映画1955
★★★ 1979年4月6日(金) ビック映劇 ディーンの演技が定型を破る破壊力を持ってたことは想像に難くないが描かれる青年の鬱屈と孤独は甘えん坊のそれにしか見えないので共感できない。画面造形もシネスコを意識した仰角の何ショットかは鋭いが全体には凡庸。(ci…
★★★ 1979年4月6日(金) ビック映劇 反抗とか言っても大人は判ってくれない的スネ坊世界の戯れ言なので真面に観れば退くし、ディーンの演技が路線に忠実に走行するのも少し鼻につく。ましてやレイの作家性なんぞあるのかどうか知らないので今更どうしようもな…
★★★ 2017年11月4日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 言うなれば、一種のショッカーであり、こういうどんでん返しな決め手をもった映画が生き残るのは難しい。 かのヒッチの「サイコ」もそうなんだろうが、あの映画の場合も母親のミイラとかトニパキの…
★★★ 2016年3月26日(土)プラネットスタジオプラス1 原『大いなる西部』とも言えるクリスプとケネディの関係性の通り一遍ではない悲劇味が全てで、その緻密な積年性の前ではスチュワートの復讐譚はエモーション希薄だ。言うたら歪な劇構成であり、そういう…
★★★★ 1999年11月7日(日) テアトル梅田2 マキノお手の物の題材でルーティーンなのだろうが、ため息が出る程の安定感がある。森繁と山田五十鈴のかけ合いの巧さは『夫婦善哉』の淡島とのそれに匹敵する至芸と言って良い。(cinemascape) kenironkun.hatenablog…
★★★★ 1998年11月14日(土) 梅田ガーデンシネマ2 フィルムノワールかと思いきやストーリー展開が後半加速し枠を逸脱していく。原作にアルドリッチが加味した部分はマッカーシズムや核への警鐘というより既成枠を解体したアナーキズムそのものだが、それに意図…
★★★ 2000年8月5日(土) シネヌーヴォ ストーリーは一応見せはするものの、どうも壇ノ浦も義経も弁慶も出て来ないんじゃ詐欺だと言われても仕方ない気もする。ドラマチックじゃないから溝口らしいパッションの高揚は余り感じられない。大河ドラマの第1話だけ…
★★★★ 2000年12月8日(金) 動物園前シネフェスタ4 恋の駆け引きが冷徹な損得勘定の基軸と移ろうパッションに委ねる冷めた若さとの往還として描かれるあたり、堪らなくシニカルで老成している。ルネ・クレールがこれ程の職人だったとは思ってもみなかった。巧…
★★★★ 2001年2月23日(金) 動物園前シネフェスタ2 人種の障壁を越えた恋愛という設定がほとんど機能していなく刹那な越境感も殆ど無いが、だからこそとも言える老匠キングのオールドハリウッドなベタなオーソドックスに世知辛い浮き世を忘れて浸るも又良しな…
★★★ 2001年8月2日(木) テアトル梅田2 後にピンで傑作を連作した大映3大スターも初期には数多のプログラムピクチャーをこなしたからこそなのだろう。手馴れた演出での1時間半は飽きないが、TVの勃興に喰われるのも仕方ないとも思わせる。勝新はともかく…
★★ 1994年6月19日(日) 第七藝術劇場 「宝島」とか「白鯨」とかの海洋奇譚の系譜上のものなんだろうが、それにしても何なんでしょうか、これ。閉塞舞台で爽快感の欠片もないダラな話が延々と続き、ラングが投げた訳でもなさそうなのに漂う場末の湿り気。有る…
★★★ 2001年5月15日(水) 高槻松竹 脚色でギリギリかわしているが国民文学の名作も行間の奥行きを取っ払い映像と言う直截な手段で再構築されると単なる三角関係の痴情劇になる。とは言っても雨の泥濘道の擦れ違いのモンタージュなどは若手作家が挙って模倣しそ…
