男の痰壺

映画の感想中心です

モンキー・ビジネス

★★★ 2024年3月17日(日) プラネットプラスワン

驚愕させられるのはチンパンジーの演技なのだが最初の方しか出てきません。一体どんだけ熾烈な反復練習させたら、あの薬品調合のプロセスを習得できんねん。可哀想やわ。

とまあそれはさておき、企業の新薬開発部門のケーリー・グラントが日夜ノイローゼになるくらいに必死こいても出来ない若返り薬がチンパンくんのイタズラで出来ちまった。それを知らずに飲んじまったグラントの若返り騒動。となれば、次にどうなるかどころか最後のオチまで読めてしまいました。

 

【以下ネタバレです】

グラントの薬が切れて一段落ヤレヤレなのですが、今度は奥方のジンジャー・ロジャースがどんなかなーと飲んでみる。このロジャースの件がグラントのより面白い。落ち着いたご婦人だったのが、やにわにヒャッホーとノリノリで踊り出す。そりゃ彼女はアステア&ロジャースと謳われたミュージカルの女王だったわけですからダンスはキレキレっす。

 

主演デビューする前のマリリン・モンローがグラントの会社の社長秘書役で出てるのも嬉しいオマケで、やっぱ頭抜けて可愛い。まあ、例によってノータリンな役ですが。

 

というわけで、本作の見どころは、①チンパンくん ②モンロー ③ロジャースってどこでしょうか。他はさほどと思いました。

 

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ARGYLLE アーガイル

★★★★ 2024年3月14日(木) Tジョイ梅田4

予告篇の印象から「スーパーマンヘンリー・カヴィル主演のスパイもんくらいのイメージしかなかったが、いい意味で裏切られた。この予告篇のミスリード、ナイス。

 

【以下ネタバレです】

これは、冴えない大柄おばちゃんプライス・ダラス・ハワード(ロン・ハワードの娘らしい)と冴えないおっさんサム・ロックウェル(「スリー・ビルボード」の最低小物)の繰り広げるスパイ活劇で、「キングスメン」で形成されたマシュー・ヴォーンのキザイメージを好ましい方向に修正するものである。

 

「ロマンシング・ストーン」的な女流冒険作家が巻き込まれる冒険と「ロング・キス・グッドナイト」的に市井に埋もれて暮らす平凡な女性が実は記憶喪失のスーパー工作員

まあ、内容的には手垢のついたものではあるが手垢X2の組み合わせが功を奏して飽きさせない。合わせ技1本です。

 

マシュー・ヴォーンの刻印とも言える過剰が笑いに転化する殺陣が度を超したアホらしさに至る煙幕ダンスとアイススケート。まあ、さほどオモロくもないけど、やりたいんやったらご自由にでしょうか。猫がやたらフィーチャーされたらイヤやなと思ってましたがホドホドなのも良かった。

 

今回、最も驚いたのはサム・ロックウェルの良さで、こういった立ち役を味わい深くこなせるようになったんですね。素晴らしかった。

 

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イナゴの日

★★★★★ 1977年12月11日(日)  元映
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兎に角、嫌らしい奴と情けない奴しか出て来なく、悪が弱者を駆逐していく構図の先端に少年を配するという徹底振りが突き抜けている。スペクタキュラーな要素も織り込んでハリウッドへの憎悪を込めた退廃ムードが出色。(cinemascape)

ふきげんな過去

★★★ 2016年6月25日(土) テアトル梅田1

全篇狙ってる感が横溢し、だから?と心中呪詛を念じつつ見たが、こうまで徹底すると絶対映画に近づいたかもと思ったり。キョンキョン・ふみ共にダルさを精一杯表現するがどっか無理感がある中、脇を固める女たち4人が地に足ついた存在感でフォロー。 (cinemascape)

 

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破門 ふたりのヤクビョーガミ

★★★★ 2017年1月28日(土) 梅田ブルク7シアター3

まあ「ミナミの帝王」みたいな話で、ストーリーラインにさほど新味は無い。
シリーズを途中から見たような前置き無い展開が剛毅で好ましい。
 
関西系の役者に拘り、関西弁の丁々発止な台詞を朗々と詠ずる。
ちょっと、これが増村「曽根崎心中」を想起させる快感。
 
肉体破壊に躊躇もない。
刺すという行為が再三描かれる。
コードを越境したろという気概も感じられる。
 
続編がありそな気配濃厚だが、中途半端な役で終わった景子ちゃんをもっと主線にもってきてほしい。
ただひとつの心残りです。
 
ミナミの帝王』めいた話に新味は無いが前置き抜きの導入展開が剛毅だしネイティブ役者が関西弁の丁々発止な台詞を朗々と詠ずるのが増村映画を彷彿とさせる快感。肉体破壊に躊躇もなく刺すに拘る越境の気概。半端な役で終わった景子ちゃんが心残り。(cinemascape)

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち

★★★ 2016年10月8日(土) 新世界国際
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作為を排するにしても世界が未だ知らなかったという状況をもっと打ち出さないと衝撃は無い。プロデューサーとディレクターの対立も描かれるが証人喚問の開始とともに視聴率アップで済崩しになるあたり、その程度かとも思えてしまう。作り手の意見が無いのだ。(cinemascape)