映画1966
★★★ 1980年9月14日(日) SABホール 散発する局地的テロが仏軍の本格介入により全面戦争に至る。カスバ市街が爆破されヘリが空中を舞い数千人規模のモブシーンが展開されるのは凄いとしてもドラマチックじゃないのでしんどい。ドキュメントフィルムの壮大な…
★★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 逆しまなモラトリアム空間に浮遊するかに見える少女2人のかったるい悪戯紀行なのだが、耐年性のあるポップなガーリージャンルもんで切り捨て難い剣呑な悪意を孕んでおり予断を許さない。で、期待通りのカタルシスが…
★★★ 1980年8月1日(金) 毎日文化ホール 2001年3月2日(月) 動物園前シネフェスタ2 ピークアウトした妖精とマッチョレスな性格俳優では御伽噺は成立しない。ワイラーは鍵やブーメランで冗長なネバリを見せるがベッケルやメルヴィルになろう筈もなく、全篇緩み…
★★★★ 1980年9月27日(土) 毎日文化ホール 訴訟を巡るドタバタもシュールなパロディを織り交ぜ冴えてはいるが、女房に逃げられたジャック・レモンの独壇場とも言える切ないまでの哀感と侘びしさ。マッソーとのやりとりは巷間言われる凸凹コンビではなく高度な…
★★★★ 2025年7月21日(月) シネヌーヴォ 大戦下の呵責ない野戦病院の惨状が延々と続く。相当にキツいが、そこまでやらないと、この物語は成立しないいう増村のドグマを感じる。 極限下に於ける男と女のエロス。と言えばよくあるテーゼであるが、若尾文子と芦…
★★★ 2025年6月7日(土) シネヌーヴォ 小林桂樹のサラリーマンが若い女と不倫して挙句にドツボにはまる、っていうのは本作の6年前の「黒い画集」を思い出させる。 ただ、犯行の動機・経緯やその後の桂樹の心理・行動は意表をつくものではあった。そうなのだ…
★★★★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 山崎原作の段階でエンターテインメントとしては完成され尽くしているのだから、ストーリーテラー山本が捌けば下手を打つ筈もないが、時代に裏打ちされた確信的とも言える役者たちのグルーヴ感が並ではない。恍惚なま…
★★★★ 2017年5月6日(土) プラネットスタジオプラス1 こいつらどんだけ胃強いねん。 これが、見終わったときの率直な感想だ。 女房の親爺が主催するパーティに夫婦で出席して帰宅したのが深夜1時ころ。 この段階で夫婦とも相当に出来上がっている状態なの…
★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 明らかに『若大将』シリーズの後発亜流として作られたわけだが突き抜けずイジイジ感がある。東宝的明快さで語られる社会的ヒエラルキーは打破されるのでなく温存され安住へと埋没する松竹的ことなかれ主義。それを悪い…
★★ 2024年2月23日(金) プラネットプラスワン オリジナルが3時間なのに対して見たのは2時間半の短縮版、フランス語版がベターだろうが英語版、おそらくシネスコだったろうがスタンダードへのトリミング版、と満身創痍のものを鑑賞したってのを割り引いて…
★★★★ 1976年10月14日(金) ビック映劇 主役2人の微妙なエッジの効き加減がモノクロ画面とシンクロして甘さを緩衝。そのうえでルルーシュは砂糖菓子のようなボサノバを流し恰好つけまくりのソフトフォーカスをこれでもかと垂れ流し臆面もない。ヌーベルバーグ…
★★★ 2016年10月20日(日) 大阪ステーションシティシネマ7 冒頭ラストの各10分は得意の縦構図とクローズアップの快楽モンタージュで殿堂入り級だが残り大半は弛緩。ミニマムなアウトロー講談に南北戦争という大状況を加味しキャラが振り回され凡化し…
★★★ 1973年9月2日(日) 伊丹グリーン劇場 敵味方同床の馴れ合い感が横溢する割にはその辺を過剰にフィーチャーせぬ醒めたブルックス演出が悪くはなく、2大曲者男汁役者が確執もなく共闘するのも又味わい深い。しかし、やっぱ強固な憎悪や義憤がないと盛り上…
★★★★ 2023年4月19日(水) シネヌーヴォX ブリジット・バルドー→カトリーヌ・ドヌーヴとたらし込んだ男が何でジェーン・フォンダにいかれてもうたんやろか?の疑問が大いにあるのだが、映画は色々興味深いし悪くない出来であった。 19世紀のエミール・ゾラ…
★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 剃刀の如き怜悧な安藤昇の口跡の良さと暑苦しいまでの南原宏治の顔面演技の正面激突に見応えがあり見て損の無い出来。更にショウブラザーズの名花(知らんが多分)ペギー・潘(潘迎紫)がキューティで切ない。(cinemasc…
