映画1994
★★★ 2025年1月29日(水) 大阪ステーションシティシネマ8 ✳︎今回の再上映に際して「屍体消失」の副題がつけられたが、初公開時のタイトルに準じてます。 30年前のデンマーク映画で「最も恐ろしいヨーロッパ映画」なんだだそうですが、正直あんまり怖くな…
★★★ 1998年6月13日(土) ホクテンザ2 良く出来た年代記もので且つ少年時代の話というのは王道的売れ線要素だが、一方で余りに多くの作品があるので余程オリジナリティが無いと埋没する。年寄りと子供しかいない空虚な街という設定を活かしきれていない。そこ…
★★★ 1999年1月17日(日) みなみ会館 偉大な詩人で政治家というのがノワレでは柄じゃないと思うし、無学な者と触れあい啓蒙し又虚飾なき思いに自らも打たれるにしては、そのエピソード群のインパクトの無さ。この種の映画としては媚びがないのが救いだが余りに…
★★★ 1998年4月13日(月) 天六ユウラク座 圧政のトラウマを背景にした密室劇はポランスキーの根っ子を揺さぶる筈なのだが撮影・美術と名手を揃えて尚緩い。南米の多湿空気が怜悧な欧州体質の監督とミスマッチ。ウィーバーも当たり前だが好みの金髪美女ではない…
★★★ 1997年4月26日(土) 徳山市市民館小ホール 魅力的な奇想譚なのではあるが少女の無垢性には案外に無頓着であり、そのあたり『ミツバチ』にはあった迎合要因は無い。かと言って強固なオリジナリティも見出すのは難しい。寂寥なムード醸成は良いが、結局は心…
★★★★★ 1996年1月27日(土) 徳山市市民館小ホール ミハルコフが親和するチェーホフ的世界に切り込まれるタルコフスキー的前衛は故国近代史への錯綜する想いを表出し、ソビエト映画史を概観するような感銘。ズーム使いは後期フェリーニ・ブニュエルを想起させる…
★★★ 1996年1月13日(土) テアトル徳山Ⅱ 興味のない伝統芸能の復活興行みたいなもんで、新旧の主役揃い踏みったって、内実を伴わない気障管理職の成れの果てと出所来歴の知れない胡散臭い禿親爺では一見者にはオーラゼロでキツい。話もええかげんとは思うがそ…
★★★★ 1996年6月29日(土) テアトル徳山Ⅰ 時空を2元的に往来する物語が遂には円環を形成する点はさして目新しくもなく感興も覚えない。だが、冒頭からしてブルース・ウィリスの気合いの入り方が常軌を逸しており、その肉体性が如何にもなギリアム的プラスティ…
★★★ 1996年7月6日(土) 山口県教育会館ホール 自我のある女を描いてそれなりには見せるものの、抑圧からの解放さるべく訴求されるのが大型テレビというのが如何にも陳腐であり、その為の拝金ストーリーも類型的だ。プライドを捻った『秋菊』以降の物語として…
★★★ 1996年7月20日(土) 徳山市市民館小ホール 挿話は人の死で綴じられるのだが、民族悲劇の構造を浮かび上がらせるには至らない。トリッキーであることは構わないのであろうが、マケドニアとロンドンを往還する構成が何故に必要なのか。そのへんがどうにもピ…
★★★★ 1995年1月28日(土) 森小路ミリオン2 ルーティンワークのプログラムピクチャーとは言え『死んでもいい』から『GONIN』までの石井隆絶頂期の渦中に作られた勢いと艶がある。名美・村木シリーズの流れを汲んでるが濡れ場よりむしろ暴力描写が冴え渡…
★★★★ 1995年2月4日(土) 天六ユウラク座 笑いのオブラートに包まれた嫉妬心の彼方から赦しと親愛が浮かび上がる。奇麗事と言われようが尖がったモノばかり見てるとこういうのに心底救われる。この役に室井が必要不可欠なことは疑いもなく、ウェルメイドって言…
★★★★ 1995年1月28日(土) 森小路ミリオン2 『死んでもいい』から『GONIN』に至る石井隆最高潮期に於いて多分最も低予算の作だが、乗った作家の勢いを感じずにはいれない。サイコスリラーとして上級であり、そうであっては欲しくない1線を仮借なく越え…
★★★ 1995年2月25日(土) 扇町ミュージアムスクエア 女性讃歌という概念自体が言わずもがなな時代にそれをやって耐え難い時代錯誤感に被われてしまったし、男達にも虚無が足りない。映画とアラーキーの写真との親和性も低い。それでも「今夜は踊ろう」で夜明け…
★★★★ 1995年3月5日(日) パラダイスシネマ 冴えなき男と女への偏愛を紡ぐカウリスマキが不動の4番打者オウティネンとペロンパーをもって1時間の短尺で織りなす小粋な中編ロードムービー。まとまってて破綻は無いが、いかにも短く小品すぎの感も。 (cinemasc…
