★★★ 2024年8月27日(火) TOHOシネマズ梅田2
60年代に隆盛を極めた東宝特撮映画だけど、ここ数年幾つか見直す機会があって、でも若しかしての期待も虚しく大概撃沈に近い印象で終わってるのであった。これもわざわざ2Kニュープリントと銘打ってシネコンでやってるので性懲りもなく一応見に行きました。尚、怪獣博士を自称していた子供の頃当然TV放映で見てます。
コングとゴジラが出てくるまではオモロイ。それは、東宝が飽きずに作り続けていた当時のサラリーマンものの豊穣な土壌が寄与しているからで、パシフィック製薬の宣伝部長、有島一郎がハイテンションで演じるドタバタは見てて、ものすごーく安心の安定である。その部下の高島忠夫の妹の浜美枝の恋人の佐原健二は東洋製綱の社員。とまあ、出てくる連中はみーんなサラリーマンなんです。植木等が「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌った時代の巧まざる詠歌だ。日本がとんでもない活力を帯びる時代が始まっていた。戦争の影を纏った「ゴジラ」初作から8年目にして雰囲気は一変するわけです。
本作から5年後の「007は二度死ぬ」では舞台が日本。出演していた浜美枝と若林映子がボンドガールに抜擢されたのは、「おー、あのキンゴジのチャームガールね!」と米側制作陣の覚えも良かったからです。(多分)
えっ、肝心のゴジラとキングコングですか?まあ、それはええでしょ。