★★★ 1999年5月2日(日) 日劇シネマ 坂本スミ子が予想外に今村的ミューズを体現して感動的だが、一方、小沢スブやんの諦観は今一修羅場を潜ってるとも見えず遂に胸に迫ることはなかった。そして、悩める男の再生譚は後年の『うなぎ』にて焼き直されるわけだ。(…
★★★ 1997年1月25日(土) 山口県教育会館ホール 冒頭の結婚式が深い色調を伴った圧倒的な長回しで結局は篇中最大の見せ場。あとは、もったいぶったアンゲロ調で描かれるものの、本質は『嘆きの天使』か『ロリータ』かといった感じで、なら正直になれよと言いた…
★★ 2000年8月13日(日) シネヌーヴォ 若尾文子の秘めたればこそのエロスが全開にされて茫漠としている。それこそ透き通るような白肌はそれはそれで見物なのだが、宮川カメラが存外に凡庸で耽美的とまでは思えない。刺青を彫られたが為に運命が狂うというなら…
★★★★ 1995年3月5日(日) パラダイスシネマ 前半のテネシー・ウィリアムス的な停滞し鬱屈した南部の退廃描写が些か古くかったるいのだが、アメリカ映画固有ジャンルである群集心理ものをヘルマンがこれでもかと煽る暴動シークェンスの鮮やかさ。良識代表のブラ…
★★★★ 1994年7月30日(土) 扇町ミュージアムスクエア 写真の片隅に何かが写っているというモチーフがサスペンスの常套から逸脱し不条理に浸食され始める。深遠な何かを呈示しているとも思えぬが、それが夢か現かの白日の陽光と非現実的な美しいカラーのもとで…
★★★ 2003年1月235日(火) テアトル梅田2 パリ郊外で圧倒的質量ですすむ再開発とニュータウンの主婦売春。コンセプトは驚くほど分かりやすく魅力的なのに、哲学的モノローグを散りばめ強引に自問自答の展開へと持っていこうとしている。(cinemascape) keniron…
★★★ 2003年2月4日(火) 日劇会館 筋を通した生き方が出来れば、何事にも後ろめたさは持たなくていい。解ってくれる人は必ず居る。しかし、通す筋がお互い相容れなくば地獄行き。侠道の天国と地獄をロジカルに構築した素晴らしい脚本。ただ、加藤泰の様式演出…
★★★ 2003年2月4日(火) トビタシネマ ハイキーで空を飛ばした泥濘のゴーストタウンが強烈で、そこを棺桶引きずって歩く主人公の造形が鮮烈だが、どうにもポリシー無さそうなキャラで損してる。メキシコ、南軍両敵方首領のキャラ良く、ラストのタメと決めが調…
★★ 1993年10月15日(金) 扇町ミュージアムスクエア 「愛の不毛」女優が「赤狩りトラウマ」監督と組んでお洒落なコメディ・アクションを撮ればマイナス2乗で弾ける目もありそうなもんだが、出来あがったものは理解を超えて一巡し、つまらなく古臭くセンスが無…
★★★★★ 1992年6月28日(日) 日劇シネマ 仲代の圧倒的ニヒリズム。殺陣の信じられない切れ方は現代では絶対再現不可能。中途半端で終わってしまうのが残念であるが、それを差し引いても数多ある60年代の時代劇の中で屹立したものの1本と信じて疑わない。(cin…
★★ 1992年6月28日(日) トビタ東映 義理や人情と決別する実録路線開花前夜のモラトリアムチンピラものだが、所詮モラトリアムな半端もんなので全然面白くない。新旧ヤクザの世代ギャップの背景に戦争体験を充当するのも当たり前すぎて今いち。ゲリラ手法のア…
★★★★ 1991年5月3日(金) シネマヴェリテ梅田 精緻な背景設定をするほど無名性に接近する公房原作に仲代では違うと思うが、抑圧の中で滲み出るヴァンプ京マチ子のエロティシズムには参る。変身願望を通して燻り出された匿名社会の本質は生硬とも思うがアンビバ…
★★ 1991年7月27日(土) みなみ会館 劇的誇張のない淡泊な展開の中で増村的テンションの発露は行き場を失いインポテンツ状態に陥る。雷蔵演じる終始非情な主人公は好演とは思うが、モノトーンからの変容こそが旨だったのではなかろうか。ママゴトめいた物語の…
★★★ 1991年10月20日(日) トビタ東映 解体を旨とする作家が堅牢な構築に統べられ行儀は良いが平凡。なのにそれを良しとしない諧謔味が寧ろ邪魔にさえ感じ漫画チックなカット割りが浮いている。極右化しゆく青春の行く末をこそ清順流で示唆すべきが、そこは新…
★★★ 2008年8月9日(土) トビタ東映 ロミ山田や村田英雄が軸を回す芸道風味作。知り尽くしたマキノ演出が悪かろう筈も無い。ただ、健さんの居場所の無さが観てる方まで居心地悪くさせる。肝心の見せ場も島田・長門の老若コンビに持ってかれる始末。釈然とし…