男の痰壺

映画の感想中心です

映画2022

THE FIRST SLAM DUNK

★★★★★ 2024年8月15日(木) 大阪ステーションシティシネマ4 自慢やないけど「スラムダンク」の「す」の字も知らない男でございます。漫画を読んだこともなけりゃアニメを見たこともない。であるから2年前の公開時にも端から見る気もなかったし感心ナッシン…

WALK UP

★★★★ 2024年7月8日(月) テアトル梅田2 例によってクォン・ヘヒョの「監督さん」が登場しての3人の女との編年記で、3人それぞれの相性みたいのが綴られるわけだが、この監督さんが最初はブイブイ言わせてる風なのがだんだん落ち目になっていくのが笑える…

ティアーズ・オブ・ブラッド

★★★ 2024年5月23日(木) Tジョイ梅田5 息子が殺されて親父が敵討ちってことなんですが、どうも単線的に展開しないのでテンションが全然上がりません。 親父と息子の関係、更には死んだ妻の死の真相といったエモーションの起点となる事象が後半にしか提示…

ジョン・レノン 失われた週末

★★★★ 2024年5月13日(月) なんばパークスシネマ11 今更ジョン・レノンやビートルズに関する何某を殊更見たいとも思えなかった俺なんですが、時間に合うのがこれか韓国版中年ラブコメしかなく、迷いに迷った挙句にこっちにした。 「失われた週末」というの…

12日の殺人

★★★★ 2024年3月18日(月) シネリーブル梅田3 映画が未解決の事件を描く場合、①独自の推測で犯人を想定する ②混迷し迷宮化する捜査に意味を付与して世界の混沌を提示する という大まかに2つの流れがあると思うのだが、本作はどちらも選んでいないように見…

コヴェナント 約束の救出

★★★★ 2024年3月8日(金) TOHOシネマズ梅田10 アフガニスタンに於けるアメリカ人と現地通訳との絆を描いた点で去年公開された「カンダハル 突破せよ」と激しくかぶる。まあ、どっちかが企画パクったとまでは思いませんが。 片やジェラルド・バトラーの…

FEAST 狂宴

★★★ 2024年3月6日(水) シネリーブル梅田3 【ネタバレです】 父と息子が車で前方を走っていたバイクを轢いてしまう。急にUターンしたバイクにも非はあるにしても、乗っていた父と幼い娘は路上に投げ出され血を流している。だが、彼らは救急車も警察も呼ば…

ファミリー・ディナー

★★ 2023年12月11日(月) シネリーブル梅田2 なんの手管もなく予想された結末がくる、というなんじゃこりゃな映画である。しかも、全然怖くない。 【以下ネタバレです】 まあ、ふくよかなティーンの女の子が主役であるから、彼女が餌食なのかと思わせるが、…

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

★★ 2023年8月24日(木) Tジョイ梅田4 ここ1、2年クローネンバーグの旧作を多少見てたので意識してなかったが、これは新作としては「マップ・トゥ・ザ・スターズ」以来のもので、あゝクローネンバーグ終わったなの感触を再確認するものでしかなかった。 …

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日

★★ 2023年7月6日(木) シネリーブル梅田1 どこが腕利きの探偵やねん?と思いました。探偵としての仕事は写真持って「この人見たことありませんか」と聞いて回るシーンくらいで、他にはなーんもありません。 伊藤沙莉が好きなんで見たけど、予告篇見てる時…

小説家の映画

★★★★★ 2023年7月4日(火) シネリーブル梅田3 「あなたの顔の前に」で登用して成功したイ・ヘヨン再登板であるが、キム・ミニとの連作がある種の行き詰まり感を呈していただけに、ホン・サンスやる事なす事上手くハマってしゃーないの境地であろう。 格段の…

遺灰は語る

★★ 2023年6月28日(水) シネリーブル梅田3 「グッドモーニング・パピロン!」を昔見たときどうしようもなくペラペラに思えて、それ以降タヴィアーニ兄弟の映画は見てません。兄ヴィットリオが数年前に亡くなって、これは弟パオロ単独での作品なんだそうだ…

苦い涙

★★★★★ 2023年6月21日(水) シネリーブル梅田3 ファスビンダーの「ペトラ・ファン・カントの苦い涙」は学生時代に見ているが、その閉じた世界に全く入り込めずひたすら退屈だった覚えがある。これは、ファスビンダーに私淑するフランソワ・オゾンが同作を再…

逃げきれた夢

★★★★ 2023年6月20日(火) シネリーブル梅田3 見た後、一瞬すごい傑作のような気もしたのだが。 それは、独特の表現スタイルによるもので、対話の際の切り返しに人物ナメのショットが一つもない。明らかに小津映画のようであるし、無言のリアクションを厭わ…

