男の痰壺

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グランドツアー

★★★  2025年10月14日(火) テアトル梅田4

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1900年代初頭、英領ビルマのラングーンから物語は始まり、その後、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本、中国と舞台は転じていく。何でも当時、英富裕層の間で、植民地である東南アジアを旅行するのが流行ったらしい。それをグランドツアーと称した。

 

7年前に婚約したものの、その後なんだかんだと言い訳して逃げ続けている男の話だそうだが、何で逃げてるのか知りません。前半で逃げる男を追った映画は、後半で追う女を描く。おんなじ行路を繰り返すわけだが、そんな男諦めろと言う人もいるけど、何でそこまで執着してるのかも知りません。

 

1900年代初頭といった時代色は、最初の2〜3ヶ国はそれらしく描いているが、あとは、どう見ても現代の風景で、それをして、時空が混濁したシュールな表現と言えなくもないが、めんどくさかっただけみたいにも思える。資金不足もか。国によっては、役者不在で風景にモノローグを重ねただけ。これも、いい風にとれば内省的な手法ということになる。そういった好意的に見ればマジックリアリズムなスレスレ感なわけだが、俺は概ねシラけた。

 

どうにもならない恋の行方に、なす術もなく打ちひしがれる女。ここで作り手は救いの手を差し伸べる。仰々しくもベタな音楽を煽り立て、世界の転倒を図る。その点だけは、まるで寺山の「田園に死す」みたいだと思った。

 

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