男の痰壺

映画の感想中心です

映画2024

サユリ

★★★ 2024年9月5日(木) Tジョイ梅田3 霊が憑依した家に一家が越してきて1人又1人と、とまあ実に手垢つきまくりの題材だが、そこから後半に大きく転調するみたい、なのは何かで見たか聞いたか。さすれば「マリグナント」みたいなジャンル横断的な突き抜…

愛に乱暴

★★★★ 2024年9月4日(水) テアトル梅田1 かなり良い。のであるがそれでも若干届かない感じ。それは、非日常に越境するかに見えて日常に収まってしまうあたりなのだが、でも考えてみたら、映画では越境する話ばかり描かれるわけだから、こういう収め方は逆説…

ラストマイル

★★★ 2024年8月31日(土) 大阪ステーションシティシネマ1 【ネタバレです】 満島ひかりのキャラ設定が良い。単に異動してきたやり手のセンター長という表の人事の裏により高所から何らかのミッションの為に送り込まれたというネタ明かしが終盤にある。(ま…

フォールガイ

★★★★ 2024年8月27日(火) TOHOシネマズ梅田6 スカしたようなデヴィッド・リーチの作風は相変わらずだが、それでも真摯なスタント愛と、男と女の関係に於ける衒いのない想い。この2つがおふざけして見せても隠し難い本音とわかるのが好ましい。今まで…

箱男

★★★ 2024年8月27日(火) 大阪ステーションシティシネマ7 安倍公房の作品は中高生の頃それなりに読んだけど本作は未読です。石井聰亙(岳龍)が90年代にこれを撮ると何かで読んだとき、イメージのギャップに戸惑い、でもそれだけに期待したが結局企画はポ…

キングダム 大将軍の帰還

★★★★ 2024年8月18日(日) MOVIXあまがさき4 シリーズ4作目にして打ち止め作とのことでしたんで、懸念されたのは、そういうときに往々にして陥る総花的ないったれ感で、物語は薄く顔見せ的にシリーズ登場人物たちがどうでもええよなエピソードで賑々…

ブルーピリオド

★★★ 2024年8月14日(水) なんばパークスシネマ2 主人公見てて「悟空」や「ルフィ」や「炭治郎」なんかを連想する良くも悪くも「少年ジャンプ」的主人公で、「成長」とその為の「努力や理論」が明確に打ち出されて、ご丁寧に「俺はこうだから」という自己分…

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!

★★★ 2024年8月13日(火) テアトル梅田4 文芸部部長の西園寺が新入生の所に宣う。「今後、私のことお姉様とお呼び」おーぶっとんだ世界が繰り広げられるのか、と期待したがそこまでではなかった。 80年代に角川映画で量産された女の子が事件に巻き込まれ…

ツイスターズ

★★★★★ 2024年8月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 ヤン・テ・ボンの「ツイスター」は中身がスカスカだとあんまり評判良くなかった覚えがあるが俺は好きだった。「スピード」なんかより絶対的なフォルムの統一感に於いて上におくことも吝かでなか…

デッドプール&ウルヴァリン

★★ 2024年8月2日(金) TOHOシネマズ梅田7 マルチバースとかってマジウンザリ。こんなことあっちでもこっちでもやりだした日にゃー、本気の物語なんぞは多元宇宙のブラックホールに吸い込まれて何の内実もない形骸だけが跋扈する。その見本のようなもん…

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

★★ 2024年7月22日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 公開前にやたらNET広告が打たれていたので嫌な予感がしてた。だってモノが勝負できるのであるなら広告なんて不要だからね。案の定見どころナッシングな映画だった。そもそもに「カプリコン・1」…

先生の白い嘘

★★★★★ 2024年7月21日(日) 大阪ステーションシティシネマ6 監督の三木康一郎が原作を読んでから映画化にこぎつけるまで7年かかったらしく、それは出演をオファーした女優10人に悉く断られた為。それを今回、奈緒が受けて映画は完成したが、インティマシ…