Life work of Akira Kurosawa 黒澤明のライフワーク

★★★★ 2023年6月18日(日) 塚口サンサン劇場2 学生時代の後輩の作品で、ここ1、2年、素材を編集する過程で何度も試作を見せられていたものですから、正直今回、関西のスクリーンにかかるからといっても食傷の感も拭えなかった。でも見て良かった。 一つは…

aftersun  アフターサン

★★★★★ 2023年5月30日(火) 大阪ステーションシティシネマ7 親父は結局なんやったんや、でどうなったんやを詳らかにしない点で評価が異なるんかなと思うのだが、あえてそこに言及しないでここまでの作品に仕上げてみせたシャーロット・ウェルズの力量に打ち…

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像

★★★ 2023年5月17日(水) TOHOシネマズ梅田4 映画が始まってすぐ、アレっと思うのは画面の薄暗さで、名匠ダリウス・コンジの撮影はアレンやハネケの作品を見る限りそこまでローキーではない筈である。本作はジェームズ・グレイが自身の80年代を苦渋と…

TAR ター

★★★★ 2023年5月17日(水) TOHOシネマズ梅田5 ケイト・ブランシェットがイケイケのパーフェクト女からズタボロに堕ちるという点で「ブルージャスミン」を、日常がパラノイアな神経症的妄想に侵食される点で「反撥」を思わせるが、トッド・フィールドの…

EO イーオー

★★★★★ 2023年5月12日(金) シネリーブル梅田3 ブレッソンの「バルタザール」をスコリモフスキーが再映画化すると何かで読んだときふーんとしか思えなかった。そもそもに「バルタザール」自体が大しておもろくもなかったから。 しかし、これは名匠の佳品を…

聖地には蜘蛛が巣を張る

★★★★ 2023年4月29日(土) シネリーブル梅田1 娼婦ばかりを狙うシリアルキラーっていう題材はけっこう映画では取り上げられていて、だいたいそういうのは潔癖すぎる社会観と一方で潜在的な女性嫌悪があるとされているようだ。 本作はバリバリのイスラム原理…

やまぶき

★★★★ 2023年3月21日(火) シネヌーヴォX 映画は山口県山間部の採石場から始まる。発破をかけ重機で砕いた岩をコンベアに運ぶ淡々とした無機的描写は、少し前に見た「グンダーマン」の巨大採炭場のそれのスケール縮小版みたい。そこで働く何かの事情で日本…

フェイブルマンズ

★★★★ 2023年3月8日(水) 大阪ステーションシティシネマ79 人間歳とると自分史を語りたくなるみたいで、そういうのってご本人だけがご満悦で、聞く方はうんざりってのが多いもんだが、そこはそれスピルバーグですから、やっぱさすがやな思いました。 これ…

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

★★ 2023年3月5日(日) MOVIXあまがさき10 ミシェル・ヨーがミシェル・キングという名前で出てた頃からの彼女のファンだし、「スイス・アーミー・マン」は未見だがシャイナートがピンで監督した「ディック・ロング」のユーモアのセンスも大変買ってい…

別れる決心

★★★★★ 2023年2月18日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 またかのファムファタールものかと食傷を思わせるのだが、パク・チャヌクは裏の裏を行って純なハートを抽出してきた。やっぱ食えない野郎だと思う。 【以下ネタバレです】 刑事と容疑者、妻帯者と…

Dr.コトー診療所

★★★ 2023年1月15日(日) MOVIXあまがさき5 TVシリーズは全く見たことないし、原作漫画も読んだことない。なんで見に行ったかと言うとカミさんが見たいと言ったからだ。ドラマを見てたらしい。 そんなんで登場人物たちへの馴染みもないから、最終放…

アバター ウェイ・オブ・ウォーター

★★★★ 2023年1月16日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 前作から10数年が経ち今更の証文出し遅れ感があるし、しかも言うにことかいて5部作構想だと聞いてうんざりした。見んとこ思ってましたが「キャメロンを信じろ」との海外評とかもあって見まし…

ファミリア

★★★★ 2023年1月10日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 現在、乃至は今後の日本にとって将来の国力を決しかねない最重要課題が少子化問題と並んで移民問題であることが最近にわかに改めて言われだしている。 難民申請の制度的な遅れを指摘した「マイス…

ラーゲリより愛を込めて

★★★ 2022年12月14日(水) TOHOシネマズ梅田8 食指の動かない題材であったが、主演が北川景子8割、瀬々監督2割の誘因が俺を動かした。って見てからずいぶん経ってますが。去年見ました。 第2次大戦終結後にシベリアに抑留された日本兵たちの話だが、…

ケイコ 目を澄ませて

★★★★★ 12月20日(火) シネリーブル梅田1 さほど起伏のあるストーリーでもないのだけど、一瞬一瞬の情感をフィルムに焼き付けようとの意思がバシバシ伝わってくる。傑作だと思うし、去年の「偶然と想像」と同じく暮れになって邦画レース総まくり1本が現れ…

あなたの微笑み

★★★ 12月12日(月) シネヌーヴォ 場当たりの出たとこ勝負であることは何かの僥倖に恵まれるか神の差配でもない限り自堕落な結果しか残さない。そういうことを思った。天才と呼ばれる一部の匠たちは往々にしてその僥倖や神の差配を呼び寄せるんだろう。リム…