男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【こ】

ゴジラ VS コング

★★★★ 2021年7月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ11 多分こんな感じにバカなんやろなという予想の半歩上をいく開き直りを感じる。そのバカの上乗せを大真面目にテンション保ってやってみせた挙句のこの感覚なんやろと思ったら、少年マンガのテイス…

コッポラの胡蝶の夢

★★★ 2009年2月26日(土) 梅田ガーデンシネマ1 語り口は壊れていないリンチみたいで悪くもないし、もともとコッポラは尖ったショットのアートフィルムが撮れる作家だと思っているのだが、どうにも老人の繰り言めいた話なので退屈なのだ。言語学というのも映…

小早川家の秋

★★★★ 1990年11月11日(日) 日劇シネマ 松竹帝国で忠臣に傅かれた絶対君主小津は東宝に乗り込んでも又役者を無機的なロボット化する。カメラも音楽も呑み込む力業とも言える恐るべき統一感だが、中心に座った中村鴈治郎が血を通わせ風穴を空けた。こういうコラ…

今年の恋

★★★★ 2021年5月23日(日) シネヌーヴォ 俺は木下恵介の描くプチブルが性に合わない人間で、彼の現代コメディが苦手なのだが、これはスピード感があって良かった。 他愛無いお話で、彼と彼女は一目惚れなのだが、思い込みと行き違いが重なって互いを牽制し合…

ゴー・ファースト 潜入捜査官

★★★★ 2009年10月24日(土) 新世界国際劇場 通常このジャンルで行われるであろう常套的サスペンスの醸成には制作者は殆ど関心を払わないので、平板な感が無くもないが、一方で即物的展開はドキュメンタルな興趣を呼ぶ。大したクラッシュも無いアウトバーンの…

こちら葛飾区亀有公園前派出所

★★★ 2009年11月21日(土) 日劇会館 麗子も本田も未だ居ないとしても市井の人情劇としてのバイタリズムの表現に増村的ハイテンションを深作的行って来い手法でブン回す前半はかなり良い。意味不明な婦警ストリップも了承するが終盤がタルいのだ。アホになら…

ゴールデン・チャイルド

★★★ 1987年3月14日(土) 友楽映劇 香港映画的場当たりさは悪くないが、単なる市井の子捜し屋が世界の命運を握る謀略を解決できるには、やはり何らかの整合性は欲しかった。ネパールの景観を贅沢に見せるハリウッド・コンセプトは吉。素直に金のかかった映画は…

今度は愛妻家

★★★★ 2010年1月18日(月) 梅田ブルク7シアター3 多くの仕掛けが機能もせずに現出する展開には正直新味は無い。が、この豊川・ひろ子の掛け合いの至宝とも言える役者力。全く惚れ惚れする空気の存在。そして、悔恨地獄の果てに、それでも人は生きていく…し…

(500)日のサマー

★★★★ 2010年1月23日(土) シネリーブル梅田2 時制の往還が意味あるとも思えず、弾け不足な似非ミュージカルも半端で、結局は身も蓋もない展開なのだが、兎に角乗りがいい。そして、主演2人。わけても大して可愛くない不思議ちゃんキャラのズーイー。彼女…

好色一代男

★★★ 2010年1月5日(火) 梅田ガーデンシネマ2 チャラな生き様が何時しか権力に抗しチャラだから命をも平気で賭す。そこにこそ全てを注いで物語を構築して欲しい。前半の世之介は不動のポリシーを持ってはいるが自己完結してる。解き放たれよ!と熱く説くの…

恋文

★★★★ 1986年2月8日(土) 観光会館地下劇場 この物語に全面的な共感を覚える訳ではないが、ある局面に対しての男と女の心理的葛藤を技巧を凝らした精緻さでしみじみと描き切ったものとして、ターニングポイントに至った後期神代の代表作と言えるのではないだろ…

恋するベーカリー

★★★★ 2010年2月25日(木) 梅田ブルク7シアター4 メリルとアレックの弛緩した肢体を晒すことへ何の躊躇いもない自信に激しく勇気づけられる。俺もそうありたい…まあ、機会も無いが。全篇手練れの余裕で心地よいが、主人公の揺れ惑う気持ちの帰するところは…

攻撃

★★★★ 1986年2月23日(日) 花月シネマ シナリオが設定した極限の駄目キャラエディ・アルバートに拮抗するパランスのオリジナルな役者力。『ヴェラクルス』から来し『北国の帝王』に至る男ガチ劇の線上で、しかし、外された感のある終盤。それが、詠嘆の作劇の…

ゴーストバスターズ

★★ 1986年1月19日(日) 大毎地下劇場 初見者が「全員集合」や「欽ドン」に感じるだろう約束事に依って立つ喜劇センスへの拒否感。サタデーナイトライブを使いこなすには迎合的なライトマンでは荷が重い。かといってお化けエフェクトも大したことない。万人受…

小間使の日記

★★★★ 1986年3月8日(土) SABホール 内向する変態フェチと抑圧下の少女愛が錯綜する田舎ブルジョワの混沌を掻き回す都会の冷気を纏ったヒロイン。そういう二項対立はモローの無表情と透徹されたモノクロ撮影の良さもあり格調さえも獲得する。しかし、後半は…

コマンドー

★★ 1986年2月11日(火) 友楽会館大劇場 キャメロンにせよマクティアナンにせよシュワが異形であることに意識的であるのに対し、レスターはと言えば、そーんなこと全然考えてる風でもなく、かと言ってアクション演出が斬新なわけでもない。前後の比較から気の…

コミック雑誌なんかいらない!

