映画1963
★★★★★ 1977年10月1日(土) 伊丹ローズ劇場 1991年5月26日(日) 日劇シネマ 局地的でミニマムな相克なのに切迫と緊張を最大限に加重しロシア文学めいた神の荒野が現出する。テクニックも冴え「こだま」カットインによる省略と急転は4人の脚本家チームが小躍り…
★★★★★ 2025年6月7日(土) シネヌーヴォ 戦前・戦中・戦後を生き抜いた女の生き様であるが、よくある何かを成し遂げる為に、男を踏み台にしたとか、女を武器にしたとか、そういうのが無いのが素晴らしい。 主人公の高峰秀子の周りには、例えば戦後のドサクサ…
★★★★★ 1979年2月18日(日) 大毎地下劇場 1980年8月3日(日) SABホール 強固なまでに内省的で文学臭ふんぷんたる出来だが、惚れ惚れするくらいに堂に入ってる。トーマス・マン「魔の山」めいたサナトリウムの似非会話の空疎。クロケのモノクロームの艶とサテ…
★★★ 2025年1月20日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 ムウ帝国の限りないチンケさの一方で太平洋戦争の余韻を引き摺るアナクロさが何とも言えない味わいとも言える。 大日本帝国海軍の残党が南海の孤島に潜んで「轟天」なる水地空トリプル仕様の戦艦を…
★★★★ 2015年10月18日(日) シネヌーヴォ お決まりな更生と転落が振れ幅を加速しつつ行き着いた矯正施設での彼女の達観はそれでも心打つ。真の意味での目覚めを描きそれでも尚駅での愁嘆場を経て旅立つ少女の未来に幸あれと思う。自立する女性とダメ男を描く…
★★★★ 2017年10月21日(土) シネヌーヴォ 1960年を前後し松竹で若手映画人による反体制のムーブメントが起こる。 後に松竹ヌーヴェルバーグと称されるのだが、その輪に加わるこができず傍から眺めていた男がいた。 山田洋次。30歳。未だ監督昇進は果た…
★★★★ 2017年9月23日(土) プラネットスタジオプラス1 クロード・ベリってよく知らんが、調べるとゲンズブールが監督した「スタン・ザ・フラシャー」ってのを俺は見ていて、その映画の主演を演った男で、まあドヘンタイの役でした。 あと、「愛と宿命の泉」…
★★★★ 2017年5月20日(土) シネヌーヴォ 「けんかえれじい」との類似による物足りなさは感じなかった。 多分、覚えていないからだろう。 不良ということだが、、彼の言ってることは正しい。 時代が正しくなかったということで、そのへん描き方は芯が通ってい…
★★★ 2016年7月23日(土) プラネットスタジオプラス1 ド派手若作りと歳相応の中年女性を往還するクロフォードの凄まじい大芝居が全ての安手ギミックを粉砕する。随所で漂う『サイコ』2番煎じ臭だが凶器をグレードアップしてキャッスルのドヤ顔が目に浮かび…
★★★ 1976年8月3日(火) SABホール 浪花節だよ人生は的な物語を情緒メロメロの歌曲でビショビショにまぶしてくれるので息苦しい。本来小ネタで繋ぐ挿話も歌で綴られ身に沁みない。ストーリーを今更に読み返して見るといい話なのだがストンと落ちないのだ。…
★★★★ 19774年2月24日(水) 阪急文化 ビッグXの英式階級統治が相容れぬヒルツ米流個人主義と職能集団の共同作業の中で幸福な融和を成す前半も良いが、やはり後半に一転する娑婆の空気の開放感。ヒリつく緊張が漲る中を独立独歩のマックイーンに豪快に突っ走…
★★ 2023年8月29日(火) 大阪ステーションシティシネマ6 サワリは何かで見てても通しでは見てないと思ってたのだが、見てるうちにこれ見てると判った。もちろん子供の頃のTV放映ででしょうが。まあ、覚えてないほどつまらなかったということなんでしょう…
★★★ 2023年8月28日(月) シネリーブル梅田2 野郎2人が女をナンパする。踊りたいと言うのでダンスボールへ行くが、どうも話も噛み合わず盛り上がらないまま女は他の男に誘われて踊ってばかり。男2人は女のカバンから財布を重ねてトンズラこくのであった。…
★★★★ 2023年3月15日(水) 新世界東映 きっと「黄金の七人」にインスパイアされたもんだろ思ったら、こっちの方が2年先であった。石井輝男の作品は多分1割も見てないけど、見た中では1、2を争う出来だと思う。イケてます。 画面の造形がダブルフォーカス…
★ 1999年8月21日(土) 神戸アートビレッジセンター アルジェ解放をめぐり敵対する解放勢力と極右軍組織という切実な題材を用いながらスパイごっこ映画しか作れない映画オタクは結果ベクトルをカリーナを女神と崇め奉ることでしか自らを語れないらしい。しかも…
