映画1959
★★★★ 2025年2月10日(月) シネヌーヴォ 映画「TOKYO!」に於けるカラックス篇を「世にも怪奇な物語」のフェリーニ篇、「トワイライトゾーン」のミラー篇と並ぶオムニバス映画に於ける3大1本かぶり篇と思ってる俺としては、本作がドゥニ・ラヴァンの…
★★★ 2017年9月23日(土) プラネットスタジオプラス1 なんというか、まあ、スケコマシ野郎の掌話であります。 これを、「いとこ同志」で同じような役を演ったジャン=クロード・ブリアリがお手の物で演じる。 2股かけられたルームメイトの女の子2人は3股…
★★★★★ 1978年4月1日(土) SABホール 時代を又舞台を置き換えて再解釈される古典は後を絶たないが、最高峰の1つと思われる。狂熱のリオを舞台に増幅される対比は狂騒と静寂、愛と憎悪に留まらず生と死をも炙り出すだろう。死の仮面の呼び寄せる刹那の火花…
★★★★ 2017年4月22日(土) シネヌーヴォ この時代のサラリーマンってのは、高度成長を背景に我が世の春を謳歌してたんでやんす。 男も女もとことん前向きっす。 すぐに求愛するし、振られてもメゲないし、2股3股当たり前だし、競争大好きだし。 陰々滅々と…
★★★ 2023年11月20日(月) シネヌーヴォ クレジットの主演・長門裕之、撮影・姫田真左久、音楽・黛敏郎という面子を見て今村の「豚と軍艦」を連想したんだけど、それに殊更の意味があるわけではない。でも、後世に名を留める留めないに分かれた両作も同じプ…
★★ 1999年8月21日(土) 神戸アートビレッジセンター コンセプトと帰結は文句無いがサディズムが不足で余りに温い。こういう状況で当然にフィーチャーされるべき「孤独」や「疎外感」や「絶望」は女を寝取られたという在り来たりな嫉妬心に置き換えられる。物…
★★★ 2000年9月2日(土) みなみ会館 豊穣な土壌で陰惨を描くのではなく新東宝の末期感が漂い心底陰惨な感じがする。間合いの微妙な間延びが中川のアナクロを窺わせ反社会的な隠微さを放つ。そして、終盤の畳み掛けはやり過ぎ。もう少し控え目でも良かった。(ci…
★★★ 1995年4月2日(日) シネマヴェリテ 古都京都の閉塞感を背景に隠微な世界を展開するコンセプトは宮川の完璧な撮影を得て成功しているが、どうしたってモロな描写が無しでは成立しようがない世界。結果、曰くあり気な訳解んない空疎が延々と続く。仲代と叶…
★★★ 2003年1月15日(水) シネリーブル梅田2 退廃に身を沈め愛を弄ぶ極悪カップルが垣間見せる純情(涙や心からの笑顔)が物語を有機的に転がしていかないのがもどかしい。ローアングルを駆使した演出はところにより結構冴えるのだが生気無いフィリップがモロ…
★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 正直、何がどうなろうとどうでもしろとしか思えない展開で一片の感情移入をも出来かねる。それが、リアリズムの対極としての様式美ではなく大量生産のルーティーン似非美学に乗せて呈示され堪らん。この白…
★★★ 1993年11月7日(日) ACTシネマテーク 撮影所システムに拠らないNYインディーズの始祖としての歴史的意義は認めるし実際16ミリや即興のヒリヒリ感を感じもするが、劇作に未だ旧来のシステムに捕らわれている面も感じる。いずれにせよ、問題を丸投げ…
★★★ 1992年2月16日(日) 日劇シネマ プチブル世界に傾倒した後期小津作品の中で何故か子供が主役で且つ庶民を描いた本作は戦前の作品への回帰を試みたように思える。しかし、そのスタイルへの保守偏狭な意固地さが子供本来の伸びやかさとの間でぎくしゃくした…
★★★★ 1992年12月6日(日) 大毎地下劇場 故郷に残した妻子への思いと悔恨は巻き込まれた戦争の変転の中で瞬く間に後方に退くだろう。それを強いる過酷さと切り抜けた果ての圧倒的絶望と再びの希望は生きるってのは正にこういうもんだと思わせる。意外なまでの…
★★★★★ 2006年12月9日(土) 日劇会館 少年は自我と親愛の狭間で悩んだりしない。前進あるのみで真摯であり、しかも当たり前の如く情愛も持ち合わせている。こういう自立し行く世代の芽生えは何時の間に摘み取られてしまったのだろうか。後の今村一家総出の脇…
★★★★ 1991年5月27日(月) シネマアルゴ梅田 巧緻なパロディを織り交ぜた高品質な喜劇映画とは納得するが、キワどい題材だけに「高品質」であることが物足りなくもある。ラストも破壊的とまではいかない。ただ、何と言ってもモンロー!彼女のオーラだけはエタ…
