映画1966
★★★★ 2017年5月6日(土) プラネットスタジオプラス1 こいつらどんだけ胃強いねん。 これが、見終わったときの率直な感想だ。 女房の親爺が主催するパーティに夫婦で出席して帰宅したのが深夜1時ころ。 この段階で夫婦とも相当に出来上がっている状態なの…
★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 明らかに『若大将』シリーズの後発亜流として作られたわけだが突き抜けずイジイジ感がある。東宝的明快さで語られる社会的ヒエラルキーは打破されるのでなく温存され安住へと埋没する松竹的ことなかれ主義。それを悪い…
★★ 2024年2月23日(金) プラネットプラスワン オリジナルが3時間なのに対して見たのは2時間半の短縮版、フランス語版がベターだろうが英語版、おそらくシネスコだったろうがスタンダードへのトリミング版、と満身創痍のものを鑑賞したってのを割り引いて…
★★★★ 1976年10月14日(金) ビック映劇 主役2人の微妙なエッジの効き加減がモノクロ画面とシンクロして甘さを緩衝。そのうえでルルーシュは砂糖菓子のようなボサノバを流し恰好つけまくりのソフトフォーカスをこれでもかと垂れ流し臆面もない。ヌーベルバーグ…
★★★ 2016年10月20日(日) 大阪ステーションシティシネマ7 冒頭ラストの各10分は得意の縦構図とクローズアップの快楽モンタージュで殿堂入り級だが残り大半は弛緩。ミニマムなアウトロー講談に南北戦争という大状況を加味しキャラが振り回され凡化し…
★★★ 1973年9月2日(日) 伊丹グリーン劇場 敵味方同床の馴れ合い感が横溢する割にはその辺を過剰にフィーチャーせぬ醒めたブルックス演出が悪くはなく、2大曲者男汁役者が確執もなく共闘するのも又味わい深い。しかし、やっぱ強固な憎悪や義憤がないと盛り上…
★★★★ 2023年4月19日(水) シネヌーヴォX ブリジット・バルドー→カトリーヌ・ドヌーヴとたらし込んだ男が何でジェーン・フォンダにいかれてもうたんやろか?の疑問が大いにあるのだが、映画は色々興味深いし悪くない出来であった。 19世紀のエミール・ゾラ…
★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 剃刀の如き怜悧な安藤昇の口跡の良さと暑苦しいまでの南原宏治の顔面演技の正面激突に見応えがあり見て損の無い出来。更にショウブラザーズの名花(知らんが多分)ペギー・潘(潘迎紫)がキューティで切ない。(cinemasc…
★★★ 1997年1月25日(土) 山口県教育会館ホール 冒頭の結婚式が深い色調を伴った圧倒的な長回しで結局は篇中最大の見せ場。あとは、もったいぶったアンゲロ調で描かれるものの、本質は『嘆きの天使』か『ロリータ』かといった感じで、なら正直になれよと言いた…
★★ 2000年8月13日(日) シネヌーヴォ 若尾文子の秘めたればこそのエロスが全開にされて茫漠としている。それこそ透き通るような白肌はそれはそれで見物なのだが、宮川カメラが存外に凡庸で耽美的とまでは思えない。刺青を彫られたが為に運命が狂うというなら…
★★★★ 1994年7月30日(土) 扇町ミュージアムスクエア 写真の片隅に何かが写っているというモチーフがサスペンスの常套から逸脱し不条理に浸食され始める。深遠な何かを呈示しているとも思えぬが、それが夢か現かの白日の陽光と非現実的な美しいカラーのもとで…
★★★ 2003年1月235日(火) テアトル梅田2 パリ郊外で圧倒的質量ですすむ再開発とニュータウンの主婦売春。コンセプトは驚くほど分かりやすく魅力的なのに、哲学的モノローグを散りばめ強引に自問自答の展開へと持っていこうとしている。(cinemascape) keniron…
★★★ 2003年2月4日(火) トビタシネマ ハイキーで空を飛ばした泥濘のゴーストタウンが強烈で、そこを棺桶引きずって歩く主人公の造形が鮮烈だが、どうにもポリシー無さそうなキャラで損してる。メキシコ、南軍両敵方首領のキャラ良く、ラストのタメと決めが調…
★★★★★ 1992年6月28日(日) 日劇シネマ 仲代の圧倒的ニヒリズム。殺陣の信じられない切れ方は現代では絶対再現不可能。中途半端で終わってしまうのが残念であるが、それを差し引いても数多ある60年代の時代劇の中で屹立したものの1本と信じて疑わない。(cin…