★★★★ 2000年8月12日(土) シネヌーヴォ 山崎豊子原作ものとしては、その出演者のコラボレーションや撮影、美術が秀でた点で山本薩夫『白い巨塔』や市川崑『ぼんち』と同格に並べてもいい。加えて、原作と同期した風景1つとっても現在から再現したのでは到底…
★★★★ 2000年8月13日(日) シネヌーヴォ 若尾のドライな持ち味があり隠微な筋立ての被虐性が中和され頃合いになった。停滞する展開から一転し終盤のたたみかけの地獄の底まで転げ落ちて、挙句これで良かったのかもと強引に納得させるパワーが魅せる。宮川の撮…
★★★★★ 2000年12月21日(木) シネヌーヴォ 夫婦の根元的な営みとは綺麗事言ったってこれしかないんだってことだろう。新藤は解りやすい。とてつもなく暗く真っ当な話を60年代ATG前衛テイストでクールに、しかもシャープに描いた傑作。黒田清巳のエッジの…
★★★★★ 2001年4月11日(水) 高槻松竹 静謐と慎ましさが支配する日本にあっての異世界京都西陣を成島の陰影に富む撮影が完璧に構築し、繰り広げられる生き別れ双子姉妹の哀話は前面に出すぎず絶妙のバランス感覚。岩下の2役も的確且つ情緒風情を醸し出し完璧に…
★★★ 1995年9月15日(金) ACTシネマテーク 抑もサントリー広報に勤務し直木賞を受賞することが普遍人かという疑問はさておき、親や女房や子供のことにチマチマ悩む市井人を描くに喜八演出は奇想的手法を採らず好感。が、戦中派30代サラリーマンの鬱屈が理…
★★★★ 2001年4月4日(水) 動物園前シネフェスタ1 4人と山程の女の子達と守旧派の警官や年寄りしか居ない世界で彼らの生温いオチャラケは予定調和にアゲられサゲられる訳だが、そういうベタネタをレスターのポップ技が加速することで毒を食らわばの境地へ誘う…
★★★ 2002年4月27 日(土) 梅田東映 薄幸な風情の佐久間良子が自我を表出し始めるにつれて何らかのエモーションを感じはしたし、喘ぐ彼女の表情は相当にそそるのだが、やはり千秋実によって語られる夕子の身体的特質がナマに表せないのは致命的。いっそポルノ…
★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ 有機結合しないグダグダのエピソードの連鎖が大して面白くもない東宝の弛緩コメディアンたちによって綴られる。語るに目一杯で川島的ニヒリズムは埋没し馴れ合いの腐敗感さえ漂う。唯一の清涼風は団令子。そのソリッドな色…
★★★★ 2022年3月21日(月) プラネットプラスワン 60年代にイギリスのスタジオシステムの圏外から勃興したフリーシネマの3羽烏の1人リンゼイ・アンダーソンの作品だが、社会のシステムに対するどうしようもない怒りや反抗というより、ひたすらに男と女の…
★★★★★ 2003年10月21日(火) 梅田ガーデンシネマ2 ただでさえ終始何かに追われてるかのような主人公の切迫感が不倫によって倍加される過程をこれ以上無いまでの緻密さで描いた映画の教科書。しかも、中間小説に突然割って入ったかの如きアメリカンハードボイ…
★★★★ 1992年3月8日(日) 日劇シネマ 充分に練られた娯楽脚本にピークを織りなす役者が顔を揃えれば下手な演出は要らない。とは言え、そこに絶頂期の演出が出過ぎずサビを効かせれば問答無用となる。油の乗った喜八60年代の頂点を極める諸作中、最も言及され…
★★★★ 1992年3月8日(日) 日劇シネマ 利権をめぐる欲と色の世界をコメディチックに描く東宝カラーにニヒリズムを隠せない川島の醒めた視線が加味され単純ではない味わいが生じた。我と癖の2枚看板を揃えオーバーヒートもせず情にも流されない平衡感覚。クライ…
★★★ 1992年7月21日(火) シネマアルゴ梅田 群像劇と承知の上で野暮言うと夫婦と愛人の話に絞れなかったのが物語の純度を低めている。それ程までにリチャード・バートンのニヒリズムが発見だったし、更にそれ以上にエリザベス・テーラーの輝きには見とれる。こ…
★★★★★ 1992年11月12日(木) サンポードアップルシアター 映画的レトリックと純文学かぶれのアンビバレンスが解消された60年代市川の総決算とも言うべき大衆芸能お祭り映画。主演長谷川を十二分に立てつつ演出もキザでキッチュでオチャラケるという奇跡の併…
★★★★★ 2006年10月21日(土) 日劇会館 これを見れば西村ほどの才能がロマンポルノに身を埋めてしまったのが惜しまれる。今村的意匠は随所にあるが、的確且つ変態風味を滲ませた作風はオリジナル。そして、何かに到達するには人1人殺すほどじゃなければとい…