★★★ 1986年6月1日(日) 塚口ロマン 裕也自身のアイデアは最高だが、それでも神代・若松レベルの剛腕でないと当時の彼を使いこなせなかった。演出がお追従の域を出ず殆どの挿話が本人を出しただけに安住しており批評も無く皮肉さえも感じられない。たけしのシ…

コーラスライン

★★★ 1986年12月7日(日) 梅田ロキシー 下手なカットバックなんぞを使わない抑制感は買えるが、それなりにエッジの効いた連中が集まって、この程度のボヤけたもんにしかならないのは矢張りアッテンボローが老衰していたからだろう。ショウビズに浸った臭いに決…

極道記者2 馬券転生篇

★★★ 2010年5月26日(水) トビタ東映 1作目に比し濡れ場の充足度も博徒的ヒリヒリ感も減退したが、競馬場とその周辺の切ないまでの貧乏くさい臨場感が俺の郷愁を誘ってやまない。佐藤慶の余りに半端なキャラ設定や一ノ瀬やす子の無意味な踏ん張りも御愛敬か…

コットンクラブ

★★ 1985年3月21日(木) 観光会館地下劇場 暗黒と華やぎ。2重の重心が互いを相殺した。『ゴッドファーザー』のエッジの半値で『ワン・フロム・ザ・ハート』の実験性の8割引という廉価版複合体で、コッポラ神話にとどめを刺した。同系ジャンルの成功作には「…

告白

★★★★★ 2010年6月9日(水) TOHOシネマズ梅田1 現代の混沌と閉塞を論じるには終盤の安易とも言える解題的展開には疑問を覚えるが、一方で冴え渡る巧緻な技巧と詩情は絶頂の森田や市川準をも凌駕する。そして、浮上するトリアー的破壊神松たか子と反転し…

極道記者

★★★ 2010年4月24日(土) トビタ東映 題材も出来もニッチな置き去り感濃厚なのだが、やはり望月の描くベッドシーンはエロくて魅せる。又奥田瑛二の粘着体質に白竜・川上麻衣子の『凶暴につき』コンビが脇を締めて呼応し低位安定感を醸す様も見物である。(cin…

孤高のメス

★★★★★ 2010年6月12日(土) 梅田ブルク7シアター4 脳死肝移植の命題に患者救済の絶対信念に忠実な医師を配しただけでは作劇は完遂しない。夏川の設定の何たる慎みと真摯。切ないまでの想いは、やがて今1人の余の想いとシンクロする。石井映画の2人の「名…

コロンブス 永遠の海

★★★ 2010年6月22日(火) テアトル梅田2 さほど興味もない景勝巡りも、いざ行ってみれば強ち嫌でもなかったという既視感。オリヴェイラ本人はコロンブスに並々ならぬ興味があるだろうに、それを一切押しつける気も無さそうで、そのことにも充分自覚的らしい…

恋におちて

★★★ 1985年6月23日(日) 友楽スカラ座 私らこんなんもできるんですって声が聞こえそうな性格俳優たちの3役揃い踏み。肌理細やかな感情表現連発だが柄じゃない感が先に立つ。ベーシックなキャラクタリゼーションでミスった。行き場ないコンプレックスが研ぎ澄…

ゴダール・ソシアリスム

★★★ 2011年2月19日(土) 第七藝術劇場 世界の片隅で誰からも見向きもされぬ年寄りの繰言めいた能書きを垂れても、ゴダールだからと受け入れられてしまうのは役得でしかない。正直つまらんのだが、豪華客船の異世界的深遠を切り取るデジカメの色彩美とブロウ…

こむぎいろの天使

★★★★ 1983年6月11日(土) 東多田小学校講堂 演出に邪気が見受けられず淡々と、しかし滅法明るく清々しく展開していく物語に引き込まれる。数多の動物と少年の物語の中でも小雀という小さな庇護されるべき命を育むことで成長し得る少年の自我という構図がいい…

この愛のために撃て

★★★★ 2011年8月27日(土) 梅田ガーデンシネマ2 アクションとして健闘作だが今一歩の切れが無い。しかし、時流迎合なカメラブレと細切カッティングに依存せず、混沌の中で主線から逸れ敵味方に混在する端キャラの女たちの錯綜する視線のドラマを抽出する演…

ゴーストライター

★★★★ 2011年10月8日(土) シネリーブル梅田2 前半の元英首相が逗留する米国東岸の別邸での展開が図抜けていて、複数の人物の出入りと窓で隔絶された屋内外の舞台設定の錯綜を操るポランスキーの技は世界遺産級。だが中盤以降は展開に演出がやや従属か。不…

恋の罪

★★★ 2011年11月12日(土) シネリーブル梅田1 過去のトラウマに解を求めるようなことをやっては後退としか思えないし、禍々しいアナーキズムも所詮はバブル前のロマンポルノの形骸的トレースに見える。堕ちる堕ちないのグダグダが水野のドラマに侵食もしな…