映画1983
★★★★ 2015年3月28日(土) トビタ東映 安フィルムの質感がどこまでも冴えぬ世界に適合し絶妙で金子・ 永島ともに世界の住人として完璧。俺やっぱ駄目だわ的甘えの構図も財布の中身で見殺すダチや不良ぶる親爺へのイラだち挿話リアリティが補完。100の感情…
★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 設定に関して驚きは無いものの、拷問機械の子供じみた悪魔チックデザインの御愛嬌を舐めてるうち執拗に反復運動を繰り返し迫り来るそれが平衡感覚を麻痺させる。平常心は次第に蝕まれ判断力は夢幻の彼方に葬られる。そ…
★★★★ 2024年12月23日(月) シネヌーヴォ ヒッチ『めまい』にインスパイアされた尾行はマル『死刑台のエレベーター』の彷徨の果てにアントニオーニ『太陽はひとりぼっち』な虚無に至るというシネフィル的表層性が,地に足ついた場末感によって自身の物語とし…
★★★★ 2015年11月21日(土) シネヌーヴォ 2人を交互に描く前段が圧倒的で崩壊きわきわの心理状態を冷視する客観描写が底冷えしそうだ。しかし、どんな壊滅のカタルシスが待ってるのかと思ったら両者が合流し何だか生温い曖昧感情が付け入ってくる。それでも…
★★★ 2024年11月20日(水) 大阪ステーションシティシネマ6 デ・パルマのフィルモグラフィのなかで「ミッドナイトクロス」と「ボディ・ダブル」の間に作られたものみたいだが、にしてはデ・パルマ的なギミックが大してない映画だ。 公開時になんでスルーした…
★★ 1995年8月15日(火) 天六ユウラク座 裁判映像だけで十二分に歴史的価値があるだろうに何でもかんでも付け加え過ぎて散漫。アウシュビッツなぞの映像を筆頭に法廷以外のフィルムはどこかで見たようなのばっかり。記録映像に作家性をヘタに注入しようとした…
★★★ 2022年8月18日(木) シネリーブル梅田1 よくあるスローライフ提唱映画の1つなんだろうが、田舎はいいなあってだけでは、汚れ切った俺の心は動くはずもないんです。 それなりに評価されてるみたいで、何かあるはずと踏んで見に行ったが特に何もなかっ…
★★★ 1994年2月12日(土) 新世界国際劇場 確かに実際の人生は白黒はっきりできることは希でボーダーラインの上を歩き続けるようなものだろう。この映画の主人公も犯人もストーリーラインも煮え切らない境界線上をすすみ続ける。微妙に特異だが、そんなに面白い…
★★★ 2002年2月28日(木) 扇町ミュージアムスクエア 蓼食う虫も好き好きで、どんな女の子を100%と思おうがかまやしないが、連れにこんな話されてもしらけるのと同じである。スティルカメラによる連続写真が通常のコマ延ばしとは違う面白い効果をあげている…
★★ 1993年5月5日(水) 新世界国際劇場 ひたすらに地味であるのだが地味であることを逆手にとって何かを意図を付加させることもない。寧ろ生真面目にSFしようとしているところが如何にもエメリッヒらしく単細胞的でカーペンターやルーカスに及ぶべくもない。…
★★★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 やり場の無い中年男の閉塞感を描いて前年の『水のないプール』にインスパイアされた脚本なのは間違いないようだがロケンロローラー裕也が何故にくたびれた中年男に拘ったのか興味深い。デビューの崔演出は手堅いが未だ…
★★ 1993年12月4日(土) ACTシネマテーク ロシア的感性とイタリア風土の相性が、どうにも合わない感が拭えないうえ、ランチの映像は平板。一方で変わり映えしないタルコフスキー印の羅列に辟易する。世界のシステムなぞと大風呂敷を広げた挙げ句に故国への…
★★★★★ 1992年8月2日(日) 日劇会館 畸形要因を廃したシリーズのベーシックエッセンスの純粋形態。竹下景子という無色リアクター相手に渥美の芸も肩力が抜け伸びやか。それでも山田演出が搾り出した駅シークェンスでの2人の別離。そのつましやかな想いの錯綜…
★★ 1992年8月23日(日) パルシネマしんこうえん 地味渋オヤジばかり揃えたB級活劇で華が無いのは嫌いじゃないが熱くなれる要素も見当たらない。となればフェティッシュに高性能ヘリの描写に特化すれば立つ瀬もあろうがコマーシャルな嗅覚だけで伸し上がった…
★ 1992年10月4日(日) みなみ会館 80年代を代表するインディーズ出の3人(ジャームッシュ、カラックス、スパイク・リー)のブレイク前の作品が揃いも揃って青くて観念的なのは或る意味出来過ぎだったような気さえする。(cinemascape) kenironkun.hatenablo…
