珠玉の宝石箱。9割ストーンズに負うが…

デッドフォール

★★★ 1990年7月8日(日) 新世界国際 気障な2枚目振りが切なく似合わぬスタローンの違和感とマッチョ2人のバディもんの暑苦しさに対して諦観するのに時間を要するので損してるし、コンチャロフスキーの真っ当過ぎな演出も粋とは無縁なのが哀愁のミスマッチだ…

D-WARS ディー・ウォーズ

★★ 2008年12月27日(土) 天六ユウラク座 アホな話であることは嫌ではないが、タメなく登場するサスペンスへの軽侮とポリティカルな視点1つもないミリタリーオタク的気色悪さと戦隊ヒーロー物レベルの重量感無きCGが渾然一体となって見るものの神経を蝕む…

悲情城市

★★★★ 1990年7月1日(日) 三番街シネマ2 評価が決定的になった侯孝賢が己れの手法に絡め取られたような窮屈さを感じる。同じ構図で再三出てくる坂道のクドさや、いかにもオリエンタル情緒な立川直樹の過剰音楽がうざい。『恋恋風塵』と相似とは言え4男絡みの…

デイ・オブ・ザ・デッド

★★★ 2008年12月20日(土) 新世界国際劇場 潔いまでの夾雑物ゼロの展開は最近の流行で殊更の新味もないが、にしても中盤を形成する病院内外での攻防戦の阿鼻叫喚はちょっと見物で、キングの「セル」を想起してしまった。まあ、俺にはヒロインミーナ嬢の小柄…

ションベン・ライダー

★★★ 1990年8月5日(日) みなみ会館 多くのシーンを切ったのだろう。プロットは崩壊し物語は喪失された。で、ひたすらに少年少女を肉体的に追いつめ事象を包括的にフィルムに定着することに偏愛を見出す。しかし、悲しいかな所詮は半素人のままごとにしか見え…

クライマーズ・ハイ

★★★ 2008年12月20日(土) トビタ東映 組織の中の守旧と革新、編集と販売、親と子、友情と仕事、意地と妥協…多くの2項対立はデフォルメされ劇化されるが、原田が救い難く稚拙に見えるのは否定される側の時代錯誤なステロタイプ化に依る。『呪縛』と変わらな…

ファミリー・ビジネス

★★★ 1990年7月15日(日) 新世界国際 バランスから言うとホフマン父を主軸に物語を立てるべきなのに、コネリー爺ばかり良いとこさらう。軸を3代の親子の誰に仮託するかでブレているから、何がテーマなのかわけわからん。スタッフワークも渋く良い題材なのに惜…

レッドクリフ Part1

★★★ 2008年12月27日(土) TOHOシネマズ梅田5 ほとんどなぶり殺しに近い戦法で敵を包囲した上で「やー我こそは」てな感じで猛将たちが次々登場。何かずるい感じで熱くなれない。オーバーラップやスローモーション等原理主義的手法を衒い無く使いまくら…

モンフォーコンの農婦

★★★ 2021年7月15日(木) テアトル梅田2 エリック・ロメールがテレビ放送用に撮った短篇ドキュメンタリーで、とある1人の農婦の日々を追ったものだが、彼女自身のナレーションでナビゲートされるのがオモロい。 「農家なんかに嫁っこさくる女子は、めった…

スイッチング・チャンネル

★★★★ 1990年7月29日(日) 新世界国際 仕事に奔走する男と女の互いの距離感が絶妙で、主演の2人が、ぴったりとピースがはまった感じで安定。リーブに逸脱の兆しがあるが、それも又良い意味での付加価値という好循環。懐かしきウェルメイドなアメリカ映画らし…

地球でたったふたり

★★★ 2008年12月27日(土) ホクテンザ1 逆境に陥っても自己を卑下せず幼いながら社会と対等に対峙していこうという姉のバイタリズムに希望の灯を見出したいのだが、一方で姉妹愛とでも言うべき閉じた世界へ内向していく。そのへん何を描きたいのか困惑する…