男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想

悲しみは女だけに

★★★★ 2019年3月30日(土) シネヌーヴォ よくもまあ、こんだけ救いのない物語を構築したもんだ。 戦後まもない広島、尾道が舞台だが、小津や大林の映画とは別世界。 しかし、この時代はみんな、こんな感じだったのかもしれません。 夢も希望もないっちゅうか…

バンブルビー

★★★ 2019年3月26日(火) TOHOシネマズ梅田2 「トランスフォーマー」を今更見たいという気持ちはビタ一ないのだ。 が、「KUBO」の監督で「スウィート17モンスター」の主演女優ってのに食指が動いた。 だが、マイケル・ベイのアホ呪縛は強烈であっ…

1941

★★★★ 1980年7月28日(月) 伊丹グリーン劇場 本土襲撃の予兆に怯えるマスヒステリーが個々の挿話や人物群の連関の末大崩壊に至る構築になってないのでカタルシスがない。にしても分断された章内ではどえらい熱量を発散。ロス市内を戦車や戦闘機が縦走し観覧車…

リンカーン 秘密の書

★★★ 2014年5月11日(日) トビタシネマ 銃弾を曲げることはできそうに思えたとしても、暴走する馬群の背中を飛び跳ねながら格闘するのは無いやろう思うし土台面白くも無い。そもそもに吸血鬼ハンターと大統領も兼業するわけでなく職能アンビバレンツな設定も…

神社 悪魔のささやき

★★★ 2026年2月16日(月) Tジョイ梅田7 出演者の大半が韓国人の韓国映画だけど、舞台は神戸で監督は熊切和嘉。日本を舞台とした外国映画に惹かれてしまう俺は性懲りもなく見に行ったが、ホラーとしての新味の無さにがっかりした。 廃屋を使ったアート展示…

パラダイス:神

★★★★★ 2014年3月22日(土) シネヌーヴォ ザイドゥルの哄笑混じりのサディズムがキリスト経由で主人公の遮眼帯を装着したマゾヒズムと黄金率とも言えるバランスで均衡している。仕事へ布教へと赴く駅の定点ショットの埋没の連鎖が嵐の不穏へと一変する鮮やか…

家族のレシピ

★★★ 2019年3月16日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 主人公の父親が急逝してシンガポールに行こうとするその心理が見始めた当初、いかにも説明不足で入り込めない。そのへん、監督のエリック・クーの語り下手なのか、編集で切られたのかは知る由もな…

クローズ EXPLODE

★★★★ 2014年4月27日(日) MOVIXあまがさき2 ワイルドサイドな昭和ロックで開巻した物語は豊田十八番のパンキッシュスローへと引き継がれ以後一切澱まない。ワルメン的底浅ではなく地べたからの上昇志向とニヒリズムの噛み合わせの妙。ダサくかっこ悪…

キャプテン・マーベル

★★★ 2019年3月17日(日) MOVIXあまがさき7 なんかどうでもいいような話であった。 何かにつけて言い訳がましいのである。 如何にして彼女はスーパーヒーローになったのか。 …ってな話を未整理なままにぶつけてくるので、はあ?って感じ。 はなっから…

オーソン・ウェルズの フォルスタッフ

★★★★ 2026年2月15日(日) プラネットプラス1 ウェルズの監督フィルモグラフィを見るとノワール系と並んでシェークスピアへの傾倒があるようだ。「マクベス」と「オセロ」を撮ってるけど本作は特定の作をもとにしていない。幾つかの作に出てくるフォルスタ…

悪夢ちゃん The 夢ovie

★★★★ 2014年5月14日(水) TOHOシネマズ梅田7 ユニークなのは悪夢ちゃんがリアクターとして機能し隠された景子の深層能力も加担せざるを得ない展開の故2人の関係は『羊たちの沈黙』変形バージョンに見えてくる点か。ベーシック景子なドSキャラは安定…

★★★ 1980年9月13日(土) SABホール 対比されるべく書き込まれた粗暴や狡猾と無垢や慈愛が極北的に配置されたのは解るが、クインとマシーナが余りに線上から逸脱し無さ過ぎでキチキチでしんどい。ベースハートが逸脱のキーマンだったが力量が無く物語もその…

典子は、今

★★★★ 1981年12月2日(水) 伊丹グリーン劇場 微妙な題材だが、松山善三には裏表は無いようだ。全体を覆うさわやかさは偽善を感じさせず素直に希望だけを謳う。フィクションを織り交ぜた作劇にも救われた。当然あったしあるであろう辛苦は所詮当事者にしか分か…

たちあがる女

★★ 2019年3月16日(土) シネリーブル梅田1 それは、どこのどいつのせいでそうなってるのか。彼女の大切な何が失われつつあるのか。そういった「行為」との因果関係がまったく示されないままなので何一つ心を揺さぶられない。 正直、不愉快であった。 そも…

禍禍女

★★★★ 2026年2月10日(火) MOVIXあまがさき7 どうせ、と高を括って見たのだが、想定の斜め上を行く出来であった。ゆりやんのピン芸をまともに見たこともないし興味もなかったので、こういう毒視線を持ち合わせてる人とは思わなかった。松本の「しんぼ…

