男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【せ】

千姫と秀頼

★★★★ 2020年7月4日(土) 新世界東映 千姫と秀頼とあるが、秀頼は冒頭で消える。 がっつり千姫物語です。 歴史とか疎いので、千姫のこともよくは知りませんが、wikiとかで調べたのとはかなり違うみたい。 映画は概ね、千姫と5人の男との関わりにまつわ…

世代

★★★ 1982年8月14日(土) SABホール 物語を語るに精一杯であり、後のワイダに見られる西洋的なケレンが無さすぎる。例えばフェリーニの『青春群像』に後の豊穣を見出せないと同質であろうか…。表現手法に於いて全体的に生硬で単純すぎるのだ。(cinemascape)

007/危機一発

★★★ 2012年9月5日(水) TOHOシネマズ梅田10 東西冷戦下の暗号解読機争奪戦を放っぽらかし、スペクターの私怨が物語の根拠ではアホらし過ぎる。前半、イスタンブールの旅情感は良いが物語りは停滞。オリエント急行の長いシークェンスは流石だが緻密に…

戦争のはらわた

★★★ 1982年11月4日(木) トビタOS劇場 物語に於ける個と個の対決のエモーションの発露にアルドリッチ的世界の住人たらんとしても、屹立した個のダンディズムを至上命題とするペキンパーとはベクトルが違うのだ。だから、メリハリに欠ける物語が固執されるス…

007 スカイフォール

★★★ 2012年12月5日(水) MOVIXあまがさき6 非「007」的であることに活路を見出したクレイグバージョンを旧世代メンデスが引き戻した感が横溢。温く間延びした懐かしさもあるが、やっぱりダルいっす。情に流されアクション演出も大味で興を削ぐ。た…

1900年

★★★★ 1982年12月11日(土) 阪急プラザ 主人公の2人が狂言廻しではないにせよ弱い(デ・ニーロとドパルデューをもってしてもだ)ので前半のランカスターとヘイドンが舞台を去ってから構造の強固さが一気に緩む。5時間16分を長いとは思わなかったが…。(cine…

ゼロ・ダーク・サーティ

★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田8 「捕獲」でなく「殺し」に行くということの是非なぞビグローの念頭には無く、代わりに大穴プロジェクトを的中・成功させた女の子のサクセス譚として語られる。頑張った自分への感傷に涙されても正直シラける…

世界にひとつのプレイブック

★★★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田2 病み人たることからの帰還は済し崩しだが、ジェニファーのケツの据わった真っ直ぐ視線を受け、その純情を受け止める男冥利な桃源郷。ワイルダー『アパート』の男女逆転倒置の素晴らしい焼き直し。ラッセル…

千年の愉楽

★★★ 2013年3月15日(金) テアトル梅田1 神話的に撮られるしかないはずのサーガなのに、相変わらずにサクサク綴られ若松のやっちゃいました感に苦笑混じりに嘆息。高良の後家との絡みのエロスの片鱗に全盛期の今村級の追い込みを渇望した。血に纏わる物語な…

青春の門

★★★ 1981年2月8日(日) 梅田東映 文太・若山・渡瀬たちが織り成す東映任侠風味の前半が過不足無い安定感で見せ、上昇気流に乗った松坂も情念に母性が加味され良い。2人監督は明らかな時間的制約によるものとしても流石のプロ仕事だと思う。(cinemascape)

青春グラフィティ スニーカーぶる~す

★★★ 1981年2月25日(水) 伊丹グリーン劇場 たのきんは掛け値無くバカだったと思うが、バカも使いようであって陽のマッチに陰の俊ちゃんと絶妙な役柄とのマッチングの良さ。バカにしたもんでもない勢いは観客席を埋めた若い女の子たちの熱気にシンクロする。…

0課の女 赤い手錠

★★ 1981年6月3日(水) トーエイ伊丹 戦略的にエクスプロイテーションなわけでなく根っから品性が腐った感があるのは素晴らしいとも言えるのだが、所詮は野田幸男に気の利いた演出を望むべくもなく、その天然ぶりにシラけた笑いさえも消え入る。そういう意味で…

SAFE セイフ

★★★★ 2013年7月27日(土) トビタシネマ ロシアや中国のマフィアに拮抗する3枚目のカードが汚職警官ってのが新味で三つ巴の混沌感をいや増させている。とにかく殺戮への躊躇がなく好テンポで、アクション演出に於ける手持ち長廻しとズームダウンが高度に意…

戦争と人間 完結篇

★★★ 1981年8月7日(金) 日劇会館 三部作の中では一応見所が多い。ノモンハン事件の再現は必要だったのだろうし、当時の日活が成し得る最大限のスケールであったのだろうにしても、つまらない。終末へ向かっての激動の中、夏純子扮する中国人少女の生命力が一…

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう

★★★1981年6月21日(日) 池田中央第二映劇 俎上に乗せられたのが数多あるオムニバス形式イタリア製艶笑コメディだとは推測されるが、充分に咀嚼し再加工されて出てきたものとも思えない。要はパロディにもなってない。まともに見るなら大して笑えない。6話と…

戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河

★★ 1981年8月7日(金) 日劇会館 軍閥伍代家の悪の枢軸たる面々は後方に退き、良心派の人々の幾つもの「愛」のみに焦点を当て、それが又ステロタイプで且つ素通り的にしか描かれない。表層的に描かれる歴史事変は彼等を翻弄する機能しか持ち得ない。完全な中だ…

戦争と人間

★★★ 1981年8月7日(金) 日劇会館 同じ五味川原作でも東宝色強い『人間の條件』が文芸調なら日活のこれは講談。ハッタリ親爺薩夫節も新劇系の伍代ファミリーにはフィットしてもルリ子や英樹や裕次郎の明朗さとは合わない。大陸浪人の三國は突出した怪演。 (cin…

青春の蹉跌

★★★★ 2019年7月21日(日) シネヌーヴォ 出世の為にハイソなお嬢様と結婚することになって、付き合っている貧乏女が邪魔になる。 シオドア・ドライサーの昔から繰り返されている普遍的な設定でこれを石川達三が小説にした。 達三を読んだことはないのだが、…

ゼロ・グラビティ

★★★★★ 2013年12月28日(土) TOHOシネマズ梅田8 冒頭ワンショットで顛末を見せ切る手法は如何にもだとしても、以降、主人公が2度にわたり弧絶してしまう絶対絶望の表現。我が子への喪失トラウマを絡め黄泉からの誘いの安息を断ち、それでも生きる理由…

戦争の犬たち

★★ 1981年10月5日(月) 伊丹グリーン劇場 1人の「スパイ」や「暗殺者」が歴史の歯車を置き換えるというところにロマンがあるのに「傭兵」が主人公故に頭とお尻に在り来たりなドンパチがあり真中もポリティカルなロジックが窺えない。ただひたすらにウォーケ…

洗骨

★★★ 2019年2月13日(水) 大阪ステーションシティシネマ8 心のこもった良い映画だとは思う。 おそらくこれは、監督の照屋年之ことガレッジセールのゴリが実体験から導いた物語なのだろう。 洗骨ってのは沖縄に続く風習で、死んだ人を風葬にし4年後にまた、…

★★★★ 1980年7月4日(金) 毎日文化ホール クタール撮影のポップとも言えるまでの明晰極まる地中海の陽光の下で又寓意を篭めた仮想国の物語としながら伊映画のような暗黒政治へのプロテストが描かれたことが驚きでさえある。アンビバレンツな魅力に充ちている。…

007/ムーンレイカー

★★★ 1980年7月28日(月) 伊丹グリーン劇場 半端に宇宙という要素を加味したのが虻蜂取らずの浅薄さで、敵ジョーズを執拗にフィーチャーし続けるに至りギャグ映画へと転換する。ギルバートの取り組みは前作と違わぬ真面目な大構えなのに伝統的「スパイ映画」と…

1999年の夏休み

★★★ 2018年8月18日(土) シネリーブル梅田3 女性漫画家の描いた少年同士の愛憎。 っていえば典型的やおい系で、それに対して門外漢である俺はどうこう言うすべもないのだが…。 そもそも、女性がボーイズラブに興味を覚える心理は不可解である。 だって、自…

セッション

★★★★ 2015年4月27日(月) TOHOシネマズ梅田7 父親や恋人との関係性が放っぽられる腑に落ちなさが3転するクライマックスの怒涛の感情振幅に上塗りされまあええかとなる勢いは好ましい。理不尽な恫喝の釣瓶打ちにズル剥け指を絆創膏で抑えて尚飛び散る血飛…

世界崩壊の序曲

★ 1980年12月9日(火) 伊丹ローズ劇場 島の火山が噴火するだけだってのに「世界の終わり」とは腹が立つを通り越し山師アレンのハッタリに畏敬の念すら覚えてしまう。しかし、そこに「序曲」とつけざるを得ない配給業者の良心の呵責。その苦渋の選択に一抹の希…

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

★★★★ 2018年3月17日(土) シネリーブル梅田1 前作「ロブスター」は設定自体が捻りまくったものだったのだが、今作はそうではない。 ストーリーのみ見れば、これは至極まっとうなオカルト映画だ。 医療ミスってのも、恨まれる経緯としては在り来たり。 その…

全員死刑

★ 2017年11月23日(木) シネリーブル梅田2 原作未読だし小林勇貴監督の前作「孤高の遠吠」も未見であることを考慮しても、この映画はクズだ。 なんでも、撮る前に塩田明彦の「映画術」を読んだんだそうだが、いまさら、そんなん泥縄で読んでるような奴に撮…

戦艦ポチョムキン

★★★★ 1978年3月26日(日) SABホール フィルムに写し取った被写体が予め持つものだけが意味を持ち得た時代に、断片を組み合わせて意味を構築するという数百歩すすんだ発想。そして、オリジナルは伊達じゃない。教科書的な文法のみでは到底説明し切れない強…

関ヶ原

★★★ 2017年10月11日(水) 大阪ステーションシティシネマ12 駆け足にギュウ詰めに歴史のトピックを連ねていくのはコンセプトとしては有りだと思う。 喜八が「日本のいちばん長い日」で試みたのは正にそれであった。 それの再映画化を監督した原田監督の頭…