★★★★ 1993年2月2日(火) シネマアルゴ梅田 行き遅れハイミスの感傷旅行のリード役は少年から頃合いの中年男へリレーされるが映画には悪意の欠片も存在しない。サンマルコ広場の景観が荘厳な華やぎで彼女の悲喜交々を彩るだろう。その端正なカラーの色調。そし…
★★★★ 2002年9月9日(月) 高槻松竹 これ程さばけた調子でお互いを切り合えれば気の重い人間関係も簡単だろう。川島のニヒリスティックな諦観の最良系での表出であり50年代に作られたことが驚愕。豊饒なプロットと最後の最後まで先が読めない展開を絶妙のテン…
★★★ 1992年8月31日(月) テアトル梅田2 神経症的な分析考察が煩わしいが妄想話で終始するアイデアは良しとする。しかしコードを越境する際どさが悲しいかな最早余りに手緩いのだ。トム・イーウェルも洒脱さに欠け鈍重。モンローのスカートが幾らはためいても…
★★★★ 1992年11月15日(日) キリンプラザ大阪 描こうとするテーマにせよ使われる技法にせよ西洋的な洗練のフィルターを通した感は拭えない。特に兄妹が列車を見に行く件がそうだ。そういう点で若干風化しているとも思うがプリミティブな真実は随所に確かにある…
★★★ 2021年7月23日(金) プラネットプラスワン アラン・ドワン再発見なんだそうである。 サイレント期から50年代にかけて400本以上の作品を撮った巨匠だそうだが、サイレント映画に疎い俺は知る由もない人なのであった。 興奮に目を輝かせる先輩に対し…
★★★★ 1990年11月4日(日) 日劇シネマ 敗戦の荒廃と虚無の中、仏印→東京→屋久島と流されて行く2人の離反と吸着を繰り返しダメになっていく腐れ縁の遣る瀬無さが堪らない。中盤の伊香保温泉の煌きが誘う新たな地獄。投げやりな高峰秀子の表情が目に焼き付いて…
★★★ 1985年11月15日(土) 戎橋劇場 ドタバタらしきものが繰り広げられるが登場人物の誰1人感情移入を許さないと言うのは、人間感情に関心の無い冷徹ヒッチの深層心理の表出作との意味で真性カルトと言えるかも知れぬが余りにも面白くない。特筆すべきはロバ…
★★★ 1983年3月1日(火) 伊丹ローズ劇場 フォードの懐旧的情緒は敬愛するに足るし、外様パワーを囲む一家の醸すアンサンブルの良さは否定したくもないが、題材が題材。第2次大戦に対する愛国主義的盲信ぶりには、どうしたって退いた姿勢でしか見ることはでき…
★★★★ 1982年1月23日(土) SABホール なかなか心底からは信じ切れない映画内の「無垢」というものが信じれるような気がするのは、作り手たちの信仰に偽りが無さそうだから。そして、無垢と表裏の何かが現れたかのような終盤部の映像表現は真に衝撃的。パブ…
★★★★ 1982年7月8日(木) 新世界東宝敷島 1990年11月4日(日) 日劇シネマ 2000年9月9日(土) 高槻セントラル 微速度での崩落が際どくも真の地獄へと至らぬのは、何とでもなるやろという開き直りがあるからなのだが、それを主役2人の演技が裏打つ。特に中途半端…
★★★★★ 2020年8月2日(日) シネヌーヴォ 内田吐夢の戦後復帰作であるが、テイストが山中貞夫っぽいのが驚きだ。って思ったら脚本が三村伸太郎。山中の現存3作の脚本家だった。「百萬両の壺」の剽軽が「紙風船」のペシミズムに急転する。これは、いったいど…
★★★★★ 2019年6月23日(日) プラネットスタジオプラス1 子供のころにTV放映で見た覚えがあるのだが、ほとんど忘れていた。 エルマー・バーンステインの主題曲があまりに有名。 故に、曲だけが残って、映画本篇はたいしたことないんだろうと思っていた。 …