★★★ 1990年8月5日(日) みなみ会館 多くのシーンを切ったのだろう。プロットは崩壊し物語は喪失された。で、ひたすらに少年少女を肉体的に追いつめ事象を包括的にフィルムに定着することに偏愛を見出す。しかし、悲しいかな所詮は半素人のままごとにしか見え…
★★★ 2009年9月26日(土) トビタ東映 改めて「八犬伝」というのは淫猥で変態な物語だと思ったが、それを脳内筋肉バカの深作がこれ又阿呆丸出しのひろ子&広之ペアに託し勘違いミュージックてんこ盛りで青春青汁したたる絵巻として繰り広げるのだ。そのアンビ…
★★★★★ 1988年4月10日(日) 吹田映劇 搾取されることや搾取することは人間の本質的資質であり徒に意味を見出す必要は無いとばかりに天使の無垢と絶対悪を寓話的世界で対比させて乾ききった風土の中で帰結に導く。シュールレアリズムに意味があるとするならこれ…
★★★★ 1985年1月6日(日) 戎橋劇場 この脚本を忠実に映画にすれば面白いものが出来るに決まってるとも思うが、それなりに闊達な役者を揃え、ブルックスの泥臭さも程良いスパイスとなって快調そのもので気分がいい。ルビッチ版の品を求めるのは野暮だろう。(cin…
★★ 1985年4月14日(日) 大毎地下劇場 謎の金髪美女や精神分析的アプローチを散りばめ否が応でもヒッチコックを想起させるのだが、違うのは主役2人に華が無く地味臭いこと。何を描くかではなく、どう描くかに主軸を置く映画作りはベントンの柄じゃない。遊び…
★★ 1985年5月20日(日) 大劇名画座 無機的なハートやハウアーといったキャスティングは正解と思うが、乾いてクールな情感が肝のハイテクなスパイネタにローテク丸出しのベタな侠気命の爺さんを起用して台無しにしてしまった。陳腐化したモンタージュが又ウン…
★★ 1985年5月20日(日) 大劇名画座 ベトナムは生々しいと言っても、戦争を描くのに必ずしも敵を描く必要はないと思うし、黒澤好きなのも結構なことだと思うからミリアス脚本が悪いとは思わない。問題はアクションとしての見せ方が平凡で緩いことだ。(cinemasc…
★★★ 1985年9月23日(月) 新世界国際 反骨の一匹狼チャック・イェーガーと制度内であるにせよ命を賭したプロジェクトに身を奉じた男達の対比に単なる並立配置以上の何の意味も見出せない。どっちも偉いというならそうだが、正直アバウトだし拙いことに薄味だ。…
★★★ 1985年10月20日(日) 新世界国際地下 ジャッキー自身の演出は集団戦の捌き方が雑然としクリアな迫力に欠ける。スタントありきのプロットの構築をベタギャグで彩るパターンの反復は悪くもないが、そこはかとなく匂う俺様王国の嫌味が影を射す。クライマッ…
★★★ 1984年2月24日(金) 伊丹グリーン劇場 本来単純な構図の世代間の相克劇の筈が、歪な拘りで男と女の劇に執心し、実際映像に凝縮された内実のテンションもそっちが圧倒的なのだ。緒形と十朱の邂逅シーンの奇跡的達成と反するクライマックスのマグロ釣りのシ…
★★ 1984年5月3日(木) 梅田東映パラス 敵と1点相容れる要素のない完全無欠の対立軸上にこそ成立するハリーのキャラを安っぽくメロウな設定で御大自ら台無しにしてしまった。それが証文の出し遅れみたいな7年ぶりであり且つ又かのソンドラド真ん中となると最…
★★★ 1984年7月31日(火) コマシルバー ランディス篇がTV版の緩くも真っ当な再生だとしてもスピルバーグとダンテは勘違いとしか思えない。そんなガキ魂を一気にブッ飛ばすジョージ・ミラーの凝縮された暗黒の焔が圧倒的。端から結まで振り切れまくりでシリー…
★★★★★ 1984年9月9日(日) 友楽スカラ座 『アウトサイダー』の変奏曲とでも言う存在であることに意味がある。広角レンズや微速度撮影を駆使した甘味料ゼロのモノクロ世界に最果ての世界の孤高な男達が深海魚のようにたゆたう。それに拮抗してレインも又向かい…
★★ 1984年7月31日(火) コマシルバー どんなくだらない題材であろうと映画にして悪いわけではないのだが、くだらないならくだらないなりの身の振り方というものがあるわけで、馬鹿丸出しなら笑って済む。あっち側に行ききらないなら努力してでも馬鹿になれと…
★★ 1984年9月23日(日) ニューOS劇場 完全に干涸らびた題材を干涸らびた手法で撮るという敗残の趣さえ漂うフォシー末期の作。思えば『オール・ザット・ジャズ』が運の尽きだった。アレン位の才覚があったればと思うニクヴィスト起用も今更の趣で侘びしい。…