男の痰壺

映画の感想中心です

映画2018

すばらしき世界

★★★★ 2021年2月13日(土) 大阪ステーションシティシネマ4 ヤクザがカタギになろうとする。同じようなモチーフの映画が同時期に2本並んだのは、やっぱそういう時代になったってことなんだろう。まあ、シノギが叶わず已むなくっていう「ヤクザと家族」と違…

第三夫人と髪飾り

★★★ 2019年11月30日(土) テアトル梅田1 若い女性監督が、女性が虐げられていた時代を描く。 ってのが、そもそもに胡散臭いのであって、なぜなら今現在の作家の内実からほとばしる魂の叫びってのが物語を希求したものではないように思えるのである。 富裕…

SHADOW 影武者

★★★★ 2019年9月6日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 俺は、チャン・イーモウの熱心な鑑賞者ではない。 のだが、初期のころの「菊豆」、「紅夢」を見て、このおっさん形式主義に拘泥して早晩行き詰るわと思っていたら、「あの子を探して」でいきなり…

誰もがそれを知っている

★★★★ 2019年6月19日(水) テアトル梅田2 ファルハディの過去作に比べ評価は今いちみたいだ。 この監督の映画は、緊密に練りこまれた脚本の綾の一方で、画面造形の統御も特性だと思う。 それには、数人の人物の配置が好ましい。 であるが、本作の前半は結婚…

ラッシュ プライドと友情

★★★ 2014年3月5日(水) MOVIXあまがさき1 普通に見えて奇想なアングルを繰り出すハワード演出に調和するダークな深度のマントルの撮影が絶品で、それがクライマックスの豪雨の富士スピードウェイへと結実する展開に否応なく萌えるのだが…。実話の枷に…

ハイ・ライフ

★★ 2019年5月6日(月) シネリーブル梅田3 別に厳格なものを映画に希求するつもりはない。 それに抗じるものがあれば。 冒頭、宇宙船外で修理作業する男が手を滑らせ部品を落とす。 …落とすって無重力なのに落ちないやろ。 でも。それはどんどん落ちていく…

幸福なラザロ

★★★★★ 2019年5月6日(月) シネリーブル梅田2 アリーチェ・ロルヴァケルの前作の「夏をゆく人々」の感想を見返してみると、シネフィル的と書いてある。 エリセ、タヴィアーニ、アンゲロプロス、アントニオーニの名前を挙げてる。 で、今作だが、前段はオル…

イメージの本

★★★★ 2019年4月29日(月) テアトル梅田1 前作「さらば、愛の言葉よ」のタイトルの意味を今更に感慨をもって考えた。 ゴダールといえば政治に走って尖がってみせたりもしたが、根のところでは「愛」ってのが好きなおっさんなのだ。 それに決別しようという…

バンブルビー

★★★ 2019年3月26日(火) TOHOシネマズ梅田2 「トランスフォーマー」を今更見たいという気持ちはビタ一ないのだ。 が、「KUBO」の監督で「スウィート17モンスター」の主演女優ってのに食指が動いた。 だが、マイケル・ベイのアホ呪縛は強烈であっ…

運び屋

★★★★ 2019年3月8日(金) 梅田ブルク7シアター2 予告篇を見て、イーストウッドの老いが痛々しいので見るのやめよかと思ったが、あれは演技やという話を聞いて、ならばと見に行った。ところが、篇中、存外に老いというものを強調しない演出であって、でも、…

アリータ バトル・エンジェル

★★★★ 2019年3月5日(火) 大阪ステーションシティシネマ12 日本の漫画「銃夢」ってのが原作だそうで、この映画の製作ニューズを見たとき、そんなん映画化するんやったら、大友克洋の「童夢」映画化しろよって思ったのを覚えている。 物語はありきたりで、…

女王陛下のお気に入り

★★★★ 2019年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田5 なんか変わったなと思った。 人の気持ちの流れが普通にわかるのだ。 ヨルゴス・ランティモスの映画は「ロブスター」と「聖なる鹿殺し」を見てるが、登場人物が何考えてるのかさっぱりわかりませんってな映…

半世界

★★★ 2019年2月16日(土) TOHOシネマズ梅田6 阪本順治のオリジナル脚本だそうだが、なんか構築仕切れていない感じがする。 多くの挿話が点在して、それらが連関しながら全く新たなものを産み出すってのが構築の醍醐味だと思うのだ。 3人の幼馴染の話だ…

七つの会議

★★★ 2019年2月5日(火) 大阪ステーションシティシネマ1 野村萬斎の能の形式がどうしたってにじみ出る時代がかった大芝居に期待するものがあった。 俺は「柳生一族の陰謀」って映画での萬屋錦之助の大芝居が好きで、まわりの役者の日常的な芝居とまったく噛…

めんたいぴりり

★★★★ 2019年1月28日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 TVドラマはほとんど見ないし、だいたい九州以外で放映したのかも知らない。 そういうTVドラマの映画版ということで、勝手知ったる馴染みの面子が演じる…って感覚は無い。 のっけから博多華丸が…

