映画2016
★★★★ 2018年5月19日(土) テアトル梅田1 アメリカに於ける黒人差別史において、殊更に新たな括目されるべき何かが呈示された訳ではない。 冒頭、原作者であるジェームズ・ボールドウィンが言われたこと。 「何をそんなに悲観的になる?随分と良くなったじ…
★★ 2018年4月19日(木) 新世界国際劇場 ラリー・チャールズの映画は、「ブルーノ」しか見てないのだが、あれは傑作だった。 なんというか、胆の据わり方がハンパなくって、殺すもんなら殺してみやがれっていう開き直りがたまらんかった。 「ブルーノ」を含…
★★★★ 2018年2月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ズッテーン…なんじゃそりゃってなラストであったが語り口は好みであった。 初期のギャスパー・ノエみたいなテイストでもあるし、一方で女性監督らしいガーリーな曝け出し感もある。 校舎の屋上で…
★★★ 2018年2月4日(日) 新世界国際劇場 ロビイストなる言葉を初めて聞いたのは東京オリンピックの招致のときだったと思う。 その後、中国や韓国がアメリカで反日議案を通すときにも聞いた。 要は票取り屋なのであるが、今の時代、どのような手練手管で潮流…
★★★ 2018年1月20日(土) 新世界国際劇場 安いヒロイズムと安いCGとご都合主義がテンコ盛りで食傷します。 …で、済んじゃうような映画です。 が、それでも、あらためて朝鮮戦争って何だったのかを考えてみる切欠にはなる。 リーアム・ニーソン扮するマッカ…
★★★★ 2017年12月9日(土) シネリーブル梅田4 「リアリティのダンス」の続編で、少年期を題材とした前作に対して、こちらは青年期が語られる。 まあ、感想を一言で言えば、「この爺さん、どんだけ自分の親爺が嫌いやってん!」ということであります。 そう…
★★★★★ 2017年12月5日(火) 梅田ブルク7シアター2 道中を共にするサルとクワガタ男が何者かと知れたときに、映画は一変した。 いや、そこまでも十分に楽しめる出来ではあった。 だが、3種の神器ならぬ武具を求めての旅路は映画の骨法としてはあまりにオー…
★★★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 敵に与する男と、敵に抗する男の確執。 やがて生ずる友情とシンパシー。 といったノワールな骨子は良い。 のだが、どうも一直線に行かない。 互いが腹に一物の飲み明かしでベロ酔いになったふりで、別れた途端…
★★★★ 2017年11月23日(木) MOVIXあまがさき8 要所、要所で岐路に立った彼女は判断し行動するが、決断が明快で早い。 短慮というのではなく、十分に考えた選択らしくで尚早いのだ。 そこが気持ちいい。 したがって、スト騒動になんて関心がないが、い…
★★★ 2017年11月18日 大阪ステーションシティシネマ12 強烈なタイトルバックであり、どんな寺山的ないしはリンチ的な世界が繰り広げられるのかとの期待がふくらむ。 映画は開巻ほどなく、小説世界がカットインされるのだが…。 暴力描写や緊迫感の生成はなさ…
★★★ 2017年10月21日(土) 新世界国際劇場 【ネタバレあります】 文字通り絶望的な未来を描いているのだが、俺はゾンビ映画という描法がもう限界なんじゃないかと思って、そっちの方が気分ディストピアっす。 意欲的な作品なのだろうとは思う。 出だし、30…
★★★ 2017年9月18日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 冒頭の30分くらいは凄い。 動物君たち大集合の生きとし生ける生業と無常が炸裂。 人もまた何時終わるやも知れぬ戦闘状態下で疲弊し自棄のやん八で生ける生業と無常が滞る。 ミルク売りの娘の家では…
★★★ 2017年9月8日(金) 大阪ステーションシティシネマ11 父性の回復といった命題が主軸にあるが、それよりも否応なしに浮上するのが自己犠牲だ。 ・幼い愛娘 ・身重の愛妻 を救う為に男たちは死ねるか(ゾンビになれるか)?…といった問いかけがベタに繰…
★★★★★ 2017年8月29日(火) シネリーブル梅田3 初期のモノクロの2作はめっちゃ好きだったのだが、その後「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」と観てジャームッシュはカラーになって今一性に合わなくなったと思っていた。 ずーっと観…
★★★ 2017年8月27日(日) 大阪ステーションシティシネマ11 どうにも、今年上半期に公開されたユペール主演の「未来よこんにちは」と設定がかぶりすぎてる。 ・バツイチで成人の子供1人と老母 ・元夫とは顔を合わせる機会が多い ・キャリアは充実期を若干…