グリーンブック

★★★★★ 2019年3月24日(日) MOVIXあまがさき10 アカデミー作品賞の映画ってのは信用ならんし、ましてや経緯が経緯だけに見る気もなかったのだが、見てよかったと思った。 中盤でディープサウスを旅する車がパンクして停車を余儀なくされる場面。 車外…

最強のふたり

★★★ 2014年5月11日(日) トビタシネマ リアルワールドでシャレにならぬほど蔓延した「介護」と「貧困」を基軸とした物語だけに一物を溜めて観ることを避けられないのだが、「王様と乞食」的教育と発見の喜びが牽引する。富豪の2人の秘書女性が随所でジャン…

たしかにあった幻

★★★ 2026年2月7日(土) テアトル梅田4 日本で臓器移植を待っている人の数が16,000人で、実際に移植を受けられる人は600人。100人に4人。そりゃそうだろう、体は健常だけど脳死に至る事例自体が少ないし、臓器提供を拒む親族の方がまだまだ多い。幼い子ども…

THE GUILTY ギルティ

★★★★ 2019年3月16日(土) シネリーブル梅田1 電話する主人公のみを追って通話の相手は一切画面に登場させないってのは、「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」って傑作があったし、緊急コールセンターも「ザ・コール 緊急通報司令室」ってのを見てる。…

ズームイン 暴行団地

★★ 1981年10月22日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 映画を撮る方途に多様な道筋が出来てきた80年代に黴た清順的アプローチでデビューを飾ってしまった遅れた「にっかつ」組黒沢直輔の気の毒な錯誤感がモロに出た。ポリシーがあればまだしもだが低予算の…

アントニー・ガウディー

★★★ 2026年2月3日(火) シネヌーヴォ 1960年代に勅使河原宏が16ミリで個人的に撮って放っぽらかしてものに、24年後新たに35ミリで撮ったものを継ぎ足したらしい。 ガウディと言えばサグラダファミリアしか知りませんし、世間の関心も概ねそこにし…

WOOD JOB 神去なあなあ日常

★★★★ 2014年5月17日(土) TOHOシネマズ梅田7 居場所探しの映画として異文化との邂逅を描き越境する覚悟に共振する点に於いて『ダンス・ウィズ・ウルブズ』と通底する。長澤・伊藤の役所を知る快演は想定内としても優香の抽斗が奥行きをもたらす。しい…

自由の幻想

★★★ 1980年5月11日(日) SABホール 食事と排泄の或いは猥褻への価値観逆転は笑えるがTVで垂れ流される凡百のコントと紙一重。一方で理解不能なエピソードは『アンダルシア』を筆頭にした表現的な荘厳さには遠い。評価に迷うが権威に追従したくない。ブニ…

HELP 復讐島

★★★★ 2026年2月4日(水) MOVIXあまがさき10 実にサム・ライミらしいポイント毎の過剰が程良い良作だと思う。 ・口についたツナ ・ジェット機事故の惨禍 ・イノシシとの格闘 ・フィアンセの亡霊 などなど …。 俺は世間のシンパ程にはサム・ライミを買…

天国でまた会おう

★★★★ 2019年3月13日(水) 大阪ステーションシティシネマ7 見る前から知ってたわけじゃないが、原作ピエール・ルメートルってのが意外であった。 最近はめっきり本を読まなくなったが、それでも彼の「その女アレックス」は、ここ数年で読んだ本ではダントツ…

長距離ランナーの孤独

★★★ 1980年4月20日(日) 大阪科学技術センター大ホール 鬱屈した日常に対して「怒りをこめてブチ破る」んではなく、何だか流され教化されたものの、最後の土壇場で、ささやかに抵抗してみた…でも日々は変わりなく続いていくだろう。限りない徒労感の横溢した…

パラダイス:愛

★★★★ 2014年3月22日(土) シネヌーヴォ セックスバカンスに興じるオバン達もだが、現地の男どもの恥も外聞も無い買ってくれ攻撃の衒い無き生活本能と深層悪意。そういうパラダイスで自己開放し恥を晒した果てに垣間見える女の孤独地獄だがアイロニカルに見…

戒厳令の夜

★★★ 1980年7月11日(金) 伊丹ローズ劇場 壮大な歴史ミステリーロマンの筈なのに山下・鶴田・大木が繰り広げる極右的アナクロニズムのみが浮かび上がる。ちぐはぐ極まりない若松と山下と宮島がどういうポリシーの元に掻き集められたのか…という方がよっぽどミ…

仮面 ペルソナ

★★★★★ 1980年3月5日(水) 毎日文化ホール 神の不在という命題から解き放たれベルイマンは「女」を描くことに、のたうつ様な快楽で臨んでいる。アンデルセンからウルマンへ過渡する冷徹がニクヴィストのトリッキーでシャープなアイデアで最尖鋭化する。『沈黙…

岬の兄妹

★★★ 2019年3月10日(日) テアトル梅田1 絶賛に近い評価を得ている。 ポン・ジュノと山下敦弘の助監督を経てデビューという分厚い経歴の片山慎三の処女作。 期待は最高潮であったが…。 シビアな現実の直視にせよ、ブラックな笑いにせよ甘いと感じました。 …