★★ 1992年6月28日(日) トビタ東映 義理や人情と決別する実録路線開花前夜のモラトリアムチンピラものだが、所詮モラトリアムな半端もんなので全然面白くない。新旧ヤクザの世代ギャップの背景に戦争体験を充当するのも当たり前すぎて今いち。ゲリラ手法のア…
★★★★ 1991年5月3日(金) シネマヴェリテ梅田 精緻な背景設定をするほど無名性に接近する公房原作に仲代では違うと思うが、抑圧の中で滲み出るヴァンプ京マチ子のエロティシズムには参る。変身願望を通して燻り出された匿名社会の本質は生硬とも思うがアンビバ…
★★ 1991年7月27日(土) みなみ会館 劇的誇張のない淡泊な展開の中で増村的テンションの発露は行き場を失いインポテンツ状態に陥る。雷蔵の終始非情な主人公は好演とは思うが、変容こそが旨だったのではなかろうか。ママゴトめいた物語のチャチさにも大概うん…
★★★ 1991年10月20日(日) トビタ東映 解体を旨とする作家が堅牢な構築に統べられ行儀は良いが平凡。なのにそれを良しとしない諧謔味が寧ろ邪魔にさえ感じ漫画チックなカット割りが浮いている。極右化しゆく青春の行く末をこそ清順流で示唆すべきが、そこは新…
★★★ 2008年8月9日(土) トビタ東映 ロミ山田や村田英雄が軸を回す芸道風味作。知り尽くしたマキノ演出が悪かろう筈も無い。ただ、健さんの居場所の無さが観てる方まで居心地悪くさせる。肝心の見せ場も島田・長門の老若コンビに持ってかれる始末。釈然とし…
★★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2 女子大生の日常のスケッチとしては、2年前に撮られた「パリのナジャ」がキャラ立ちした留学生をモチーフにして成功していたと思うのだが、こちらは対象が平凡な女子だし映画も凡庸な出来である。 ならば、もっと複…
★★★ 1990年9月22日(土) みなみ会館 脚本の倒叙法的語り口が本来言うべきことを阻害し、役者の曖昧且つ強度の欠如が阻害された物語の普遍化を剥奪する。トリックスターを論じたいなら川口小枝では憶つかないし、1500のショット割は疑問だし、台詞が生硬す…
★★ 1988年7月24日(日) 吹田映劇 陰々滅々としていることに是も非も無いが根本的に舌足らずなのだと思う。図式的に読み解ける物語なのにキーマン露口が瞬間的にでも発光してくれないと成立しない。『赤い殺意』と同じ様な役回りで気の毒にさえ思えた。(cinema…
★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 「脅迫」と書いて「おどし」と読ませます。 サラリーマン一家に逃亡犯が押し入り、家族を人質に亭主にあれやこれや指示する。 ワイラー「必死の逃亡者」が先鞭をつけたこの設定は昨今に至るまで多くの変奏作を産んでいる…
★★ 1982年6月22日(火) 関西学院大学学生会館大ホール 体裁だけの物語が浅薄であることは仕方ないとは言え、どこか僅かでも肩入れする思いが作り手に無けりゃ観る者は道化みたいなもんだ。キッチュな装置と設定は仄かに泥臭く弾けそこねており、結局はダラな…
★★★ 1980年8月1日(金) 毎日文化ホール 2001年3月2日(月) 動物園前シネフェスタ2 ピークアウトした妖精とマッチョレスな性格俳優では御伽噺は成立しない。ワイラーは鍵やブーメランで冗長なネバリを見せるがベッケルやメルヴィルになろう筈もなく、全篇緩み…
★★★★ 1980年9月27日(土) 毎日文化ホール 訴訟を巡るドタバタもシュールなパロディを織り交ぜ冴えてはいるが、女房に逃げられたジャック・レモンの独壇場とも言える切ないまでの哀感と侘びしさ。マッソーとのやりとりは巷間言われる凸凹コンビではなく高度な…
★★★★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 山崎原作の段階でエンターテインメントとしては完成され尽くしているのだから、ストーリーテラー山本が捌けば下手を打つ筈もないが、時代に裏打ちされた確信的とも言える役者たちのグルーヴ感が並ではない。恍惚なま…