サスペリア

★★★★ 2019年1月26日(土) TOHOシネマズ梅田7 オリジナルは初公開からずいぶん経ってから見たが、つまらないと思った。 唯一、最初の空港シーンで自動ドアの開閉に内部のギアが動くショットが挿入されるのに感心したのみ。 ルカ・グァダニーノって監督…

夜明け

★★★ 2019年1月19日(土) シネリーブル梅田4 そもそもに、川っぺりで倒れていた青年を見つけて家に連れ帰って介抱しようとするってのに違和感。 現代の日本で普通はそうしない。 119番にTELするだろう。 まあ、それは訳があったってことなのだが。 こ…

ミスター・ガラス

★★★★ 2019年1月19日(土) TOHOシネマズ梅田6 【ネタバレありです】 「アンブレイカブル」の続篇だってことは知っていたが、「スプリット」も連関してるってのは何分未見であるので知る由もない。 まあ、それでも面白かった。 筋としては、いまさら言っ…

クリード 炎の宿敵

★★★ 2019年1月13日(日) MOVIXあまがさき9 ドラゴ父子かわいそう…って、そう思ってしまう物語軸ってどうなんよ。 そのへんスタローンも焼きが回ったと思うのだ。 まあ、そんなこと抜きにしても安直な物語ではあるのだが。 子供のころ、タイソンの試合…

斬、

★★★★ 2018年12月13日(木) シネリーブル梅田1 冒頭、刀を鍛造する過程がフェティッシュに描かれ、出来上がった真剣の張りつめた擦過音が強調される。 そのメタリッシュなものへの偏愛が往時の塚本を期待させるのだが。 以後、真剣への偏愛が強調されること…

来る

★★★★ 2018年12月9日(日) MOVIXあまがさき6 中島哲也はジャンルとしてのホラー映画に本当に関心があるのかって疑問。 たぶん無いんだと思う…っていうかあんまり巧くもない。 映画の前半は、人間の負の部分を拡大した陳列ショーで、嫌な連中ばっかの、…

ギャングース

★★★★★ 2018年11月24日(土) TOHOシネマズ梅田7 どっかの党が一時機、消費税上げなくても企業の内部留保吐き出せたらいいねんと謳っていた。 どうやって吐き出させるかの方途を指し示すことが肝要なのに、全くの言うだけ番長で、だからダメやねん。 と…

生きてるだけで、愛。

★★★★★ 2018年11月16日(金) 梅田ブルク7シアター4 大仰で重っくるしいタイトルであるから、多少眉に唾つけて見始めたのだが。 篇中、主人公が言われる。 「あなた、よく今まで生きてこれたわね」 まったくそのとおりであって、そういう意味でこのタイトル…

スマホを落としただけなのに

★★★ 2018年11月2日(金) 大阪ステーションシティシネマ2 私事だが、先日スマホのショートメールに佐川急便の不在配達の連絡が入っていた。 なんやねん、最近はこんなんすんのかいな。 とクリックすると佐川のHPが出てアプリを取得しろとか書いてある。 …

イコライザー2

★★★★ 2018年10月4日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ジャンルのエッセンスを寄せ集めた代物で新しいことは何もないとも言える。 前作でクロエ・モレッツが演じた役どころは、今回は黒人少年。 これを演じるのがアシュトン・サンダース。「ムーンラ…

検察側の罪人

★★★★ 2018年8月26日(日) MOVIXあまがさき6 大作が続いた原田眞人だが、彼にはこれくらいの規模のバジェットが相性がいい。 例によって、通常の1.2倍速くらいの台詞回しやフィルムの刻みこみを施している。 そのおかげかどうか知らんが、必要とも…

ミッション:インポッシブル フォールアウト

★★★★★ 2018年8月12日(日) MOVIXあまがさき11 冷静に考えれば出来すぎやんと思ったりもする。 しかし、肉体を酷使することを厭わず誠心誠意のマックス値をスクリーンに刻もうとする意志。 それが、不可能作戦の遂行を茶番に見せないのだ。 CGに依…

BLEACH

★★★ 2018年8月11日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 先般、英BBCが選ぶBBCが選ぶ21世紀最高の100本ってのがあって、日本映画で唯一選ばれたのが「千と千尋の神隠し」(第4位)であったのだが、これを快挙とするか、たったの1本しか選ばれん…

ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー

★★★★ 2018年7月21日(土) 梅田ブルク7シアター4 巷間不評だと聞いていたが、サイドストーリーとして「ローグ・ワン」より買うね、俺は。 ごちゃごちゃしてないのが良い。 本流のサーガとの連関なんて、チューバッカとミレニアム・ファルコン出しとけばえ…

パンク侍、斬られて候

★★★★ 2018年7月2日(月) 梅田ブルク7シアター3 町田康の小説は読んでないか、多分読んでてても1作くらいだ。 (「きれぎれ」を読んだかもしれない) 今回、映画を見て(特に前半だが)、俺は、中島らもの世界に近似だなあと思った。 (中島らもはほとん…