ルックバック

★★★★ 2024年7月3日(水) Tジョイ梅田6 【ネタバレです】 女ともだち2人の小学生時代から成年期までを描いて、片方の子が不慮の死を遂げる。 この構図は何年か前に映画化された「マイ・ブロークン・マリコ」に似ている。マリコが虐待されてた子どもだった…

マッドマックス フュリオサ

★★★★ 2024年6月26日(水) 大阪ステーションシティシネマ4 世界的にほぼ全面肯定の評価だった「怒りのデスロード」に今一乗り切れなかった俺なのだが、その理由がなんとなくわかった気がした。 「2」を頂点としたメルギブ3部作があくまで詮じ詰めればマッ…

蛇の道

★★★ 2024年6月16日(日) MOVIXあまがさき7 化けの皮が剥がれた、ってのは言い過ぎだろうか。物語は方便であって、黒沢清の言いたいことは、世界は思いもしない枠組みで成り立っているとか、終末の到来の蓋然性への遣る瀬無さとかであったはずで、今回…

チャレンジャーズ

★★★ 2024年6月10日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 ゼンデイヤ見たくて観たのだがどうにも不発な感じです。彼女は制作までして入れ込んでたのに気の毒。 ハイスクールのトッププレイヤーなのだが、どうにもドタ走りの様が、ゼンデイヤ運動音痴なん…

碁盤斬り

★★★★ 2024年5月29日(水) TOHOシネマズ梅田7 たまたま日経新聞で連載してた趙治勲名誉名人の「私の履歴書」を読んでたので、全く縁もゆかりもなかった囲碁というものに少しだけ興味を持てて、映画も表層的でなく碁盤の上の展開を重要なファクターとし…

ゴジラ✕コング 新たなる帝国

★★★ 2024年5月15日(水) 大阪ステーションシティシネマ9 冒頭で、日常的に怪獣が現れる世界になって都度ゴジラがやってきてそいつをやっつけ、ことが済んだらコロシアムでおねんねする様が描かれる。一方でコングは地下世界でお仲間さがしです。「エヴァ」…

猿の惑星 キングダム

★★★★ 2024年5月14日(火) 大阪ステーションシティシネマ4 専制的なゴリラが「ワンダフル・デイ!」とか言うCMを見て、見る前からお里が知れるわ思ったんですが、いい意味で裏切られた。佳作だと思う。 猿VS人間の構図は傍に追いやられて物語は猿内部の…

水深ゼロメートルから

★★★ 2024年5月8日(水) テアトル梅田4 4人の女子高生が水の抜かれたプールでうだうだやってるわけだが、後半にその中の1人がポカリを買いに行くのにカメラがプールから出てついていくと野球部の女子マネージャーに出くわす。その子の話すこと聞いて、俺…

陰陽師0

★★★ 2024年4月23日(火) MOVIXあまがさき7 夢枕獏の本は10代から20代にかけて随分読んだので「陰陽師」も何冊か読んでいる。でも、これは前史とも言うべき安倍晴明の若年時代を描いていて、そういうのが原作にあったのか知るところではないが、も…

デューン 砂の惑星 PART2

★★★★★ 2024年3月20日(水) 大阪ステーションシティシネマ9 40数年前に「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」を見て興奮したことを思い出したりした。ワイプこそ使わないまでも多局面で錯綜する物語展開のスピードと、終局の運命論的に脱構築された神話性に於…

ARGYLLE アーガイル

★★★★ 2024年3月14日(木) Tジョイ梅田4 予告篇の印象から「スーパーマン」ヘンリー・カヴィル主演のスパイもんくらいのイメージしかなかったが、いい意味で裏切られた。この予告篇のミスリード、ナイス。 【以下ネタバレです】 これは、冴えない大柄おば…

一月の声に歓びを刻め

★★ 2024年2月19日(月) MOVIXあまがさき1 このわけわからなさは何やろかと三島有紀子のインタビュー他読んでみたんですが、自身が幼少期に受けた性被害がテーマの根っこにあるらしい。そういうことを公にして作品を作る決意には並々ならぬものを感じ…