★★★★★ 2017年8月22日(火) テアトル梅田2 物凄いカオスだ。 こんなんじゃ、ドゥテルテが麻薬関係者を片っ端から何千人殺そうが本質は改善しないだろう。 それを産み出す土壌を改良しないと上物だけ取り繕っても無駄なのだから。 それでも、人は生きるしか…
★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 この監督の「アジアの純真」って映画を何年か前に観たとき一種の覚悟のようなものを感じた。 平和な日本で安穏と暮らす緩んだ感覚を撃たれた気がした。 4時間、2,500円って普通なら俺は見に行かない。 「ハッピ…
★★★★ 2017年7月29日(土) 第七藝術劇場 異郷の地で自分を見つめなおす。 内省的で真摯で静謐。 「24時間の情事」 「ロスト・イン・トランスレーション」 といった映画の逆バージョン。 そんなに期待もしてなかったが、予想外の出来に驚いた。 全篇、全カ…
★★★★ 2017年7月17日(月) シネリーブル梅田1 働く女性の否応ない孤独や等身大の周辺事情を描いているが、背伸びも嘘八百もない。 経営コンサルというエグゼクティブな職種を描いてかっこもつけない。 かと言って、批判めいたこともやらない。 父親が奇矯な…
★★★★ 2017年7月10日(月) シネリーブル梅田1 信義を通すということとは何かということを謳っているのだが、教条的ではない。 戦中の日本の左翼弾圧を描いたもののような視野狭窄っぽさもない。 もっと普遍性がある。 我はらんとあんじょう上手くやったらよ…
★★★ 2017年7月9日(日) MOVIXあまがさき1 3部構成となっているのだが、頻繁に比較対照される「フル・メタル・ジャケtット」を未見なので、とりあえずは2番煎じ感は覚えなかった。 いや、むしろ、従軍以前の故郷→従軍後の訓練に至る1・2部はすご…
★★★★ 2017年6月24日(土) シネリーブル梅田3 冒頭、大がかりなアパート倒壊というハッタリがかまされる。 ただ、以後、そういうケレンは影を潜め、引越しの動機づけとしてしか機能しないのが弱い。 バランスを欠き、いらんかったんじゃないかと思う。 役者…
★★★★★ 2017年6月23日(金) 大阪ステーションシティシネマ6 母についての映画って山ほどあるが、あんまり食指がわかない。 マザコン的であるか近親憎悪的あるかにせよ、映画はドラマティックたらんとするからどっちかに振れる。 が、本作は、そのへんが実に…
★★★★ 2016年3月20日(日) MOVIXあまがさき3 かねてより寅屋のコラボ再現を夢想してた山田が尺に合う面子に巡り合ったということで倍賞の後継として夏川も完全に趣味に合う。老妻の反乱は未遂に終わっても犬の欠伸で済む話。若作りな色気を排した世界では稔…
★★★★ 2017年6月25日(日) MOVIXあまがさき3 彼が後生大事に持っている3枚の写真は1度も映ることがない。 過去挿話で兄の嫁さんは裸の下半身が映るだけ。 アカデミー脚本賞も納得の出来だ。 随所で語らずに語るの技法が効いていて心憎いばかり。 時…
★★★★ 2017年6月10日(土) シネリーブル梅田3 この監督の「トロール・ハンター」は見ているが、バジェットが大きくなれば堅牢な語り口を呈するあたり、ギャレス・エドワーズの筆頭後方走者と言える。 アンドレ・ウーヴレダル…覚えとこ。 黒魔術とか魔女とか…
★★★ 2017年6月10日(土) TOHOシネマズなんば12 各人の覚醒(?)を並行的に描く前半は素晴らしい。 吉田大八演出は「桐島」でもそうだったが、複数挿話の捌きに秀でている。 どの挿話も手を抜いた感じは一切ない。 しかし、前半で振られたトンデモネタは…
★★★★ 2017年6月10日(土) 梅田ブルク7シアター3 「地獄の黙示録」に準える向きも多いみたいだが、確かに、このウディ・ハレルソンは一筋縄ではいかないキャラ付。 大上段に邪教の導師的に鷹揚とも言える裁量を見せるが、しかし基本、私欲が行動原理に思え…
★★★ 2017年6月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 ものすごく、とっ散らかった物語だ。 大体、この主人公、もひとつ背骨が通っていない。 俺は指図を受けたくねえと言いつつ、あっちの親分こっちの親分と蝙蝠よろしく行ったり来たり。 悪いことしまく…
★★★ 2016年3月13日(日)MOVIXあまがさき2 南西壁・冬季・無酸素・単独と岡田が物々しく宣う不可能ごとが、とどのつまりモノローグな夢枕獏節でしか表現されないのが日本映画のジャンル限界なのだろう。穴を言い出せば切りないが傍観的語り部に徹すべき男を…