映画2005
★★★ 2005年5月14日(土) 梅田ブルク7シアター7 ファッションとしての60年代米カウンターカルチャーのパロディならムカつくが、ドラッグ依存下の「愛」への妄信的確信とトリップによる表面構造の破壊が一貫し、これは結構本質を衝いている。これをノンシャ…
★★★ 2005年7月9日(土) 梅田ブルク7シアター6 日常に突如襲い来る非日常の切り込まれる手際の鮮やかさと倍加するカタストロフの怒涛の展開には確かにテロが対岸の火事で済まなくなった時代を表象して傑作。しかし、だからこそ、後半では原作の枷を外し同時…
★★★★★ 2005年8月19日(金) 梅田ピカデリー1 絶対零度の期待感で観始めたが、河童の「差別すな!キュー」で世界は鮮やかに転倒。そこからは一気呵成にバカ騒ぎに巻き込まれた。内輪の狂騒はスクリーンを隔てて容易には観る物に遡及しない。これはレアケース。…
★★★ 2005年9月3日(土) 梅田ピカデリー2 ぶれない思想軸を持つのは北鮮工作員(中井)とダイス工作員(勝地涼)のみであり、ポーズにせよ日本国体の現状を撃つと言うのなら、グダグダ言わずに東京都内にミザイルをブチ込め!2人のインサートされる背景描写…
★★ 2005年9月17日(土) ナビオTOHOプレックス5 ロックウェルとマルコヴィッチの突出した怪演に辛うじてドラッグカルチャーの残り香があるが、あとは出し遅れの間延びしまくったフラワーカルチャーの残滓。この時代錯誤な脳天気さには嫌悪感すら覚える。…
★★★ 2005年8月15日(月) 新世界国際劇場 オーランド・ブルームに誰もが夢見て成し遂げ得ない恒久平和を達成できるカリスマが微塵も感じられないので萎えまくる。万座を圧するべきクライマックスのアジテーションは台詞読んでるだけ。スコット演出はときに細密…
★★★★ 2005年10月15日(土) 梅田ブルク7シアター6 徹底してマッチョな騎士道精神を描くことで一貫しており、容赦のない絶対悪を設定してのサディスティック・バイオレンスに呵責が無いことも一貫している。漫画的幼児性も漫画なのだから納得させられロドリゲ…
★★ 2005年11月5日(土) 梅田ピカデリー3 下手で下世話な『ドッペルゲンガー』な『8 1/2』。しかも、無防備に自己陶酔した廉価な自己模倣で彩られて尚更救われない。登り詰め得た処から落ちることへの怯えは傍目に恥ずかしくとも真摯に直視すべきでスカした…
★★ 2006年4月21日(金) シネリーブル梅田2 隔絶された2人だけの理想郷が何十年も煌き続けるにしては、恋の形成過程が早急に過ぎるのを始めそこでの心理的駆け引きが薄い。代りに写真のように綺麗なだけの風景描写を積み重ね自己満足している。アン・リー…
★★★ 2006年2月6日(月) ホクテンザ1 殺戮の加担者たることと家族を思う良識人であることのアンビバレンツを突き詰めるににしては踏み込みが浅く表層に流れ過ぎ軽い。もっと悪魔的にブラックにデフォルメしたジョークとして撮られるべき題材と思う。(cinema…
★★ 2006年4月21日(金) ナビオTOHOプレックス3 笑いも泣かせも底が浅すぎて観客を嘗めてるのかとさえ思うし、ロビーのセットと他のロケシーンの繋ぎに違和感があり過ぎる。どんな規模とグレードのホテルやねん。美術設計をしてないんちゃうかと思う。…
★★★★ 2006年6月10日(土) シネマしんげき1 『シンドラー』の時代とは違い明快な答を出せない題材を選択したスピルバーグの立ち位置が物語的には苦しい。テロルの連鎖を断ち切る答は無く詠嘆的に鎮魂するしかない…というのは在り来たりと思う。随所の唸らさ…
