男の痰壺

映画の感想中心です

OUT

★★★★★ 2002年10月21日(月) 梅田ピカデリー1

誰もが一線を越えたいと思っているし越えてしまえるのだということ、そして、その後には刹那であるにせよ人は解放される。日本版『テルマ&ルイーズ』めいてもディテールの巧さがカバーし切る。原田は良くて当り前だが今更の倍賞と室井の巧さ。(cinemascape)

 

 

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喜劇 とんかつ一代

★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ

有機結合しないグダグダのエピソードの連鎖が大して面白くもない東宝の弛緩コメディアンによって綴られる。語るに目一杯で川島的ニヒリズムは埋没し馴れ合いの腐敗感さえ漂う。唯一は団令子。その色気だけはただ者じゃない。(cinemascape)

傷だらけの天使

★★★ 2002年10月25日(金)~26日(土) トビタ東映

腐れ縁の道行きが何にも転化せず腐れたままで終始するのが面白くなく、そういうのを描いた映画なのだとしてもダンディズムが不足。ガキ話に分量割きすぎで、感情移入の矛先も定まらぬしアナーキーでもない。そんな中三浦だけが辛うじて男節を奏でている。(cinemascape)

 

 

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リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス

★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田1

学生時代にリンダ・ロンシュタットのベスト版LPレコードを持っていて密かに聴いていた。そんなもん聴いてるのは恥ずかしいという思いがあったんでしょう。周りには言ったことはなかった。でも40年の時を経て、懐かしさ溺れてみたいとの衝動が湧き起こり映画館に行った。

 

半分満足して半分物足りなかった。

それは、この手のドキュメント作品によくある作り手の思惑が邪魔だという不満。ただひたすらに楽曲をライブシーンと合わせて聴いていたいという願いは切り貼りされたコラージュでは叶えられない。あらためてスコセッシの「シャイン・ア・ライト」はシュアだったと思う次第であった。

一方で、リンダ・ロンシュタットについて何も知らなかった俺は「あーそやったんかー」との思いもあった。ヴォーカリストとして天賦の才が自分にあるとは決して思わず、オールジャンルを熟せる小器用シンガーとして身を立てていくことに不断の努力を惜しまなかった。正しい自己判断と好きこそものの上手なれの実践がロック殿堂入りを成し遂げる偉業へとつながるのであります。

 

彼女の楽曲で好きなのは「ならず者」と「ダイスをころがせ」です。ってどっちもカバーなんですがね。前者はイーグルスがリンダのバックバンドやった時代の作。後者はミックが付き合ってたころ彼女のことを歌った曲らしい。カバー言うても彼女の人生と密接に関わってまんねんな。

雁の寺

★★★★ 1993年4月20日(火) サンポードアップルシアター

若尾と佐久間が2分した水上文学の初期映画化作中、楷書体の構築で吉村に強力な推進力で今井に分が悪い川島だが、暗澹たるルサンチマンが全開し村井のエッジの効いた撮影が補完する。その緊張感の持続と繋ぎのセンスは堪らない。(cinemascape)