★★★★ 1995年4月23日(日) 祇園会館 バンパイアが日常に介在する18世紀の退廃と闇と死の匂いが肝要だが、そこは、まあ欠点も無く美術も豪奢だ。ただ、やっぱ違和感は配役。ピットとバンデラスは根っからやおいの匂いが皆無。能天気クルーズのみが異様な輝き…
★★★ 1995年4月23日(日) 祇園会館 ニッチな界隈で世界戦を語るB級感を弥増させるナスキン客演であるが脳内スポンジのチャーリーの無我の演技が煩悩を制覇。スカイダイブのクライマックスは結構な見せ場で金払って見る価値はここだけでもある。キャラを立てれ…
★★★ 1995年5月27日(土) 高槻松竹 望まれなかった出自への悲哀。正攻法で描いて堂々たるものではあるが、それでも今更感は尚ぬぐえない。『ドラキュラ』でコッポラのやった絢爛とハッタリの釣瓶打ちに比して余りに糞真面目なアプローチ。デ・ニーロも殻を破る…
★★★ 1995年6月5日(月) 扇町ミュージアムスクエア ミシェールのアクションのパワーは相変わらず凄いとは思うが、肉弾戦で充分に魅せ切れるのに仕掛けを多用するトンの演出志向が不要不急で頂けない。更にポーカーフェイスのクールさが身上の彼女に恋だの愛だ…
★★ 1995年6月10日(土) ホクテンザ2 孤高で峻厳な『ニキータ』の後で割り切りで日和れる魂の愚鈍。そのあとベッソンは怖いもの無しとなった。それでも、殺し屋と少女の関係がこうもウェットでは気持ち悪くさえある。レノは差し詰め縫ぐるみの熊。全然クール…
★★★★ 1995年6月24日(土) みなみ会館 ブローアップされたざらつき感と赤の色調。少女の初潮と近親愛。屠殺と殺人。描かれるものは禍々しさを志向し続けているのに奇妙に爽やかなのは作り手の根底にあるモラリズムが透けて見えるからだろう。ショットのパワー…
★★★ 1995年5月27日(土) 高槻松竹 セクハラという「売り」を除いたときに浮かび上がる、ギミック無い真っ当な企業内サスペンスを平凡とは思わなかった。クライトンが『ライジング・サン』と連発したこれは面白くは出来てるが、レビンソンの演出があんまり「変…
★★★ 1995年7月2日(日) 高槻セントラル 骨子はスタローンとウッズの話になるべきなのに下手にストーンを持ってきて、その役柄に分量を割きすぎ拡散してしまった。脇に回る女がやけにポーズを決めてファムファタールな振る舞いをするから焦点がぼける。実直で…
★★★★★ 1995年7月30日(日) 高槻セントラル 屋上でのビール場面でのロビンスの遠くを見る気な微妙な表情の屈託。物語の主役をサブキャラに語らせることでの「説話」味の醸成。キング原作ものの成功した映画化で終わらせぬ素因は曖昧領域のインサートの巧みさだ…
★★★★ 1995年7月22日(土) シネマアルゴ梅田 スクリューボールなシテュエーションコメディの伝統を正統的に受け継いだオーソドックスの素晴らしさを再認識させられる。とは言ってもシーンの継ぎの巧さなんて意外なほどの凝り方。とにかくアメリカ映画らしいア…
★★★★★ 1995年8月19日(土) テアトル梅田2 ミニマム世界のモノマニアックな語り口が村上春樹的であり、それを映像に定着させる技巧に於いてカーウァイは世界の先端にいたわけだが、一方でダサキュートさが遊びを生みタイト感を緩衝。先鋭的ショットの連続があ…
★★★ 1995年7月30日(日) 高槻セントラル 驚いて目玉や心臓が飛び出し外れた顎が床に落下し体が何回転も捩れて飛んで行く…カートゥーンアニメの定番ギャグをCG実写で再現。やったもん勝ちだとは思うしまあ楽しめるが結局は気の利いたトレース以上ではない。…
★★★ 1995年8月19日(土) 第七藝術劇場 人物捌きが親切でないので錯綜した物語が入ってこず狂騒の度合いも生温い。従って宴のあとの何とやら的感慨もドッチラケで湧かない。如何にもなギョーカイを舞台に持ってきたのがどうにも鼻につき、安手の台湾版トレンデ…
★★★ 1995年8月5日(土) ホクテンザ2 山間部湖畔の風景も美しく演出は手堅い。しかし「狼少年」について語られ尽くした多くのバリエーションに新たな何も付加し得てないし、こんな風に育った女性が本当にこういう風になるのかっていうのも何となく疑問。ジョ…
★★★★ 1995年11月3日(金) 徳山市市民館小ホール 持てる者と持たざる者の話は『アマデウス』の類型のようで目新しいものではなく、一方で題材上避けては通れない筈の性的抑圧を兄弟の愛憎で誤魔化したようで逃げを感じるが、ともかく舞台シーンの異様なまでの…