★★★★ 2006年7月22日(土) シネマしんげき1 導入での幽玄の極致とも言うべき女神の御宣託に規定された物語は、牛の大群で心のスイッチを切り替えれば後は成り行きを堪能しつつ見届けるだけ。そして、3人の男女の生な心の揺らぎに思わぬところから心を射ら…
★★★★ 2006年7月22日(土) パルシネマしんこうえん 少なくとも登場人物としては語り部たる西洋が介在せず日本・京都の中で完結する物語をアジアの看板女優3枚が支配する点、それがハリウッドの潤沢な資本で精緻な再現が試みられた点で2重3重のアンビバレ…
★★★ 2006年8月19日(土) テアトル梅田2 どうにも華やいだ雰囲気を演出が醸し出そうとしてあざとい感じがする。オカマとして生きて行くからって無理にでも華やいでいないといかんわけじゃなかろうにと思う。しかも意識して軽薄であろうとしてる訳じゃなく天…
★★ 2006年8月19日(土) 新世界国際劇場 人は一旗揚げて万能感に支配されると、こういう妄想を思い描いてしまうのであろうか…。苦節の時代の自分を投影し天与の恩恵に授かり幸福を得る。人生はそんなに甘いもんじゃないってのはベッソン以外の全員が知ってい…
★★★★ 2006年9月19日(火) 梅田ガーデンシネマ1 何も今更と思う「罪と罰」現代版焼き直しを何の捻りもなく提示されてもとも思うが、敢えて言うなら米片田舎と英上流階級の文化と階級の相克をこそ提示したかったのではないだろうか。何をやっても巧いのだが…
★★★ 2007年1月6日(土) トビタ東映 取り敢えずは胡散臭い術を使う忍者がやたら出てきて体面を保ってはいるが、悲恋を描きたいならとことんやったれやと思う。木偶の坊が演じるそれはゴミに等しい。デジカメの甘いフォーカスと毛唐文字を交えたハッタリ字幕…
★★★★★ 2007年2月17日(土) トビタシネマ 巻頭からの唯ならぬ気合い。調和的な家庭は介入する暴力と如何様に均衡を見出すか。その答は永遠に見出すことはできないという詠嘆。『わらの犬』を想起したし、ペキンパーイズムが随所に溢れる突発的殺戮シーンに痺…
★★★ 2007年3月24日(土) 新世界国際劇場 みんなお母さん思いのいい子チャンで素晴らしいのだが、いい子チャンすぎて凄味が無く、血の滾るような激情の結露が今一歩に終わりもどかしい。ベタでも少年時代のエピソードのひとつくらい欲しかった。良いシーンも…
★★★★★ 2021年10月3日(日) シネヌーヴォ 終戦時の昭和天皇を描いた作品ということで、ある筋からは凄まじい拒否感と場合によっては嫌悪感を表明されることが目に見えている。余程腹の座ったバカが現れない限り日本人の手によっては撮られ得ない種類の映画で…
★★★★★ 2007年5月12日(土) 新世界国際劇場 爺さんのロードムービーと来ればリンチのそれを想起するが、ドナルドソン演出は物語にあくまで準拠しギミックを廃して自然体。出てくる人は孤独でも何ものにも依存せず後ろ向きな姿勢とは皆無縁。ここには紛れもな…
★★★ 2007年6月9日(土) トビタシネマ プロットの結を端折ってしまうのではテキトー感を拭えない。陳腐な物語とバトルの中で「料理店での4分間長回し」と「終盤の49人連続関節折り」だけが屹立している。勿体ない。で結局、序盤が一番良い。象への愛が溢…
★★★ 2007年12月1日(土) 梅田ガーデンシネマ2 物語が転がり出すまでが些か長いし転がりだしてからはあっけないとしても本筋に於いて異論は無い。勝手にロードムービーを期待し、ロシアの泥濘道や新芽が息吹く操車場や雨の石畳やなんかが深淵で形而上的な何…
★★★★ 2013年6月24日(月) トビタシネマ 新味無き題材をベイが如何に料理するか期待もしてないが、体力勝負に出たあたり涙ぐましくさえあった。半端ない中盤の展開。高層ビルの縦方向の落下チェイスが高速道の横方向の弩級の破壊ショーに繋がる緩みの無さ。…