男の痰壺

映画の感想中心です

映画1954

大砂塵

★★★ 2016年10月9日(日) プラネットスタジオプラスワン 四角関係のようなものを描いてるのだが妖怪化する直前の女2人に色気もクソもなく全然そそらない。男勝りの鉄火肌にも成り切れぬので野郎どもは唐変木の烏合の衆と化する。山間でやたら爆発が起こった…

アパッチ

★★★ 2022年7月16日(土) プラネットプラスワン アルドリッチの初期作だが、この翌年に傑作「ヴェラ・クルス」を撮ったことを考えると、今一凡庸さは否めない。 ジェロニモ投降から始まるアパッチ族斜陽の物語で、1人徹底抗戦を謳う男をランカスターが演じ…

ゴジラ

★★ 1994年7月31日(日) アクア文化ホール 山陵からひょこり顔出すゴジラの違和感と遠近感の喪失。クライマックスは延々暗くてようわかりません。この映画に限っては古典として今見直しても通用する何かがあるはず…えっマジこんなんだったっけ?後付けの解釈が…

ダイヤルMを廻せ!

★★★★ 1992年5月12日(火) シネマアルゴ梅田 『サイコ』のシャワーシーン並の手間暇をかけたグレース絞殺シーンに今いちインパクト無くとも、殺人の打ち合わせの俯瞰ショットの歪で痺れるセンスは珠玉。本来唾棄されるべき不倫女に加担させられる悪意のパラド…

雨の朝巴里に死す

★★★ 1992年7月14日(火) シネマアルゴ梅田 愛と希望の果ての孤独と絶望と享楽と逃避の日々をハリウッドのコード規制の中でダラダラと描いて見せ切る手腕は認められる。しかし、敗北とも取れる終盤の帰着が余りにご都合主義。リズの濃厚なフェロモンは確実に俺…

麗しのサブリナ

★★★★ 1992年7月16日(木) 梅田コマシルバー 超弩級の新星に強面のベテランボガートを配したのが常套手段にしても填ってる。一方でシニカルなホールデンも良い味で配役の妙を堪能すべき映画だろう。オードリーは同じワイルダーなら『昼下りの情事』の方を買う…

裸足の伯爵夫人

★★★★ 1992年7月22日(水) 梅田コマシルバー 成り上がって行くガードナーを常に醒めた視線で眺めるボギーがプロらしい冷徹さを演じて正にタイプキャストだが、つるむオブライエンともども根底には慈愛がある。救いがない顛末を語るに絶妙な距離と語り口。『イ…

砂の女

★★★★ 1991年4月29日(月) シネマヴェリテ梅田 具現化されたイメージが原作読みの想像世界を超えたか微妙。外世界の村人たちが形象を付与され土俗的猥雑さが増す一方でシュールなエッジは後退した。岸田今日子のネバつくようなエロスも同義だがこれは原作を凌…

七人の侍

★★★★ 1975年1月19日(日) 北野劇場 1981年7月23日(木) 新世界東宝敷島 1991年11月24日(日) 三番街シネマ3 侍集めシークェンスは面白く最後の雨中の決戦は確かに凄絶だが、とことんキャラ立ちする七人に対し野盗と農民のあまりな無名性はどうなのか。「勝…

裏窓

★★★ 1984年2月12日(日) ニューOS劇場 1点からのアングルのみで娯楽作を成立させるというアイデアを十全に駆使できる完璧な美術セットを手に入れながら慎ましやかなレンズ使いの古典品位。だが、それでも尚滲む出歯亀覗きのアンチモラル愉悦というファクタ…

夏の嵐

★★★★ 1983年12月22日(木) 伊丹グリーン劇場 ヴィスコンティのマゾヒスティック志向がリアリズムからバロックへの手法の変遷と同期し一大転換点となった。冒頭に持ってきたオペラ観劇シーンが基調を確定し中身に欠ける泥沼の愛憎劇を崇高なまでに高めている。…

★★★ 1980年9月13日(土) SABホール 対比されるべく書き込まれた粗暴や狡猾と無垢や慈愛が極北的に配置されたのは解るが、クインとマシーナが余りに線上から逸脱し無さ過ぎでキチキチでしんどい。ベースハートが逸脱のキーマンだったが力量が無く物語もその…

ナポリの饗宴

★★★ 2019年2月2日(土) シネヌーヴォ 子供のころに読んだ佐藤忠男著「世界映画一〇〇選」っていう本があって、あまりに繰り返し読んだもんだから、そこに選ばれた100の映画に俺は敏感に反応してしまう。 本作も選ばれており、佐藤先生褒めまくっておりま…

ヴェラクルス

★★★★★ 2019年1月26日(土) プラネットスタジオプラスワン メキシコ、アーネスト・ボーグナイン、ガトリング銃とくれば否が応でも「ワイルドバンチ」を連想する。 そういう意味で、これは源流とまではいわなくても少なからず触発を与えた作品ではなかろうか…

グレン・ミラー物語

★★★★ 2016年1月9日(土) プラネットスタジオプラス1 サッチモをあれ誰?と言う音楽音痴の彼女が唯一好きな曲は全く趣味じゃなかったという前振りが反転結実するラストの珠玉。丁半博打の人生に張って乗った女の一代記とも見れる。こんな出来た女房じゃ男は…