男の痰壺

映画の感想中心です

イコライザー2

★★★★ 2018年10月4日(金) 大阪ステーションシティシネマ12
イメージ 1
ジャンルのエッセンスを寄せ集めた代物で新しいことは何もないとも言える。
前作でクロエ・モレッツが演じた役どころは、今回は黒人少年。
これを演じるのがアシュトン・サンダース。「ムーンライト」で主人公の高校時代を演じた人。
このへん、フークワ=ワシントンのタッグは目端が利いている。
 
まあ、前作でもそうだったが、色気皆無であります。
主人公は世界文学全集好きな読書家でモラリスト
しかし、無双の殺人兵器。
そういう設定がありゃあ他に何もいりません。
 
今作では仕掛けられた終盤の決戦の場がいかしている。
ハリケーンが襲来して住民は避難し無人と化した島の町。
このハリケーンの描写が力入ってすごいし物見櫓ならぬ給水塔みたいなのが立体感をかもしていい。
状況を描くに高低差が加わってかっこいいです。
ちょっと黒澤の「用心棒」を思い出した。
 
そういえば、前作は「荒野の七人」のリメイクだったし。
この監督主演コンビで「天国と地獄」あたりもリメイクしてほしい。
そう思わせる良作と思う。
 
静かに書を読み人々の悲喜交々に心を寄せ道を踏み外す隣人には手を差し伸べるスーパー殺人マシーンに対する愛着はナルすれすれだが好ましい。秒縛りの技斗の放逐も愛嬌で寧ろオープンスペースでの対決が炸裂する終盤の突出する出来は黒澤チックな結実だ。(cinemascape)