男の痰壺

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聖地✕

★★★★ 2021年11月22日(月) シアタス心斎橋1

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本作の原作戯曲を手がけた前川知大の先の映画化作「散歩する侵略者」と同等のモチーフがあるように感じた。それは、男と女の関係における表面の瘡蓋を外したあとに見えてくるものへの問いかけ。それは極めて真面目で真摯な想いだと思う。

それを、奇矯な設定を施してクローズアップさせるというのも同じだ。「侵略者」ではエイリアン(?)だったが、今回はドッペルゲンガーです。

 

モチーフは真摯だが、それが面白いか、或いは心を射られるような共感を呼び起こすかってのは別であって、その辺どこか生煮えな感じがする。ホラーとしてもコメディとしても、もう1歩届かない感じ。ここは、原作を大きく変えてしまっても分裂する薬丸翔のキャラを見る者がもうちょい肩よせできるものに書き換えた方が良かったのではなかろうか。

 

オリジナルシナリオによる「ビジランテ」以降、チャレンジングな題材で結果を出し続ける入江悠を俺は大きく評価している。今回も生煮えながらに見どころは多かった。

 

特にオール韓国ロケにした必然性はないのだが蓋然性は十二分にあった。この異郷感の心ざわめく肌触りは日本の地方都市が舞台では出ないと思います。

デマゴークに煽られた反日嫌韓の双方の感情がメディアにより更に増幅されそうな昨今、本作や濱口竜輔「ドライブ・マイ・カー」、石井裕也「アジアの天使」といった韓国ロケ作品が連続することの意味は何なのか。興味深い。

 

 

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