★★★ 1991年8月25日(日) 日劇会館 やさぐれ者たちの吹き溜まりにしては刹那感に乏しい。まあコメディなのだから言っても始まらないのだが、喜八のスタイルが既に完成されてるだけに惜しく思える。唯一三船の使い処だけは傑作なセンス。心から笑えたのは残念な…
★★★ 1990年3月24日(土) 朝日会館 ガチンコ憎悪と裏返しの愛情物語の背景に雌伏する聖者伝説が前面に出てくるにつれ胡散臭さにテンションが下がる。前半の書割背景のガレー船エピソードが凡庸なのに戦車競走シークェンスは巨大セットの壮麗とリアル撮影が相見…
★★★★ 2021年7月15日(木) テアトル梅田2 【ネタバレしてます】 なんでもシャプロルが資金提供したらしいが、どういう因果かこれは「いとこ同士」逆バージョンみたいなもんで、あちらが真面目な貧乏人は所詮は負け組なのよと世知辛い現実を突き付けるのに対…
★★★ 1990年9月1日(土) 京都コマゴールド 不良少年ものとしての殊更な刺激があるわけではない。教条主義の裏返しな親や社会への反動もベタついた甘えもない。そういう旧来のドラマトゥルギーを否定し少年期特有の快楽追求の生理を描くことに特化。レオの発見…
★★★★ 1987年4月5日(日) SABホール 忌まわしい過去に傷ついた心に突き刺さるヒロシマの街の風景がサッシャ・ヴィエルニのエッジの効いた映像で象徴化される。ここには原爆の意味を問う何ものも実のところ無い。あるのは個人と普遍が時間の流れに解体されて…
★★★ 1985年8月25日(日) 梅田松竹 「第1部」も「完結篇」も兎にも角にも上映時間の終盤へ向けて感情ボルテージが高まる配慮が為されているのだが、幕間つなぎ的に小エピソードで繋いでいく本作は矢張り中だるみの一篇と言わざるを得ない。(cinemascape) keni…
★★★★ 1985年8月24日(土)~25日(日) 梅田松竹 馴れ合えばいいものを組織の中でモラルと正義を貫くということは、裏返せば我を通すということである。それが如何に絶望的に困難な道程であるかを執拗に描き続ける9時間作の初篇で又烈迫の気合いが漲る大陸もの…
★★★★★ 1984年12月1日(土) 梅田ロキシー メイソンアジトや国連本部の偏執的直線造形はグラントの緩さでバランスを取らねばキツすぎる。マクガフィンのみで成立した究極のカスムービーは強固な確信で純粋映画領域へ突入。しかし、真の驚愕は非スタジオでの複葉…
★★★★ 2012年3月24日(土) 新世界東映 戯作者の近松を顛末ウォッチャーとして置いた脚本に大して効果を見出せないので、『近松物語』や『曽根崎心中』の劇的純度には劣ると感じてしまう。ただ、劇場や郭のオープンセットの贅には惚れ惚れし、それを支配する…
★★★ 1982年1月29日(金) 毎日文化ホール ブレナンにリードされる大らかなユーモアの味は確かに捨てがたいが、ほのぼのサイドに振れ過ぎて世に言うほど連携プレーの醍醐味は感じない。何より2時間15分は長すぎる。クライマックスのどうしようもない弛緩ぶり…
★★★★ 2020年9月27日(日) シネリーブル梅田4 ジャズに余り興味もないし、造詣もないのでわからんが、60年のこのフェスはジャンルミックス的な混沌を呈している。ゴスペルや前衛やロックやソウルの始祖が入り乱れている。 ニューポートでのジャズフェスの…
★★★ 1982年5月26日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 「神」を切ったのは一見英断に見えるが、ならば新たな何かを付与するか残されたもの透徹させるしかない。考え得るのがカニバリズムだが表層的である。どんなジャンルも料理して見せるという夫婦茶碗の奢…
★★★ 1982年7月8日(木) 新世界東宝敷島 ストーリーテラーとしての山崎豊子は文句付けよう無いのだから黄金期の手慣れたスタッフとキャストが撮ればこの程度には面白くなろう。が、豊田は山本や市川みたくピンポイントでエッセンスを抽出しようとしないので漫…
★★★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 1960年の今を描きながら典雅で絢爛たる古典の風格をも持つ。時空の狭間から現出した異次元空間の如き狂騒世界はやがて彼岸との境界線上に至るが生ある者は戻るしかない。その図式的展開の強固なパワー。何十時間で…
★★★★ 1981年6月20日(土) 今津文化 1983年12月11日(日) 伊丹ローズ劇場 殊更に斬新な主張があるわけでもないのだが、それでも別格的な印象を受けるのは、作り手の強固な意志の存在が抜きんでているからだ。人間感情の曖昧なロジックではなく幾何学的論理性の…